まさかたの時のボードゲーム Gloomhaven [3] ラウンドのプレイ(後編)

前の記事の続き。


注:写真ではノーマル 1 の Guard がなぜか Living Bone のコマになってますが、こいつは Bandit Guard です。きっと途中で過労死して Living Bone に (見た目だけ) なったんだよ!


現在のマップ上の状況はこんな感じ。盗賊のアジトに侵入した Brute と Spellweaver は、侵入者に気がついた盗賊どもに囲まれて奮闘中、といった感じのところ。

第二ラウンドが開始されたので、プレイヤーは手札からそれぞれ 2 枚のアビリティカードを選んで場に出す。マップ上には三匹の Bandit Guard がいるため (Living Bone に見えるコマは Guard の間違いです!!)、Guard のアビリティデッキからもカードを一枚めくって出す。

出されたカードを見て、プレイヤーはリーディングカードを決める。Brute はイニシアチブ値が 15 の Shield Bash をリーディングカードとし、Spellweaver はイニシアチブ値が 7 の Mana Bolt をリーディングカードとした。Guard のアビリティカードのイニシアチブ値は 30 なので、このラウンドのプレイ順序は Spellweaver > Brute > Guard と決まった。

なお、ここまでのラウンドで、各プレイヤーは一番低いイニシアチブ値のカードをリーディングカードに指定しているが、あえて値の高いカードを選んで手番を後ろにするようなプレイもあり得る。たとえば、敵が遠くに離れているような場合は、先に敵に行動させて相手をこちらに近づかせてから、こちらは少ない移動だけで反撃するといったような戦術もありえる。また、すでにダメージを受けている状態で HP を回復するカードを使う場合に、先に敵に攻撃させてダメージを受けた後で、ヒールで大きく回復してダメージを受ける前より HP を増やす、といったようなプレイングも可能である。このように、イニシアチブ値が高いカードをリーディングカードにしたほうが良いケースもある。

Spellweaver のターン

このターン、Spellweaver はまず Fire Orbs の上段のアクションを使って、敵を攻撃することにした。上段には、次のアクションが書かれている。

– Attack 3 (Range 3, Target 3)
– Gain 1 for each enemy targeted.
– 炎のエレメンタルマーク
– ×マークのついたカードのマーク

一行目は、自分の位置から 3 マス以内の敵 3 体までに 3 ダメージ与えることを意味している。離れた敵を同時に 3 体も攻撃できるのは、非常に強力なアクションである。二行目は、このアクションで対象にした敵の数に等しいだけ、経験値を得られるというアクションである。三行目は、このアクションを実行したら、エレメンタル影響テーブルの「炎」のトークンを、一番右の欄に動かすという意味である。最後の×のついたカードのマークは、このアクションを実行したら、このカードは捨て札になるのではなく「破棄」することを意味している。破棄されたカードは二度と手札に戻らない。つまりこのアクションは、「シナリオ中に1回だけ使える」必殺技的なアクションというわけである。

(注: 破棄されたカードを手札に戻す方法もあるので、厳密に言うと1回しか使えないわけではないけど、戻す方法は極めて限られている。そのため「破棄」を求められるカードは、通常がゲーム中に1回しか使えないと考えてよい。)

さて、マップを見ると Spellweaver から 3 マス以内に、ノーマルの Guard が二体と、エリートの Guard が一体いる。こいつらをまとめて焼き払ってしまおうというのが、このターンの Spellweaver の作戦である。複数の敵を攻撃するときは、攻撃側が好きな順序で攻撃を行なってよい。Spellweaver のプレイヤーは、まずノーマル 1 の Guard を攻撃する。

攻撃修整カードは +0 だったので、ダメージは 3 になる。次にエリートを攻撃する。

攻撃修整カードは +0 だったけど、エリートは Shield 1 のせいで攻撃を受けたときのダメージは -1 されるので、エリートのダメージは 2 になる。

最後にノーマル 2 の Guard を攻撃する。修整カードはまたもや +0 だったので、ダメージは 3 になる。

これらの攻撃の結果、Guard のダメージトークンは、それぞれ下記のようになった。

– ノーマル 1 Guard: 5 → 8
– ノーマル 2 Guard: 2 → 5
– エリート Guard: 2 → 4

ノーマル 1 Guard は HP の 6 以上のダメージを受けたため、倒されたことになって盤面から除去される。ダメージトークンもスリーブから取り除いておく。他の二体はまだ HP を削り切れていないのでマップ上に残る。

モンスターが倒れた後のマスには、貨幣トークンを 1 つ置く(写真では置いてないけど)。このトークンは、Loot のアクションを使って拾うか、キャラクターが貨幣トークンのあるマスでターンを終了することで拾える。拾った貨幣トークンは、シナリオ終了時にシナリオレベルによって決まっているレートでゴールドに変換される。詳しい説明は省略するけど、つまりモンスターを倒せばゴールドが手に入る(拾う必要はある)。

そして、アビリティカードの2番目のアクションの「攻撃した対象の数だけ経験値を得る」によって、Spellweaver は経験値 3 を得る。

次の3行目のアクションは、エレメンタル影響テーブルの上にある「炎」のトークンを、一番右の列に移動させることを意味している。エレメンタル影響テーブルとは、下のようなボードの上に 6 種類のトークンが置かれたものである。

このエレメンタル影響テーブルは、現ラウンドにおける各エレメンタルの「強さ」を表していて、トークンが一番左にあるエレメンタルは影響が「ない」、中央の列にあるエレメンタルは影響が「弱い」、右の列にあるエレメンタルは影響が「強い」ことを意味している。炎のトークンは中央の列に移動すると、炎のエレメンタルは「強い」状態になる。

もしエレメンタルが「弱い」か「強い」の状態のときに、他に炎のエレメンタルを参照するアクション(例えば上の写真の Flame Strike のように、炎マークに×がついているアクションが書かれているアクション)があれば、そのマークに対応するアクションを使用できる(エレメンタルを「消費」するという)というものである。エレメンタルを「消費」すると、対応するトークンは左の列にひとつ動かされる。つまり、「弱い」にあるエレメンタルは1回しか「消費」できず、「強い」にあるエレメンルも 2 回しか使えないことを意味している。さらには、使う前の時点でエレメンタルを右に動かすカードを使っておく必要があるため、それなりに同種のエレメンタルを「強化」したり「消費」するカードが揃っていないと、エレメンタルに関係するカードは使用できない。エレメンタルについては他にもいろいろ制約があるけど、ちょっと複雑なのでここでは説明を割愛する。

最後に、×マークのついたカードアイコンのあるアクションをプレイしたので、この Fire Orbs のカードは「破棄」し、捨て札とは別のところに置く。この状態になったカードは、このシナリオの間は手札に戻ることはない。若干説明が長くなってしまったけど、強力なカードはいろいろな要素が詰めこまれているため、プレイするのに時間がかかることも多い。

さて、ようやく1枚目のアビリティカードのプレイが終わったので、Spellweaver のプレイヤーは続けてもう一枚のアビリティカード Mana Bolt の下段のアクションを実行する。ここには、次のアクションが書かれている。

– Heal 3 (Range 1)

これは、自分から1マス以内の味方の HP を 3 回復するという意味である。1マス以内なので、自分自身の HP も回復できるし、隣接している他のキャラクターを回復することもできる。今、Spellweaver はダメージを受けていないので、自身を回復することは意味がない。ダメージを受けている、隣接したマスにいる Brute の HP を回復することにする。

Brute のプレイヤーは、HP を 3 増やして 9 にする。これで Spellweaver のターンは終了し、次のターンに移る。

Brute のターン

Brute のプレイヤーは、Sweeping Blow の上段のアクションを実行することにした。

このカードは Attack 2 と書かれている横に、赤いマスとグレーのマスが描かれている。これは「自分がグレーのマスにいるとき、赤いマスにいる的すべてに Attack 2 する」ことを意味している。つまり、敵との位置関係をうまく調整すれば、このアクションで同時に 3 体までの敵を攻撃できることになる。

このラウンドの最初の時点では、ちょうどこのカードで三体攻撃できる位置関係にあったのだけど、Spellweaver の攻撃で一体倒したので、同時に攻撃できるのは二体になった。攻撃する順序はプレイヤーが自由に決められるので、まずエリートを攻撃して次にノーマルを攻撃することにした。

エリート攻撃のために、修整カードを1枚ひく。修整カードは -1 で、アクションの攻撃値は 2、なおかつエリートは Shield 1 を持っていて、攻撃を受けたときのダメージを -1 できるため、エリートに与えられるダメージは 0 となってしまった。

次にノーマル Guard を攻撃するために、修整カードを1枚ひいたところ、またしても -1 を引いてしまった。しかし、ノーマル Guard は Shield 1 がないので、1ダメージあたえることができる。

その結果、合計のダメージが 6 となって、マップ上からノーマル Guard は除去された。このマスにも貨幣トークンを 1 つ置く(この写真では置いてないけど…)。

少しマップ上がすっきりしたが、エリート Guard はなかなか強いのでまだ油断はできない。

つづいて、Brute は2枚目の Shield Bash の下段のアクションを実行する。このカードは、自身に Sheild 1 の効果をラウンド終了時まで付与してくれるものである。Sheild 1 は、敵から攻撃を受けたときに、ダメージを無条件で -1 してくれるもので、防御にとても役にたつ。エリート Guard はこの能力を常備しているせいでなかなかダメージを与えられず、未だにマップ上でしぶとく生き残っている。

なおこのカードは、ラウンドボーナスのマーク(リサイクルのようなマーク)がアクションに書かれているので、プレイしたあともラウンドが終わるまでは自分の場に置いておく。

エリート Guard のターン

プレイヤー側のターンが終わったところで、敵方はエリート Guard だけがマップ上に残っているので、エリート Guard がターンを実行する。

アビリティカードには Move +1、Attack -1 とあるので、エリート Guard は最初に移動をしてから次に攻撃をする…といっても、エリート Guard から見て「最も近い」敵は Brute であり、すでに Brute に隣接しているので、結果的にエリートは移動することなくその場に留まる。

次に Brute に対して攻撃を実行するため、攻撃修整カードを引く。引いたカードは +1 だった。エリートの攻撃値は 3 であり、アクションで攻撃 -1 され、さらに Brute の使った Shield Bash の効果で -1 されるため、Brute の受けるダメージ は 3+1-1-1 = 2 となる。

Brute の HP は 9-2 = 7 になる。

クリーンナップ

これですべてのキャラクタとモンスターが行動したので、このラウンドは終了になる。場に残っている Shield Bash は捨て札にし、攻撃修整カードなどもすべて捨て札の束に置く。

そして、エレメンタル影響テーブルにある炎のトークンを一つ左の欄に移動する。ラウンド終了時には、エレメンタルトークンは、すべてひとつずつ左の欄に移動させる必要がある。これがあるため、少人数でのプレイではエレメンタルを使うことが若干難しい感じがする。

いずれにしても、これでラウンドは終了になる。プレイヤーはいずれも「短い休息」を選択しなかったので、このまま次のラウンドを開始することになる。

ちなみに、このシナリオではあと 2 つの部屋が残っており、それぞれの部屋に 3 体程度のモンスターが配置されている。つまり、シナリオクリアの条件は「敵を全滅させる」なので、少なくともあと 7 体くらいは敵を倒す必要があるわけで、なかなかシビアである。最初の導入シナリオでこの難易度なので、ゲーム全体の難易度がどのくらいのものか、ある程度想像がつくと思う。

まとめ

ラウンドのプレイは、だいたいこんな感じで進んでいく。敵の行動はある程度予想ができるため、それを予想した上でカードをどのように効率よくプレイしていくかというところが重要なポイントになる。しかもどのカードをプレイするかは、プレイヤー間で相談してはいけないというルールがある。

ただし、具体的に使うカードの内容や数値を言ってはいけないだけで、ざっくりした内容は相談してもいい。たとえば「僕はこの Guard を攻撃するつもりだ」とか「私はあなたの HP をヒールするつもりだから、あんまり離れないでほしい」みたいな感じのことは言っても良いことになっている。実際問題として、プレイヤー間でしっかり連携しないとシナリオがクリアできない程度には難易度の高いゲームなので、カードをプレイする前に相談することはとても重要だと思う。

次の記事では、シナリオのプレイ以外の部分(キャンペーンプレイ、街での買い物、移動中に発生するイベント、レベルアップ、ランダムダンジョンなど)について少し説明する(多分)。

(つづく)
次の記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Time limit is exhausted. Please reload CAPTCHA.