まさかの時のボードゲーム Arcadia Quest (5) 休憩・トークン・ヒーロー

休憩

プレイヤーは、自分のターンにヒーローを動かす代わりに休憩することで、「攻撃カードなどをすべて未使用の状態に戻す」「ヒーローへの攻撃カードなどの割り当てを変更する」「Exploration トークンをヒーロー間で移動する」「倒されたヒーローをボードに戻す」という操作ができる。

休憩したときは、自分のギルドボードの上にある、すべてのギルドトークンを取り除く。これにより、すべての「使用済み」カードは「未使用」の状態に戻る。

次に、トークンやカード類をヒーローの間で自由に移動させる。これは、したくなければしなくてもいい。ただし、クエストトークンとデストークン、および「デスカース」のカードは、移動することができない。

最後に、倒された(ヒーローカードの上にフィギュアが載っている)ヒーローを、シナリオで指定された初期マスに置くか、ボード上にいる自分のヒーローに隣接するように置く。復活させたヒーローの負傷トークンは、すべて取り除いておく。

探査トークン(Exploration Token)

ボード上にある ? マークが書かれたトークンのことで、ヒーローがそのトークンのあるマスに移動すると、それを拾うことができる。拾うのに移動力などを消費することはないし、そのマスを通過するだけでも拾うことができる。

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拾ったらマーカーをめくって表を確認する。トークンは、アイテムのように使えるものと、持っていることで何らかの恩恵のあるものがある。罠以外のトークンだったときは、拾ったヒーローのカードの上に置いておく。

p_extra

このトークンを使うと、今のターンのあとに再度このヒーローが行動できる(他のヒーローを行動させるために使うことはできない)。このトークンはいつでも好きなときに使える。使ったらトークンは捨てる(共通のストックに戻す)。

p_healing

このトークンを使うと、使ったヒーローの負傷トークンと、デスカースのカードを全て捨てる。このトークンは戦闘の途中でなければいつでも使え、使ったらトークンを捨てる。

p_refresh

このトークンを使うと、使ったヒーローに割当てられているギルドトークンをすべて取り除いて、未使用の状態に戻すことができる。ヒーローカードに置かれたギルドトークンも取り除ける。このトークンはいつでも使え、使ったらトークンを捨てる。

p_trap

このトークンは罠トークンで、拾ってしまったヒーローは即座に負傷トークンをひとつ受けとる。そして、このトークンは捨てる。

p_treasure

このトークンは、拾ったときには何もおこらない。シナリオ終了時にこのトークンを持っていたら、トークンに書かれている数字と同じ数のコインをもらえる。

なお、ヒーローが拾ったトークンは、「休憩」したときに自分のヒーローの間で自由に探査トークンを移動させることができる。

ヒーローが倒されてしまうと、ヒーローの持っているトークンは、すべて倒されたマスに置く。他のヒーローがそのマスに来ることで、それらを拾うことができる。倒されたヒーローがいるときに、他のヒーローがそのマスにいたときは、そのヒーローが自動的にすべてのトークンを拾う。

クエストトークン

赤、青、橙、緑の四種類の丸いトークンのこと。クエストで、これらを集めるよう指示されることがある。トークンは、シナリオによって裏向きに置かれている(どれがクエストトークンか分からない)こともあれば、最初から表向きに置かれていることもある。

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これらも、探査トークンと同様にヒーローが拾うことができるし、倒されたら倒されたマスに落としてしまう。ただし、クエストトークンは「休憩」しても、他のヒーローに渡すことはできない。

ヒーローカード

Arcadia Quest の最初のセットには、12人のヒーローが収録されている。

wisp

Wisp:
このヒーローは、移動してもガードリアクションが発生しない。攻撃によるガードリアクションは発生する。攻撃さえしなければ、モンスターの間をすいすいと歩いてまわれる。トークン集めなどをするには便利。

hobsbawm

Hobsbawn:
Magic 属性をもつ攻撃カードを使い、なおかつそのターンに自分が動いていない場合に限り、このヒーローから視線が通っている、他の自分のヒーロー1体をアクティベートできる。ターンを2連続で実行できる感じになるので、うまく使えば他プレイヤーのヒーローを一方的に倒したりできる。

johan

Johan:
近接攻撃カードを、あたかも遠隔攻撃であるかのように使える。つまり、隣接していない敵でも、視線が通っている敵であれば近接攻撃カードを使って攻撃できる。ただし、ダイスの目は剣のマークが出たときに「ダメージ+1」と判定する。近接攻撃は、遠隔攻撃よりダメージが高めなものが多いので、それを遠隔武器のように使えるのはなかなか強い。

greensleeves

Greensleeves:
Bow 属性を持つ攻撃カードを使って、クリティカルの目が出たときは、その目ごとに追加で「ダメージ+1」する。うまくはまると、爆発的なダメージを与えられたりする。

maya

Maya:
Magic 属性の攻撃カードは、ギルドトークンが2個になるまで使える。つまり、ギルドトークンが1つ載って「使用済み」になっているカードでも、そのままの状態でさらにもう1回使える。このヒーローに魔法カードを複数割当てておけば、休憩しないでかなり長い間攻撃し続けられるようになる。

kanga

Kanga:
攻撃カードにギルドトークンを載せて「使用済み」にするときには、かわりに自分に負傷トークンをひとつのせてもいい。つまり、攻撃カードを使うときに自分に負傷トークンを載せれば、その攻撃カードを「使用済み」の状態にしなくてもいいということ。自分の体力がもつかぎり、休みなく攻撃し続けられる。

seth

Seth:
Magic 属性のカードで攻撃すると、防御側のキャラクタは防御ダイスをひとつも振ることができない。ボスモンスターや、他のヒーローを攻撃するときに、なかなか有効な能力。

zazu

Zazu:
攻撃対象のキャラクタに、このヒーロー以外の(攻撃対象のキャラクタから見て)敵のキャラクタが隣接しているときは、このヒーローで攻撃するときに、攻撃カードにギルドトークンは載せない。イメージ的には、誰か他の敵と対峙しているキャラを、横から攻撃する(側面攻撃する)ときには攻撃カードを消費しないですむ、といった感じ。

grom

Grom:
自分に負傷トークンが載っているときは、すべてのロール時のダイスをひとつ追加する。ダメージを受けているときに強くなるタイプのヒーロー。

scarlet

Scalet:
攻撃対象のキャラクタに、このヒーロー以外の敵のキャラクタが隣接しているときは、このヒーローで攻撃するときに、攻撃ダイスをひとつ追加する。Zazu と似ているけど、こちらは側面から攻撃するときにはダイスが増える。

spike

Spike:
防御ロールのときにクリティカルが出たら、攻撃側のキャラクタにその目の分だけダメージを与える。反撃能力のあるヒーロー。防御ダイスを増やすカードをたくさん割当てたい。

diva

Diva:
基本セットでは唯一、特殊能力をもたないヒーロー。そのかわり、防御ダイスが最初から 4 つと、かなり硬い。


これでルールは 95% くらい説明したはず。あとはシナリオ終了後のアップグレードくらいかな。次の記事では、プレイ例の説明をする予定。

まさかの時のボードゲーム Arcadia Quest (4) 攻撃に対するリアクション

このゲームでは、ヒーローが攻撃することによって、モンスターが反撃行動をする。この行動が少し特殊で間違いやすいため、詳しく説明する。その他、戦闘に関しての「報酬」や「モンスターの復活」についても触れる。

攻撃により誘発する攻撃(ガードリアクション)

ヒーローが攻撃を行なったとき、攻撃対象となったモンスター(または味方ではないヒーロー)が、攻撃を実行したヒーローに隣接していなかったときは、ヒーローに隣接している他のモンスター全てが、攻撃を実行したヒーローを攻撃する。これを、攻撃で誘発するガードリアクションという。

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たとえば上のような状態で、ヒーローが2マス離れたオークを遠隔攻撃したとする。このとき、攻撃したヒーローに隣接するゴブリン2体は、ガードリアクションを誘発してヒーローを攻撃する。これは、ヒーローが攻撃した対象が、ヒーローに隣接していないキャラクタであって、なおかつ攻撃を実行したヒーローには、隣接しているモンスターがいるためである。

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一方で、同じ状況で下にいるゴブリンを近接攻撃したとする。このときは、上にいるゴブリンのガードリアクションは誘発しない。なぜなら、ヒーローが攻撃したのはヒーローに隣接したモンスターだからである。攻撃したモンスターと別のモンスターがヒーローに隣接していたとしても、攻撃対象のモンスターがヒーローに「隣接」していさえすれば、ガードリアクションは発生しない。このルールは、ちょっとややこしい。

なお、このガードリアクションによる攻撃は、ヒーローの攻撃が解決したあとで発生する。複数のモンスターのガードリアクションを誘発した場合は、どのモンスターから順に攻撃するかは、ヒーローを操作しているプレイヤーの「右隣りのプレイヤー」が決める。

攻撃したモンスターからの反撃(ペイバックリアクション)

ヒーローが攻撃したモンスターは、ヒーローの攻撃が解決したあとで、ヒーローを攻撃できる。この攻撃の「前」に、モンスターカードの中段左(ピンクのアイコン)に書かれた「移動力」の分だけ、モンスターは移動することができる。この、モンスターからの反撃のことをペイバックリアクションという。

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ここで、「攻撃できる」とか「移動できる」という不思議な表現になっているのは、実際に移動したり攻撃するかは、攻撃を実行したヒーローの「右隣りのプレイヤー」が決めることができるからである。つまり、もし「右隣りのプレイヤー」がモンスターで攻撃しないと決めたら、攻撃したヒーローはモンスターから反撃を受けずに済む。

ただしこのゲームでは、自分の操作するヒーローではない(他のプレイヤーの)ヒーローが何らかの理由で倒されると、自分は1コイン貰えるというルールがある。そのため、できるだけ自分以外のヒーローは倒しておきたい。つまり、モンスターで他プレイヤーのヒーローを攻撃できるなら、しないにこしたことはない。・・・という感じになるので、モンスターを攻撃したヒーローは、だいたいの場合(右隣りのプレイヤーの操作する)モンスターから反撃を受けることになる。

モンスターで反撃する場合、それを操作するプレイヤーは、モンスターを都合のいいマスまで移動させることができる。ただし、あくまでモンスターの持つ移動ポイントの範囲でしか動かせないし、ヒーローの移動と全く同じルールのもとで移動する必要がある。

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たとえば、上の状態で青のヒーローがすぐ左にいるモンスターを攻撃したとする。そして、モンスターの攻撃を担当するのが、黄色のヒーローを操作しているプレイヤーだとしよう。このとき、ペイバックリアクションで反撃するとき、モンスターは攻撃してきたヒーローに隣接しているので、そのままでも攻撃させられる。しかし、モンスターをヒーローのいるマスに移動させてから、モンスターに攻撃させたほうが、黄色のプレイヤーとしてはお得である。なぜなら、このモンスターを移動させてしまえば、その左にいる自分のヒーローが次に移動するときに、そのモンスターからのガードリアクションを受けずにすむからである。

このように、モンスターの移動はあくまで「右隣りのプレイヤー」の都合のよいように実行してよい。仮にモンスターを移動させることで、攻撃してきたヒーローを攻撃できなくなってしまってもいい(その場合は、もちろんヒーローを攻撃できない)。移動だけして攻撃しなくてもいいし、モンスターを移動も攻撃もさせたくなければ、何もしなくてもいい。ただし、移動させるなら必ず攻撃する前に行なう。攻撃してから移動させることはできない。

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ペイバックリアクションでモンスターに攻撃させるときは、必ず攻撃してきたヒーローを」攻撃の対象にしなければならない。攻撃してきたヒーローを対象にしない限り、他のヒーローを攻撃することはできない。ただし、攻撃してきたヒーローを対象にしさえすれば、モンスターの能力を使って他のヒーローを攻撃するようなことは可能である。

たとえば、上の写真の中央にいるボスオークは「隣接するすべてのヒーローを攻撃する」という能力を持っている。ここで、右の青いヒーローがこれを攻撃したときは、ペイバックリアクションで左にいる黄色のヒーローまで反撃を受けてしまう。

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そこで、黄色プレイヤーはこのようにボスオークを移動させてから、攻撃させることにする。そうすれば、黄色ヒーローはまきこまれず、青のヒーローだけを攻撃させることができる。ただし、攻撃させるときは必ず最初に攻撃してきたヒーローが攻撃対象になるようにしなけばならない。もし、攻撃してきたヒーローに隣接しない場所にボスオークを移動させてしまうと、他に隣接したヒーローがいたとしても、ボスオークは誰も攻撃できない。

・・・とまあ、なかなかややこしいけど、自分が攻撃を仕掛けたモンスターは、自分の右にいるプレイヤーが好きに操作して自分のヒーローを攻撃してくる、というように認識しておけば良い。もちろん、左隣りのプレイヤーが攻撃したモンスターは、自分が好きなように動かして攻撃させられる。

オーバーキル

モンスターを攻撃したとき、モンスターの HP 以上のダメージを与えたら、モンスターを倒すことができる。しかし、たとえ HP 以上のダメージを受けていたとしても、モンスターは倒れる前にペイバックリアクションを実行できる。その後で、はじめてモンスターはボード上から除去される。ここはちょっと間違いやすいところ。

モンスターを倒したとき、オーバーキルアイコン(左上の白いアイコン)に書かれた数字以上のダメージを一度に与えたときは、このペイバックリアクションが発生しない。モンスターはただちにボード上から除去される。

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たとえば、この右のモンスターの場合、一度の戦闘で 3 ダメージ以上与えたときは、ヒーローは反撃を受けない。しかし、2 以下のダメージで倒したときは、ヒーローは反撃を受けるかもしれない。モンスターに最初から 1 の負傷トークンがあり、その上で 2 ダメージ与えて倒したときは、オーバーキルにはならない。この場合は、モンスターから反撃を受ける可能性がある。オーバーキルの判定は、あくまで一度の戦闘で与えたダメージの量で行なわれる。

討伐の報酬

モンスターを倒したら、倒したヒーローを操るプレイヤーは、モンスターカードに書かれている枚数のコインを貰える。このとき、最後にダメージを与えたヒーローだけがコインを貰える。倒されたモンスターは「墓場」ボードで、空いている一番数字の小さいスペースに置かれる。もし墓場ボードがいっぱいだったときは、モンスターは箱に戻す(二度とこのシナリオではボードに出てこない)。

この方法で得られるコインは、キャンペーンで連続してシナリオをプレイするときに、シナリオの合間にカードをアップグレードするときに使う。シナリオのプレイ中には、獲得したコインを使うことはないし、勝利点に数えられるようなこともない。

他プレイヤーのヒーローを倒したときは、倒してヒーローを操るプレイヤーが 1 コインもらう。他プレイヤーのヒーローがモンスターの攻撃などで倒されたときは、そのプレイヤー以外のすべてのプレイヤーが 1 コインずつもらう。ヒーローが倒されたきは、そのヒーローの上にデストークンを1つ追加する。

Villain というタイプのモンスター(ボス)は特殊で、倒されたときにはダメージを与えたヒーローすべてが、モンスターカードに書かれた枚数のコインを受けとる。ヒーローが Villain モンスターにダメージを与えたときは、モンスターのカードの上に自分のギルドトークンを置き、報酬をもらうときの目印にする。

ただしモンスターを「倒した」のは、最後にダメージを与えたヒーローということになる。そのため、Villain モンスターを倒すクエストでは、最後にダメージを与えたヒーローだけが、クエストをクリアしたことになる。

モンスターの復活

モンスターが倒されたら「墓場」ボードの上の、一番数字が少なくてあいてるマスに置かれる。そして、次のプレイヤーのターンの開始時に、復活するかどうかを判定する。もし墓地に置くスペースがなかったら、そのモンスターは箱に戻す(二度とそのシナリオでは復活しない)。

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墓場にいる戦闘のモンスターから順に、黒ダイスを二つずつ降って復活判定をする、出た目と、ボード上にある「復活トークン」の目の組合せを比べ、同じ目の組合せのトークンがあったときは、そのモンスターをそのマスに置く。

もし、ダイスの出た目に一致する組合せのトークンがなかったら、そのモンスターは箱に戻す。また、対応するトークンのあるマスが「満員」(2体のキャラクターがいる状態)だったときも、同様に箱に戻す。


ここまでで、ルールの重要なところはほぼ書いた気がする。次回は「休憩」についてと、多少こまかいところをいくつか書いてみる予定。

まさかの時のボードゲーム Arcadia Quest (3) 攻撃の基本

ヒーローの攻撃は、移動する前か移動した後で行なえる。移動中に攻撃して、さらに続けて移動するようなことはできない。

攻撃するときは、攻撃する対象(モンスターか他のプレイヤーが操作するヒーロー)を選び、使用する「攻撃カード」を選ぶ。攻撃カードは、攻撃しようとしているヒーローに割当てられていて、なおかつ「未使用(unexhausted)」状態でなければならない。攻撃カードは、一度使用すると「使用済み(exhausted)」状態となり、カードの上にギルドトークン(自分のギルドボードと同じ色のトークン)が置かれる。このトークンが置かれているカードは、攻撃に使うことができない。再び使用するためには、休息するかアイテムなどを使用して、トークンを取り除く必要がある。

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たとえば、右のヒーローには2種類の攻撃カードが割当てられているけど、左のカードにはギルドトークンが載っている。そのため、今は右の攻撃カードしか使えない。そして右のカードを攻撃に使ったら、そのカードの上にギルドトークンを置き、使用済み状態にする。

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攻撃は、近接攻撃(Melee)と遠隔攻撃(Ranged)の二種類がある。攻撃カードに、どちらの種類の攻撃なのかが書かれている。たとえば、上の右のヒーローは2枚の攻撃カードが割当てられており、そのうち右のカードは近接攻撃(Melee)、左のカードには遠隔攻撃(Ranged)と書かれている。攻撃のタイプの違いにより、攻撃できる対象の条件が変わる。

近接攻撃(Melee Attack)

近接攻撃(Melee)をするカードを使うときは、攻撃対象がヒーローに「隣接」している必要がある。

隣接とは、移動のガードリアクションのところでも説明したけど、「同じマスにいるか、もしくは壁や閉じたドアで遮られていない隣りのマスにいる」ことを言う。

遠隔攻撃(Ranged Attack)

遠隔攻撃(Ranged)のカードを使うときは、攻撃対象まで「視線が通っている」必要がある。視線が通っているとは、自分のいるマスの中心から、対象のいるマスの中心まで直線を引いたとき、その直線上に壁や閉じたドア、自分の操作していないキャラクタが2体いるマスがない、という状態のことをいう。この「自分の操作していないキャラクタ(ヒーローかモンスター)が2体いるマス」のことを「ブロックされたマス」という。

斜め 45 度のマスに対しては、いずれの角が閉じていない状態、または片側の角だけが閉じている状態のときは「視線が通っている」と判定する。両方の角が閉じている状態のときは「視線が通っていない」と判定する。

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ルールブックの図がとてもわかりやすいので、そのまま使って説明してみる。緑の線は視線が「通っている」状態で、赤は「通っていない」ことを意味する。中央にヒーローがいる状態で、真ん中のヒーローから斜め左上と右上のマスに対しては、視線が通っていると判定する。斜めに線を引くと、左のマスの壁の上側(角)が線にかするけど、この状態は視線が通っていると考える。

一方で、右下のに対しては、真下のマスに味方ではないキャラが2体いてブロックされており、右のマスには壁があるため、線が左右の角に挟まれた状態になっている。このような、線の両方に角がある(角が閉じている)場合は、そこは視線が通っていないと判定する。左下に対しては、ブロックされたマスの一方の角はかすってるけど、逆の角は開いているので視線は通っている。

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視線の判定は、だいたい直感にあったものになっている。上の図もルールブックからの引用で、緑は視線が「通っている」、赤は「通っていない」ことを意味する。45 度じゃない場合でも、線の両方の角が閉じている場合はやはり「視線が通っていない」と考える。なお、視線の判定にマスの距離は関係ない。どれだけ遠くても、直線上に遮るものがなければ「視線が通っている」と判定する。

攻撃ロール

攻撃対象と攻撃カードが決まったら、攻撃カードに書かれた剣マークのところに書かれた数だけ、黒いダイス(攻撃ダイス)を取って振る。攻撃を受けた側は、カードに書かれている白に黒い盾のかかれたアイコンに書かれた数だけ、白いダイス(防御ダイス)を取って振る。ちなみに、モンスターの多くは防御ダイスのアイコンが存在しない(つまり、防御ダイスは振らない)。

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たとえば、上のヒーローの攻撃カードの場合、右の遠隔攻撃カードを使うなら振るダイスの数は 2 であり、左の近接攻撃カードを使うならダイスは 3 である。

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近接攻撃のときは、黒いダイスで出た剣のマークの目ごとに「ダメージ+1」と計算する。遠隔攻撃のときは、黒いダイスで出た弓のマークの目ごとに「ダメージ+1」と計算する。黒いダイスで火花みたいなマークが出たときは、クリティカルを意味する。この目が出たら、近接攻撃でも遠隔攻撃でも「ダメージ+1」と計算する。そして、追加で攻撃ダイスを1つ振る。火花マークが2つ出たら、2個のダイスを追加で振る。追加で振ったダイスでさらに火花マークが出たら、「ダメージ+1」としてさらに追加でダイスを振る。これを、火花マーク以外が出るまで繰り返す。

防御側は、防御ダイスの盾マークの目ごとに「ダメージ-1」と計算する。防御ダイスの火花マーク(クリティカル)は、「ダメージ-1」と計算した上に、追加で防御ダイスをひとつ振る。火花マークが2つ以上出たときや、追加ダイスでさらに火花が出たときは、攻撃のときと同じように処理する。

こうして、最終的に攻撃側のダメージ数から、防御側のダメージ数を相殺して、残ったダメージが 1 以上なら、防御側のカードにそのダメージに等しい負傷トークンを置く。ダメージを受けたのが Villain 以外のモンスターの場合は、モンスターのフィギュアの横に負傷トークンを置く。

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たとえば、近接攻撃のカードで攻撃したとき、ロールが上のような結果になったときは、ダメージは 1 になる(剣1つは盾1つで相殺される)。遠隔攻撃のカードで攻撃したときは、ダメージは 0 である(弓と盾が同数のため)。

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別の例をあげよう。近接攻撃をした結果、ロールの結果がこの状態になったとする。攻撃側、防御側ともにクリティカルの目があるので、その数(1つ)分のダイスをそれぞれ追加で振る。

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その結果、この状態になったとしたら、ダメージは合計で 1 である。

なお、クリティカルの目が出たときは、ヒーローやモンスターの能力によって、何らかの特殊な効果が発生することもある。どんな効果が発生するかはカードに書いてある。クリティカルの目が出たときに、カードに書かれた効果が発生したとしても、それとは無関係にダメージ+1/-1の効果とダイスを追加する効果は発生する。


戦闘の基本はこんなかんじ。次の記事では、戦闘で誘発するモンスターのアクションや、戦闘後の処理などについて説明する。