まさかの時のボードゲーム: テラミスティカ (Terra Mystica) ゲームの進め方編 (3)


  1. ゲーム準備編
  2. 勝利条件編
  3. ゲームの進め方編
  4. 勢力編

以下,まずターンはじめの処理について説明してから,各プレーヤがターン中に実行できる「アクション」について説明してみる.

最初のターンの前にやること

スタートプレーヤーから順に、プレイ順にボーナスカードを1人1枚ずつとる.誰も取らずに残ったカードには1コインずつ載せる.載せたコインは,次のターン以降にカードを取った人がもらえる.ここまでやったら,次の「ターンの開始」にやることをやる.

ターンの開始

各ターンごとに,以下の処理をする.まず,勢力ボードと,持っている恩恵カード,ボーナスカードに描かれている資源をもらう.勢力ボードでもらえる資源は,家や交易所などを建ててコマがなくなった跡の部分にかかれている.

例えば,この状態なら「4労働者」「7コイン」「3パワー」「1司教コマ」をもらえる.司祭以外のコマは必ずもらえるけど,司教コマについてはスタックに残りがないともらえない(スタックには最初,司祭コマは7個ある).もらえたコマは,自分のボードの上において「獲得した資源」であることがわかるようにする.資源は,ターンが終わっても次のターンに持ち越すことができる.

資源のうち,パワーのもらえ方はちょっと特殊で,コマ自体をもらうわけではない.パワーは左側の I, II, III と書かれた領域にある紫色のコマで表されていて,次のルールに従って使うことができるようになっている.

  1. III の領域にあるコマを I の領域に1個移動することで,1 パワー使える.
  2. 1 パワー得たときは,次のようにする.
    • I の領域にコマがあるときは,そこからコマを 1 つ II の領域に移動させる.
    • I の領域にコマがないときは,II の領域から III の領域に移動させる.
    • I, II ともコマがないときは何もしない.

例えば,上の状態で 3 パワー得た場合は,

このように,まず I の領域から 2 コマを II に動かして,そのあとで II から III に 1 コマ動かす.I に一コマもなくなってから,初めて II から III にコマを動かせる.

パワーを使うときは,III から I にコマを動かす.

2パワー使ったところ.III から 2 コマが I に移動されている.

III に十分なコマがなければ,パワーは使えない.ただし,アクションなどでパワーを得ることなく,II の領域から III の領域にコマを移動させることもできる.ただし,このときは II の領域からさらに 1 コマをボード外に置かないといけない.つまり,最低でも II の領域に 2 コマないと,II の領域にあるコマを使ってパワーを使うことはできない.

例えば,こんなかんじで III の領域に 2 コマしかないときに,どうしても 4 パワー使いたいときは・・・

このように,4 パワーのうち 2 コマを II から I に移動させて,なおかつ II から 2 コマをボード外に置くことで 2 パワー余計に使える.ただし,ボード外に置かれたコマは二度とボード上に戻らない.II の領域のコマを使うと,使えるパワーの上限そのものが減ってしまうことになる.

もうひとつ,パワー(や他の資源)はいつでも労働者,司祭,コインに変換することができる.これはアクションとは別に(自分の手番とは無関係に),いつでも変換することができる.変換レートは以下の通り.

  1. 5 パワーを1司祭に変換
  2. 3 パワーを1労働者に変換
  3. 1 パワーを1コインに変換
  4. 1 司祭を 1 労働者に変換
  5. 1 労働者を 1 コインに変換

変換表は III の領域の右側に書いてある.

アクションについて

このゲームは,先にも書いたようにターン制になっていて,プレーヤはターン中に「アクション」という単位でいろいろな行動をすることができる.プレーヤができるアクションは「パス」を含めて以下の 8 つ.

  1. 家を建てる(スコップで土地の変換をする).
  2. 建物を改築する.
  3. 司祭を使って教団ボードのマーカを進める.
  4. 船レベルを上げる.
  5. スコップレベルを上げる.
  6. アクショントークンを使ってゲームボード上のパワーアクションを実行する.
  7. アクショントークンを使って,ボーナスカード,恩恵カード,勢力ボードにあるアクションを実行する.
  8. パスする.

なかなか多いよね・・・.できるアクションは手番カードに図示はされてるけど,これだけ見てもわからない.

これが手番カード.

スタートプレーヤから順番に「アクション」をひとつ実行する.アクションというのは,要するに「自分の手番でできること」という意味.アクションを実行したら,手番が次のプレーヤに移る.他のプレーヤが全員パスしていない限り,ひとりのプレーヤが連続して二つ以上のアクションを実行することはできない.全員が「パス」すると,そこでターンが終わる.

家を建てる

上に描いたように,ゲーム開始の時点では,プレーヤーはいくつかの家をゲームボードの好きな場所(自分の地形であれば)に置ける.しかし,ゲーム開始後の各ターンでは,家を置くためには資源(とアクションという名の手番)を消費する必要がある.また,家が建てられる場所はきまっていて,自由に場所を選んで建てることはできない.

家を建てるときの大原則は以下の三つ.

  1. 自分の色のマスにだけ建てられる.
  2. 自分の建物に直接隣接したマスにだけ建てられる.
  3. すでに他の建物があるマスには建てられない.

例えば,自分の勢力の色が黄色なら,黄色(砂漠)マスにしか家は建てられず,緑色なら緑(森)のマスにしか建てられない,ということ.

でも,ゲームボードを見ると分かるように,上の図のように同じ色のマスが隣接している場所がない.そこで,スコップを使って「地形の変換」をすることで,ゲームボード上のマスの色を変えて家を建てられるようにする必要がある.

スコップは,勢力ボードの右側にあるスコップトラックの変換表に書かれている資源を払うと,使うことができる.例えばノマド(黄色)では,スコップレベルが 0 なら,スコップ1個あたり 3 労働者の資源を払うと,スコップを使うことができる.上の図のように,スコップレベルが 1 になっていれば,2 労働者でスコップが使える.スコップで,どの地形からどの地形に変換できるかは,各勢力の勢力ボードに書かれている.

この円形の表が変換テーブルになっていて,隣り合って描かれている地形には,スコップ1回で変換できる.ノマドの場合,赤や茶色からはスコップ1回で黄色に変換できる((勢力によっては,スコップを2回使わないと地形の変換ができないものもある)).しかし,灰色のマスを黄色にするにはスコップを2回使う必要がある.なお,地形の変換は必ずしも自分の色のマスに変換する必要はなく,他の色の地形に変換してもいい(もちろん自分の家は建てられないけど).灰色から黄色に変換したいと思っているのにスコップが足りないときは,今の手番でスコップ1回で茶色に変換するアクションを行い,次に回ってきた手番でさらにスコップ1回使って黄色に変換するアクションを実行する,ということをしてもいい.

スコップを使ったら,変換した後の地形を表す地形タイルを置く.上の図のように,今ある自分の建物の隣りのマスを,自分の色の地形に変換すると,家が建てられるようになる.

家を建てるには,地形の変換と同じように,家を建てるために必要な資源を払う.必要な資源は勢力ボードの家のコマを置いてある場所の左側に描かれている.ノマドの場合は,労働者1つと2コインで家を建てられる.家を建てるときは,家のコマを勢力ボードから取って,建てる地形のマスの上に置く.家を一度建ててしまうと,撤去したり移動することはできない.

家を建て見たところ.

こんなふうに,「1か所の地形を変換する」か「家を1つ建てる」か「1か所の地形を変換してその地形に1つ家を建てる」のいずれかが,ひとつのアクションになる.地形の変換だけしてアクションを終わってもいい.でも,1アクションで家を2つ建てることはできない.一方,地形の変換についてはちょっとややこしくて,1か所の地形を変換するためにスコップを2回使うことはできる.その場合,そこに家を1つ建てることはできる.でも,スコップ2個以上同時に入手して2か所以上を同時に変換しても,変換した地形のうちの1か所にしか家を建てることしかできない.

中央の建物の左右の土地を(何らかの方法で)2回スコップを使って変換して右に家を建てた場合,左側には(このアクションでは)建てられない.つまり,複数のマスの地形を変換しても,2か所以上のマスに1アクションで家を建てることはできない,ということ.1ターン中に,最初のアクションで地形を2か所変換して1つに家を建てておき,次に回ってきた手番で2回目のアクションとして,先に変換しておいた残りの地形マスに2つ目の家を建てる,ということことはできる.なかなかややこしいよね.

勢力によっては川のマスを(船レベルとは無関係に)飛ばしたり,そもそも隣接してないところに家を建てる能力のある勢力(ウィッチ)もあったりする.このあたりは,勢力ごとの説明のところで書く予定・・・

また,家を建てるマス(および地形を変換できるマス)は,自分の建物の隣りでないとダメという話をしているけど,この隣りというのは「間接的に隣接」していればいいということで,必ずしもマスが隣り合っていないといけないというわけじゃない.このあたりがまたちょっとややこしい.例えば,船レベルが1以上であれば,川のマスをひとつ無視することができるようになる.

こんなふうに,船レベルが1なら川のマスひとつを飛ばした向こうがわのマスに家を建てることもできる.船レベルが2なら,川のマス2つを飛ばすことができる.

また,橋を建てれば,橋の両側のマスはつながっている(直接隣接している)とみなされるようになるので・・・

こういうように家を建てることもできる.もちろん,いずれの場合も家を建てるマスは自分の色のマスでないといけない.色が違う場合は,スコップを使って先に地形を変換しておく必要がある.

最後に,家を建てようと思っても(建てるだけの資源があっても),家コマが勢力ボードになければ建てられない.家コマについては,後述の「建物の改築」をすると,勢力ボード上に戻ってくることもある.

以上,なかなかややこしいけど,要するに 1アクションで地形の変換はいくつでもできるけど,地形を複数変換した場合でも家については1アクションで家1つしか建てることはできないということ.

他人が建物を建てたことによるパワーの取得について

もし自分の建物が建っているマスの隣り(直接隣接しているマス)に,他のプレーヤが建物を建てたときは,建物のパワーに応じたパワーをもらうことができる.建物のパワーは勢力ボードに描いてあり,家は 1 ,交易所と神殿は 2,砦と聖域は 3 になっている.

このように,自分(黄色)の家の隣に他人(緑)が家を建てたときは,黄色は 1 パワーもらうことができる.ただし,タダでパワーがもらえるわけではなく,1パワーにつき1勝利点を払う必要がある.なので,パワーをもらわないこともできる.パワーをもらうと勝利点が 0 以下になる場合は,この方法ではパワーをもらうことができない.

建てられた家の周りに自分の建物が 2 つある場合は,2倍のパワーがもらえる.緑がこの位置に家を建てた場合は,黄色は 2 パワーもらえる.もらわない選択をしたときは,1パワーももらえない.半分の1パワーだけもらう,という選択をすることはできない.

自分の建物のパワーは関係なく,他の人が建てた建物のパワー値に,周囲の(自分の)建物の数を掛けた数のパワーがもらえる.上の場合は,家が建てられて,その周りに自分の(黄色の)建物が 2 つあるので,もらえるパワーは 1(家パワー1) x 2 (建物数2) = 2 となる.黄色の建物の種類には関係がない.

なお,パワーをもらえるのは,自分の建物に「直接隣接して」建てられた時だけになる.船レベルが1以上でも,川マスを隔てた向こうのマスに建てられた,他人の建物からはパワーをもらえない.ただし,橋でつながっているマスは「直接隣接している」ので,自分の建物があるマスと橋のでつながっているマスに他の人が建物を建てたときは,パワーをもらえる(そんなことはなかなか起こらない気がするけど・・・).

建物を改築する.

すでに自分の建物があるマスの建物を,よりグレードの高い(?)建物に改築することができる.改築できるパターンは決まっていて,家→交易所,交易所→砦,交易所→神殿,神殿→聖域の4通り.改築可能なパターンについては,勢力ボードの家コマなどがおいてあるあたりに矢印で書いてある.

改築するときは,改築コストを支払う.コストは勢力によって違ってたりする.たとえば,家を交易所に変換するには,ノマドの場合は 2 労働者と 6 コインを支払う.交易所から神殿にするには,2 労働者と 5 コインが必要になる.

改築したときは,改築前のコマを勢力ボード上に戻し,改築後のコマをボード上の(前の建物があったマスに)代わりに置く.勢力ボード上にコマがない建物に改築することはできない.たとえば,砦は1つ建ててしまうと2個目を建てることはできない.

神殿を建てたときと聖域を建てたときは,恩恵カードをもらうことができる.上の黄色い楕円形のものが恩恵カード.

何枚もらえるかは,上のように勢力ボードに描いてある(大抵は1枚).黄色の楕円で1と書いてあるところがそう.恩恵カードをもらったら,カードに書かれている教団マークの数だけ,教団ボードのコマを進める.恩恵カードの右側については,ターン最初にもらえる資源だったり,特別なアクションだったりする.これらについては,恩恵カードのところで説明する.

なお,他人が改築したときは,周囲のマスにある自分の建物の数と改築された建物の種類によって,パワーをもらうことができる.これについては,「家を建てる」のところで書いたので,ここでは書かない.

司祭を使って教団ボードのマーカを進める.

船レベルを上げる.

スコップレベルを上げる.

この三つは,勝利条件編で書いたのでここでは書かない.

アクショントークンを使ってゲームボード上のパワーアクションを実行する.

ゲームボードの下のところに,6つのパワーアクションがある.

こんなふに,それぞれパワーと資源が描かれている.このアクションを使うと,パワーを別の資源やスコップ,橋などに変換することができる.ただし,これらのアクションは1ターンに1回しか使えない.しかも,他の人に先に使われてしまうと,自分は使うことができない.

使うときは,上の絵の左側のようにアクショントークン(Xと書いてあるやつ)を資源やスコップが描かれた八角形のマスに置いて,すでにこのアクションを使ったということを示す.パワーアクションを使ったら,該当するパワーを支払って資源を受け取る.

橋を受け取った時は,好きなところに橋をかけていい.橋は,橋マークのついているところに架ける.マークのないところには架けられない.また,橋を一度架けたら撤去することはできない.橋は3つまで架けられる.4つ目は架けられない.

パワーアクションの実行には,手番を消費する.なので,パワーアクションでコインや司祭を得ても,すぐに他の何か(家を建てる,司祭コマを教団ボードに置く,など)をすることはできない.また,パワーアクションを1回の手番で2つ以上使うこともできない.

ただし,パワーアクションでスコップを得たときだけは例外で,もし得たスコップで自分の建物に隣接したマスを自分の色に変換した場合は,同じ手番内で家を1つ建てることもできる.スコップを2個得るアクションで2か所を変換した場合は,上のように家を建てられるのは1か所だけで,2か所建てることはできない.また,得たスコップを使わないでおいて,次の手番に持ち越すということはできない.使わないと,スコップは消えてしまう.

パワーアクションは他の人に使われると使えなくなるので,できるだけ早い手番のうちに(他のことをする前に)使ったほうがいいことが多い.

アクショントークンを使って,ボーナスカード,恩恵カード,勢力ボードにある特別アクションを実行する.

ボーナスカード,恩恵カード,勢力ボードに特別アクションが描かれているものがある.これらを使うにも手番を消費する.

このボーナスカードを持っている場合は,特別アクションを使うとスコップを1回使うことができる.この場合,パワーアクションでスコップを得た場合と同じで,変換した地形に(同じ手番のうちに)家を1つ建てることはできる.

この恩恵カードかボーナスカードの特別アクションを使うと,教団ボード上の自分のマーカを1つ(どの列でも)進めることができる.

勢力ボードの特別アクションについては,各勢力のところで説明する.

パスする.

何もできなくなったらパスできる.パスすると,このターンには自分の手番がまわってこなくなる.パスしたら,ボーナスカードを戻して,次のターンに使えるボーナスカードをもらう(自分が置いたカードは取れない.他人が置いたカードなら取れる).ボーナスカード上にコインがある場合は,そのコインももらえる.

ボーナスカードの裏面に巻物みたいな絵が描いてあったら,自分の建物コマの状態に応じた勝利点ボーナスがもらえる.

一番左は,ゲームボード上にある家コマx1点もらえる.右のカードは交易所x2点,中央のカードは砦があれば4点,聖域があれば4点,両方あれば8点もらえる.このターンに建てた数ではなくて,ボード上にあるすべての該当する建物の数を数える.

最後に,得点カードに描かれた教団ボーナスをもらえる.教団ボード上に置かれた自分のマーカの位置によって,資源をもらうことができる.得点カードは,1ターン目なら一番下のカードを,3ターン目なら下から3枚目のカードを見る.ターンが終了したら得点カードは裏返るので,今表を向いている一番下のカードを見たらいいことになる.

教団ボーナスは,たとえば一番左下のカードなら「白い教団(風の教団)の列2つにつき,1労働者もらえる」という意味になる.教団ボードの白(風)の列で4つ進んでたら,2労働者もらえる.8進んでいたら4労働者もらえる.

左上の場合,白色の教団(風の教団)4つにつき,スコップ1つをもらえる.8つ進んでいれば,スコップ2個もらえる.このスコップは,もらった直後に使わないと消えてしまう.しかも,このスコップで地形を変換しても,すぐに家を建てることはできない.なお,最後のターンだけは教団ボーナスはなくて,そのままターン終了(=ゲーム終了)になる.

もし,誰もパスしてない状態でパスすると,次のターンのスタートプレーヤーになれる(スタートプレーヤコマをもらう).((2番目にパスした場合は,現状ルールでは2番目に手番がくるプレーヤにはならないが,今後のルール追加でパスした順に手番がくるようになる,という話もあり))

全員パスしたらターン終了

全員パスしたら,ターンに対応する得点ボードをひっくり返す.そして,誰もとらなかったボーナスカードの上に1コインずつ置く.

ゲーム終了

最後のターンが終わったら,その時点でゲーム終了になる.ゲーム終了時の勝利点の加算については,「勝利条件編」で書いたので,ここでは省略.なお,ゲーム終了後に資源の変換をして,資源を全部コインに変えてから,コインによる勝利点をもらってもいい.

これでやっと 2/3 くらい?

というわけで,あとは勢力の説明したら終わりかな・・・

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Time limit is exhausted. Please reload CAPTCHA.