MML の皆様、研究員 K です。UAE のドバイやアブダビを経由してヨーロッパに行くとき、紛争地帯の近くを飛ぶか気になりますよね(多分)。
日本から UAE の間にはアフガニスタン、北朝鮮があるし、パキスタン、インド、中国の国境が確定していないあたりも飛びそうです。UAE からヨーロッパへ最短距離を飛ぼうとすると、間にイラク、シリア、ヨルダンといった国があります。
で、実際のところどうなのか、エティハド航空で成田→アブダビ→ドイツ(dusseldorf)という経路を往復乗ってみて、機内で航路マップを見てました。
成田(東京)からアブダビ
中国からミャンマーあたりを経由してインド洋に出て、そこからインドを横断して再びインド洋に出て、その後は直接アブダビに(海を通って)行きました。所要時間は12時間くらい。
アブダビからドイツ
サウジアラビアを横断してエジプト付近から地中海に出て、トルコの上空はとばずにギリシアの島々の上を通り、アドリア海からイタリア、オーストリアを経由してドイツに入る航路でした。
ドイツからアブダビ
ルーマニアあたりから黒海を縦断し、トルコの上空で西に旋回、シリアとイラクをぎりぎり避けて、イランの上空を通ってペルシア湾に抜ける経路でした。トルコ上空では、右側の窓からは、おそらくシリアやイラクと思われる地域が見えてました。
実際に航路は上のような感じです。
アブダビから成田(東京)
ペルシア湾からイラン上空を飛び、アフガニスタンには入らずにパキスタン上空をヒマラヤ山脈に向けて飛んでいきます。そこから中国に入って北京付近を通り、一度東シナ海に出て北朝鮮をさけて韓国上空を飛んで日本に向かう、といった感じでした。飛行時間は10時間弱です。
イランからパキスタンあたりの航路はこんなかんじ。
中国から日本まではこんな感じ。
ちなみに、2010年から2015年までの間にイラク、イラン、シリア、アフガニスタンといったあたりで民間機が攻撃されるような事件はおこってないようです。マレーシア航空の飛行機が撃墜される事件はありましたが、事件のあった場所はウクライナです。
事件とか事故についての詳細は下記をどうぞ。
注) 2015/10/31 にエジプトのシナイ半島でロシアの航空機が墜落するという事件がありました。今のところ原因は技術的な問題と見られているようですが、UAE の航空機などはシナイ半島を迂回することにしたそうです。
自分の乗る飛行機の航路が正確に知りたいという人は、下記のレーダーマップで便名を入力すると、航路を詳しく見られますよ。
こんな感じで、あぶないところは綺麗に避けてますね。これを見る限りでは、ドバイ経由のエミレーツ航空もだいたい同じ経路を通るみたいです。
以上、ご参考までに。航路が上の情報と変わってたり、実際乗ったら撃ち落とされました、ということがあっても、もちろん責任は持てませんよ!