まさかの時のボードーゲーム: Dungeons and Dragons Boardgame (2) ゲームの進行

ヒーローフェイズ

さて、このゲームはターン制になっている。ターンは「ヒーローフェイズ」「探索フェイズ」「敵フェイズ」にわかれている。プレーヤーは自分のターンのヒーローフェイズに、移動と攻撃を以下のように組合せて行うことができる。

  • 移動してから攻撃する。
  • 攻撃してから移動する。
  • 2回移動する。

攻撃を2回することはできないし、移動中に攻撃する(移動して攻撃して、また移動する)こともできない。移動するときは、ヒーローカードに書かれた移動力(speed)の値だけ、マスを移動できる。マップの端で移動し終わると、次のマップタイルをそこに繋げることができる。これについては後でもうちょっと説明する。

移動

ヒーローカードに書かれた移動力(speed)の分だけ、マップの上を移動させることができる。

マップタイルは、下のように基本は 4×4 のマスで構成されている。

灰色のマスが通常の通路のマスで、このマスはヒーローは移動力 1 で移動できる。黒いマスは壁で、移動することはできない。この他に、移動できない障害物のマスや、宝箱などのアイテムが置かれるマスがある。

上のようにマップタイルが配置されているときに、青い位置に戦士がいるとすれば、黄色のマスが移動できる範囲を示している。黒いマスは壁で、このマスに移動することはできない。赤いマスは机や棺などの障害物で、ここにも移動できない。緑のマスはモンスター(敵)で、このマスも移動できない。水色のマスは味方のヒーローで、通過はできるけどマスの上で止まることはできない。2 回移動するときでも、1回目の移動の最後のマスにヒーローがいてはいけない。

図の A の部分は、敵や障害物の向こう側にあるので、移動することができない。一方で B の部分は、ヒーローを通過して移動することができる。C は壁と壁の角の向こう側にあり、このような場所には移動できない。一方で、モンスターに挟まれた角をすり抜けることはできる。D の位置はモンスターに挟まれた角を通過する必要があるけど、ここには移動することができる。またモンスターの周囲のマスでも、移動速度が落ちたり停止させられることはなく、通常通りの移動ができる (いわゆる ZOC みたいな概念はない)。

マップタイルの端を超えて、タイルの無い部分に移動することはできない。マップの端に止まったときは、「探索フェイズ」で次のマップタイルが置かれた後に(次のターンで)、先のタイルに移動できるようになる。

なお、特殊な移動ができるカードがいくつかある。また、シナリオによっては、特定の場所にくると別の場所に飛ぶ、みたいな特別ルールが用意されていることもある。移動動しおわった場所で、特別の行動ができることもある。たとえば、アイテムの置かれたマスの隣りで移動を終えると、ターン終了時にそのアイテムが手に入る、みたいな感じ。どこに止まると何が起こるかは、シナリオブックに書いてある。

モンスターへの攻撃

モンスターに対して近接攻撃(melee)したい時は、敵の隣りのマスにいる必要がある。下の図のように、斜めに隣接しているのでも良い。

モンスターに隣りあっていれば、手持ちのパワーカードを使って攻撃できる。

攻撃するときは、20 面体ダイスを振る。そして、出た数字に攻撃に使うカードに書かれている + の数字を足しあわせる。その数字の合計が、攻撃を加えるモンスターのアーマークラス(AC)以上になっていれば、パワーカードに書かれているだけのダメージを与えることができる。

さて、攻撃できるパワーカードには AT-WILL と DAILY という二種類のカードがある。DAILY というタプのカードは、修正値が大きかったり与えられるダメージが大きかったりするけど、使うときにはタップする必要がある(縦の状態のカードを横にすること。横になっているカードはタップできない)。一度タップされたカードは、自動的にアンタップされる(縦に戻される)ことはないので、ゲーム中に1回だけしか使えない(と思ったほうがいい)。一方で、AT-WILL カードは何度でも使える。ただし、威力はそこそこというものが多い。

攻撃するモンスターを指定し、使うカードを決めたら、20 面体ダイスを振る。

ダイスの結果は 5 であり、AT-WILL カード (Tide of Iron) の +8 の修整を加えると 13 になる。ここで攻撃しているモンスター(Kobold Skirmisher)の AC を見ると 13 となっている。

モンスターの AC と等しいか上まわれば攻撃は成功なので、ここでは攻撃に成功したことになる。ゴブリンは、AT-WILL カードに書かれている通り 1 ダメージを受けて HP が 0 となり、倒すことに成功したことになる。

倒したモンスターは、表向きにして一箇所に積んでおく。ここに積まれたカードは、あとで(共用の)経験値カードとして使える。たとえば Kobold Skirmisher の経験値は 1 なので、1 経験値カードとして使えるということになる。経験値は、レベルアップするときや、後述の「遭遇カード」を回避するために使える。

さらに、モンスターを倒したときには、トレジャーカードの山からカードを1枚引く。トレジャーカードは、継続的に恩恵を受けられるアイテムだったり、一時的に何かいいことが起こる内容だったりする。

アイテムの場合は、こんなふうに自分の前にオープン状態にして置く。アイテムは一度だけ使えるタイプものと、置いておけばずっと効果が発揮されるものがある、後者のアイテムは「アイテムを捨てろ」とか「アイテムは無効」というような効果を受けない限りは、ずっと効果を発揮しつづける。なお、アイテムは他のヒーローに渡すこともできる。ただし、渡せるのは手に入れた瞬間だけで、一度自分の場に出して出してしまったら他人に渡すことはできなくなる。

一時的な効果としては、たとえば「レベルアップできる」とか「HP をいくらか回復する」とか「カードを1枚アンタップする」みたいなものがある。この手のカードは、すぐに使って捨て札にする。使っても何の効果がなくても、強制的に使われてしまう。写真のカードは「1 HP 回復する。使ったパワーまたはアイテムカードを1枚までアンタップする」というもの。かなりいいカード。

ちなみにレベルアップは、戦闘のときに 20 の目が出たときにもできる。ただし、カードの効果でも 20 の目が出たときでも、5 経験値を払う必要がある。払えなければ、レベルアップはできない・・・。レベルアップできたら、ヒーローカードを裏向きにする。レベルアップした状態で 20 の目が出たときは、カードに書かれている効果が起こる。ちなみにファイターの場合は、クリティカルヒットになる。

少し戻るけど、攻撃によってモンスターの HP を削りきれなかったときは、モンスターはマップ上に残る。このとき、残りの HP を示すマーカをモンスターのフィギュアの脇に置いておく。

例えば、レイスは HP が 2 あるので、ダメージ 1 を与える攻撃に成功しても倒すことはできず、HP が 1 残った状態になる。このときは、1 HP と書かれたマーカーをレイスのフィギュアの横に付けておく。HP が 1 のレイスにさらに 1 ダメージ与えれば、倒すことができる。もちろん、最初から 2 ダメージ与えられるパワーカードを使って攻撃が成功すれば、一撃で倒すことができる。

ダイスの目が低くて攻撃が失敗したときは、特に何もおこらない(虚しくはなる・・・のは TRPG と同じ)。ただし、モンスターによっては、攻撃が当たらなかったときに反撃ダメージを与えてくるものもある。

ウィザードやレンジャーは、遠隔攻撃ができるパワーカードをもっている。遠隔攻撃は、自分のいるマップタイルから 3 タイル以内にいる敵を攻撃できる。3 マスじゃなくて 3 タイルなので、相当離れた場所にいる敵でも攻撃できるとおうこと。ただし、自分のいるタイルから見て斜め方向にあるタイルまでの距離は、1 ではなくて 2 と数える。また、自分のマスと敵のマス間に障害物や壁がない(視線が通っている)ことが、遠隔攻撃ができる条件になる。

この他に、複数の敵に同時にダメージを与えられるパワーカードもある。いわゆる範囲攻撃みたいなもの。

たとえば、Fighter はドラゴナムらしく、ドラゴンブレスを吐いて周囲の敵全員にダメージを与えるカードをもっている。この手のカードは強力だけどだいたいは DAILY カードなので、頻繁には使えなかったりする。

モンスターへの攻撃については、だいたいこんな感じ。モンスターからの反撃は「探索フェイズ」の後の「敵フェイズ」に実行される。なお、マップタイルの追加がない場合は、探索フェイズを飛ばして敵フェイズに進む。

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