まさかの時のボードゲーム: Warhammer Quest Adventure Card Game (5) プレイ例1

以下では、A Faul Stench というキャンペーンの最初のシナリオのプレイ例を通して、実際のプレイ方法について説明してみる。

シナリオのセッティング

このシナリオカードの、Setup のテキストに書かれた指示通りにセットアップする。
TierI のシナリオなので、ロケーションデッキや敵デッキににランダムに入れるカードは、TierI のカードから選ぶ。Gear デッキは 21 枚、Dungeon デッキも 21 枚にする。状態カードはそれぞれ 2 枚ずつ表向きに置く。Odius Grump という敵カードを Nemesis ゾーン(他のカードと区別できる場所)に表向きに置いておく。シナリオカードの Peril の一番左にマーカーを置く。

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プレイヤーは Warrior Priest と Blight Wizard の二人で、最初のパーティリーダー(先手番)は Warrior とする。ヒーローカードは、2人プレイ用のものを使う。2人プレイの場合、ヒーローは各ラウンドでアクティベーションされたときに、連続して2つのアクションを実行できる。

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パーティーリーダーを示すマーカーを Warrior Priest の横に置く。アクションカードは Basic のものを使う。

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最初のラウンドの前に、ロケーションカードを 1 枚めくる。これが最初に探索するロケーションになる。ロケーションカードにかかれている数だけ敵が場に出る(Spawnする)。

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このロケーションの場合、表向きに出る(spawn する)カードは 1 枚なので、enemy デッキから1枚めくってパーティーリーダーの Warrior の接敵ゾーンに置く。もし 2 枚以上 spawn するときは、2枚目は Wizard に接敵させ、3枚目は Warrior という順に接敵させる。裏向きに出す 3 枚のカードは、裏向きのままシャドウゾーンに置く。

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これでシナリオのセッティングは終わり。

ちなみに、このシナリオでは「ロケーション Gruml’s Sump を踏破したらプレイヤーの勝利」となり「全てのヒーローが打ち倒されたプレイヤーの敗北」になる。ロケーションデッキには 4 枚のカードがあり、Grump’s Sump は 4 枚目と決まっているので、4 ロケーションすべてを踏破したら勝利になるということ。

このシナリオでは「Odious Grump を倒したら、ロケーションに 4 つの進行トークンを置く」という特別ルールがある。Oduous Grump は、3ラウンド毎に出現するボスで、倒しても何度でも復活してくる。そのため、このボスを何とかしながら各ロケーションを踏破していくという感じになる。


ラウンド1: Warrior Hero フェイズ

最初のほうのラウンドだけ、詳しく流れを追って説明してみる。

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1アクション目:攻撃アクションを選んでタップする。

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アクションの最初の効果を使って、シャドウの敵1枚に接敵することにする。接敵した瞬間、カードを表に向ける。

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敵カードは Goblin Warrior だった。

次に攻撃ロールに移る。攻撃対象は、接敵している Orc Boy を選んだ。「攻撃」欄のとおり白ダイス 2 個を使い、接敵している敵が 2 体なので黒ダイス 2 個を振る。

振った結果は、斧3つ、爪痕1つだった。先に敵からの攻撃を行なう。Orc Boy が攻撃 2 と Goblin より高いので、Orc Boy から 2 ダメージうける。

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この戦闘では Gonlin は攻撃対象にはしていないけど、黒ダイスは「攻撃対象にした敵の数」ではなく「接敵している敵の数」だけ振るので、黒ダイスは 2 個になっている。ここは間違いやすいところ。

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こちらの 3 ダメージ(斧3個) は Orc Boy に全て与える。Orc Boy は耐性値が 1 あるので、1 ダメージひかれて、2ダメージが Orc Boy にいく。

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この結果 Orc Boy は倒されて捨札になる。Goblin は接敵状態のままで残る。これで「戦闘」アクション終わり。


2アクション目:2人プレイの場合は、ヒーローは2回連続でアクションができるので、Warrior は 2つ目のアクションとして休憩アクションを実行することにする。

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カードの最初の効果を使って、接敵している Goblin をタップする。

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2つめの効果の「休憩ロール」で白ダイスを1つ振る。Goblin が接敵しているけど、タップ状態なので黒ダイスは振らない。ロールして 1 がでたので 1 ダメージ回復させる(負傷トークンを1つ捨てる)。

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3つ目の効果で自分を Enpowered 状態にする。Empowered カードをもってきて、ヒーローカードの横におく。Empowered 状態になると、次に選ぶアクションカードはタップせずに使用できて、さらにロール時に「斧1,盾1」の目を追加できるようになる。ただし、1回使うと Empowered 状態は解除されて、このカード自体は元のストックに戻す。

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最後の効果で、全部のカードをアンタップしておく。 これで、Warrior のアクティベーションは終わったので、Wizard のアクティベーションに進む。

ラウンド1: Wizard Hero フェイズ

Wizard は、シャドウゾーンにいる2体の裏向きの敵を攻撃することにする。こうすることで、敵にダメージが与えられなくても、2体の敵の表を確認することはできる。

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まず攻撃カードの 1 つ目の効果で 1 ダメージうけて、対象を2体に増やす。

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2つ目の「攻撃ロール」を実行する。白ダイスは二つだけど、接敵している敵がいないので黒ダイスは振らない。ロールの結果は「斧2つ」だった。そこで、裏向きの敵2体に、ぞれぞれ1つずつダメージを与えることにする。

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このように、裏向きのカードにダメージが割り振られたら、その時点で表にむける。

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めくったカードは Ghoul, Night Goblin Archer という敵だった。両方とも Health が 2 のカードだったので、負傷トークンを 1 個ずつ置いてもそのまま生き残ってシャドウゾーンに残る。


2アクション目: 支援アクションを選ぶ。支援の対象は、自分は選べないので自動的に Worrior になる。支援ロールで白ダイス2つを振る。出た斧の目の数だけ、成功トークンを Warrior のヒーローカードの上に置ける。

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振った結果は「斧3つ」だったけど、成功トークンは2個までしかカードの上におけないので、Wizard のヒーローカードに成功トークンを 2 つおく。この、成功トークンの置ける数の制約については、ルールブックにしか書いてないので見落しやすいところ。

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2 つ目の効果は、支援対象のヒーローがアクションカードを1枚アンタップすることと、1ダメージ受けることで成功トークン1つを得ることできるというもの。でも、Warrior はタップ状態のアクションカードがないので、最初の効果は意味がない、ふたつめの効果についても、成功トークンがすでにカード上に2つあり、成功トークンは 2 つまでしかカード上に置いておけないので、この効果も使わないことにした。

これで Wizard のアクティベーションが終わり、ヒーローフェイズも終了になる。


ラウンド1: Enemy フェイズ

敵の行動の処理を行なう。パーティーリーダーである Warrior から、アクティベートできる敵すべてを順番にアクティベートしていく。

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まず、接敵している敵から確認していく。今 Goblin Warrior が接敵しているけど、これはタップしてるのでアクティベートされない。次にシャドウゾーンの敵を確認する。2体のアンタップ状態の敵がいるので、好きな順序でアクティベートしていく。

Warrior は Night Goblin Archer からまずアクティベートさせることにした。

  • Retreat: シャドウゾーンに移動するという行動だけど、すでにシャドウゾーンにいるので何もおこらない。
  • Inflict: 接敵しているヒーローに 1 ダメージ与えるけど、接敵していないので代わりに「アクティベートしたヒーローに」1ダメージ与える。つまり Warrior が 1 ダメージ受ける。
  • Inflict: 再度同じ処理をして、Warrior は再度 1 ダメージ受ける。

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こうして、Warrior は合計 2 ダメージうけて、Archer のアクティベーションを終了する。

次に Ghoul のアクティベーションを実行する。

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Disease: シャドウ状態のとき、アクティベーションをしたヒーローを sickness 状態にする。Warrior は Sickness のカードを受けとって、ヒーローカードの横に置く。これはアクションのロールの目について「斧-1」にする効果があるという嫌なもの。休憩することで取り除くことができる。

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Advance: Warrior の接敵ゾーンに移動して、接敵状態になる。接敵はするけど、ダメージは与えてこない。

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これで、Warrior がアクティベーションできる敵は他にいなくなった。Wizard については、接敵している敵がいないし、シャドウ状態の敵はすべてタップしているので、アクティベートできる敵がいない。

敵の行動がすべて終わったので、敵カードをすべてアンタップして敵フィエズを終了する。


ラウンド1: Location フェイズ

ロケーションカードに書かれているとおり、フェイズ終了時に、Warrior のアクションカードを1枚選んでタップする。ここでは、支援カードをタップすることにした。

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アクションカードは、このように何らかの効果でタップさせられることがある。アクションカードは自動的にアンタップされないので、何らかの理由ですべてのアクションカードがタップ状態にされてしまうとヒーローは事実上何もできなくなる。実際、すべてタップされるとほとんど負けに近いので、アクションカードのタップをするときは慎重に行なう必要がある。


ラウンド1: Peril フェイズ

シナリオカードの Peril マーカーをひとつ右にすすめる。マーカーの位置のマークが色付きではないので、このターンには何もおこらない。

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これで1ラウンド終了となり、パーティーリーダーのトークンを Wizard に渡す。次のラウンドは Wizard が先に手番を実行する。

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ラウンドの流れはこんな感じ。細かい処理が多いのと、カードテキストの内容がゲームの流れにかなり影響を与えるので、ひとつひとつの処理を注意深く進めないと、すぐにルールの適用を間違ってしまいそうになる。実際、上のプレイ例を作るだけでも、途中で何度もルールを確認しなおして、処理が間違っていることに気がついて 3 回くらい巻き戻しをしていたりする。

次の記事では、特にルールやカードテキストの適用で、間違いやすかったり解釈が難しい個別の項目について、メモ的に書いてみる予定。



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