まさかの時のボードゲーム: Pathfinder Adventure Card Game 新版キャラクタカード

Core Set には 12 人のキャラクターが収録されている。Quick Start にはそのうち Lini, Seoni, Sajan, Amiri の 4 キャラクタが含まれている。

Seoni (ソーサラー)

カードを1枚捨てることで、戦闘チェックを 1d12 + 2d4 に変更できる能力をもつ。この能力のおかげで、手札に武器も呪文もなくても戦うことができる。しかも、Arcane 呪文カードは使った後に必ず Recharge チェックに成功できる能力も持っている。呪文カードが手札にあれば、デッキの枚数を減らさずに敵を攻撃できてしまう。いずれも強力な能力で、これらのおかげで戦闘に関しては無敵に近い。旧版では呪文カードが2枚しか持てなかったが、新版になって5枚も持てるようになり、戦闘に対してはかなり強化された。

一方で、戦闘や CHR や INT に関係するチェック以外には無力に弱い。手札が多いのに Armor カードが全く持てないため、うっかり大ダメージをくらってしまうと、大量の手札を捨てさせられて大変なことになることもある。デッキの先読みができる Harsk のようなキャラと組んだり、Detect Magic / Magic Eye のような先読みができる Arcane Spell を入れたり、Sleep / Confusion のような遭遇を回避する Arcane Spell を入れるなどの対策は必要になる。手札回復用に Heal できるキャラもいると安心度が上がる。

  • Arcane 呪文を使ったら、Recharge を忘れずに。Recharge はターンエンド時。
  • Arcane スキルは INT ではなくて CHR+2。

Lini (ドルイド)

手札に動物 (Ally) がいれば強いが、動物がいないと結構どうしようもないドルイド。旧版にあった、動物カードを見せるだけでチェックに +1d4 する激強能力が削除されてしまったので、動物がいてもかなり弱くなった印象はある。動物カードは Recharge した時にデッキをシャッフルできるので、連続して使っていっても手札に動物がそこそこ来る。なので、戦闘ではとにかく動物を Recharge して、戦闘チェックを 1d10+1d4+3 にしていくのだけど、Blessing 無しだと倒しきれないことも多い。武器があれば幾分マシだけど、武器枠が1しかないのと武器への習熟がないので、それほど期待はできない。

戦闘以外に関しても、前述の動物チート能力が削除されてしまったので、全体的に弱い感じになってしまった。動物がその部分を補ってくれたらいいのだけど、Core Set にいる動物は犬以外はややものたりない。そのため基本、呪文で何とかしないといけないのだけど、呪文の Recharge チェックが 1d10+3 なので、困難度が 8 以上なら確率 60% と少々心もとない。hero point で得られる一番下の能力を得ると、旧版と同等とはいかないもののチェック全般に対してはかなり強くなるので、この能力の獲得を最優先で目指したい。それまでは Cure を複数入れておいて、ヒーラー寄りに動くほうが動きやすいかもしれない。デッキをひたすらシャッフルするプレイがちょっと面倒だったりとか、ネガティブな要素が多い気がする Lini 君だけど、今後、動物カードが充実してきたら強くなるはず(たぶんきっと)。

Sajan (モンク)

手札の Blessing カードをリチャージしまくって好き放題するキャラクター。ステータスがまんべんなく 1d6 とか 1d8 と低い一方で、デッキの Blessing カードが 7 枚(デッキのほぼ半分)とかなり多い。しかも自分のチェックの時なら、Blessing カードを捨て札にする代わりに Recharge してよく、ひとつのチェックに Blessing カードを 1枚しか使えない制限も突破して 2 枚まで使える。戦闘時なら、Blessing カードがなくても任意のカードを Recharge すれば最低でも 1d8 +1d6 +2 (Acrobatics) にできる。

このように、手札さえあればやたら強い。しかし、手札がなくなるといきなり弱くなる。Armor カードが無いので、間違って大ダメージを受けた瞬間、いきなり瀕死になることがある。また、他キャラクタのチェックに Blessing を使うと、Recharge できなくてジリ貧になりやすい。捨て札に Blessing カードを落とさないことがとにかく重要だが、他キャラのサポートもするなら、捨て札からの回収手段を用意しておく必要がある。Heal できるキャラと組んだり、捨て札をデッキに戻すアイテムを持ったりすると、プレイが安定しやすい(気がする)。

Amiri (バーサーカー)

脳筋キャラに見えて、かなりの頭脳プレイが要求されるキャラクタ。とりあえず、戦闘に関しては十分に強い。仮に武器が手札に無くても、何でもいいからカードを bury するだけで 1d12 + 1d8 + 3 とかいうアホみたいな攻撃力になる。武器があれば、さらなる途方もない瞬間最大風力を得ることができ、ほとんどの Villain や Henchmen を夜空の星にすることができる。新版で Avenge (復讐) ルールが追加されたことによって、他のキャラが Hehchmen や Villain を討ち逃したとしても、Amiri さえ同じロケーションにいれば、カードを1枚犠牲に(bury)すれば Avenge で仕留めることができるようになった。

そして、三番目の「ターンエンドに移動できる。他のキャラを一緒に動かしても良い」という能力が地味に強い。基本の使い方は、Amiri をソロでいずれか location に置いておいて、探索したい location にはターン開始時に移動して探索し、終わったら元の location に戻るというもの。このようにすると、ターン開始時にペナルティのある location を探索する場合に、そのペナルティを回避することができる。Amiri がGuard しやすい location に常駐させた状態で、探索するときだけ別の location へ出張するみたいなこもできる。また、ターンエンドに味方のいる location に移動して、その味方のターンで出た villain や henchmen を倒し損なったときに Avenge するための保険となりつつ、自ターンにはまた別の location に移動して探索するみたいな運用もできる。

書いていくとキリがないけど、この Amiri のターンエンドの移動能力をうまく使うことで、地味ながら location の探索が楽になる。むしろ、この能力をうまく使えるかどうかが、Amiri を使えるかどうかにかかっていると言っても過言ではない(と思う)。

Valeros (ファイター)

PCAG (というかPathfinder全般)の基本キャラクタ4人衆のひとり。旧版と新版でかなり能力が変更されている。いずれも戦闘に特化された能力で、特化の度合いが旧版よりも強化された感じ。ひとつめの能力は、旧版で「無条件に同じ location にる他のキャラクタの戦闘チェックに +1d4 できる」能力だったのが、武器か防具カードを1枚 reload か recharge することで +1d4 する能力に変更されたもの。無条件で他キャラを支援できなくはなったのは痛いが、それでも他キャラの戦闘を支援できる能力はありがたい。Lini や Kyra のような、若干戦闘に不安のあるキャラクタに同行させると心強い。

二つ目の能力は Valeros 君の本領発揮といったところで、武器カードか防具カードを手札か捨て札からデッキに Recharge できる。これによって、武器や防具を捨てたときに得られる能力を気軽に使うことができる。たとえば Long Sword なら、見せるだけなら戦闘チェックは 1d10+1d8+2 だけど、捨てれば 1d10+2d8+2 まで持っていける。他キャラなら捨て札を回収できないから、使うのをためらうところだけど、Valeros 君は捨て札から回収できてしまうので、ほぼ気にせず使えてしまう。デッキを減らさずにダイスを追加できるというのはかなり強い。最後の能力は、敵に負けてもカードを1枚捨てることで再チャレンジできるというもの。これも新版で追加されたもの。カードを bury しなくて済む上に、捨て札が武器か防具なら2番目の能力で回収できるので、他キャラに比べるとかなり気軽に Avenge に挑戦できる。地味ながら有益な能力だと思う。

1番目と2番目の強力な支援能力があるのと、戦闘以外はあんまり得意ではないので、できるだけサポートが得意な他キャラクタと一緒に location を攻略させたい。

Ezren(ウィザード)

Pathfinder おなじみキャラその2。Arcane 呪文とデッキのカード操作が得意。旧版では条件によっては「ずっと俺のターン」みたいなことができたけど、さすがにマズイと思われたのか、新版では能力の発動条件が修正されてしまい、えんえんプレイみたいなことはできなくなった。とはいえ、location デッキや自分のデッキのトップを見る能力は便利で、うまく使えば location の探索をかなり有利に進めることができる。1番目の能力で spell を引き、2番目の能力でいらない spell をデッキに戻しつつ location のトップを見て対処を決めるというのが理想的。location のトップが Spell カードなら、2つ目の能力で1枚カードを捨てて(通常の遭遇とは別に)遭遇し、3つ目の能力で獲得しにいき、手札を減らすことなく location を掘り進めることもできる。

さらに Int が 1d12 とやたら高いので、戦闘用の Arcane 呪文でも最低で 1d12+1d4+2 の大ダメージ(高い目)を期待できる。その上、呪文カード (Magic trait) の Recharge チェックを高水準でできるため、Recovery の難易度が 9 くらいまでのカードなら気軽に使っていけるのが強い。その一方で、呪文カードが十分手元になかったり、遭遇したカードと呪文が噛みあわなかったりするとただの人になってしまうことがある。特に防御が紙なので、敵と手札の相性が合わないと、一撃でデッキを溶かされてしまいかねない。いざという時のためにも、回復やサポートができるキャラクタを同じ location に配置しておきたい。

Merisiel (ローグ)

Pathfinder おなじみキャラその3。戦闘能力もそこそこあり、罠の解除も得意、苦手な敵に会ってもささっと回避できたりと、何かと器用なおねいさん。ソロで location を探索している時なら、あらゆる遭遇を無条件で回避能力できる能力を持つため、ボスを一人で探索する任務に向いている。他 location が十分に封鎖できていない状態でボスを発見したら、「回避」することでボスを逃がさずにその location に留めておける。多少の敵は2番目と3番目の能力で倒すこともできるし、万が一危険な敵に遭遇しても無条件で回避できるので、死んでしまうこともない。

という感じで、いいことしかないように見えるけど、実際には戦闘すると攻撃力が少し足りないことが多い。また、罠以外のチェックはさほど得意ではなく、Fravore な Item カードは使える場面が限られているなどと、微妙に器用貧乏なところがある。死にはしなくても、カードの獲得はできず、敵も倒すことができず、ただ時間を浪費するだけみたいなことにもなりやすい。別の location からでもサポートができる、Harsk とか Sajan のようなキャラクタと一緒に使うといいような気がする。

Kyra (クレリック)

Pathfinder おなじみキャラその4にして、Heal 能力をもつ貴重なキャラクター。旧版では遭遇ステップを飛ばすことで Heal できたが、新版では Divine カードを1枚 Recharge することで Heal できる能力になった。一見すると使いにくくなったように見えるけど、キャラクタデッキの Blessing、Spell、Item のカードを全部 Divine にすれば、最大 11 枚が Divine カードになるので、ほぼターンこの能力は使える。また、捨て札を回収しつつ、手札の不要なカードをデッキに戻して手札を回せると思えば、旧版よりも能力は強化されたと言える。Cure を 1,2 枚デッキに入れておいて、Recovery に失敗したら Heal 能力でl Cure をデッキに戻すように動くと安定する。

一方で、Heal 能力以外には大した能力がない。1番目の Undead と Outsider に有利な能力も、条件が限られている割には +1d6 という微妙な能力で、あまり使える場面がない。武器への習熟がデフォルトでは無い上に Melee は 1d8+2 と微妙で、Divine 呪文は攻撃用ものがあまりないため、ちょっと強い敵に出会うと苦戦しがち。自己 Heal 前提で Blessing を使いまくるか、他キャラの戦闘をサポートする能力のある Valeros、Harsk、Sajan などと組んで探索させたい。

Harsk (レンジャー)

他キャラクターの戦闘を支援する能力と、location デッキの先読みができる能力が特徴的なキャラクター。旧版では他locationのキャラクタにしか支援できなかったのが、新版では同じlocationでも支援できるようになったので、あえてソロで探索する必要がなくなった。一方で Ranged スキルが 1d6+2 とかなり頼りなくなってしまった。STR は何故か 1d10 に大幅強化されたが、Melee スキルはないので近接武器はやや使いにくい。2番目の Bow/Axe に特典がつく能力を使えば 2d6+2 になるので、それを頼りに武器は Bow と Axe だけに絞って使うしかなさそう。

3番目の、無条件に location デッキのトップを見る能力は非常に強力。新版では1番目の能力の変更のおかげで、他のキャラクタと一緒に location を探索する機会も増えそうなので、この能力は以前にも増して役に立つはず。Harsk をプレイするなら、手順を全キャラの中で一番最初にしておいて、ターンエンドにカードを確認し、必要に応じて他のキャラを対処する(必要に応じて移動する)、というように運用すると探索の効率がかなりよくなる。戦闘チェック以外で対処する必要がある敵や、罠カードへの対処は苦手なので、それらに対処できるキャラクタと組ませたい。

Lem (バード)

支援に特化したキャラクタ。1番目の能力で、同じ location にいるキャラクタの戦闘以外のチェックに +1d4 できる。デッキ枚数を減らさずに支援できる能力は使い勝手がいい。2番目の能力の、捨て札から選んでデッキに戻せる能力も強力で、うまく使えば捨て札とデッキと手札の間でカードを回して、都合のいい手札を揃えることができる。ただし、初期状態では戦闘は支援できないのと、追加できるダイスが 1d4 なので、支援の力が十分とはいえない。キャラクタを育てて、戦闘の支援ができるようになりつつ追加ダイスが 1d6 になると、そこそこ使えるようになる気がする。

戦闘についてはかなり苦手で、Melee 武器は論外、弓を持たせても Ranged スキルがないので 1d8+弓となってしまい、少し強い敵に会えば苦戦は必至。呪文攻撃なら Arcane/Divine とも 1d10+1 あるので、それなりに攻撃はできるけど、攻撃呪文にカードを割り当てると支援に使える枠が減ってしまう。攻撃専科にするなら、最初から Seoni とか Ezren で行けばいじゃんみたいになってしまうので、別の路線を模索したいところ。デッキの先読みができるキャラと組むとか、Detect Magic などで自分で先読みするなどして、チェックに成功しそうなカードにだけ遭遇していくような工夫が必要な感じがする。

Seelah (パラディン)

モンスターを殴りつつ支援もでき、あらゆるチェックに対して最低 1d8 で挑めるというオールマイティなキャラクタ。Melee スキルが 1d10+2 あり、武器へも習熟しているので、そこそこ強い敵でも倒すことができる。Armor への習熟もあるので、ダメージに対してもある程度は対応できる。手札にカードが全くなくても、デッキのトップのカードを捨てることで、自分や同 location のキャラクタのチェックに 1d4 できる能力も強い。封鎖チェックなどで、最後のダメ押しが足りないときなどに重宝する。いざとなったら攻撃系の Divine 呪文でも十分なダメージを出せる。

という感じで万能ではあるんだけど、デッキのカードの枚数が、武器3、呪文3、防具2、Blessing 4、とバラけている上に手札が 4 枚なので、攻撃したいけど武器や呪文がないとか、ダメージ受けたけど防具がないという、手札と状況のミスマッチが起こりやすい。また、支援のためにデッキのトップカードを捨てたら、それが一番欲しいカードだった!みたいなことも良く起こる。捨て札の回収手段は何か用意しておきたい。Divine スキルがあるので自分で Cure で捨て札を回収したいところだけど、安定して Recovory できるほど Divine スキルが十分ではないのが悩ましいところ。

Fumbus (アルケミスト)

あまりよくわかってないキャラ。アイテムを呪文のように使って、Recovery で回収して使いまわしていくという感じの運用をするようだ。キャラクタカードだけ見てると、戦闘とかどうするんだろう感じなのだけど、Core Set には Nixious Bom とか Acid Frask のような、明かにこのキャラのためにデザインされた Recovory 付きのアイテムがあるので、こういうのをデッキに入れていくのだと思う。とはいえ、本領発揮となるのはカードを Recharge して +1d4 する能力と、3番目のチェックに +1d6 できる能力を取得してからという感じはする。それまでは、呪文と Ranged 武器でで何とかしていく感じだろうか。

ちなみに、Core Set だけだと Item カードの選択肢があまりない上に、このキャラ向けと思われるカードは数枚しかないので、このキャラを Core Set だけで遊ぶのは辛いかもしれない。Crimzon Throne の拡張セットには、このキャラクタのために作られたようなカードがいくつか用意されているので、それで初期デッキのアイテム枠6つを埋めることができる。そうすれば、多少は遊べるんじゃないかなあ。

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