まさかの時のボードゲーム: Warhammer Quest Adventure Card Game (2) ラウンド構成と戦闘

このゲームのラウンドは、次の 4 つのフェイズで構成されている。

  1. Hero フェイズ: 各プレイヤーがアクションを実行する。
  2. Enamy フェイズ: 敵の行動を解決する。
  3. Location フェイズ: ロケーションカードの内容を解決する。
  4. Peril フェイズ: ターンエンド時に起こる効果を解決する。

各プレイヤーはヒーロー フェイズを順番に実行し、そのあとのフェイズはプレイヤーの人数によらず1回ずつ実行する。

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ヒーローフェイズで実行できるアクションとして、戦闘、探索、休息、支援の4つのアクションがある。プレイヤーは実行したいアクションカードをタップすることで、アクションを実行できる。実際にどのような効果が起こるのかは、それぞれのカードに書かれている。実行するアクションは自由に選べるわけではなく、アンタップ状態のアクションカードだけを使用できる

また、各キャラクタは何らかの敵と「接敵」していることが多い。接敵状態で敵を倒さないままアクションを実行すると、敵から攻撃を受けてしまう。つまり、接敵している状態で敵を倒さないまま他の行動をしていると、敵から殴られ続けることになる。そうしたことを考慮しつつ、どのアクションを選ぶかを決める必要がある。


戦闘アクション

各キャラクタは、自分と「接敵」している敵に「戦闘」のアクションを選ぶことで、攻撃を加えることができる。「接敵」している敵は、自分のヒーローのすぐ前に表向きに置いて、接敵していることが分かるようにする。このゲームでは、ヒーローカードの前の場所を「接敵ゾーン」と呼び、このゾーンに敵カードが置かれていたら、その敵とは「接敵している」ものとして扱う。

攻撃の手順は、だいたい以下のような感じでおこなう。「だいたい」というのは、ヒーローによって手順が異なっている(カードの書かれている)ためなんだけど、大筋の手順は共通しているということ。

まず、戦闘のアクションカードをタップして、攻撃することを示す。当然ながら、すでにカードがタップされているときは、戦闘のアクションは選べない。

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これが攻撃のアクションカード。ヒーローによって、書かれているテキストがかなり違っている。

次に、攻撃する対象の敵を選ぶ。ヒーローによって、対象に選べる敵の条件が違っていたりする。攻撃する敵は、1体だけしか選べないヒーローもいれば、複数の敵を攻撃対象にできるヒーローもいる。

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これが敵カード。左の青い菱形に書かれて数値が「攻撃値」で、右の赤いマークに書かれた数値が敵の Health (HP) を示している。

攻撃する敵を決めたら、攻撃カードに書かれている数の白ダイスと、接敵している敵と同数の黒のダイスを振る。「敵の攻撃値と同数の黒ダイス」ではなく、現在ヒーローが接敵しているアンタップ状態の敵の数と同数の黒ダイスを振るというところが間違いやすい(ていうか、この記事の記述も最初間違ってたし)。つまり、1体の敵と接敵している(そしてアンタップ状態)ならば、敵を2対攻撃したとしても黒ダイスは(敵の攻撃値にかかわらず)ひとつであり、ひとつも接敵していない状態であれば、何体の敵を同時に攻撃しようとも黒ダイスはひとつも振らなくていい。

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ダイスを振った結果、白いダイスで出た斧と火花のマークの数だけ「成功ポイント」を得る。火花のマークが出たときは、成功ポイントを1つ得た上に、そのダイスをもうひとつ振りなおす。振りなおしたときに、さらに火花マークがでたら、再度成功ポイントを1つ得た上でダイスを振りなおす。こうして、火花マークが出なくなるまで振りなおす。

次に、黒いダイスを見る。「爪痕」のマークがあるときは、敵のカードにかかれている「攻撃値」と同数のダメージを受ける。黒ダイスを複数振ったときは、「爪痕」がひとつのときは「一番攻撃値の高い敵の攻撃値」のダメージを受け、2つあるときは「一番攻撃値の高い敵の攻撃値+二番目に高い攻撃値を持つ敵の攻撃値」分のダメージを受ける、という感じになる。ダメージの処理をするとき、白ダイスの「盾」のマークの数だけ、受けるダメージを軽減することができる。

黒いダイスに「悪魔」(Nemesis)のマークがあるときは、シナリオカードに書かれた効果を適用する。当然ながら、だいたいはヒーローにとってよくないことが起きる。

最後に、白いダイスを振って得た「成功ポイント」の数に等しいダメージを、攻撃した敵に割当てる(割り当てたダメージの数の負傷トークンを、敵カードの上に置く)。複数の敵を攻撃したときは、プレイヤーが割り振り方を任意に決められる。

戦闘の結果、負傷トークンが敵カードの Health の値を上回った場合は、敵は「倒された(defeated)」ことになり、捨札にする。ヒーローカードに Health 値以上の負傷トークンが置かれてしまったら、ヒーローは倒されたことになり、ゲームから除去される。もしすべてのヒーローが倒されてしまったら、大抵の場合はシナリオに敗北したことになる。

・・・とまあ、かなりざっくりしているけど、戦闘についてはだいたいこんなかんじ。うん、読みなおしてみたけど、かなり抽象的でわかりにくいね。というわけで、仕方ないので例を挙げて説明してみる。


戦闘の例

というわけで、実際に戦闘の例をあげて説明してみる。

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上のように、プレイヤーがヒーローの Warrior Priest を担当していて、今 Gaiant Wol という敵に「接敵」しているとする。このような状態で、Warrior Priest のプレイヤーのターンがまわってきたものとする。

まず、プレイヤーはアクションとして「攻撃」を選ぶ。このとき、自分の「攻撃カード」をタップ(横向きに)する。もしこのとき、攻撃カードがすでにタップ状態であれば、このラウンドに攻撃を選ぶことはできない。

次に、攻撃カードに書かれている項目(効果)を上から順番に実行していく。Warrior の「戦闘」のアクションカード (Righteous Fury) の場合は、以下のように書かれている。

  1. (追加で) 1 体の敵に接敵してもよい。
  2. 通常攻撃: 白ダイスx2。このアクションの前に、他のアクションカード1枚をタップすることで、追加の敵 1 体を攻撃対象とするとともに、成功ポイント 1 を得てもよい。

1番目の効果は、場に出ている任意の敵カードを1枚選んで、それに新たに「接敵」している状態にしてもよい、という効果である。「通常攻撃」を行なう場合、接敵していない敵を攻撃することはできない。つまり、このヒーローはどの敵にも接敵していない状態では攻撃ができない。ただし、その場合でも最初の効果を適用することで、敵を攻撃できる状態にすることができる、ということ。上のケースではすでに1体の敵に接敵しているので、この敵を「通常攻撃」することはできる。

なお、すでに 1 体以上の敵に接敵している場合でも、新たな敵を選んでそれを「接敵」状態にするとができる。このヒーローは、2番目の効果で同時に2体の敵に攻撃ができるので、2体以上接敵している状態にすることにも意味はある。ただし今回の戦闘の例では、新たな敵には接敵しないことを選んだものとする。ここまでで、1番目の効果の処理はおしまい。

1番目の効果の処理を終えたら、2番目の効果の処理をする。この、2番目の通常攻撃(ロール)の処理を行なう前に、攻撃する対象の敵を1体選ぶ。このとき「他のアクションカードを1枚タップすることで、攻撃する対象の敵をひとつ追加し、なおかつ成功ポイント1を(無条件で)得る。」という効果を適用して、2体目の敵を選んでもいい(選ばなくてもいい)。なお、今回の戦闘では、このヒーローは1体しか接敵していないので、敵を追加する効果は適用できない。

敵の選択をしたあと、実際に攻撃ダイスを振る。白ダイスは、攻撃カードに書かれているとおり2つ使用し、接敵しているアンタップ状態の敵の数は1体なので、黒ダイスをひとつ振る。

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ダイスを振ったところ、火花が1つ、盾が1つ、爪痕が1つという結果となった。クリティカルヒットを示す火花の目が出たので、「成功トークン」をひとつ受けとって「成功ポイントを1つ持っている」という状態を記憶しつつ、このダイスを再度振る。

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この結果、今度は斧マーク2つがある目が出た。これにより、成功ポイントが合計 3 つとなり、敵にあたえられるダメージの総数は 3 となった。ただし、敵にダメージを与えるまえに、敵からのダメージを受ける処理をする。

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黒ダイスの目は「爪痕」なので、敵の「攻撃値」である 2 に相当するダメージを受ける。ここで、白ダイスに「盾」の目がひとつあるため、受けるダメージは1 点軽減できる。その結果、ヒーローが受けるダメージは 1 点となり、負傷トークンひとつをヒーローの上に置く。

この後に、敵にダメージを与える処理をする。成功ポイントは 3 なので、敵に与えるダメージは 3 となる。負傷トークンを Giant Wolf に置くが、この敵の Health は 3 なので、敵は「倒された(Defeated)」状態となり捨札にする。


こんな感じで、戦闘のルールは結構ややこしい上に、カードの記述も曖昧なところがあり、どのように解釈するかはが結構難しい。MMLでは、公式 FAQ の記述や BGG 等のサイトで議論された内容に基づいて上記のように解釈しているけど、あくまで MML 的見解にすぎないので、間違っている可能性もある。

5月末6月に発売延期された日本語版のルールブックで、もう少し丁寧な説明が追記されてたらいいなあ・・・(遠い目)。

次の記事では、戦闘以外のアクションについて簡単に説明する予定。


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