まさかの時のボードゲーム: Lord of the Rings Card Game (1): 概要

以下は、FFG の Lord of the Rings Card Game (LCG) についての、MML 定例会向けのプレイ方法の説明書きです。会員以外の誰かの役に立つかもしれないので公開してますが、あくまで内輪向けのメモなので、突然削除することがあります。もし内容に間違いを発見しましたら、ご指摘いただけましたらありがたいです。


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ゲームの大まかな説明

このゲームは、プレイヤー間で協力してシナリオクリアを目指すタイプの、協力型カードゲームとなっている。クリア時にスコアを計算することができるので、複数のグループ間でスコアを競うゲームとして遊ぶこともできる。

各シナリオ毎に指定されたクエスト(Quest)カードが複数ある。それらのカードに書かれたクエストの進行条件をすべてクリアすることが、ゲームの主な目的となっている。条件が指定されていないクエストカードについては「進行(Progress)トークン」を指定された数だけ置くことで、そのクエストは進行されたことになる。そうやって、シナリオに含まれる全てのクエストをクリアすると、プレイヤー側の勝利となる。


クエストカード

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クエストカード(上の写真)に進行トークンを置くには、各プレイヤーがクエストに参加させた Hero カードや Ally カードに書かれた「意志力(Willpower Strength)」の合計が、場に出ている Enemy カードや Location カードに書かれた「脅威値(Threat Strength)」の合計を上回る必要がある。

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これが Enemy カード。左上にある三つのアイコンの、一番上の角が生えた鬼みたいなマークのところに脅威値が書かれている。上の写真では、脅威値は左から 2、3、1 となっている。その下の旗みたいなマークは Enemy の攻撃力で、盾マークは防御力となっている。これらの値については、戦闘のところで使用する。

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こちらは Location カード。こちらも左上に脅威値が書かれている。Location には攻撃力や防御力はない。

Enemy カードや Location カードは、ラウンドごとにプレイヤーの数と同じ枚数だけ、遭遇(Encounter)デッキからめくられる。各プレイヤーは遭遇デッキをめくる前に、クエストに参加させる Hero や Ally を選んでタップさせる必要がある。つまり、遭遇デッキからどんなカードがめくれるか分からない状態で、参加させる Hero や Ally を決めなければならない。

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意志力の合計が脅威値を越えていた場合、その差分に等しい数の進行トークンをクエストカードに置くことができる(上の写真)。しかし、意志力の合計が脅威値を下回ってしまうと、各プレイヤーは差分に等しい数だけ「脅威ダイアル (Threat Dial)」を進めなければならない。

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これが脅威ダイアル。プレイヤーごとにタイアルがあり、これが示す数値が 50 以上になってしまうと、そのプレイヤーは脅威に負けてゲームに敗北(逃亡?)したことになる。すべてのプレイヤーの脅威ダイアルの数値が 50 以上になったら、その時点でプレイヤー側の敗北になる。

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意志力をプレイヤーが得るには、Hero カードや Ally カードを使う。このうち Hero カードは、ゲームの最初から場に出しておける(上の写真)。意志力は、左側のアイコンの一番上にある、丸いリングのようなマークの横に書かれている。たとえば、意志力は左から 1、2、3 である。

プレイヤー1人のデッキには 3 人の Hero が入っていて、ゲーム開始時に 1-3 人の Hero を選んで場に出しておく。ただし、場に出した Hero の左上に書かれた脅威値の分だけ、脅威ダイアルを進めなければならない。つまり、脅威値が高い Hero を最初にたくさん出すと、開始時の脅威ダイアルの値が高い状態からゲームを開始することになる。脅威値は、Hero カードの左上に書かれている。上の写真の Hero の脅威値は、左から 8, 9, 12 である。おおむね、強い Hero ほど脅威値が高い。少ない数の Hero で低い脅威値で始めるか、大勢の Hero で高い脅威値で始めるかは、考えどころのひとつとなっている。

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意志力を得るもうひとつの方法である Ally カード(上の写真)は、コストに相当する資源トークンを支払うことで手札から場に出すことができる。ロードオブザリングなので、もちろんガンダルフ先生とかもいたりする(右)。ガンダルフ先生はさすがに意志力が 4 と高いけど、場に出すコストも 5 とやや高めになっている。

Ally カードは出すために資源が必要だけど、脅威値のようなペナリティがない。基本的には、Ally カードを場に出せば出すほど有利になる(そして、カードを置くスペースに困る)。

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資源トークンは、場に出している Hero 1人につき、1ラウンドごとに1つずつ補充される。この他、手札から出して 1 回だけ使用できる Event カードや、Ally カードなどの能力を使って資源トークンを補充する方法もある。


戦闘

進行トークンや脅威カウンターを進める処理が終わったあとには、場に残っている Enemy カードとプレイヤー側の Hero や Ally との戦闘が始まる。

まず最初に Enemy 側が攻撃してくる。プレイヤーは、攻撃してくる Enemy ごとに防御を担当する Hero か Ally カードを1枚タップする。このとき、先に意志力を得るためにタップした Hero や Ally は、防御に使うことができない。

各 Enemy の攻撃値から、その Enemy の防御にあてた Hero か Ally の防御値を引いた値がダメージになる。もしダメージが 0 以下であれば、その Enemy からはダメージは受けない。もしダメージが 1 以上であれば、防御に割り当てた Hero か Ally に、ダメージに等しい数のダメージトークンを置く。Hero や Ally の HP 以上のダメージトークンが置かれたら、それらのカードは破壊されて場から除去される。もし、Hero カードが 1 枚もなくなってしまったら、そのプレイヤーはゲームから退場させられてしまう。

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上の写真では、1 体の Enemy が攻撃してきているのに対して、左の Hero をタップ(横向きに)して防御させている。Enemy の攻撃力が 2 で Hero の防御が 1 なので、この Hero は 1 ダメージを受ける。

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受けたダメージの分だけ、ダメージトークンを Hero の上に置く。この Hero の HP は 4 (カードの左中段にある赤い数字) であり、ダメージはそれ以下なので、この Hero はまだ場に残ることができる。

もし防御しなかった Enemy がいる場合は、Enemy の攻撃値に等しいダメージトークンを、いずれかの Hero の上に置く。このとき、Ally カードにダメージを割り振ることはできない。

Enemy の攻撃が終わったら、次にプレイヤー側が攻撃する。Enemy ごとに、攻撃に参加させる Hero や Ally を選んでタップする。攻撃するときは、1体の Enemy に対して複数の Hero や Ally を選ぶことができる。ただし、意志力を得るためや防御のために、すでにタップしてある Hero や Ally を攻撃に参加させることはできない。

Enemy ごとに、攻撃している Hero と Ally の攻撃力の合計値から Enemy の防御値を引く。その差分が Enemy に与えられるダメージとなる。ダメージに等しいダメージトークンを Enemy カードの上に置く。もし Enemy の HP 以上のダメージトークンが置かれたら、その Enemy は破壊されて捨札の山に置かれる。破壊されずに場に残った Enemy は、次のラウンドに再度攻撃してくることになる。

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上の写真では、右の Ally (ガンダルフ君) を使って Enemy を攻撃している。左の Hero は防御のためにタップさせたので、攻撃に使うことはできない。

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攻撃しているガンダルフ君の攻撃力は 4 で、Enemy の防御力は 0 なので、4 ダメージが Enemy に与えられる。Enemy の HP は 3 しかないため、ガンダルフ君の攻撃によってこの Enemy は破壊され、ただちに遭遇デッキの捨札の束に置かれる。

この処理を、攻撃してくる敵ごとに行なう。すべての戦闘が終了したら、手札や資源を回復させる操作を行なって、次のラウンドに進む。

・・・とまあ、だいたいこんな感じかな。


まとめ

手持ちの Hero と Ally を使って毎ターンめくられる遭遇デッキのカードに対処しつつ、その隙に進行トークンをクエストカードに置いていき、クエストのクリアを目指すというのが基本の流れになる。Hero や Ally を、クエストの進行と戦闘(攻撃、防御)のいずれに割り当てるのか、どの敵を誰が対応するのか、どの敵を倒してどれを残すのか、といったように考える要素は結構多い。

シナリオに含まれるクエストカードによっては、進行トークンを置く以外のクリア条件が指定されていることもある(例えば、特定の敵を倒すなど)ので、その場合は全く違う動きになったりもする。そうすると、考えることがさらに増えて、難しさが増す。

ただ PACG などとは違って、シナリオの遭遇デッキに含まれるカードは固定なので、何度か同じシナリオに挑戦すればだんだんと対応できるようになってくる。このへんは、Hero がレベルアップしない代わりに、プレイヤー自身がレベルアップするという感じだろうか。


デッキ構築型のゲームなので、シナリオにあわせてデッキをチューンして、遭遇デッキに対応することもできる。すでに大量の拡張セットやアドベンチャーパックが発売されているため、デッキに入れるカードが少なすぎて困るなんてことは全くない。むしろカード購入圧力の脅威値が、財布のヒモを閉じる意志力を上回ることで、プレイヤーの財布がダメージを受けてしまう恐れのほうが高い。


まさかの時のボードゲーム: Lord of the Rings Card Game (2)

まさかの時のボードゲーム: Warhammer 40,000 Conquest (1): ゲームの概要

以下は、FFG のカードゲーム (LCG) である Warhammer 40,000 Conquest (ウォーハンマー 40k コンクエスト) についての、MML 定例会向けのプレイ方法の説明書きです。会員以外の誰かの役に立つかもしれないので公開してますが、あくまで内輪向けのメモなので、突然削除することがあります。もし内容に間違いを発見しましたら、ご指摘いただけましたらありがたいです。

なお、Warhammer 40k といっても Games Workshop のミニチュアゲームではなくて、FFG が 2014 年から発売している対戦型・デッキ構築型のカードゲーム (LCG) のことです。Warhammer 40k の世界観がそのまま取り入れられていますが、ゲームのルール的には直接の関連はありません。


ゲームの大まかな説明

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このゲームでは、中央に並べられた 7 枚の惑星を 2 人のプレイヤーで取りあい、先に同じマークを持つ 3 つの惑星(Planet)カードを取得したほうが勝利者となる。

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マークは惑星カードの左上に描かれていて、Material(赤)、Strengpoint(緑)、Tech(青)の 3 種類がある。また、惑星によっては複数のマークを持つものもある。たとえば上の右のカードはTech(青)のマークしかないけど、真ん中のカードは 3 つともマークがある。つまり中央の惑星は、重要度が高いということだ。

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惑星カードを取るには、その惑星上での戦闘で勝利する必要がある。自軍の Army カードを惑星に配置し、Warlord (司令官のような存在) を送りこんで惑星上で戦闘を行ない、敵をすべて退けることができればその惑星カードを取得できる。

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各プレイヤーは Warlord カードという、戦闘に使えるカードを 1 枚、最初から場に出しておける(上の写真)。Warlord はコストを支払うことなく、いつでも戦闘に参加させられる。しかし、この Warlord が戦闘などで倒されるとゲームに敗北してしまう。Warlord カードの使い方が、ゲームの勝敗を決める大きな鍵であると言ってもいい。

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Warlord 以外で、戦闘に参加できるカードとしては Army カードがある(上の写真)。このカードは、通常は手札から惑星に直接配置する。Army を配置するときには、カード左上に書かれたコストに等しい資源トークンを支払う必要がある。もちろん、資源や手札は使えば減ってしまうので、これらを効率よく補充することも戦略上重要なポイントのひとつになっている。

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資源や手札は、ラウンドの最後に定期的に補充できる他、惑星での支配権争い(Command Struggle)に勝つことで補充することができる(上の写真は資源トークン)。支配争いに勝つには、Warlord を惑星に送り込むか、相手よりも支配力の高い Army カードを惑星に配置する必要がある。各 Army カードの支配力は、テキスト欄の左上にあるハンマーのアイコンの数で示される。写真のように、支配力の高さと Army の戦闘力は必ずしも一致していない。惑星の支配を重視するのか、戦闘での敵の撃退を重視するかによって、Army の配置戦略は変わってくる。

Army カードの他にプレイヤーが使えるカードとしては、Support カード、Attachment カード、Event カードがある。カードの種別は、左上のコストを表す数値の下に書かれている。

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Support カードは自分の場(HQ)に置いて使うカードで、戦闘や支配権争いを有利に進める能力を提供する。

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Attachment カードは、Warlord や Army などに付け、付けた先のカードに対してさまざまな能力を付与する。

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Event カードは1回だけしか使えない代わりに、他のカードが使えないタイミングで使えたり、小さいコストで大きな能力を提供するものが多い。

これらのカードを駆使して、同じマークをもつ惑星カード 3 枚を、相手よりも早く集めることを目指す。

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基本は、移動の概念がない陣取りゲームという感じ。しかし、単純に強いユニット(ArmyやWarlord)を惑星に配置すれば良い、というわけではないところに面白さがある。惑星を制圧するためには強いユニットを配置したいけど、そのためには多くの資源が必要になる。でも、資源を確保するためには、制圧目標ではない他の惑星にも Army カードを配置して、支配権争いに勝たなければならない。このあたりのバランスが、なかなか難しい。さらには、Warlord を送る惑星は双方が「同時に」決めるため、相手がどこに Warlord を送ってくるかという「読み」も重要になってくる。これにデッキ構築という要素が加わって、かなり深みのあるゲームに仕上がっている。

なお、このゲームは去年の秋に発売されたところなので、2015/4 時点ではまだ 3 種類の追加のパックしか発売されていない。そのため、デッキ構築の楽しみについては、これからというところ。もちろん、他の LCG 同様に追加パックがどんどん発売される予定になっているので、デッキ構築についての心配はない(財布は心配だけど)。

まさかの時のボードゲーム: Mage Knight Board Game プレイ編 5

ラウンド1、ターン5、白のターン。

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まず手札から March を使って、ゴールドの目のダイスをソースからとって、緑マナとして使用することで移動力 4 を得た。ゴールドの目のマナダイスは、昼のラウンドに限って赤、青、白、緑のいずれのマナとしても使用することができる。夜ラウンドは、ゴールドのダイスは(通常は)使うことができない。

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カードで得た移動力 4 のうち、移動力 3 を使って隣接する魔方陣(マジカルグレイド)のある森に移動した。

次に Mana Storm を手札から出し、このカードの効果「追加のダイスをソースから取って、その色のクリスタルを得る」を使ってソースから白ダイスを取り、インベントリに白クリスタルを置く。

さらに、隣りのマスにいるランページングエネミーの Ironclads と戦う。

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白プレイヤーは最初の先制攻撃フェイズで、手札から Swiftness に白クリスタルを使って、遠隔攻撃 3 を得た。IconClads の防御力は 3 なので、このフェイズで倒すことに成功した。これにより、このあとの防御フェイズや通常の攻撃フェイズを実行することなく、敵を倒したあとの処理をする。(注: このプレイは間違っていて、IconClads は防御力の数値の横に物理攻撃半減のアイコンがあるため、実際には遠隔攻撃 6 でないと倒せない。この時点ではプレイミスに気がついていなかったことから、ここでは IronClads は倒せたものとして以後のプレイを続けている。)

攻撃のアクションを終えたので、赤プレイヤーのターンはここで終わり。まずはソースから取ったダイスを振りなおして、ソースに戻した。

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それから、このターンの戦闘で名声 4 を得てレベルアップしたので、名声ボードに書かれた報酬のコマンドトークンをもらうことができる。コマンドトークンは、ヒーローカードの上にあるレベルマーカ(八角形の1-2と書かれたマーカ)を 1 枚とって裏返しにし、ヒーローの紋章が上になるようにして、プレイヤーエリアに置く。これで、このマーカーはコマンドトークンとして使うことができる。コマンドトークンが追加されたことで、ユニットをさらに1体雇うことができる。また、レベルマーカが更新されて、一番上のマーカが 3-4 (レベル3-4という意味)と書かれたマーカになったことで、ヒーローの防御値が 3 に増えた(これについては後述)。

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最後に使った手札を 3 枚補充して、ターン終了の処理を終わった。


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