まさかの時のボードゲーム Starwars Rebellion: 目的カード

このゲームでは、同盟軍がいかに帝国の行動の裏をかいて「目的カード」に書かれた条件を満たし、「評判ポイント」を稼ぐかが、勝負を決める重要なポイントとなっている。このため、どのような目的カードが存在するかをプレイヤーが事前に知っていることで、ゲームを有利に進めることができるようになる。特に、帝国軍は目的カードの一覧を見る機会はゲーム中にはないことから、カードの情報がまったく得られず、同盟軍に一方的にポイントされて負けるということになりやすい。そのため、初めてゲームをするときには、双方のプレイヤーとも目的カードの一覧に目を通すことをオススメしたい

また、両陣営がゲームを有利に進める手札として使う「ミッションカード」についても、プレイ前にできれば目を通しておいたほうがいい。これらも、最初の時点では山札になっているため、初プレイだとどんなミッションがプレイできるかは、手札を引いてみないと分からない。全くカードの中身を知らないと、手札を引いたときに場当たり的にプレイすることになってしまう。特に、ミッションカードでどんな「スキル」が要求されるかを知らないと、リーダーをリクルートするときに必要なスキルを持つリーダーを選び損ね、後半のターンになって困ったことになる可能性もある。数が多いので全部見るのは大変ではあるけど、最低でも毎ターン使える4枚のミッションカードは見ておいたほうがいい

というわけで、この記事では全15枚(14種)の「目的カード」について説明し、その中で両陣営のミッションカードのうち関連するものについて言及する。


1 評判ポイントを得る目的カード

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LEAVE NO ONE BEHIND (II): リフレッシュフェイズの始めに、同盟軍のリーダーがひとりも捉えられていないときにプレイすることで、1評判ポイントを得る。

最初のラウンドで引くと、ほぼ確実にポイントできる目的カード。帝国軍がリーダーを捉えることができるミッションカード CAPTURE REBEL OPERATIVE は、同盟軍のリーダーのいる星系に帝国軍のユニットがいないと使えないので、それさえ注意すれば得点することは容易。ただし、CAPTURE REBEL OPERATIVE は手札に戻るミッションカードなので、帝国軍ユニットがいる星系にリーダーを配置すると、そのたびにリーダーが捉えられるリスクが生じる。リーダーを解放できる同盟側のミッションカードは 3 枚しかなく、一度捉えられてしまうと得点することが難しくなる。同盟軍としては、できるだけ早期のターンにこのカードで得点しておきたいところ。

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DEFEND THE PEOPLE (I): リフレッシュフェイズの始めに、同盟軍の星系が 4 つ以上あるときにプレイすることで、1 評判ポイントを得る。

このカードでポイントするためにも、同盟軍はできるだけ早期に勢力を伸ばしておきたい。中盤以降は帝国軍がものすごい勢いで展開してくるので、いつかポイントできると思って悠長に部隊を展開していると、すぐにこのカードで得点することが難しい状況になる。同盟軍はミッションカード INFILTRATION で目的カードデッキを掘り進んで、早期にこれらのカードをひきあてつつ、同盟軍を中立の有人星系に送って BUILD ALLIANCE のカードを使うなどして同盟軍の星系を増やし、早めにポイントしてしまいたいところ。

帝国軍としては、同盟軍となった星系に優先的に地上軍を派遣して占領状態にすることで、このカードによる得点を防ぐことができる。とはいえ、序盤に広い範囲の星系を占領することは難しいことから、このカードによる得点はあえて見過す戦略もありえる。

なお、同盟軍の基地は「同盟軍の星系」には数えない。

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ESTABLISH OUTPOSTS (III): リフレッシュフェイズの始めに、同盟ユニットの置かれた星系が 5 つ以上あるときにプレイすることで、1 評判ポイントを得る。

上のカード似て非なるカード。同盟軍の星系でなくても、同盟軍ユニットが配置されていればよく、なおかつ無人星系 (remote sytem) でも良いので、このカードでのポイントを狙って効率的にユニットを配置していけば、達成することは比較的容易である。とはいえ、中盤以降は帝国軍の圧力が増すため、このカードを引いた頃には得点することは難しい状況になっていることも多い。やはり INFILTRATION で早期にこのカードを引きあて、早いターンにポイントしたいところ。PUBLIC UPRISING や INCITE REBELLION のような、星系に同盟軍ユニットを出現させるミッションを有効に活用したい。なお、同盟軍の基地は「星系」とは数えないので、同盟ユニットが基地に置かれていても、条件を満たすための「星系」としてはカウントされない。

帝国軍としては、このカードによる得点を完全に阻止することは難しい。序盤に得点されなければ、中盤以降は同盟軍を封じこめやすくなるので、そうなれば自然にこのカードでの得点も防ぐことができる。

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POPULAR SUPPORT (II): リフレッシュフェイズの始めに、同盟マーカーの置かれた星系が 6 つ以上あるときにプレイすることで、1 評判ポイントを得る。

上の2つのカードのいずれと似て非なるカード。同盟マーカーが置かれていれば、同盟星系でなくてもよい点が DEFEND THE PEOPLE と大きく違う。たとえ占領された星系であっても、同盟マーカーさえあれば条件を満たす星系のひとつとしてカウントできる。BUILD ALLIANCE で同盟マーカーを置いていくだけでも、帝国軍側の対応によっては簡単に条件を満たせる。WOOKIEE UPRISING や SUPPORT OF MON CALAMARI のように、特定の星系に同盟マーカーを置くミッションでマーカーを起く方法も有効。なお、上の2つのカードと同様に、同盟軍の基地は「星系」ではないので、条件を満たすための「星系」には数えられない。

帝国軍としては、帝国マーカーを置くことが最大の対策になる。同盟の星系を占領して占領マーカーを置いただけでは、このカードによるポイントが防げない。帝国マーカーを置く以外では、BUILD ALLIANCE のミッション成功を阻止したり、ユニットを派遣した上で RULE BY FEAR で同盟マーカーを除去する方法が基本になる。帝国マーカーを 2 つの星系に置ける、FEAR WILL KEEP THEM IN LINE も対策としては有効。

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REGIONAL SUPPORT (I): リフレッシュフェイズの始めに、あるリージョンの有人星系すべてに同盟マーカーが置かれているときにプレイすることで、1 評判ポイントを得る。

上のカードより、こちらのカードのほうがさらに条件は達成しやすい。ただし、このカードの存在を知らないまま、中盤でこのカードを引いてからポイントを狙うのは難しい。「最初のゲーム」でポイントを狙うなら、有人星系が 2 つしかない MYGEETO 星系のあるリージョンか、帝国軍の初期配置からやや遠い位置にある RODIA 星系のあるリージョンが適している。ADVANCE SETTING で始めたときは、帝国側のマーカーが初期配置されていないリージョンや、帝国軍から遠いリージョン、マップの左右にある有人星系が2つしかないリージョンを狙っていくと良い。なお、同盟マーカーを置く方法は、上の POPULAR SUPORT と同じなので割愛する。

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CUT SUPPLY LINES (I): リフレッシュフェイズの始めに、サボタージュマーカーが置かれているか、同盟のユニットがいる帝国軍の星系が 3 つ以上あるときにプレイすることで、1 評判ポイントを得る。

サボタージュマーカーは、繰り返し使えるミッションカードの SABOTAGE で毎ラウンド置くことが狙えるため、帝国軍が対策しなければ容易にポイントできる。しかし、帝国軍も繰り返し使える RESEARCH AND DEVELOPMENT でサボタージュマーカーを毎ラウンド除去できるため、これを連続使用されるとサボタージュマーカーのみでのポイントは難しくなる。PUBLIC UPRISING や INCITE REBELLION のような、同盟軍のユニットを出現させるカードを使って、帝国軍の隙をついてユニットを配置し、ポイントを狙うのが良いように思う。

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CRIPPLING BLOW (I): 同盟軍側が開始した戦闘において、3HP以上の帝国軍の地上軍のユニットを戦闘で破壊したときにプレイすることで、1 評判ポイントを得る。

同盟軍は戦闘に勝てなくても、帝国ユニットを破壊するだけでポイントになる。3 HP ある AT-AT を1体破壊するのでも、Stoom Trooper 3 体の破壊でもポイントできる。帝国軍の地上ユニットがある程度いる星系に同盟軍を一気に大量に送りこみ、条件をクリアしたらさっさと撤退する、という方法でポイントすることはできる。ただし、それなりの被害を覚悟する必要があることから、あと1,2ポイントで勝利できるという、最後の駄目押しのポイント方法としての使用すると良い。そうでない時に狙うなら、秘密基地に戦力を集めてから LEAD THE STRIKE TEAM で手薄な星系に同盟軍を送るか、3HP以上の敵ユニットがいる星系に INCITE REBELLION や PUBLIC UPRISING を使って同盟ユニットを出現させる方法が有効。

帝国軍は、地上軍の HP が 3 以下になるように星系にユニットを配置すれば、このカードによるポイントを完全に防ぐことはできる。しかし、それはそれで防御が手薄になるという問題がおこる。むしろ、このカードによるポイントを狙ってくる同盟軍ユニットを返り討ちにして戦力を副いだり、配置された同盟軍のリーダーを CAPTURE REBEL OPERATIVE で捉えにいくなど、カウンター攻撃をするのが良いと思う。戦闘時に帝国軍のリーダーがいれば、ダメージを軽減する戦術カードを引くことで、ポイントの阻止をすることもできる。また、同盟軍のユニットを先制攻撃で破壊しておくことも、間接的にこのカードによるポイントを妨害することにつながる。

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MAJOR VICTORY (III): 同盟軍側が開始した戦闘において、3HP以上ある帝国軍の宇宙軍のユニットを戦闘で破壊したときにプレイすることで、1 評判ポイントを得る。

上のカードの宇宙戦版。基本的な考え方は上と同じ。宇宙船だけでポイントできるので、同盟軍にとっては上のカードよりも狙える機会が多い。スターデストロイヤーを破壊すれば、下のカードと同時にポイントすることもできる。ポイントしやすいカードではあるけど、戦力をある程度消耗するリスクを覚悟する必要がある。戦術カードをうまく使って、被害をおさえたいところ。

帝国軍としては、能動的にこのカードでのポイントを防ぐことは難しい。むしろ、同盟ユニットに隣接する星系には常に大きな戦力を配置するようにして、同盟軍がうかうかやってきたら返り討ちにするほうが良い。

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REBEL ASSAULT (I): 同盟軍側が開始した戦闘において、スターデストロイヤーかスーパースターデストロイヤーを破壊したときにプレイすることで、1 評判ポイントを得る。

達成するためには、かなりの戦力の消耗を覚悟する必要があるため、同盟軍にとってはポイントするリスクの高いカードになっている、あまりに後半になると戦力が残っていないこともあり、いつ狙っていくかの判断は難しい。狙うなら、序盤でまだ帝国軍の戦力が十分整っていないときにするか、このカードでポイントすれば勝利できるというような状況で使うといった工夫が必要になる。ポイントを狙うときは、リーダーを複数配置して多数の戦術カードを引き、できるだけ戦闘を有利に進めたいところ。基本的には、上の2枚のカードと考え方は同じ。

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LIBERATION (II): 占領マーカーのある星系での地上戦闘に勝利したときにプレイすることで、1評判ポイントを得る。

上の 3 枚と違って、戦闘に勝利しなければならないので、戦力で劣る同盟軍にとっては達成することはかなり難しい。LEAD THE STRIKE TEAM で手薄な星系を攻撃するか、PUBLIC UPRISING や INCITE REBELLION を手薄な星系に使って勝利を狙うのが良い。

帝国軍は、手薄な星系を作らなければ対策になるわけだけど、占領した星系すべての地上軍を手厚く配置することは難しい。一応、RULE BY FEAR で帝国マーカーを置けば、このカードによるポイントの阻止はできる。しかし、そこまでして対策するよりも、基地を捜索することを優先したほうがいいかもしれない。

2 評判ポイントを得る目的カード

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HEAT OF THE EMPIRE (II): リフレッシュフェイズの始めに、Coruscant 星系に同盟軍ユニットが存在し、帝国軍のユニットが存在しないときにプレイすることで、2評判ポイントを得る。その後、このカードを手札に戻す。

強力なカードで、帝国軍が対策していなければ、毎ラウンド連続して2ポイント獲得し、あっという間に勝利することができる。このカードが存在するため、帝国軍は首都である Coruscant にある程度のユニットを置いておく必要がある。逆に、帝国軍が適切に対策していれば、このカードで同盟軍がポイントすることは非常に難しい。むしろ、ある程度の数のユニットを首都に釘付けにできることに、このカードの価値があると言ってもいいかも。

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RETURN OF THE JEDI (III): ダースベイダーか皇帝のいる星系での戦闘に勝利した直後にプレイできる。もしルークスカイウォーカー(ジェダイ)がその星系にいたならば、この星系の帝国軍のリーダー1人をゲームから除去し、2評判ポイントを得る。

映画のタイトルそのままのカードで、内容もストーリーに沿ったものとなっている。同盟にとっては、強力なリーダーであるダースベイダーか皇帝をゲームから排除でき、なおかつ2ポイントも得られるので、これを実行できれば勝利に大きく近づくことができる。同盟軍は、ルークをあえてミッションに配置せずにプールに残しておくことで、ダースベイダーと皇帝の行動を制限することもできる。

帝国軍としては、ルークがどの星系に配置されたか、もしくはプールに残されているかを常に気にしておく必要がある。そして、ダースベイダーや皇帝を配置するときは、大きな帝国戦力のある星系に配置するか、戦闘が発生しない星系に配置するなど、一定の配慮をする必要もある。一方で、ルークを CAPTURE REBEL OPERATIVE で捉えて、このカードによるポイントを防ぐという積極的な対策方法もある。

なお、無印のルークスカイウォーカーでは条件を満たせず、ルークスカイウォーカー(ジェダイ)でなければならない。このカードのためにも、ミッションカードを使って、早めにジェダイ化しておきたいところ。

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DEATH STAR PLANS (II),(III): 宇宙戦のステップのあと、1つ以上のファイター(黒のHPを持つユニット)が残っているときに、このカードを表に向けて 3 つのダイスを振る。もし爆発マークが 1 つ以上出たら、このカードをプレイして、この星系にあるデススターを破壊し、2 評判ポイントを得る。爆発マークが出なかった場合は、このカードを手札に戻す。

デススターの設計図を手にいれて弱点を把握し、ファイターでデススターのコアを破壊するという、映画の内容に沿ったミッションとなっている。デススターは通常の攻撃では破壊されないものの、護衛のユニットを配置していないと、このカードで破壊された上に 2 評判ポイントを与えることになる。帝国軍が護衛を置く対策をしていれば、同盟軍に容易にポイントされることは防げる。とはいえ、いかに大軍を用意したとしても、このカードによるポイントを完全に防ぐことは難しいため、同盟軍の勝利の切り札の一つになる。

実際にこのカードでのポイントを狙うときは、同盟軍と帝国軍の最終決戦に近い状況になる。同盟軍としては、REBEL ASSAULT や MAJOR VICTORY での同時ポイントも狙っていきたい。ちなみにロールに失敗しても捨札にならず手札に戻るだけなので、デススターがある限り、同盟軍には何度もポイントを狙うチャンスがある。

なお、カードに明示的に書かれていないけど、デススターが存在しない星系での戦闘ではこのカードを使うことはできない。一方で、建設中のデススター (DEATH STAR UNDER THE CONSTRUCTION) がある星系に対しても、このカードを使うことはできる。また、このカードは2枚存在しているけど、手札に2枚のカードがあっても1ラウンドにはこのカードは1枚しか使用できない(詳しくはルールブックを参照のこと)。

不定数の評判ポイントを得る目的カード

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INSPIRE SYMPATHY (III): リフレッシュフェイズの始めにプレイすることで、破壊されている星系の数に等しい評判ポイントを得る。

帝国軍のミッションカード SUPERLASER ONLINE により、デススターを使って破壊した星系の数だけ、同盟軍は評判ポイントを得ることができる。帝国軍のデススターは最終兵器ではあるが、闇雲に使うと同盟軍のこのカードで複数のポイントを獲得されることになる。そのため、帝国軍はデススターの使い方には熟慮することが必要となる。