MTG カード与太話: タルキール龍紀伝より「狩猟の統率者、スーラク」「ウギンの末裔」


狩猟の統率者、スーラク/Surrak, the Hunt Caller

色数、マナコスト、能力、レアリティなど、すべてにおいて一回り小さいスーラク君。昇進後(?)の 6/6 にくらべると、5/4 とサイズは少し小さい。このあと、熊を倒して 6/6 にパワーアップしたのか、6/6 になってから熊を倒して青氏ね氏ね団長「龍の爪」になったのか、どっちなのかは謎。

とりあえず (2)(緑)(緑) で 5/4 というサイズも最近ではそう珍しくなく、同じマナコストで 5/5 の 死橋の大巨虫/Deadbridge Goliath とか 世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater とかがいる。自身のパワーが 5 もあることを思えば、出した時にはだいたい速攻をつけられるとしても、このマナコストでこのスペックはどうだろう。伝説なので、1枚しか置けないのも気になる。はたして、リミテッド以外の活躍の場があるだろうか。


ウギンの末裔/Scion of Ugin

10 枚目の「末裔」(scion) カード。といっても、末裔という名前で何かシリーズがあるというわけでもない。「末裔」は、何かのシリーズ物の一種として登場するカードか、自然や概念などが具現化したもの(アバターとかエレメンタルとか)のいずれかであることが多いようだ。たとえばウーナの末裔/Scion of Oona妖精の女王、ウーナ/Oona, Queen of the Faeのシリーズカードのひとつで、カードの能力もウーナ(フェアリー)に関連している。一方で氷河の末裔/Scion of Glaciers闇の末裔/Scion of Darknessは後者のカードになっている。

このカードは前者のカードなわけだけど、精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragonからは「無色かつアーティファクトでも土地でもないドラゴン」という、他にない属性を受け継いでいるところは興味深い。エルドラージでもアーティファクトでも土地でもないクリーチャーで、無色のクリーチャーというのはこれまでに存在しなかった。能力的にもウギンとも関連していて、ウギンの1番目の能力をくらっても破壊されず、2番目の能力を X=10 とかでくらっても追放されない、というデザインはおもしろい。ウギンの目/Eye of Uginでサーチもできるけど、コスト削減効果が適用されないのは残念。「アーティファクトでも土地でもない無色のクリーチャー」というような表記だったらよかったのにね。

無色で 6 マナ 4/4 飛行という能力は新しくなく、過去に 黄金造りの歩哨/Gold-Forged Sentinelルーメングリッドのガーゴイル/Lumengrid Gargoyleといったのがいる。ただ、アーティファクトではないという点が、これらのカードに比べてメリットでもあり、デメリットにもなっている。この特性は、はたしてどう評価されるのだろうか。とにもかくにも唯一のカードで、後日とんでもない使い方が発生する可能性もあるし、長い目で見守ってみたい。

MTG カード与太話: タルキール龍紀伝より「火口の精霊」「突撃陣形」


火口の精霊/Crater Elemental

最初に出したときはタフネス 6 の壁だけど、中盤になったら 8/6 になって動きだし、いざというときは 4 点ダメージのクリーチャー除去になる、というなかなか面白いカード。単に面白いだけかと思ったら、下の突撃陣形/Assault Formationなんてカードが出た。タフネス高めの安いクリーチャーを並べるデッキを組めば、ブロック構築くらいでなら成績を残せる・・・かなあ。まあ、リミテッドなら普通に強いよね。


突撃陣形/Assault Formation

包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower をエンチャントにして、ローリング・ストーンズ/Rolling Stonesを混ぜて古参兵の武具師/Veteran Armorerの能力を繰り返し使えるようにしたようなエンチャント。これで 2 マナというのは、かなり安いんではなかろうか。結構なルール破壊カードのくせに軽いし、気軽にデッキに入れられるから、何かよからぬ悪さを引き起しそうな気がする。

とりあえず 解放の樹/Tree of Redemptionを実質 20/20 にして殴る、みたいなのはどうだろう。色が違うけど、普通に否定の壁/Wall of Denialとかでも良いか・・・と思ったら被覆だった。まあ壁デッキでなくても、たとえば秘密の計画/Secret Plansで裏向きのクリーチャーを実質 3/3 にする、みたいなタフネス強化カードと組合せるだけで結構強いかも。

MTG カード与太話: タルキール龍紀伝より「血顎の狂信者」「岸砕きの精霊」


血顎の狂信者/Blood-Chin Fanatic

一見して「不死なクリーチャーを投げまくったら楽しそう」と思ったカード。しかし、実は不死持ちの戦士がいなかった罠。うーん残念。じゃあ頑強でもいいやと思ったんだけど、憤怒焚きの巨人/Furystoke Giant汚れ背の匪賊/Scuzzback Maraudersも色が違うしずいぶん重かった。それくらいのことは開発もお見通しということか(注:考慮すらされてない気もする)。やはり普通に血に染まりし勇者/Bloodsoaked Championを投げまくる方向ですかね。4マナで4ライフ差なら悪くない。マナさえあれば、連続して使えるところも良い。さらに殴りも加えるられるなら、相当いけてる感じ。

一方、トークンを出す方向であれば マルドゥの急襲指揮者/Mardu Strike Leader あたりが実用の範囲っぽい。族樹の発動/Kin-Tree Invocationは血顎の狂信者がいれば最低でも 3/3 が出るはずだし、4 マナで 6 ライフ差はなかなか良い。ウルドのオベリスク/Obelisk of Urdを出せば何でも投げられるようになるけど、その前に勝ってる感じもする。

・・・なんて複雑なことを考えなくても、普通に戦士ウィニーなデッキに入れといて、3/3 で普通に殴ってみたり、ズルゴ君を投げてみたり、最後のダメ押し的に使うので十分強いよねきっと。


岸砕きの精霊/Blood-Chin Fanatic

青の、純粋なトリプルシンボルの生物としては、守護ウィザード/Patron Wizard に次ぐ 2 枚目(銀枠のCheatyfaceを入れたら3枚目)、混成マナも含めると夜帷の死霊/Nightveil Specterに次ぐ 7 枚目のカード。守護ウィザード/Patron Wizard が微妙だったのに対して、神話レアで颯爽と登場したこのカードが、何らかの成果を残せるのかが注目される(注:一部地方での話です)。普通に 夜帷の死霊/Nightveil Specter のほうが強い説もあるし、面白さではCheatyfaceに勝てない説もあるけど、そこは長い目で見守りたいところ。

カードとしては、いろいろ変な部分が多いカード。自分でブリンクして除去回避できるけど、戻ってきたら裏向きになる。裏を向いてるときは全く無防備で、普通に除去されてしまう。そして、普通は 3 マナで 3/3 で出るのに、表に向けるには 5 マナかかる。でも色マナは 1 つに減る上に、表に向けたら 4/4 とちょっと強くなる。さらに霊異種/AEtherlingのように、自分自身のパワーとタフネスを好きな比率で入れかえられる。なかなかに芸達者だよね。3 マナで出して 5/1 で殴れるなら、そう悪くはないかも。これで飛行があれば、ある程度使われると思うんだけど・・・。信心集めには使えるとしても、全体的に謎めいたこのスペックはどうなんだろう。変異とか予示を使って、何かすごいことができる予定なのかな。