まさかの時のボードゲーム Star Wars Rebellion: 帝国軍のミッションカード

ここでは、帝国軍のミッションカードのうち、重要と思われるものについて説明する。帝国軍は、ミッションカードデッキから引ける通常の「ミッションカード」と、これとは別のプロジェクトデッキから引ける「プロジェクトカード」がある。プロジェクトカードはミッションカードと同じようにして使えるので、見掛け上はこれらに違いはない。プロジェクトカードは生産とデススターに関する効果をもつものが多く、ミッションの RESEARCH AND DEVELOPMENT でしか引くことができない。

帝国軍のスターティングミッションカード

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GATHER INTEL (Intel x1): 任意の同盟の星系で試行できる。成功すれば、同盟の秘密基地にいる同盟ユニット 4 つにつき 1 毎の probe カードを引く(最低1枚は引ける)。

probe カードを引くということは、それだけ秘密基地の候補が狭まることを意味する。毎ラウンド使うことで、じわじわと効果が現れるジャブのようなカード。このカードをちらつかせることで、同盟軍がユニットを基地に集めることをある程度牽制できる。

リーダー自体は任意の星系に置くことができるため、他のミッションより先にこのミッションでリーダーを配置しておき、あとから実行するミッションの成功率を高めたり、その星系での戦闘を有利に進めたりもできる。地味ながら強力なカードで、可能なら毎ターン使っていきたい。

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RULE BY FEAR (Diplomacy x1): 任意の帝国軍ユニットのいる有人星系で試行できる。成功すれば、その星系で1忠誠心を得る。

帝国マーカーを置くと、その星系に秘密基地があるならば、同盟軍はそこに基地があると言わなければならない。地上軍を派遣しなくても基地の有無が分かるため、小数の宇宙船を移動させながらこれをつかっていけば、かなり効率よく基地の候補を減らすことができる。もちろん、帝国の星系になればスキルアイコンの制限なく生産もできるようになるし、一石二鳥といえる。また、同盟の星系に使って同盟マーカーを除去して、POPULAR SUPPORT などの目的カードの条件達成を阻止するような使い方もできる(占領しただけでは、条件達成は防げない)。シンプルながら、汎用性の高いカード。

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CAPTURE REBEL OPERATIVE (Spec Ops x1): 任意の帝国軍ユニットのいる星系に配置された、同盟軍のリーダーに対して試行できる。成功すれば、そのリーダーを捕捉状態にする。

捕縛したリーダーに対して試行できるミッションは、ダークサイドに墜としてみたり、基地のある星系を拷問で(?)吐かせてみたりと、いろいろと強力な効果をもつものが多い。その素地を作るためのミッションとして、有効に使っていきたいミッションである。

ただし、同盟側がリーダーを帝国軍のユニットのある星系に配置していないと、このミッションにリーダーを割当てておいても、空振りに終わってしまうという問題がある。他のリーダーを使って、同盟のリーダーがいる星系に帝国軍ユニットを送りこむなど、空振りしないような対策をしておく必要はある。

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RESEARCH AND DEVELOPMENT (Logistics x1): 任意の帝国マーカーのある星系で実行する。下記の2つから1つを選ぶ。1) 2枚のプロジェクトカードを引き、1枚を手札に入れ、1枚をデッキの一番下に置く。2) サボタージュマーカーを星系から除去し、プロジェクトカードを1枚引く。

プロジェクトデッキからカードを手に入れられるミッションカード。プロジェクトデッキを掘りすすめて、デススターで星系を破壊できる SUPER LASER ONLINE を引きあてておきたいところ。また、サボタージュマーカーを除去できるカードはこれしかないので、同盟が SABOTAGE でマーカーを 2 つ以上置いてきたら、これを使って除去しておくべき。さもないと CUT SUPPLY LINES で得点される恐れがある。

重要なミッションカード (帝国)

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INTERCEPT TRANSMISSION (Intel x2): 任意の同盟の星系で試行できる。成功すれば、同盟プレイヤーは 8 枚の probe カードを引き、その中から帝国軍のユニットがある星系のカードすべてを帝国軍プレイヤーに渡す。残りのカードを probe デッキに戻してシャッフルする。

probe カードを大量に獲得できる、強力なミッションカード。自軍のユニットがいる星系の probe カードを獲得できるため、次に probe カードを引くときに、基地がある星系を引く確率候補を減らすことができる。リーダーを任意の星系に配置できるところも利点なので、うまく使って同盟軍を追い詰めたい。

ちなみに、probe カードを見て判定するのは同盟プレイヤーなので、ずるをしようと思えばできる。ゲームが終了してから probe デッキをめくって確認したとしても、STOLEN PLANS を使われてたりすると分からなかったりする。ここは、若干ルールに不備がある気がするところ。

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HUNT THEM DOWN (Spec Ops x2): 任意の星系で試行できる。成功すれば、この星系にある 2HP 分までのユニットを破壊する。

遠くの手が届かない星系に配置された、同盟軍のユニット(主に Rebeltrooper や X-Fighter あたり)を破壊するのに使える。ESTABLISH OUTPOSTS あたりの、同盟のユニットが配置されている星系の数を条件とする目的カードの達成を、地味に阻止するためにも使える。

ちなみに、帝国軍のユニットも破壊できるけど、破壊していいことは多分ない。また、星系が対象なので「秘密基地」に対しては使えない。

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CARBON FREEZING (Spec Ops x3): 捕縛されたリーダーに対して試行できる。成功すれば、Carbonite リングをそのリーダーに装着し、同盟プレイヤーは評判ポイントを 1 失なう。このリーダーは捕縛されているものと見做す。救出されたときは、装着されたリングを外す。

評判ポイントを失わせる効果を持つ、数少ないミッションカード。ただし、それ以外の効果は特にない。中盤以降に使えば、同盟プレイヤーのポイント計算を狂わせることができるかもしれない。とりあえず帝国プレイヤーとしては、ハンソロを捕えて使ってみたいよね。

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FEAR WILL KEEP THEM IN LINE (Deplomacy x1): Death Star か Star Destroyer か Super Star Destroyer がある星系で試行できる。成功すれば、このリージョンの任意の 2 つの星系で、忠誠 1 をそれぞれ得る。

一気に複数の星系を帝国星系にしたり、同盟マーカーを除去したりできる。同盟の基地の炙り出しにも使えるし、スキルアイコン目的で帝国星系にするのもよし。スターデストロイヤーなどを移動させる必要はあるけど、普通に基地を探索するためにあちこち移動しているはずなので、条件を満たすのはさほど難しくない。

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LURE OF THE DARK SIDE (Deplomacy x3): 捕縛されたリーダーに対して試行できる。この試行の間は、リーダーのすべてのスキルアイコンの合計数を試行の成否判定に使用する。成功すれば、Lure of Dark Side リングを対象の同盟のリーダーに装着する。そのリーダーはこのゲームの残りの間、帝国のリーダーになる。Luke Skywalker に対してこの試行が成功したときは、同盟プレイヤーは 1 評判ポイントを失なう。

捕まえた同盟のリーダーをダークサイドに墜とすという、最高に帝国らしいカード。帝国軍のロマンのひとつ。ルークに使って成功すれば、評判ポイントを1失わせるという強力な効果つき。是非、皇帝かダースベイダーでルークをダークサイドに墜としたい。レイア姫を捕えて墜としてみるのも乙・・・と思った貴方は帝国プレイヤーの鑑と認定。

ただ、これを狙っていくつもりが RETURN OF THE JEDI で逆襲され、ポイントされた上にダースベイダーか皇帝を除去される、みたいな悪夢は避けたいところ。ここはぐっとこらえて(?)、ルークをダークサイドに墜とすのは他のリーダーに任せるべき。

なお、アナキンはすでにダークサイドに堕ちているところからスタートなので、残念ながらそのシーンの再現はできない。というか、アナキンは捕縛状態ではない状態からダークサイドに逝ったから、このカードとは違うよね(注:ゲームとは無関係です)。

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IMPERIAL PROPAGANDA (Deplomacy x2): 任意の帝国の星系で試行できる。成功すれば、このリージョンの各星系にある同盟マーカーを除去し、中立星系にする。

複数の星系の同盟マーカーを一気に除去できるミッション。ただし、そのためには帝国の星系がそのリージョンに1つ存在している必要があるため、使うには先に準備が必要になる。狙って使っていくというよりは、使えるタイミングがあったら使っていきたい、という感じのカード。

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PLANETARY CONQUEST (Spec Ops x2): 任意の星系で試行できる。成功すれば、AT-AT を最大 1 体まで、AT-ST を最大 1 体まで、Stormtrooper を最大 2 体まで、別の星系からこの星系に、隣接や輸送のルールを無視して移動する。もしその星系に同盟の地上ユニットがいるときは、戦闘を解決する。

秘密基地があると睨んだ星系に、これを使って地上ユニットを直接送りこむことができる。戦闘に勝てないとしても、これでユニットを送りこめば、少なくとも秘密基地があるかを確認することはできる。仮に帝国ユニットがこのときの戦闘で破壊されても、CRIPPLING BLOW などでポイントされることもない。

秘密基地を急襲する以外にも、強力な兵器が生産できる星系を占領する目的に使ったり、ESTABLISH OUTPOSTS などでポイントされることを阻止したり、CAPTURE REBEL OPERATIVE の準備として使うなど、応用の幅は広い。

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HOMING BEACON (Intel x3): 捕縛されたリーダーに対して試行する。成功すれば、そのリーダーは救出される(捕縛リングを外す)。そして同盟軍プレイヤーは、そのリーダーを同盟軍の秘密基地のある星系に置かなければならない。

同盟のリーダーを発振器をつけてわざと逃がし、秘密基地を突きとめるという非常に強力なミッション。秘密基地のある星系を、一発で見つけられるミッションはこれしかない。これのためにも、是非とも同盟のリーダーを捕縛しておきたい。

なおこのミッションの内容は、帝国が Yavin 4 にある同盟の秘密基地を見つけるために、ミレニアムファルコン号にビーコンを付けるという、映画の内容に沿ったものとなっている(かなりシチュエーションは違うけど)。

同盟軍としては、全力で阻止したいミッションのひとつ。リーダーの捕縛を防ぐのが一番ではあるけど、どうしても捕縛されてしまったら、Intel の高いリーダーを残しておいて、この手のミッションが実行されそうになった時に対抗していくしかない。

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INTERROGATION DROID (Intel x3): 捕縛されたリーダーに対して試行する。この試行の間は、リーダーのすべてのスキルアイコンの合計数を試行の成否判定に使用する。成功すれば、同盟プレイヤーは、秘密基地の星系を含む 3 つの星系の名前を言わなければならない。

リーダーに拷問用ドルイド(イラストは IT-O Interrogator という機種)を使い、基地のある星系の情報を聞きだすというミッション。内容的にも帝国らしさが溢れている。帝国プレイヤーなら是非やってみたい(?)。

とりあえず、スキルアイコンを沢山もってるリーダーに使うと尋問も大変なので、できるだけスキルの少ないリーダーを捕まえて使うのがいい感じ。中盤以降に使えば、言える星系の数も減るのでなかなか効果的。難点は、Intel が高いリーダーが帝国には最初の時点では少ないこと。まあ、そのへんは数でカバーしていきたい。

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COLLECT BOUNTY (Spec Ops x3): 任意の星系にいる同盟のリーダーに対して試行する。成功すれば、そのリーダーを捕縛する。そして、その捕縛したリーダーとこのミッションに割当てたリーダーを、帝国軍ユニットがある最も近い星系に移動する。

CAPTURE REBEL OPERATIVE に似ているけど、帝国軍ユニットがいなくても使えるのが魅力的。同盟側が油断していると、これでルークを捕縛されたりして事件になる。是非、ダースベイダーでルークやレイア姫を捕縛してみたい。

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SUPERLASER ONLINE (Logistics x1) Project: Death Star のある任意の星系で実行する。その星系を破壊し、このリージョンにある有人星系1つで忠誠1を得る。

帝国軍のロマンのひとつ。映画よろしく、スーパーレーザーで星系をまるっと破壊できる。破壊した星系には「破壊星系マーカー」(大きな丸い爆発した絵の描かれたマーカー)を置く。破壊したときに、その星系に同盟軍の基地があったら直ちに帝国軍の勝利になる。帝国軍なら是非狙ってやってみたい。実際にはデススターは弱点がある上に、移動させて行かないと使えないので結構難しいんだけど・・・

なお、このカードは 3 枚あるので、最大で 3 つの星系を破壊できる。しかし、調子にのって破壊しまくっていると、破壊された星系の数だけポイントできる INSPIRE SYMPATHY で一気にポイントされて、いきなる敗北することにもなる。くれぐれも、ご利用は計画的に。

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CONSTRUCT DEATH STAR (Logistics x1) Project: 同盟軍のユニットがいない、任意の無人星系で実行する。Death Star Under Construction をこの星系に置き、Death Star を生産キューの 3 の位置に置く。Death Star が配置されたときは、Death Star Under Construction を Death Star に置きかえる。

追加のデススターを生産できる唯一のミッション。Death Star Under Construction というのは、崩れたような形のデススターのフィギュアで、このフィギュアが置かれた星系でデススターが「建設中」であることを示す。建設中なので、このフィギュアがある星系では 上の SUPER LASER ONLINE は使えない。建設が終わるには 3 ラウンドかかり、それは生産キューの上に置かれた「デススター」のフィギュアで表される。生産が終了したら、「建設中」のフィギュアを通常のデススターに置きかえることで「建設終了」したことを示す。という感じ。

ちなみに、DEATH STAR PLANS の目的カードは「建設中」のデススターに対しても使える。建設中のデススターは、シートに示される通り黒の HP を持っているので、X-Fighter などで攻撃すれば普通に破壊することもできる。もし建設中のデススターが破壊されたら、生産キューにあるデススターも除去する。「建設中」のデススターは移動できない。また「宇宙船」(ship)の数を参照するときには、建設中のデススターも「宇宙船」として数える。詳しくはルールブックを参照のこと。

まさかの時のボードゲーム Star Wars Rebellion: 同盟軍のミッションカード

ここでは、同盟軍のミッションカードのうち、重要と思われるものについて説明する。中でも毎ラウンド使えるスターティングミッションカードについては能力をよく把握しておく必要がある。これらは、使い方によって戦況を大きく左右することになる。両陣営とも、ゲーム中でのさまざまな判断をしやすくするために、自分だけでなく相手陣営のミッションカードについて把握しておくことをオススメしたい。


同盟軍のスターティングミッションカード

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INFILTRATION (Intel x1): 帝国軍のユニットが置かれた星系で試行できる。もし成功すれば、目的カードのデッキの上から2枚を見て、1枚をデッキの一番上に置き、もう1枚をデッキの一番下に置く。

目的デッキを操作して、達成しやすいカードをデッキの上に置くことができる。デッキは下に行くほど高得点のカードが入っているため、可能な限り毎ターンこれを実行して掘り進めておきたい。ただし、リーダーを帝国ユニットのある星系に配置する必要があるため、帝国の CAPTURE REBEL OPERATIVE でリーダーを捕縛される恐れがある。INTEL (青いスキル) が高めのリーダーを割当てて、捕縛を防ぐようにしたい。

帝国軍のユニットにある星系にリーダーを配置するミッションであることを利用し、別のリーダーを同じ星系に配置して星系をアクティベートした上で、多数の戦術カードを引いて戦闘を有利に進め、戦闘によって条件を満たせる目的カードでポイントするといった、補助的な使い方もできる。

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BUILD ALLIANCE (Diplomacy x1): 任意の有人星系で試行できる。もし同盟軍のユニットがいれば、ロール時にダイスを2つ追加できる。成功すれば、その星系で1忠誠心を得る。

同盟軍が星系に同盟マーカーを置く(帝国マーカーを排除する)ときは、主にこのカードに頼ることになる。同盟の星系の数や、同盟マーカーを参照する目的カードの条件を満たすためにも、毎ターンこのカードで同盟マーカーを配置していきたい。ユニットを生産する上でも、同盟星系を増やせるこのカードは重要である。DIPLOMACY のスキルが高いリーダーを割当てたり、先に同盟ユニットを星系に派遣してロール時のダイスを増やすなどして、着実にミッションを成功させたい。

帝国軍としては、このカードでマーカーを置かれると、それだけで不利になっていく。できるだけこのミッションの成功は阻止したいが、序盤はリーダー数が少なこともあり対応は難しい。中盤以降は、帝国ユニットを展開して占領星系を増やしていくことで、間接的にこのミッションの達成を制限できる。

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SABOTAGE (Spec Ops x1): 任意の星系で試行できる。もし成功すれば、その星系にサボタージュマーカーを置く。このマーカーは、置かれた星系に生産されたユニットを配置することや、その星系のスキルを使ってユニットを生産することを防ぐ。

帝国の星系に対して使い、兵器が生産されることを防ぐ。スターデストロイヤーやAT-ATのような、強力な兵器を生産できるスキルをもつ星系に使うと効果的。また、目的カードの CUT SUPPLY LINES の条件を達成する方法としても使える。

ただし、帝国星系には大抵の場合は帝国軍のユニットもいるため、INFILTRATION と同様にリーダーが CAPTURE REBEL OPERATIVE で捕縛されるリスクがある。SABOTAGE の必要スキル (Spec Ops) と CAPTURE REBEL OPERATIVE の必要スキル (INTEL) が違うため、迂闊に敵ユニットのいる星系に配置すると、リーダーが捕縛される恐れがある。また、サボタージュマーカーは帝国の RESEARCH AND DEVELOPMENT のミッションで除去できる。帝国軍は、サボタージュマーカーの置かれた帝国星系が 2 つ以上になったら、このミッションカードで除去して、目的カードでのポイントを防ぎたい。

なお、中立の星系や同盟の星系でミッションを試行することもできる。ただしその星系では生産や部隊の配置ができず、ESTABLISH TRADE RELATIONS も使えなくなる点に注意。同盟軍にはサボタージュマーカーを排除する手段がないため、自軍の星系にサボタージュを置いてしまうと通常は一方的に不利になる。また、サボタージュマーカーが置かれている星系でこのミッションを成功させても、2個目のサボタージュマーカーが置かれることはない(1つの星系にはサボタージュマーカーは1個しかおけない)。

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RAPID MOBILIZATION (Logistics x1): 同盟の秘密基地で実行する。このフェイズの終了時に、次の2つのうちのひとつを選んで実行する。1) 基地が公開状態でないならば、ひとつの星系にある 5 つまでの同盟ユニットを、秘密基地に移動する。このとき、移動元の星系が基地のある星系に隣接していなくてもよい(隣接ルールは無視される)。2) 新たな同盟の秘密基地を設立する。もしこのミッションにリーダーが2人割当てられていたら、probe デッキの上からカードを4枚引くかわりに、8枚引く。

いずれの能力を選んだ場合でも、実行するのはこのフェイズの終了時であることに注意。他のリーダーのすべての行動が解決したあとで、このカードの能力を実行する。

ひとつ目の能力を使うと、秘密基地に任意の星系からユニットを移動させることができる。通常のユニットの移動と違って、秘密基地のある星系に隣接している星系以外からでも移動できるため、秘密基地の位置が暴露されずにすむ。このカードで基地に戦力を集めておき、次のラウンドに HIDDEN FLEET などで空いている任意の星系に、同盟のユニットを転送する方法はかなり効果的。ただし、基地に多くのユニットを集めすぎると、帝国の GATHER INTEL で沢山の probe カードを引かれ、基地の位置がバレることにつながる。

ふたつ目の能力では、基地を別の星系に移転することができる。基地のある星系がバレてしまったときに、このカードで別の星系に逃げることができれば、同盟軍の即座の敗北を防ぐことができる。RESOLVE カードなので、ミッション自体は必ず成功する。ただしいろいろと制約があり、基地の移転自体が必ずしも成功するわけではない。新基地の設立(基地の移転)の手順は以下の通り。

  1. probe デッキの上から 4 枚を引いて、その中から新たな基地を置く星系を決める。基地を置ける星系は、帝国のユニットがおらず、帝国マーカーや占領マーカーがない星系のみである。もし引いたカードの中に条件を満たす星系がなかったら、このラウンドは基地を移動できない。引いた probe カードの中に気にいる星系がなければ、移動しないことを決めてもよい。なお、移動できなかった(しなかった)場合は、引いた probe をシャッフルして、probe デッキの一番下にまとめて置く。
  2. 新たな基地を設立して移動すると決めたら、現在の基地の位置を示す probe カードを帝国軍プレイヤーに渡す。このときまで基地が「隠れた」状態であったなら、基地のユニットすべてを基地があった星系に移動させる。
  3. 新たな基地の位置を示す probe カードを、伏せたままゲームボードの Location の位置に置く。残りの probe カードはシャッフルして probe デッキの一番下にまとめて置く。

この手順が示す通り、引いた probe カードの中に、移転可能な星系が含まれていなければ、基地は移転できない。そのため、帝国軍プレイヤーが多数の probe カードを保有していたり、多くの星系がすでに帝国の手に落ちていると、このミッションカードを使っても移転できないことが多い。移転を成功させるためも、LOGISTICS のスキルを持つリーダーを 2 人以上確保し、このカードの実行時には 2 人のリーダーを割当てて、8 枚のカードを引けるようにしたい。事前に STOLEN PLANS で帝国プレイヤーから probe カードを回収しておくと、より成功率を高められる。

なお、基地を設立した直後には、基地には同盟ユニットがひとつもない状態になる。新たな基地にユニットを置くためには、建設したユニットの配置や、他の星系からのユニットの移動などによって、別途基地にユニットを移動させる必要がある。

帝国軍としては、このカードで移転されてしまうと、これまでの努力が水の泡になる可能性がある。ミッションの実行自体は防げないので、GATHER INTEL などの probe カードを引けるミッションを実行したり、できるだけ多くの星系にユニットを配置したり、帝国マーカーを置くなどの対策をしていくことになる。手元にきた probe カードも、STOLEN PLANS でデッキに戻されることがあるので、見た probe カードについてはメモをとっておくと良い。

とはいえ、このカードへの根本的な対策は、圧倒的な兵力でフェイズ終了時までに基地を占領してしまうことだろう。このミッションが解決されるのはこのフェイズの終了時なので、フェイズ終了時までに占領してしまえば、基地の移転は確実に防げる。


重要なミッションカード

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PLAN THE ASSAULT (Intel x2): 任意の帝国軍の船(青いリソースアイコンで示されるユニット、デススターも含む)がある星系で試行できる。もし成功すれば、同盟軍の船を秘密基地からこの星系に(任意の数の(船を移動する。地上ユニットは移動できない。秘密基地にいるリーダーは、このユニットの移動を妨げない。ユニットを移動したのち、この星系での戦闘を実行する。

目的カードの、DEATH STAR PLANS や REBEL ASSAULT を条件を達成するために使えるミッションカード。普通の星系に同盟軍の戦力を集めておいても、帝国軍に先に攻撃されてしまうことが多い。しかし、RAPID MOBILIZATION などで基地に兵力を集めておき、このミッションでピンポイントに狙った星系に兵力を送れば、帝国軍から先に攻撃を受けることなく、デススターやスターデストロイヤーのいる星系に兵力を送ることができる。その後の戦闘でスターデストロイヤーを破壊したり、DEATH STAR PLANS でデススターを破壊することに成功すれば、多数の評判ポイントを稼ぐことができる。強力なカードなので、うまく使っていきたい。

帝国軍としては、デススターとスターデストロイヤーを同じ星系に置かないとか、デススターには必ず黒の攻撃力をもつ護衛を多数つけるなど、対策をしておきたいところ。基地に兵力を集めたところで GATHER INTEL で probe カードを沢山引くのもいい。帝国軍ユニットのある星系にリーダーを配置してきたら、CAPTURE REBEL OPERATIVE でリーダーを捕捉するもよし。基地に兵力を集めだしたのを見たら、このカードの実行を阻止するために、Intel の高いリーダーを残しておくのもアリ。

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HIDDEN FLEET (Logistics x1): 任意の帝国ユニットの存在しない星系で実行する。同盟軍の秘密基地から、この星系に任意のユニットを、あたかもこの星系が基地に隣接しているかのように移動する(移動時の星系の隣接条件を無視して移動できる)。秘密基地にいるリーダーは、このユニットの移動を妨げない。

上と似たカードだけど、こちらは帝国軍がいない星系にしか移動できない。一方で、地上ユニットも移動できるので、BUILD ALLIANCE などのミッションの成功率を高める、補助的な役割として使える。目的カードの ESTABLISH OUTPOSTS の条件を満たす方法としても使える。帝国が油断してて、戦力を置いてない星系があるならば、CUT SUPPLY LINE を達成する方法としても使える。上の PLAN THE ASSAULT ほど強力ではないけど、ゲリラ的に使ってポイントを狙えるカードではある。

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SUPPORT OF MON CALAMARI (Diplomacy x2): Mon Calamari 星系で試行できる。もし成功すれば、この星系で 2 忠誠心を得るか、Mon Calamari Cruiser 1 体を建設キューの 3 のスペースに置く。

使える星系が限定されているが、成功すれば帝国の支配に落ちていても一発で同盟の星系にできる(占領状態は解除できないけど)。目的カードの POPULAR SUPPORT や REGIONAL SUPPORT の達成にも使える。すでに同盟マーカーが置かれている場合でも、貴重な戦力である Cruiser を建設できるのは悪くない。

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PUBLIC UPRISING (Diplomacy x3): 任意の占領された星系で試行できる。もし成功すれば、1● と2▲のユニットをこの星系で得る(地上ユニットと宇宙ユニットの任意の組合せを選んでよい)。ユニットを得た後、この星系での戦闘を実行する。

目的カードの LIBERATION や CRIPPLING BLOW の達成のために使える。LIBERATION を狙う場合は、戦闘で勝利しなければならないので、できるだけ手薄な占領星系を狙ったほうがよい。CRIPPLING BLOW のほうを狙うなら、3HP 分以上ユニットが配置されている占領星系で使う必要がある。戦闘に勝って地上ユニットを残せる勝算があるならば、同時に ESTABLISH OUTPOSTS や CUT SUPPLY LINE の達成も狙える。

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FOR THE GREATER GOOD (Intel x 3): 捕縛されたリーダーのいる任意の星系で試行できる。もし成功すれば、リーダーを救出する(捕縛リングを除去して、そのリーダーを秘密基地に置く)。そして、目的カードを1枚引く。このミッションに割当てられたリーダーは、この星系にそのまま残る。

捕縛されたリーダーを助けつつ、目的カードを1枚引けるという強力なカード。ただし Intel のスキルが 3 つ必要なミッションなので、手持ちのリーダーの状況によっては、2 人割当てないとミッションが試行できないこともある。下の DARING RESCURE や CONVERT OPERATION などの使用も見こして、Intel x3 のリーダーを1人はリクルートしておきたいところ。

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DARING RESCUE (Intel x 2): 捕縛されたリーダーのいる任意の星系で試行できる。もし成功すれば、リーダーを救出する(捕縛リングを除去して、そのリーダーとこのミッションに割当てられたリーダーすべてを秘密基地に置く)。

捕縛されたリーダーを救出できるカード。救出できるだけのカードだけど、上のカードよりスキルがひとつ低くても実行できるようになっている。なお、このカードは2枚あるので、上のカードとあわせると 3 回は救出のチャンスがあることになる。これらのカードを使いきったら、捕縛されたリーダーのいる星系の帝国軍のユニットすべて倒すか、一部のアクションカードでしか救出はできなくなる。

ちなみに、何らかの理由で捕縛されたリーダーが盤面からいなくなってしまったら、このラウンドはこのミッションは試行できないし、このミッションに割当てられたリーダーを他の用途に使うこともできない。

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ESTABLISH TRADE RELATIONS (Diplomacy x3): サボタージュマーカーの無い、任意の星系で試行できる。もし成功すれば、この星系で 1 忠誠心を得て、この星系のリソースアイコンに対応するユニットを、アイコンで示された番号のキューに置く。

スタークルーザーなどの、強力な兵器を作ることができる、同盟にとっては数少ないミッションのひとつ。ただ、「サボタージュマーカーが無い」星系という制約があるのと、Diplomacy スキル 3 つが必要なので、使うタイミングや星系の選択がやや難しい。

強力な兵器の生産できる星系を帝国軍に押さえられているときは、その星系にサボタージュマーカーを置いて阻止したくなる。しかし、そうするとこのミッションは試行できないことになる。先にこのミッションを実行してから、あとで SABOTAGE を使ってマーカーを置くなど、多少の工夫が必要になる。

中立の星系では使いやすいけど、Diplomacy が 3 つ必要なので、序盤だとリーダーを2人割りあてないと実行できないことも多い。しかし、いろいろ行動したい序盤にこれに2つ割りあてるか・・・というと、なかなか難しい。という感じで、これ自体は強力なカードなんだけど、使いどころに悩むことになりそう。

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CONTINCENCY PLAN (Logistics x1): このリーダーを、このラウンドにすでに実行もしくは試行したスターティングミッションに割当てる(注釈:そのスターティングミッションは、このラウンドにもう一度試行または実行できる、ということ)。Lando Calrissian がこのミッションに割当てられた場合、彼が割当てられるこのラウンドの以降のミッションでは、ロール結果に「成功の目2つ」を加える。

同じミッションを2回実行できる珍しいカード。使い方によって、大きな効果を得ることができる。ッションカードの中では、おそらく唯一 Resolve とも Attempt とも書かれていないカードで、ルール的にもイレギュラなものになっており、処理を間違いやすい。

このカードを表に向けた時点で、このミッションに割当てられているリーダーを、すでに使ったスターティングミッションカードを1枚選ぶ。それを裏向きに置いた上で、リーダーをそのカードの上に置く。つまり、そのカードにはリーダーがミッションに割り振られた状態になる。あとは、そのミッションカードを(次の自分の手番で)普通に解決(または試行)する。もちろん、そのラウンドに使ったスターティングミッションカードがなければ、このミッションは自動的に失敗する。

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SEEK YODA (Intel x2): DAGOBAH 星系で実行できる。このリーダーに MASTER YODA リングを装着する。1ラウンドに1度だけ、このリングを装着されたリーダーと同じ星系でミッションの試行や戦闘が行なれたときに、ダイスを1つだけ振り直してもよい。もし Luke Skywalker がこのミッションを実行したときは、Luke Skywalker トークンを Luke Skywalker (Jedi) に交換する(リングは、交換したあとのトークンに装着する)。

映画のストーリーに沿った内容のミッション。YODA に指導を受けたリーダー(強化済み)がいる星系で誰かがミッションを試行すると、指導されたリーダーがフォースでダイスを振り直す能力を使える、みたいな感じの効果が得られるミッション。後半の「ルークが指導を受けたら、ルーク(ジェダイ)に交換する」というほうが実のところメインの効果で、このミッションでルークを大幅に強化できる。引いたら是非ルークで実行したいところ。

ちなみに、Master Yoda Ring のついてるリーダー本人がミッションを試行するときでも、ダイスを1つ振りなおす効果は使える。

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LEAD THE STRIKE TEAM (Spec Ops x2): 任意の星系で試行できる。もし成功すれば、秘密基地からこの星系に、4 つまでの地上ユニットを移動する。このとき、移動に関する隣接ルールは無視する。もし帝国軍の地上ユニットこの星系に存在する場合、戦闘を実行する。

目的カードの LIBERATION、CRIPPLING BLOW、CUT SUPPLY LINES、ESTABLISH OUTPOSTS などの条件をクリアするために使えるカード。HIDDEN FLEET や PUBLIC UPRISING と違って、どの星系でも試行できるため汎用性が高く、使い方によっては一発で勝負を決めることもできる。

うまく使えば、捕縛されたリーダーの救出もできるし、帝国軍が油断していれば RETURN OF THE JEDI や HEAT OF THE EMPIRE の条件達成のためにも使える。ここぞというところで使いたい一枚。

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INCITE REBELLION (Diplomacy x2): 占領された星系で試行できる。もし成功すれば、この星系に 3 体の Rebel Trooper を得る。Rebel Trooper を置いたあと、戦闘を実行する。

PUBLIC UPRISING に近いカードだけど、出せるのが Rebel Trooper なので、AT-ST などの赤い HP をもつユニットがいる星系では使いにくいのが難点。Stoomtrooper しかいない占領星系に使って、占領状態を解除するとか、LIBERATION の条件を満たすといった目的には使える。

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CONVERT OPERATION (Intel x3): 任意の帝国ユニットのある星系で試行できる。もし成功すれば、目的カードを2枚引き、1枚を手札に入れ、もう1枚を目的デッキの一番下に置く。

INFILTRATION に似ているけど、1枚は手札に入るのが大きい。目的カードの枚数が増えれば増えるほど、単純に勝利に近づくとも言えるので、手札に来たら優先的に使いたいカード。ただし、スキル 3 つが必要なのでリーダーの割当てが難しい。また、INFILTRATION 同様に帝国ユニットがある星系でしか使えないため、リーダーが捕縛されるリスクもあるなど、デメリットも少なくない。

まさかの時のボードゲーム Star Wars Rebellion: ゲームの概要

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概要の概要

このゲームは、スターウォーズの世界を舞台とした、勝利条件が非対称な戦略級の SF ボードゲームである。帝国軍は、32の星系の中から同盟軍の秘密基地を見つけだし、占領することができれば勝利となる。同盟軍は、基地を占領される前に「評判マーカー」が「時間マーカー」と同じ位置に置くことができれば、その瞬間に勝利となる。

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時間マーカーとは、ラウンドが1つ進むごとに進めるマーカーのことである。評判マーカーは最初の時点で 14 のところに置かれている。このため、14ラウンド経過すれば自動的に同盟軍の勝利になる。さらに、同盟軍は目的カードに書かれた条件を満たすことで「評判ポイント」を得ることができ、1 評判ポイントを得るごとにマーカーを、時間マーカーの進行方向と逆方向に1つ進めることができる。つまり、評判ポイントを 1 つ得たら、13 ラウンド経過したところで同盟軍の勝利となる。評判ポイントを稼げば稼ぐほど、同盟軍の勝利が近づく。このため、同盟軍にとっては「評判ポイント」を早く大量に獲得することが、最も重要な戦略的課題となっている。

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評判ポイントを獲得できる「目的カード」は15枚(14種)あり、大別すると「規定数の星系を同盟の影響下に置く」「戦闘で一定の成果を挙げる」「特別なイベントをクリアする(デススター破壊など)」の三種類がある。「目的カード」は1ラウンドに1枚ずつ引けるので、ラウンドが進むにつれて同盟軍はポイントできる機会が増えていく。ただし、初期の同盟軍の戦力は帝国軍の 1/3 程度しかなく、途中で生産できるユニットの数も、帝国軍のほうが勝ることが多い。そのため、ラウンドが進むと目的カードを複数手札に持てる一方で、行動の自由度が下がっていく。いつポイント獲得を仕掛けていくかというタイミングの見極めが、同盟軍プレイヤーには求められる。

対する帝国軍は、帝国軍が評判ポイントを得ることを阻止しつつ、艦隊を星系に展開して同盟軍の秘密基地を炙りだしていく。多くの星系に地上軍を派遣し、同盟軍の基地の有無を確認していくことが、地道ながら勝利への近道である。最初の時点では、同盟軍の基地はどこにあるかは(帝国軍には)分からない。そのため、帝国軍は虱潰しに星系を探索していくことになる。ただし、ラウンドが進むたびに帝国軍は「基地が存在しない 2 つの星系」の情報を新たに得ることができる。つまり、後半のラウンドになればなるほど、基地を見付けやすくなっていくわけだ。とはいえ、同盟軍も中盤以降は評判ポイントの大量獲得を狙ってくる。いかに同盟軍の行動を阻止しながら、未探査の星系を潰していくかが、帝国軍プレイヤーの腕の見せどころである。

リーダー

同盟軍、帝国軍のいずれも何らかの「行動」をするためには、必ずその「行動」に「リーダー」を割当てる必要がある。艦艇を動かすにしても、戦況を有利にすることができる「ミッション」カードを実行するにしても、リーダーを割当てなければならない。最初の時点では、互いの陣営にリーダーは 4 人しかいないので、両陣営とも最初のラウンドにできる行動は最大 4 つまで、ということになる。

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リーダーは、ラウンドが進めば新たに「リクルート」して、増やすことができる。つまり、後半のラウンドになるほど、行動できる数が増えることを意味している。

リクルートするときは、自分のアクションデッキから 2 枚のカードを引き、そのカードで示されるリーダーのいずれかを選んで、自軍のシートの上に置く。リーダーにはミッションを実行するために必要な「スキル」や「戦術カードを引ける枚数」といったパラメータがあるため、どのリーダーをリクルートするかは戦略上かなり重要な要素になっている。これらのパラメータについては後述する。

ミッションカード

各プレイヤーとも「ミッションカード」と呼ばれる手札を持っており、これをプレイすることで、星系を自軍の支配下に置いたり、戦闘を有利に進めたり、相手の行動を妨害することができる。ミッションカードは、各ラウンドに2枚ずつ引け、最大 10 枚まで手札として持っておける。ミッションカードをプレイするには、そのカードで指定された「スキル」をもつリーダーを割当てる必要がある。たとえリーダーがいたとしても、カードとスキルが一致していなければ、カードをプレイすることができない。

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たとえば、この同盟軍のミッションカードは「任意の有人星系で試行でき、ミッションが成功すればその星系に1忠誠心を得る(その星系が中立なら、同盟マーカーを置いて同盟の影響下に置く。帝国マーカーがある(帝国の支配下)であれば、帝国マーカーを除去する)」という能力をもっている。これをプレイするには、このカードが指定する Diplomacy (左上の黄色いアイコン) スキルを1つ以上もっているリーダーを割当てる必要がある。

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次に、リーダーであるレイア姫をこのミッションに割当てるとしよう。このとき、レイア姫は Diplomacy のアイコンを 2 つ持っているので、このミッションに割当てることができる。一方でチューバッカは Diplomacy のアイコンをもっていない(茶色の Spec Ops のアイコンが3つあるだけな)ので、このミッションには割当てられない。ルークも Diplomacy のアイコンはないので割当てられない。

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リーダーをミッションに割当てるときは、カードを裏向きに置いて、その上にリーダーを置く。この時点ではカードの表を対戦相手には見せないので、どのリーダーが何のミッションに割当てられたのかは、対戦相手は知ることができない。

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次に、それぞれのミッションをどの星系で試行するかを決める。BUILLD ALLIANCE は有人星系(populus system)でしか試行できないので、ボードの中から有人星系をひとつ選ぶ。「有人星系(populus system)」とは、同盟マーカーなどを置ける六角形のマスのある星系のことを意味する。たとえば、上の写真で見えている範囲では、MYGEETO、MANDALORE、ORD MANTELL の 3 つの星系が有人星系である。一方で DATHOMIR、DANTOOINE、ILUM の 3 つの星系には枠がなく、無人星系(remote system)である。これらの星系では、このミッションは実行できない。

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さて、ここででは MYGEETO 星系をミッションを実行する星系に選ぶとする。同盟軍プレイヤーは、この時点でリーダーであるレイア姫を星系に置いて、ミッションカードを帝国軍プレイヤーに見せる。このとき帝国軍は、配置されたリーダーに対して、ミッションの実行を阻止するために、自軍のリーダーをその星系に派遣する機会がある。もし帝国軍が誰も派遣しなければ、ミッションは自動的に「成功」となって、その星系に同盟マーカーが置かれる(同盟の支配下に置かれる)。もし帝国軍がリーダーを派遣した場合は、ミッションが阻止されたかを判定するために、両陣営ともダイスを振る。

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今、帝国軍はミッションを阻止するために、ダースベイダーをこの星系に派遣したとしよう。ミッションカードの要求するスキルは Diplomacy (黄色のアイコン) なので、両軍のリーダーの黄色のアイコンの数だけダイスを振って、阻止されたかどうかを判定する。今回の場合、同盟軍と帝国軍の双方とも 2 つのダイスを振る。ダイスの目のうち、□っぽい目と爆発してるような目は「1成功」、※みたいな目は「2成功」と数える。ミッションを実行する側の目の合計の成功数が、ミッションを阻止する側の合計の成功数を上回った場合、ミッションは「成功した」ことになる。もし目の数が等しいか、阻止側の成功数のほうが上回った場合は、ミッションは「阻止された」ことになる。

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同盟軍が赤ダイス、帝国軍が黒ダイスを振った結果が上のようになった場合は、同盟の成功が 2 (※ = 2)、帝国の成功が 1 (爆発 = 1) なので、ミッションは成功となって、この星系には同盟マーカーを置く。

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もし結果が上のように、同盟の成功が 1 (爆発 x 1 = 1)、帝国の成功が 1 (□ x 1 = 1) となったときは、成功数が等しいのでミッションは「阻止された」ことになる。この場合は、何もおこらない。成功の数が同数のときは阻止されたことになるため、阻止する側のほうがやや有利になっている。

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ひとつのミッションには同時に 2 人までのリーダーを割当てることができる。上のように、1人ではスキルが足りないミッションでも、2人あわせることで試行させることができる。また、どうしても成功させたいミッションには、リーダーを二人割当てて阻止される確率を下げることもできる。これに対して、阻止側は 1 人しか派遣できない。ミッションを阻止するためには、できるだけ高いスキルをもつリーダーを派遣するしかない。

なお、ミッションを試行しようとした星系に、すでに自軍のリーダーが(別のミッションの試行をしたなどの理由で)いるときは、そのリーダーのスキルも成否判定のときに使うことができる。同様に、敵軍のリーダーがミッションを試行しようとした星系に、すでに自軍のリーダーが配置されているときは、そのリーダーで阻止を試みることもできる。つまり、リーダーをうまく配置することで、リーダーを複数のミッションで使ったり、相手のミッションを阻止するために再利用することができるようになっている。このルールがあるため、どの星系でミッションを実行するか(リーダーを配置するか)は、よく考えて決める必要がある。

ちなみに、特定のリーダーでミッションを実行すると、成功率が高くなったり、特別な効果が得られるミッションカードもあったりする。このため、リーダーの割当てについては考える要素が多い。実際、ラウンド毎にどのリーダーをどう割当てるかを考えるところに、かなりのプレイ時間を使うことになる。

リーダーの捕縛

帝国軍は、ミッションの実行によって、同盟軍のリーダーを捕縛することができる。捕縛されたリーダーは、同盟軍は使うことが一切できなくなってしまう。捕縛されてしまったリーダーは、同盟が解放を行なうミッションを実行するか、そのリーダーのいる星系から帝国軍のユニットを排除することで解放することができる。しかし、解放できるミッションカードは 3 枚しかないし、帝国軍に戦闘で勝つことは大抵の場合難しいことから、一度捕縛されるとなかなか解放できないことが多い。

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捕縛されたリーダーには「捕縛リング」というのを装着し、捕縛されていることを示す。捕縛されたリーダーは、帝国軍が「地上ユニットであるかのように」移動させられる。

さらには、帝国側には捕縛したリーダーをダークサイドに墜とすというミッションもある。ダークサイドに堕ちたリーダーは、以後帝国側のリーダーとして使えるようになり、二度と同盟側には戻らない。映画の内容に沿ったミッションではあるが、同盟としては実行されたら最悪のミッションである。もちろん、帝国軍としては是非とも狙っていきたいミッションである。

ユニットと戦闘

自軍のユニットを移動させる場合にも、移動させたい先の星系にリーダーを「配置」する(星系を「アクティベートする」という)必要がある。自軍のリーダーを配置した星系にのみ、艦艇を「隣りの星系から」移動させることができる。もしその星系に敵軍のユニットがいれば、もちろん戦闘になる。戦闘自体はリーダーがいなくても行なえるが、リーダーがいる陣営だけ「戦術カード」というカードを引いて、戦闘を有利にすすめることができる。防御側は、戦闘の起こった星系に自軍のリーダーがいない場合は、戦術カードを引くためにその星系にリーダーを派遣してもよい。戦闘のときもミッションと同様に、すでに他のミッションでその星系に自軍の別リーダーが配置されていれば、その陣営は戦術カードを多く引けることになる。

戦闘は「宇宙戦」と「地上戦」があり、それぞれ独立して行なう。戦闘の結果はダイスのロールによって決まり、出た目の数に従ってそれぞれダメージを与えあう。赤と黒のダイスがあり、赤ダイスは赤の HP を持つユニットにのみダメージを与えることができ、黒ダイスは黒の HP をもつユニットにしかダメージを与えられない。

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たとえば、X-Fighter は黒の攻撃ダイスしかないので、黒の HP をもつ TIE Fighter にしかダメージを与えられない。一方で Star Destroyer は黒と赤の攻撃ダイスを持っているので、すべての宇宙船にダメージを与えることができる。地上戦についても同様で、Rebeltrooper は黒の攻撃ダイスしかないため、AT-AT にはダメージを与えられない。一方で AT-AT は赤と黒の攻撃ダイスを持っているので、地上のすべてのユニットにダメージを与えることができる。

なお、Death Star は HP がなく、通常の方法では破壊できない。DEATH STAR PLANS という目的カードを使ったときだけ、破壊することを試みることができる。DEATH STAR は SUPERLASER ONLINE というミッションを実行し、星系そのものを破壊することもできる。破壊した星系に同盟軍の基地があれば、破壊した時点で帝国軍の勝利になる。

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戦術カードは、ダメージを軽減するものや、無条件でダメージを与えるもの、特定のダイスの目が出たときのみ、有利な効果が発生するものなどがある。カードは戦闘の直前に引いて使う。何枚のカードが引けるかは、リーダートークンの下端に書いてある。青が宇宙戦で引けるカードの枚数で、黄色が地上戦で引けるカードの枚数である。

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左のリーダー(ハンソロ)の場合、宇宙戦でも地上戦でも 2 枚引ける。中央のリーダーは数字が書いていないので、このリーダーが戦闘になった星系にいても、戦術カードを引くことができない。右のリーダーなら、宇宙船では1枚、地上戦では3枚引ける、という具合になる。引いたカードは、そのラウンドのその星系での戦闘にだけ使える。戦闘が終わったら、カードはすべて捨札にする。

ユニットを移動させるとき、宇宙船については移動できる数に制約がない。一方で地上ユニットについては、無条件に移動できるわけではない。宇宙船には「輸送力」というパラメータがあり、その合計数までの地上ユニットを輸送できる。帝国軍は、地上戦で勝利する(相手側のユニットがいない状態にする)ことで、初めてその星系を「占領」することができる。ただし、帝国軍が占領状態を続けるためには、最低1つの地上ユニットをその星系に配置し続ける必要がある。もし占領された星系に地上ユニットがいなくなると、その星系は占領状態を解除される。

帝国軍が新たな星系に地上ユニットを上陸させたら、その星系に秘密基地があるかについて、同盟軍プレイヤーは答えなければならない。もしそこに秘密基地があれば、上陸戦力と基地の戦力との戦闘になる。その結果、基地の戦力が全滅してしまったら、ただちに帝国軍の勝利になる。

同盟軍の秘密基地と probe カード

秘密基地は「隠されている」状態では、ゲームボードの端にある、REBEL BASE というスペースで表現される。

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ここに置かれたユニットは、秘密基地の戦力として数えられる。LOCATION という場所に伏せられたカード (probe カードと呼ばれる) には、秘密基地がある星系が書かれている。「隠されている」状態のときは、このカードを伏せたままにしておく。

もし基地のある星系が「バレて」しまったときは、probe カードを表に向けて、基地スペースにあるユニットを、すべて probe カードに書かれた星系に移動する。基地が公開された状態で、その星系が帝国軍に占領されてしまえば、その時点で同盟軍の負けとなる。

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probe カードは、32 あるすべての星系が 1 枚ずつカード化されたものである。これらのカードは、上のようにデッキとして積んであり、帝国軍は 1 ラウンドに 1 回だけ、ここから 2 枚のカードを引ける。帝国軍は probe カードを見ることで、秘密基地が「ない」星系がどこであるかを知ることができる。帝国軍には probe カードを引くミッションカードもあり、それらを併用することで、より早く基地のある星系の情報を得ることができる。

同盟軍は、仮に帝国軍に基地のある星系を突き止められたとしても、そのラウンドに占領されてしまわなければ、次のラウンドに基地を別の星系に移転する(再び隠れた状態にする)ミッションを実行することができる。ただし、移転先は probe デッキから引いた 4 枚のカードからしか選べない。もし、引いた probe カードの示す星系すべてがすでに帝国の手に落ちていたら、基地の移転に失敗してしまう。帝国軍としては、せっかく見つけた基地を移転されては、捜索の苦労が水泡に帰す恐れがある。できるだけ多くの星系を占領したり、probe カードをたくさん引いてデッキのカードの枚数を減らすなどして、ミッションカードによる基地の移転を防ぐ必要がある。

ユニットの生産

両軍とも、2ラウンドに1度程度の割り合いで、自軍の支配下にある星系でユニットを「生産」することができる。生産できるユニットは、有人星系に書かれた「スキルアイコン」で指定されている。

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たとえば、上の写真の MYGEETO 星系のすぐ下に書かれている青の四角と丸がスキルアイコンである。アイコンに対応して生産できるユニットは、それぞれのプレイヤーのシートに書かれている。

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帝国軍が MYGEETO 星系を支配していれば、このシートで示すように TIE Fighter と AT-AT を生産できる。

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一方、同盟軍が支配しているのであれば、X-Figer か Y-Fighter のいずれかと Shield Generator か Ion Cannon のいずれかを選択して生産できる。

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生産するときは、ボードの端にある「生産キュー」の該当する番号のところに、指定されたユニットを置く。このキューに置かれた「生産中の」ユニットは、ラウンドが進むごとに 3 → 2 → 1 と進めていき、1 の欄から出たユニットは「生産完了」となって、自軍の支配下にある星系に配置できるようになる。つまり、支配している星系が多ければ多いほど、たくさんのユニットを生産できるわけだ。

星系を支配下に置くためには、同盟軍は自軍のマーカー(同盟マーカー)を置く「ミッションカード」を実行する必要がある。帝国軍は、ミッションの実行で自軍のマーカー(帝国マーカー)を置く方法以外に、地上ユニットを配置して「占領」することでも、自軍の支配下における。ただし、先にも説明したように、占領した星系から帝国の地上ユニットがいなくなると、占領状態は解除される。また、占領星系ではスキルアイコンでの生産時に、左側のスキルだけしか使えない(半分しか生産できない)という制約もある。

アクションカード

ここまでで、ゲームのだいたいの要素については書いたと思う。最後にアクションカードについて触れておこう。

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アクションカードは、ゲームの最初とリーダーをリクルートするときに 2 枚ずつ引くことができる。カードに書かれたリーダーを選んでリクルートする(自軍に加える)という用途以外に、ゲームの間に1度だけ使える特殊な能力を持っている。引いたアクションカードは伏せた状態で置いておき、能力を使いたいときは公開して使う。ミッションカードのようにして使うカードもあれば、特定の条件を満たしたときにその場で使えるカードもある。一度使ってしまったアクションカードは、そのゲームでは二度と使えない。

アクションカードの能力は、だいたい映画のストーリーに沿った内容になっており、特定のミッションの成功率を上げたり、特定の星系での戦闘を有利にしたり、特定のリーダーを解放したり、といった効果が得られるようになっている。効果自体はそこまで大きなものではなく、使える状況が限定的であったりするので、ゲームの「味付け」要素という感じはする。とはいえ、条件が揃えば映画のストーリーにハマったかのように美しく効果を発揮してくれるので、スターウォーズのファンであれば積極的に狙って使っていきたいところ。

ちなみに

ルールの説明に 1 時間ほど、セットアップに 30 分くらい、プレイには 2 人で遊んで 4-5 時間かかるという、かなりの重量級のゲームになっている。しかも、最低でも 2m x 2m くらいのスペースがないと、ゲームのコンポーネントを並べきれない。遊ぶときには、かなりの気合を入れて時間と場所を確保する必要がある。

ユニットの生産時に、フィギュアを並べる作業がなかなか大変なので、フィギュアは種類ごとにまとめておいたほうがいい。また、帝国側はメモ用紙などを用意して、引いた probe カードをメモするなど、秘密基地の位置を探るためのヒントを書きのこしておくと良い。むしろそうでもしないと、基地の場所を突き止めることはなかなか難しい。

なお、新たなプレイヤーと遊ぶときは、ルールをよく把握している側が帝国軍を担当し、同盟軍側には「目的カード」の一覧を先に説明しておくと、プレイがスムーズに進みやすい(と思う)。帝国側は割と淡々としたプレイになり、やや高揚感みたいなものが少ない。一方で、同盟側のほうがリーダーに有名人が多くて親しみやすく、一発逆転の要素がある。そのため、同盟軍のほうが(日本の)初心者プレイヤーには受けが良いように思う。途中で大きな勢力差がついたとしても、途中から帝国側にハンデを付けることは容易なので、そういう意味でも熟練のプレイヤーが帝国側を担当することをオススメしておく。初心者ジェダイを篭絡し、ダークサイドに墜としていくのも乙なものである。