MTG カード与太話: 異界月より「ヴォルダーレンの下層民」「血統の撤廃者」


ヴォルダーレンの下層民/Voldaren Pariah、血統の撤廃者/Abolisher of Bloodlines

「異界月」で初めて登場した、吸血鬼かつホラーという新種のクリーチャー 4 体のボス的存在。吸血鬼自体がすでにホラー的な存在だと思うんだけど、ホラーが付いたことでさらにおぞましい感じの存在になったようだ(イラストを見る限り)。共通の性能を持たないホラーにしては珍しく、4 体とも「手札を捨てる」ことに関する共通した能力をもっている。《流城の死刑囚/Stromkirk Condemned》が手札を捨てる能力をもち、それ以外の3体はマッドネスをもっているというのは、偶然のデザインなのだろうか。片方の種族が吸血鬼なので色が赤と黒に偏ることになり、そのせいでディスカードに関係するデザインになっただけかもしれないけど・・・。

それはともかく、マッドネスコストで色マナ3つというカードは、これが初めてのようだ。マッドネスのコストは、過去のカードを見ても 5 マナ以上のものは(Xを含めなければ)存在していない。つまり、色マナ3つはマッドネスにしては重いほうだと言える。ちなみに、単色 3 マナでデメリット無しの 3/3 飛行というのは、マッドネスではないカードには全く存在していない。多色3マナでようやく《戦争に向かう者、オリヴィア/Olivia, Mobilized for War》《カマキリの乗り手/Mantis Rider》《戦争のアスラ、ジェナーラ/Jenara, Asura of War》あたりが出てくる。こうやって見ると、なかなか強そうだ。変身コストは重いけど、変身させたら相手にも同じコストを強要できるので、うまく使えば一方的に有利な状況を作れそう。今のスタンダードにはトークンを出すカードがたくさんあるので、何か活躍できそうな雰囲気は感じる。

MTG カード与太話: 異界月より「ハンウィアーの要塞」「ハンウィアー守備隊」「のたうつ居住区、ハンウィアー」


ハンウィアーの要塞/Hanweir Battlements、ハンウィアー守備隊/Hanweir Garrison


のたうつ居住区、ハンウィアー/Hanweir, the Writhing Township

カード2枚を合体させて1枚のカードにしてしまうとか、何かのアニメのよう。MTG でも一応過去に《B.F.M. (Big Furry Monster)》なんてカード存在してたりする。でも、どちらかといえば Ultra Pro の商品についていた「9枚で Black Lotus や Chaos Orb になる」カード(Ultra Pro Puzzle Cards)のほうを思いだす(下記参照)。



Ultra Uro のカードスリーブの箱を買うと、ランダムに1枚封入されていて、9枚揃えると1枚の大きな絵柄が完成するようになっていた。ちょうど 3×3 のカードバインダーに入れると、綺麗に 1 枚のカードになる。ランダム封入なので、同じカードが入ってたりすると、MTG のカードと同じように誰かとトレードして集めたりしてた覚えがある。なかなか面白いギミックよね。Black Lotus のほうは、集まったら集ったでコレクションアイテムとして楽しいし、Chaos Orb のほうはこのまま 9 枚の状態で使ったら最強よね、ということで一部地域で話題になっていた(?)気はする。

今回 3 組の合体カードが(銀枠でなく)出たことで、今後こういう 9 枚合体みたいなカードも出る可能性がでてきた。ちょっと楽しみなのと同時に、9枚合体の場合は神話レアでなくてせめてアンコモンくらいにしといて欲しいなあ等と、財布の厳しいプレイヤーは思ったり。

(全然上のカードの内容と関係なかったね。)

MTG カード与太話: 異界月より「魂分離機」


魂分離機/Soul Separator

たまに刷られる、開発からの「使い方を考えてみろ」という挑戦状(カード)のひとつ。このアーティファクトは、墓地にいるクリーチャーを、その能力をもつけど 1/1 のサイズのクリーチャーと、バニラだけどサイズはそのままのクリーチャーの2体に分割して、それぞれ復活させることができる。復活できるとはいえ、かたや 1/1 と脆弱なクリーチャーであり、もう一方はサイズはでかいかもしれないけどバニラになってしまうわけだ。何も考えずに《奈落の王/Lord of the Pit》なんか釣ってみても、自分に 7 ダメージ与える 1/1 飛行トランプルなクリーチャーと、バニラな 7/7 が出る(しかも次のターンには自分自身に食われる)という、いかんともしがたい状態になる。なかなか難しいねえ。

そこで、開発への回答(?)を少し考えてみた。たとえば《欺瞞の神、フィナックス/Phenax, God of Deception》を釣るのはどうだろう。これなら、1/1 のほうは破壊不能なエンチャントとして戦場に出るし、分離された 4/7 のほうは信心が足りない状態でもクリーチャーとして戦場に出る上に、ライブラリを 7 枚破壊する能力がつく。同じような感じで、《歓楽の神、ゼナゴス/Xenagos, God of Revels》君もよさそう。攻撃担当の 6/5 (実質 12/11)のほうに破壊不能が付かないけど、信心が足りなくても攻撃できるのは強い。

順当に、このブロックの中で回答を探すなら、やはり《地獄の樹/Tree of Perdition》ですかね・・・。1/1 の状態で釣ってからライフを交換すれば、いかなる相手もライフ 1 になる。これは結構強力じゃなかろうか。0/13 のほうも《突撃陣形/Assault Formation》を張れば、緑マナを使わなくても攻撃に参加できる上に、エムラ君もびっくりなダメージを叩き出せる。実践的なコンボではないけど、決まったらすごく楽しそうだ。