まさかの時のボードゲーム: Lord of the Rings Card Game (2) 準備編

まさかの時のボードゲーム: Lord of the Rings Card Game (1) 概要


Core Set のルールブックに書かれている最初のシナリオ「Passage Through Mirkwood」を、2人で(デッキ2つで)プレイするための準備方法について説明する。

クエストカードは、119,120,121,122 を使う。数字の書かれていない面を上にして、119 が一番上になるように積んでおく。これらのクエストカードを順番に「クリア」状態にしていき、最後のクエストをクリアした時点でゲームに勝利する。

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次に遭遇デッキを用意する。シナリオ「Passage Through Mirkwood」では、遭遇カード(裏に目が書かれたカード)の右下に、オーク、蜘蛛、木のいずれかのアイコンの書かれたカードを使う。これらのカードをすべてまとめて遭遇デッキとし、シャッフルして裏向きに積んでおく。

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プレイヤーのデッキは、最初から入っている4つのデッキのうちから2つ選ぶことにする。Lore (緑の本のアイコン) と Spirit (青い雪の結晶のアイコン) のデッキの組合せが比較的強い気がするので、これらを使うことにする。もちろん、デッキを自分で構築してもいい。その場合はデッキの「カードの枚数は50枚以上」「同じカードは3枚以下」という条件に従って構築する必要がある。

Lore のデッキは、カード番号 #58 から #72 のカードと #7,#8,#9 のカードに、#73 のガンダルフを1枚加えた 30 枚のカードで作る。

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Spirit のデッキは、カード番号 #43 から #57 のカードと #10,#11,#12 のカードに #73 のガンダルフを1枚加えた 30 枚で作る。

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3枚の Hero カードはデッキから抜いておき、残りのカードはシャッフルして自分の場に裏向きに置く。なおガンダルフは Hero ではないので、デッキに入れてシャッフルすること。Hero カードのうち、場に出しておきたい Hero を選んで自分の場に表向きに置く。今回は、2人とも全部の Hero を使うことにしたので、それぞれ 3 枚ずつの Hero カードを自分の場に出しておく。

各プレイヤーの脅威カウンターを、場に出した Hero の左上に書かれた脅威値の合計と等しい値になるようにセットする。写真のように、Spirit のデッキを担当するプレイヤーの脅威値は 8+9+7=24、Lore を担当するプレイヤーの脅威値は 8+10+12=30 にセットする。

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開始(First)プレーヤーを決めて、開始プレーヤートークンを取る。今回は、Lore デッキの担当プレイヤーが開始プレイヤーになったので、トークンを取って自分の場に置いておく。

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これが開始プレイヤートークン。各プレイヤーはデッキから 6 枚引いて、最初の手札にする。

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ここまで用意したら、最初の(1Aと書かれた)クエストカードの表に書かれていることを実行する。1A のカード「Flies and Spiders」には次のように書かれている。

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「遭遇デッキから Forest Spider と Old Forest Road のカードを1枚ずつ探して、出現エリアにそれらを置く。遭遇デッキをシャッフルする」

カードの指示に従って、Forest Spider と Old Forest Road を場に置いたら、クエストカードを裏向きにして 1B の面を上にする。

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これで準備はおわり。最初のラウンドを開始する。

まさかの時のボードゲーム: Lord of the Rings Card Game (1): 概要

以下は、FFG の Lord of the Rings Card Game (LCG) についての、MML 定例会向けのプレイ方法の説明書きです。会員以外の誰かの役に立つかもしれないので公開してますが、あくまで内輪向けのメモなので、突然削除することがあります。もし内容に間違いを発見しましたら、ご指摘いただけましたらありがたいです。


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ゲームの大まかな説明

このゲームは、プレイヤー間で協力してシナリオクリアを目指すタイプの、協力型カードゲームとなっている。クリア時にスコアを計算することができるので、複数のグループ間でスコアを競うゲームとして遊ぶこともできる。

各シナリオ毎に指定されたクエスト(Quest)カードが複数ある。それらのカードに書かれたクエストの進行条件をすべてクリアすることが、ゲームの主な目的となっている。条件が指定されていないクエストカードについては「進行(Progress)トークン」を指定された数だけ置くことで、そのクエストは進行されたことになる。そうやって、シナリオに含まれる全てのクエストをクリアすると、プレイヤー側の勝利となる。


クエストカード

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クエストカード(上の写真)に進行トークンを置くには、各プレイヤーがクエストに参加させた Hero カードや Ally カードに書かれた「意志力(Willpower Strength)」の合計が、場に出ている Enemy カードや Location カードに書かれた「脅威値(Threat Strength)」の合計を上回る必要がある。

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これが Enemy カード。左上にある三つのアイコンの、一番上の角が生えた鬼みたいなマークのところに脅威値が書かれている。上の写真では、脅威値は左から 2、3、1 となっている。その下の旗みたいなマークは Enemy の攻撃力で、盾マークは防御力となっている。これらの値については、戦闘のところで使用する。

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こちらは Location カード。こちらも左上に脅威値が書かれている。Location には攻撃力や防御力はない。

Enemy カードや Location カードは、ラウンドごとにプレイヤーの数と同じ枚数だけ、遭遇(Encounter)デッキからめくられる。各プレイヤーは遭遇デッキをめくる前に、クエストに参加させる Hero や Ally を選んでタップさせる必要がある。つまり、遭遇デッキからどんなカードがめくれるか分からない状態で、参加させる Hero や Ally を決めなければならない。

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意志力の合計が脅威値を越えていた場合、その差分に等しい数の進行トークンをクエストカードに置くことができる(上の写真)。しかし、意志力の合計が脅威値を下回ってしまうと、各プレイヤーは差分に等しい数だけ「脅威ダイアル (Threat Dial)」を進めなければならない。

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これが脅威ダイアル。プレイヤーごとにタイアルがあり、これが示す数値が 50 以上になってしまうと、そのプレイヤーは脅威に負けてゲームに敗北(逃亡?)したことになる。すべてのプレイヤーの脅威ダイアルの数値が 50 以上になったら、その時点でプレイヤー側の敗北になる。

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意志力をプレイヤーが得るには、Hero カードや Ally カードを使う。このうち Hero カードは、ゲームの最初から場に出しておける(上の写真)。意志力は、左側のアイコンの一番上にある、丸いリングのようなマークの横に書かれている。たとえば、意志力は左から 1、2、3 である。

プレイヤー1人のデッキには 3 人の Hero が入っていて、ゲーム開始時に 1-3 人の Hero を選んで場に出しておく。ただし、場に出した Hero の左上に書かれた脅威値の分だけ、脅威ダイアルを進めなければならない。つまり、脅威値が高い Hero を最初にたくさん出すと、開始時の脅威ダイアルの値が高い状態からゲームを開始することになる。脅威値は、Hero カードの左上に書かれている。上の写真の Hero の脅威値は、左から 8, 9, 12 である。おおむね、強い Hero ほど脅威値が高い。少ない数の Hero で低い脅威値で始めるか、大勢の Hero で高い脅威値で始めるかは、考えどころのひとつとなっている。

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意志力を得るもうひとつの方法である Ally カード(上の写真)は、コストに相当する資源トークンを支払うことで手札から場に出すことができる。ロードオブザリングなので、もちろんガンダルフ先生とかもいたりする(右)。ガンダルフ先生はさすがに意志力が 4 と高いけど、場に出すコストも 5 とやや高めになっている。

Ally カードは出すために資源が必要だけど、脅威値のようなペナリティがない。基本的には、Ally カードを場に出せば出すほど有利になる(そして、カードを置くスペースに困る)。

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資源トークンは、場に出している Hero 1人につき、1ラウンドごとに1つずつ補充される。この他、手札から出して 1 回だけ使用できる Event カードや、Ally カードなどの能力を使って資源トークンを補充する方法もある。


戦闘

進行トークンや脅威カウンターを進める処理が終わったあとには、場に残っている Enemy カードとプレイヤー側の Hero や Ally との戦闘が始まる。

まず最初に Enemy 側が攻撃してくる。プレイヤーは、攻撃してくる Enemy ごとに防御を担当する Hero か Ally カードを1枚タップする。このとき、先に意志力を得るためにタップした Hero や Ally は、防御に使うことができない。

各 Enemy の攻撃値から、その Enemy の防御にあてた Hero か Ally の防御値を引いた値がダメージになる。もしダメージが 0 以下であれば、その Enemy からはダメージは受けない。もしダメージが 1 以上であれば、防御に割り当てた Hero か Ally に、ダメージに等しい数のダメージトークンを置く。Hero や Ally の HP 以上のダメージトークンが置かれたら、それらのカードは破壊されて場から除去される。もし、Hero カードが 1 枚もなくなってしまったら、そのプレイヤーはゲームから退場させられてしまう。

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上の写真では、1 体の Enemy が攻撃してきているのに対して、左の Hero をタップ(横向きに)して防御させている。Enemy の攻撃力が 2 で Hero の防御が 1 なので、この Hero は 1 ダメージを受ける。

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受けたダメージの分だけ、ダメージトークンを Hero の上に置く。この Hero の HP は 4 (カードの左中段にある赤い数字) であり、ダメージはそれ以下なので、この Hero はまだ場に残ることができる。

もし防御しなかった Enemy がいる場合は、Enemy の攻撃値に等しいダメージトークンを、いずれかの Hero の上に置く。このとき、Ally カードにダメージを割り振ることはできない。

Enemy の攻撃が終わったら、次にプレイヤー側が攻撃する。Enemy ごとに、攻撃に参加させる Hero や Ally を選んでタップする。攻撃するときは、1体の Enemy に対して複数の Hero や Ally を選ぶことができる。ただし、意志力を得るためや防御のために、すでにタップしてある Hero や Ally を攻撃に参加させることはできない。

Enemy ごとに、攻撃している Hero と Ally の攻撃力の合計値から Enemy の防御値を引く。その差分が Enemy に与えられるダメージとなる。ダメージに等しいダメージトークンを Enemy カードの上に置く。もし Enemy の HP 以上のダメージトークンが置かれたら、その Enemy は破壊されて捨札の山に置かれる。破壊されずに場に残った Enemy は、次のラウンドに再度攻撃してくることになる。

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上の写真では、右の Ally (ガンダルフ君) を使って Enemy を攻撃している。左の Hero は防御のためにタップさせたので、攻撃に使うことはできない。

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攻撃しているガンダルフ君の攻撃力は 4 で、Enemy の防御力は 0 なので、4 ダメージが Enemy に与えられる。Enemy の HP は 3 しかないため、ガンダルフ君の攻撃によってこの Enemy は破壊され、ただちに遭遇デッキの捨札の束に置かれる。

この処理を、攻撃してくる敵ごとに行なう。すべての戦闘が終了したら、手札や資源を回復させる操作を行なって、次のラウンドに進む。

・・・とまあ、だいたいこんな感じかな。


まとめ

手持ちの Hero と Ally を使って毎ターンめくられる遭遇デッキのカードに対処しつつ、その隙に進行トークンをクエストカードに置いていき、クエストのクリアを目指すというのが基本の流れになる。Hero や Ally を、クエストの進行と戦闘(攻撃、防御)のいずれに割り当てるのか、どの敵を誰が対応するのか、どの敵を倒してどれを残すのか、といったように考える要素は結構多い。

シナリオに含まれるクエストカードによっては、進行トークンを置く以外のクリア条件が指定されていることもある(例えば、特定の敵を倒すなど)ので、その場合は全く違う動きになったりもする。そうすると、考えることがさらに増えて、難しさが増す。

ただ PACG などとは違って、シナリオの遭遇デッキに含まれるカードは固定なので、何度か同じシナリオに挑戦すればだんだんと対応できるようになってくる。このへんは、Hero がレベルアップしない代わりに、プレイヤー自身がレベルアップするという感じだろうか。


デッキ構築型のゲームなので、シナリオにあわせてデッキをチューンして、遭遇デッキに対応することもできる。すでに大量の拡張セットやアドベンチャーパックが発売されているため、デッキに入れるカードが少なすぎて困るなんてことは全くない。むしろカード購入圧力の脅威値が、財布のヒモを閉じる意志力を上回ることで、プレイヤーの財布がダメージを受けてしまう恐れのほうが高い。


まさかの時のボードゲーム: Lord of the Rings Card Game (2)