まさかの時のボードゲーム: ガイアプロジェクト [3] アクション

このゲームは手番制で、プレイヤーが自分の手番が回ってきたときに、下記のアクションをひとつ実行できます。

  • [鉱山の建設] 新たな惑星に「鉱山」を建てる(入植する)。
  • [建物のアップグレード] すでに建設済みの「鉱山」をアップグレードして別の建物にする。
  • [ガイア惑星化] そのままでは入植できない惑星を、入植可能な惑星(ガイア惑星)に変える。
  • [同盟の設立] 建物が立っている複数の惑星をまとめて「同盟」を作る。
  • [技術の発展] 発展ボードの技術レベルを上昇させる。
  • [フリーアクション] パワーアクション/QICアクションを実行する。
  • [特別アクション] 自分の種族ボードや、取得したタイル上にあるアクションを実行する。

アクションを実行したら、次のプレイヤーに手番が回ります。もし何もできないときは「パス」することができます。全てのプレイヤーが「パス」したら、そのラウンドは終了となります。こうして、6ラウンド終了したらゲームは終了となり、勝利点を計算して勝者を決定します。

…さて、上記のいずれのアクションも「実行するための制約」があります。この制約が最初は非常に分かりにくく、自分は今、何のアクションができるのかということがそもそも分かりにくいです。その上、何かのアクションをするとアクションをトリガーとして発生する副作用みたいなのが沢山あって、慣れないとこの副作用の処理も(非常によく)忘れがちand/or間違いやすいです。いずれも、ルールブックをよーく読むと書いてはあるのですが、情報が各地に点在していてとてもとても分かりにくい(あくまで個人の感想です)ので、解読した結果を書いてみます。

以下、それおれのアクションについて個別の記事で説明していきます。

まさかの時のボードゲーム: ガイアプロジェクト [2] 勝利点を得る方法

前の記事の最後に書いたように、このゲームは宇宙の惑星を開拓していくゲームですが、ただ単に惑星に建設物を建てて勢力を広げるだけでは勝利点になりません。勝利点になるアクションを勝利点になるタイミングで実行することがとても重要になります。

何をしたら勝利点になるかは主に「得点ボード」の上に表示されています。

これが得点ボードです。得点ボードには2枚の「最終スコア計算タイル」と、6枚の「ラウンド得点計算タイル」が置かれています。基本的には、これらのタイルに書いてある条件を満たすようにアクションを行なうことで、勝利点が得られます。

得点ボードを含め、勝利点の獲得に関わる要素は以下の7つあります。

  1. 最終スコア計算タイル
  2. ラウンド得点計算タイル
  3. ラウンドブースター
  4. 同盟タイル
  5. 技術タイル
  6. 技術レベル (レベル3で4点、4で8点、5で12点)
  7. 資源の勝利点への変換 (3資源で1点)

これらの項目にについて、順番に説明してみます。

「最終スコア計算タイル」はそのゲームでの行動目標

「最終スコア計算タイル」は、ゲームが終了したときに「一番 xx した人が 18 点、二位は 12 点、三位は 6 点もらえる」ということを示しています。

上の写真の場合は、A のタイルが「最も多くの建物を建てた人」がゲーム終了時に 18 点もらえ、二番目の人は 12 点もらえ、三番目の人は 6 点もらることを示しています。一位を目指すためには、積極的に惑星に建物を建てていく(入植していく)必要があります。

B のタイルは「最も多くの「ガイア惑星」に建物を建てた人」が18点もらえ、以下二位は12点、三位は6点という感じです。

「ガイア惑星」というのは、星域ボードにある緑色の惑星のことで、ここに建物を建てるには通常とは違う手順を踏む必要があります。また、紫色をした「次元横断惑星」を改造することでガイア惑星を作ることもできます。改造で作ったガイア惑星に建物を建てたときも、このタイルで言うところの「ガイア惑星」に数えられます。このタイルがあることで、プレイヤーは他の惑星よりもガイア惑星に積極的に入植することを考えるようになります。

このように「最終スコア計算タイル」は、プレイヤーがそのゲーム中で何を目刺して開拓をするかという、目標を設定するような役割があります。もちろん、これ以外の方法でも勝利点は得られるので、あえてこれらの目標を目指さないという戦略もあり得ます。いずれにしても、ゲームの方向性を決定する要素ではあります。

「最終スコア計算タイル」は6種類あり、ゲーム開始前にランダムに2枚選んで得点ボードに置きます
。つまり、ゲームをするたびに「そのゲームで何を目指して開拓するのか」ということが変わるということです。6つの最終スコア計算タイルの具体的な内容は以下の通りです。

  • 最も多くの建物を建てた人
  • 最も多くの種類の惑星に建物を建てた人
  • ひとつの「同盟」に含まれる建物の数が最も多い人
  • 最も多くの「ガイア惑星」に建物を建てた人
  • 最も多くの「星域」に建物を建てた人
  • 最も多くの「衛星」を作った人

タイルの内容については、この記事では細かく説明しません。いずれのタイルでも、一位を取ろうとするならば、それを強く意識してプレイする必要があります。

例を挙げて説明してみます。

3人でプレイしていて、ゲーム終了時点に上のような盤面になっていたとしましょう。

このとき、最終スコア計算タイルに「最も多くの建物を建てた人」がある場合は、上の写真のように黄色が13個、青が12個、赤が10個なので、黄色が18点、青が12点、赤が6点もらえます。

「最も多くの「ガイア惑星」に建物を建てた人」のタイルがあるなら、上のように青が4個、黄色が3個、赤が2個なので、青が18点、黄色が12点、赤が6点もらえます。

「最も多くの「衛星」を作った人」なら上のようになります。「衛星」というのは、複数の惑星をつなげて「同盟」を作るときに建設する必要があるもので、建築物には数えられません。

「最も多くの種類の惑星に建物を建てた人」ならこんな感じです。

このように、置かれている「最終スコア計算タイル」によって、プレイヤーの得点は全く変わってくるわけです。

「ラウンド得点計算タイル」はラウンドごとの行動目標

「最終スコア計算タイル」とは別に、各ラウンドごとのプレイ目標の決定を左右する「ラウンド得点計算タイル」というものがあります。このゲームでは、6ラウンドのプレイが終了した時点でゲームが終わります。「ラウンド得点計算タイル」には、それぞれのラウンドでどんなアクションをすると勝利点がもらえるかが書かれています。

「ラウンド得点計算タイル」は、得点ボードの上に円弧状に並べて置かれています。奥から1ラウンド目のタイル、2ラウンド目のタイルとなっていて、一番手前が最後の6ラウンド目のタイルです。各タイルには、そのラウンドのみ有効な勝利点の獲得方法が書かれています。

たとえば上の写真では、勝利点がもらえる条件は次のようになっています。(それぞれ内容については、別の記事で詳しく説明します)

  • 第一ラウンド: 鉱山を建てたら2勝利点を得る。
  • 第二ラウンド: 惑星首府か学院を建てたら5勝利点得る。
  • 第三ラウンド: ガイア惑星に鉱山を建てたら4勝利点得る。
  • 第四ラウンド: 交易所を建てたら4勝利点得る。
  • 第五ラウンド: 技術レベルをひとつ上げたら2勝利点得る。
  • 第六ラウンド: 惑星の環境を一段階改造したら 2 勝利点得る。

「最終スコア計算タイル」とは違って、ラウンドの途中に「自分がしたこと」がトリガーとなって勝利点が発生します。そのため、ひとつのラウンドの間にこのタイルで何度も勝利点を得るというもありえます。たとえば、第一ラウンドの間に2回鉱山を建てたプレイヤーは、4勝利点 (2勝利点x2回) もらえます。

「ラウンド得点計算タイル」は、うまく利用すれば多くの勝利点を得ることもできます。しかし、このタイルで勝利点を得ることにこだわりすぎると、後続のラウンドで開拓がうまく続かずに得点が伸びない、ということはよくあります。「最終スコア計算タイル」と「ラウンド得点計算タイル」が噛みあわないことも多く、どちらかでの得点を目指すと、もう一方では得点しにくくなるということもよくあります。そのため、どのタイル(ラウンド)で得点していくのかということをゲーム開始時点で計画しておき、それに向けて開拓を進めていくというような、計画的なプレイが必要になります。

なお。「ラウンド得点計算タイル」で勝利点がもらえるのは、あくまで自分の手番中だけで、他のプレイヤーの手番中に他のプレイヤーがやったことでは勝利点はもらえません。

ラウンドブースターによる得点

ラウンドブースターは、上の写真のように細長い形をしたタイルです。ゲーム開始時に10枚あるラウンドブースターの中から、プレイヤーの数+3枚をランダムに選んでおき、プレイヤーが前のラウンドで「パス」したときに1枚選んで取ることができます。

「ラウンドブースター」で勝利点を得る方法は「ラウンド得点計算タイル」に似ていますが、以下の点で違います。

  • ラウンドブースターはプレイヤーがそれぞれ1枚ずつ選ぶ (プレイヤーごとに勝利点を得られる条件が違う)
  • プレイヤーが手番をパスした時点で、ラウンドブースターで勝利点を得られるかを確認する。
  • 勝利点を得る能力をもたないラウンドブースターもある。

まず「ラウンドブースター」はプレイヤーがラウンドごとに(自分がパスした時に1枚返して)1枚ずつ取るので、当然ながらプレイヤーによって「ラウンドブースター」の内容は異なります。プレイヤーが勝利点を得られるのは、勝利点を得る能力をもったラウンドブースターを取ったときだけです。そして、勝利点が得られるタイミングは「自分が手番をパスしたとき」で、その時の盤面の状態によって得点できるかどうかが決まります。

たとえば、この「鉱山ひとつにつき2点の勝利点を得る」ラウンドブースターを持っているときに自分の手番を「パス」したら、その時にボードを見て自分の種族の鉱山の数を数えます。鉱山の数がひとつであれば即座に2勝利点を得ます。同様に、ふたつなら4勝利点、三つなら6勝利点…というようにもらえます。

10枚のラウンドブースターのうち、勝利点を得られるものは上の写真の下側の5枚です。上側の5枚では勝利点は得られません。ラウンドブースターは、勝利点を得る以外にも資源を得たり、特殊なアクションを実行できたりするもがあるので、必ずしも勝利点が得られるものを取るのが良いとも限りません。勝利点尽きのラウンドブースターを取って得点を伸ばすか、それ以外のブースターを取って次の器械に備えるのかは、プレイヤーの戦略次第ということになります。

技術タイルによる得点

「技術タイル」は、基本技術タイルと「上級技術タイル」の二種類があります。基本技術タイルは自分が「研究所」や「学院」を建てたときに1枚選んで受け取れます。「上級技術タイル」は、技術レベルが 4 以上になったときに、いくつかの条件を満たすことで受けとれます。

これは基本技術タイルです。このうち、勝利点に関係するのは右下の2枚です。一番右下のタイルは「ガイア惑星に鉱山を建てるたびに2勝利点もらえる」というタイルで、その上にタイルは、タイルを取ったときにただちに7勝利点もらえるというタイルです。

こちらは上級技術タイルです。左の列以外のタイルは、すべて勝利点を獲得する能力をもっています。これらも基本技術タイルと同様に、条件を満たすたびに勝利点を得られます。

ラウンド得点計算タイルやラウンドブースターと異なり、技術タイルは一度獲得したらゲーム終了時までずっと手元に残ります。ひとたびタイルを獲得したら、書かれた条件を満たすたびに得点できるので、場合によっては莫大な点数を得ることもできます。一方で、技術タイルは資源を獲得する重要な手段でもあるため、勝利点を得るタイルばかり取っていると、資源が尽きて何もできなくなることもあります。

このあたりのバランスはうまくできていて、技術タイルを勝利点の獲得に使うのか、資源を取ために使うのかでプレイヤーは悩むことになるわけです。

同盟タイルによる得点

同盟とは、惑星に建てた複数の建築物をまとめて作ったグループのようなものです。同盟を作ったときにもらえる「同盟タイル」には勝利点が書かれており、タイルを受けとった瞬間にその勝利点を獲得できます。

同盟タイルはこんな感じです。いくつかの種類があり、プレイヤーは同盟を釣ったときにこれらからひとつ選んで獲得できます。

同盟は、作りためにいろいろ条件があるのですが、基本的には「複数の惑星に建物を建てる」ことで作れます。細かな条件などについては、別の記事で説明する予定です。

ちなみに、ゲーム中でひとりのプレイヤーが作れる同盟の数は 2、3 個程度、頑張って 4 つというところです。

技術レベルによる得点

プレイヤーが、発展ボード上の各技術を 3 以上に発展させることでも勝利点を得られます。技術レベル 3 で 4 点、4 で 8 点、5 なら 12 点もらえます。この勝利点は、ゲーム終了時にもらえます。

たとえば、このような状態でゲームが終了したら、赤は 24 点、青は 20 点、黄色はも 20 点となります。赤は2つしかレベル4以上の技術がありませんが、レベル4を4つ越えている技術のある黄色より得点は高くなっています。この方法で得点を狙うなら、上げる技術レベルを絞ってレベル5まで上げたほうが効率は良いです。

なお、ここではサラっと説明していますが、この方法による勝利点の獲得は点数が大きい上にゲーム終了時に加算される勝利点であることから、ゲームの終了時点での逆転劇につながることも少なくありません。

資源による得点

このゲームの資源には「現金」「鉱石」「知識」があります。ゲーム終了時にこれらの資源3つごとに1点の勝利点がもらえます。数えるときに、資源の種類は問いません。現金3つでも1点、現金2つと鉱石1つでも1点、現金と鉱石と知識がそれぞれ1つでも1点です。

これは狙って取る得点というよりは、おまけのようなものです、最後のラウンドでやれることがなくなったときに、資源を集めるアクションをすることで、この方法で勝利点の底上げができます。

という感じで…

勝利点の獲得の方法は以上です。このうち、ゲームの勝敗に大きく影響するのは、影響が大きい順に「ラウンド得点計算タイル」「最終スコア計算タイル」「技術レベルによる得点」「ラウンドブースター」「同盟タイル」「技術タイル」という感じかな、という気がしてます。

次の記事では、プレイヤーの手番にできるアクションについて説明する予定です。

まさかの時のボードゲーム:ガイアプロジェクト [1] ゲームの概要

このゲームは、プレイヤーは宇宙開拓に乗り出した種族の長(?)となって、勝利点宇宙に点在する惑星を開拓したり、科学技術を発展させたりさせながら、自分の種族を繁栄させていくという感じのゲームです。ターン制のゲームで、プレイヤーは自分の手番にさまざまなアクションを実行して種族を発展させつつ、勝利点を稼いでいきます。そして 6 ラウンド終了した時点で、最も勝利点を稼いだプレイヤーが勝利となります。

プレイヤーは、最初に自分の担当する種族を14種類からひとつ選びます。種族ごとに専用のボードがあり、プレイヤーは使える資源や建設物をボードを使って管理します。ボード上にある資源(鉱石、現金、知識)は、アクションの実行に使ったり、惑星に建物を建設するために使用します。ボードには、その種族だけが使える特殊なアクションが書かれていることもあります。

こちらは、プレイヤーが開発する「星域」を表すボードです。星域にある星に「鉱山」を建てるところから、開発が始まります。鉱山を建てることで、その惑星に「入植」したことになります。そして、建てた鉱山の数だけ、ラウンドごとに「鉱石」の資源がもらえるようになります。「資源」は建物を建てる他、さまざまな用途に使うので、たくさんあればあるほどゲームを有利に進められます。

星域にはさまざまな色をした惑星がありますが、種族ごとに入植しやすい惑星と、入植が難しい惑星があります。

たとえば「地球人」は地球のような青っぽい惑星には、低いコストで鉱山を建てて入植できます。一方で、赤っぽい惑星は地球と環境が異なるので、入植する前に惑星を「少し改造」する必要があります。黄色の惑星は地球とものすごく環境が違うようで、入植するには「大幅に改造」する必要があります。

惑星環境を改造するなどして「鉱山」を建設できたら、これを「交易所」や「研究所」などにグレードアップさせることができます。建物をグレードアップすると、「現金」や「知識」といった資源をラウンドごとに獲得できるようになったり、種族の「技術レベル」を上昇させて、入植や惑星改造にかかるコストを減らしたりできます。

複数の惑星に入植して建物をある程度グレードアップできたら、いくつかの惑星をまとめて「同盟」というもの作ることができます。同盟を作ることで、多くの勝利点を得られたり「技術レベル」をさらに高めて、より効率よく入植やグレードアップなどができるようになります。

これは、種族の科学技術の進歩度合いを示す「発展ボード」です。このボード上に、自分の種族の色のコマを置くことで「技術レベル」がどのくらい進歩しているかを示します。基本的に、コマが上(写真では左上方向)に進めば進むほど「技術レベル」が高いことを示しています。技術レベルの高さに応じて、建物を建てるコストが安くなったり、ラウンドごとに貰える資源が増えるなど、さまざまな恩恵があります。

このような感じで基本的にゲームは進んでいくのですが、単に鉱山を建てたり建物をグレードアップするだけでは勝利点は得られません。入植やグレードアップなどは、あくまで勝利点を得るための「準備」のようなものです。勝利点を獲得していくためには、それを意識したアクションの実行が必要になります。

次回は、具体的にどのようにして勝利点を得ていくかについて説明する予定です。