まさかの時のボードゲーム: Android Netrunner

Android Netrunner は、サーバーを守る管理者(コーポレーション)と、サーバーから情報を盗み出そうとするハッカー(ランナー)が戦う、デッキ構築型の対戦カードゲームです。Magic the Gathering をはじめとする他の多くの TCG とは比べて、コーポレーションとランナーで使うカードの種類やプレイ方法が異なっていること、パックに入っているカードは常に同じ(ランダム封入ではない)という二つの点で大きく異なっています。

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このゲームは、カードをいかにうまく使っていくかという戦術的な面も勿論あるのですが、それ以上に「いかに相手の思惑を読み取るか」「相手の裏をかくか」という心理的な駆け引きの要素が強く、他の TCG とは趣きが違ったものになっています。

また、ランダム封入の TCG と違って、デッキを組むときにパックを買いまくったり、高額なシングルカードを買わなくてもいいという点では、その手のゲームよりプレイヤーの懐に優しいゲームになっています。

こうした一方で、

  • ルールがとても複雑。殴って殴られて、みたいな想像しやすいゲームでないため、直感的な理解がしにくい
  • 聞きなれないゲーム用語がたくさんある。ルールを日本語で聞いても、意味がわかりにくい
  • 陣営ごとに異なったプレイ方法やカードを覚える必要がある。つまり、覚えることが 2 倍ある
  • ルールが分かっても、どうプレイしていいか分からない。勝利条件がわかっても、そもそもどうやったら勝てるかが分かりにくい

などなど、初心者にとってはかなり敷居が高いゲームになっています。

というわけで、ここでは Android Netrunner についてのルール解説やプレイ例、カードの解説を行なっています。

ちなみに、英語版については 2015/8 時点で Core Set (基本セット) に加えて大型拡張セット 4 種と、小型拡張セット(data pack)が 24 種類発売されています。Core Set と大型セットは $30-40 くらい、小型セットは $10-13 くらいで amazon.com で売ってます。拡張セットは、おおむね一月に1セットくらいのペースで新しいセットが発売されていってます。

日本語版については、2016/2 にアークライトゲームズから発売されました。追加のカードとして、2015 World Chanpionship の優勝デッキがである「未来工学」(コーポレーション側)と「バレンシア」(ランナー側)が発売されています。また 2017 年にも同様に、2016 World Chanpionship の優勝デッキ「ウィザード」と「メッセージの支配」が発売されています。また、いくつかの Data Pack と大型拡張についても日本語版が発売される予定があるようです。

最初にプレイするときのデッキ選択について

ルールブックでは、最初のプレイに使うデッキとしてコーポレーション側は Jinteki、ランナー側は Shaper を使うことを推奨していますが、あくまでルールを理解する上で良い組合せだという意味です。おそらく、普通に初心者同士でプレイすると Jinteki 側が勝つのは難しいです。勝負になるという意味では、コーポレーション側は HB を使うことをオススメします (次点で Weyland)。ランナー側は Shaper で問題ないです (Anarch でも ok)。

初心者向けの、Core Set だけで作れるデッキについては、いくつか良いデッキが紹介されています。

なお、2017/8 の時点で日本語版で始めるなら、基本セットに加えて前述の「ウィザード」と「メッセージの支配」を買うのもありだと思います。優勝デッキをプレイするにはルールをしっかり覚え、カードの内容を理解する必要はありますが、基本デッキにはない強力なカードが入っているので、ゲームの奥深さが十分味わえると思います。

セット内のカードの枚数について

このゲームでは、デッキに入れられる同種のカードの枚数は 3 枚までとなっています。つまり、3 枚あればどんなデッキでも組めます。

それで、拡張用のデータパック(デラックスも含めて)については、すべてのカードが 3 枚ずつ入っているので、1 つ買えば 3 枚コンプできます。しかし、なぜか Core Set のみ 2 枚とか 1 枚しか入ってないカードがあるので、もし自力で 3 枚コンプを目指すなら、コアセットだけ 3 つ買う必要があります。



Android Netrunner カード適当評価

よく使われるカードと、個人的に気にいっているカードのみです。

  • Core Set
    • ID: Noise: Hacker Extraordinaire, Kate “Mac” McCaffrey: Digital Tinker, Haas-Bioroid: Engineering the Future, Jinteki: Personal Evolution
    • Program: Medium, Datasucker, Magnum Opus
    • Icebreaker: Corroder, Mimic, Gordian Blade, Yog.0
    • Hardware: Parasite, Grimoire, Desperado, Cyberfeeder
    • Resource: Wyldside, Aesop’s Pawnshop, Armitage Codebusting
    • Event: Sure Gamble, Account Siphon, Diesel, Archived Memories. Inside Job, Special Order, The Maker’s Eye
    • Agenda: Accelerated Beta Test, Nisei MK II, Breaking News, AstroScript Pilot Program
    • Asset: PAD Campaign, Adonis Campaign, Snare!
    • Ice: Enigma, Tollbooth, Ichi 1.0, Wall of Static
    • Operation: Hedge Fund, Biotic Labor
    • Upgrade: SanSan City Grid
  • Creation and Control
    • ID:
    • Program: Self-modifying Code, Atman
    • Icebreaker:
    • Hardware: Clone Chip
    • Resource: Daily Casts, Same Old Thing
    • Event: Dirty Laundry, Scavenge, Levy AR Lab Access
    • Agenda:
    • Asset:
    • Ice:
    • Operation:
    • Upgrade:
  • Honor and Profit
    • ID:
    • Program:
    • Icebreaker:
    • Hardware:
    • Resource:
    • Event: Legwork
    • Agenda: The Future Perfect
    • Asset: Mental Health Clinic
    • Ice:
    • Operation:
    • Upgrade:
  • Order and Chaos
    • ID: Valencia Estevez: The Angel of Cayambe
    • Program:
    • Icebreaker:
    • Hardware:
    • Resource:
    • Event: I’ve had worse
    • Agenda:
    • Asset:
    • Ice:
    • Operation:
    • Upgrade: Cyberdex Virus Suite
  • Data and Destiny
    • ID:
    • Program:
    • Icebreaker:
    • Hardware:
    • Resource:
    • Event:
    • Agenda: Global Food Initiative
    • Asset:
    • Ice: Assassin
    • Operation:
    • Upgrade:
  • The Genesis Cycle
    • ID: Jinteki: Replicating Perfection
    • Program:
    • Icebreaker:
    • Hardware: R&D Interface, Plascrete Carapace
    • Resource: Kati Jones, Scrubber
    • Event: Quality Time
    • Agenda: Project Beale, Project Vitruvius
    • Asset: Eve Campaign
    • Ice: Eli 1.0, Pop-up Window, Viper, Imp
    • Operation:
    • Upgrade: Ash 2X3ZB9CY
  • The Spin Cycle
    • ID: Near-Earth Hub: Broadcast Center
    • Program: D4v1d, Lamprey
    • Icebreaker:
    • Hardware: Prepaid VoicePAD
    • Resource:
    • Event: Blackmail
    • Agenda: NAPD Contract
    • Asset: Jackson Howard, Sundew
    • Ice: Himitu-Bako, Wraparound
    • Operation: Celebrity Gift, Sweeps Week
    • Upgrade: Caprice Nisei
  • The Lunar Cycle
    • ID:
    • Program: Cerberus “Lady” H1
    • Icebreaker:
    • Hardware: Astrolabe
    • Resource:
    • Event: Inject
    • Agenda:
    • Asset:
    • Ice: Architect
    • Operation:
    • Upgrade: Crisium Grid
  • The SanSan Cycle
    • ID:
    • Program: Street Peddler, Clot
    • Icebreaker: Faust
    • Hardware: Turntable
    • Resource: Adjusted Chronotype
    • Event:
    • Agenda:
    • Asset: Team Sponsorship
    • Ice: Turing
    • Operation:
    • Upgrade: Breaker Bay Grid
  • The Mumbad Cycle
    • ID:
    • Program:
    • Icebreaker:
    • Hardware:
    • Resource:
    • Event:
    • Agenda:
    • Asset:
    • Ice:
    • Operation:
    • Upgrade:

関連情報

  • Android: Netrunner The Card Game: メーカーのページです(英語)。拡張セットの情報や、各セットの販売(再販)状況を見ることができます。
  • Android:Netrunner.jp: ゲームの情報をまとめておられます。
  • 奇跡家分館:和訳ルールの部屋: Android Netrunner 他の日本語訳ルール、日本語シールを公開されています。
  • アンドロイド:ネットランナー Android:Netrunner : 「世界のボードゲーム」さんの紹介記事です。
  • OCTGN: カードゲームをオンラインでプレイできる Windows 用アプリです。プラグインに Android Netrunner があります(英語のみ)。卓游選科さんのページに導入方法や操作方法の説明があります。
  • Card Game DB: FFG が販売する LCG の準公式カードデータベースです。Android Netrunner については最新のセットまでカードデータがあり、カード検索機能や、デッキエディタなどが使えます。

日本語版は 2016 に発売されました。

英語版については、アメリカのアマゾン(amazon.com)から購入できます。