まさかの時のボードゲーム Gloomhaven (5) 初期クラスと難易度

初期から使用できる 6 つのクラスのアビリティカードや特徴について、以下で少し紹介してみる。その後で、難易度についての所見を述べてみる。

Brute

見た目通りの肉体派クラスで、近接攻撃を得意とするいわゆる「戦士」的なクラス。近接攻撃で大きなダメージを与えたり、複数の敵にダメージを与えるアビリティカードを持ち、戦闘では中心的な働きをすることになる。HP も 10 と高めで、防御系のアビリティカードもあり、前線に出て敵の攻撃に多少は耐えることもできる。一方で、遠隔攻撃をしてくる敵には対抗手段が乏しい。移動速度も遅いため、遠隔攻撃を得意とする敵には的にされてしまうこともある。攻撃自体も、基本的にはダメージを与えて倒す以外の手段があまりないことから、単純に HP が多い敵や防御力の高い敵相手には苦戦することもある。

基本的に死ににくいため、とりあえず敵に近づいて殴るという分かりやすいプレイができる。レベル1のアビリティカードは全体的にシンプルであり、この手のゲームにあまり慣れていないプレイヤーでも扱いやすい(と思う)。

Spallweaver

遠隔攻撃を得意とする、いわゆる「魔法使い」的なクラス。複数の敵をまとめて焼き払ったり、エレメンタルの力を使って攻撃力を増強することができ上げるアビリティがあり、瞬間的な火力は高い。一方で、HP は 6 と少なめで、防御系のスキルも多くないため、前線で殴りあうことは得意ではない。また手札が 8 枚と少ないため、長期戦になると息切れしやすい傾向にある。後半は退場する前提で序盤に暴れ回るのか、力を温存してボス戦で頑張るのかといった、カードの使い方についての戦略は予め考えておく必要がある。

カードのイニシアチブ値はやや高めで、他のキャラクターや敵が動いてから最後にトドメを刺すような動きになりやすい。敵の攻撃にさらされない位置取りをしながら、効率よくカードを使って敵を倒していくという立ち回りが求めらる。また、経験値を得ようと思うとエレメンタルの状態を気にしながら戦う必要があったりするので、他のクラスに比べるとやや難易度が高いクラスという気はする。

Scoundrel

近接攻撃を得意としながらも高い移動力をもち、罠の解除、隠密行動、戦利品の回収能力なども備える、盗賊的なクラス。HP や移動力、手札の枚数などは平均的で、後半でもある程度の行動力を維持できる持久力をもつ。攻撃のアビリティ自体はシンプルなため、カードの選択に悩むことも少ない。ただし、味方が近くにいると攻撃力などが強化されるアクションが多く、単独で行動するよりも味方と歩調を合わせて行動したほうが力を発揮しやすい。戦闘に関しては、一撃離脱とか急降下爆撃的な動きが得意なクラス。

イニシアチブが低めのカードが多いことから、敵が動くよりも早くに数を倒してしまうことで、味方を有利な状況に導くことができる。一方で、味方との連携がうまくいかないと、戦場で孤立して袋叩きにあうことになる。他のクラスと比べて、味方との連携が重要なクラスである(と思う)。

Mindthief

味方を支援したり、有利な状況を作り出すことが得意なクラス。敵を操って同士打ちさせるスキルや、自分を継続的に強化するといった、独自のアクションももつ。相手を倒すこと自体はそれほど得意ではなく、HP も 6 と少ないほうなので、単独での行動はしにくい。個々のアクションは強力だが、アクションの多くに何らかの制約条件がついており、アクションの順序や移動する位置などはよく考える必要がある。

イニシアチブの値が低いカードが多いため、他のキャラクタに先駆けて行動することで、味方が有利に動ける状況を作りだせる。ただし Scoundrel とは異なり敵を倒すのではなく、行動不能にしたり操ったりするといったトリッキーな方法を使う。そのため、自分自身も味方も若干テクニカルな動きを要求される。

Cragheart

近接攻撃、遠隔攻撃、範囲攻撃など多彩な攻撃方法を持ちつつ、高い HP で前線に出て戦えるクラス。風のエレメンタルを自分で操作してアクションを強化することができ、カードをうまく使えば複数の敵に大きなダメージを与えることができる。障害物を操作するユニークな能力もあり、障害物を除去して敵の裏から回りこんだり、障害物を配置して敵を封鎖するといった、他のクラスではできない立ち回りもできる。一方で回復や防御系のアクションは少ないため、HP の高さを過信して前に出すぎると、あっけなく退場させられてしまうこともある。

全体的にイニシアチブの値が高いアビリティカードが多いことから、他のキャラクタが動いてからの行動になりやすい。味方の動きにあわせて、臨機応変に行動するスキルがプレイヤーに求められる(気がする)。

Tinkerer

ヒールや手札の回復、味方の攻撃力や防御力の強化といった、味方を支援するアクションをもつ、どちらかというと後方支援タイプのクラス。攻撃は遠隔攻撃が主だが、一度しか使えない必殺技的な攻撃カードか、繰り返し使えるが大きな威力はなく状態異常を付与する支援的なカードが多く、攻撃方法に若干の癖がある。高火力のカードで敵を倒すことは一応できるものの、それらを乱発すると手札が枯渇して支援ができなくなってしまう。カードの使いどころがやや難しいクラスではある。

HP は 6 と少なめな上に、防御系のアクションがほとんどないため、単独で行動するとすぐゲームから追放されてしまう。味方が行動した後から、その穴を埋めるように行動しつつも、敵からは攻撃を受けないで生き残ることが重要である(と思う)。

難易度の設定について

MML でいろいろ試した感じでは、シナリオレベルをやや低めに設定したほうが良いように思った。敵を早めに倒してしまってから、シナリオクリアになる前に貨幣の回収や経験値を得るカードを使うようにすると、結果的に難易度を少し上げるよりも経験値もゴールドも多く稼げる気がする。

経験値に関しては、敵を倒して経験値が得られるゲームではないので、敵を強くする意味があんまりない。ゴールドに関しては変換レートが上がるのでシナリオレベルを上げる意味はあるけど、敵が強くて戦いに余裕がないと、結果的にマネートークンを回収できなくてゴールドが手に入らなかったりする。

敵が弱いとおもしろくないと思うかもしれないけど、敵が減ってからシナリオクリアする間に「いかにうまくカードを使って経験値を稼ぐか」「残り少ないラウンドでいかに戦利品を集めるのか」「残り少ない手札で回収や経験値稼ぎとシナリオクリアをいかに両立させるのか」等々考えるのは、思った以上に楽しかったりする。皆でゴールド回収に夢中になっていると、残っている敵に思わぬ攻撃をくらったり、手札が足りなくなってクリアできないまま疲弊状態になったりする。敵との戦いというより、欲との戦いみたいになって、それはそれで面白い。もちろん、あんまりにも敵が弱いと萎えるのだけど、EASY 設定くらいでいけばそこまで敵も弱くなく、油断するとさっくりやられるので緊張感も保てると思う。

というわけで、MML 的には EASY プレイをお勧めしておく。もちろん、マゾいプレイが好きという諸氏には、その限りではない。

パーティ構成について

初期のシナリオでは Brute か Tinkerer のいずれかのクラスがいると、プレイが安定する感じがする。いずれも、他のキャラとの連携をあまり考えず単独で動くことができて、必殺技みたいなのをもっていて、敵を倒すだけならそれほど難しくない。Brute と組ませるなら 2 人目は Spellweaver, Mindthief あたり、Tinkerer と組むなら 2人目は Cragheart か Scoundrel がいいような気がする。もちろん、Brute + Tinkerer ならかなり安定する感じ。

MMLでは 2 人のときは Brute + Tinkerer か Cragheart と Spellweaver の二人組でプレイし、3人プレイをするときは Scoundrel か Mindtheif を追加, 4人のときは残りのクラスから追加、という感じにしていることが多い。

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