MTG カード与太話: タルキール覇王譚より「熊の覚醒」「煙の語り部」


熊の覚醒/Awaken the Bear

巨大化 + 2 マナでトランプルが付く。能力的には悪くはない。コモンだし、リミテッドでは活躍すると思う。・・・しかしこのカード、捕食者の一撃/Predator’s Strikeの完全な下位互換になってしまっている。どちらもコモンだし、1マナ増えている点以外に違うところが全くない。ここまで明らさまな下位互換カードが出るというのは、結構珍しい気がする。

そもそも捕食者の一撃/Predator’s Strikeがそんなに強いわけでもないと思うし、これを弱体化するくらいなら怨恨/Rancorが最近採録された意味がよくわからない。しかも 野生の誓約/Vow of Wildnessという、オーラなのにほぼ同機能というカードもある。インスタントよりオーラのほうが良いというわけでもないけど、それにしても、野生の誓約/Vow of Wildness は敵クリーチャーにも(一応)使えることを思えば、微妙に負けている感じもする。いったいどういう調整ががあったのか、気になるところ。


煙の語り部/Smoke Teller

人間でシャーマンといれば、最近はイラストダメージ(注1)用のカードなことが多いのに、これは MTG 的に平常運転という感じのイラストの、アレな見た目のおねいさん?(おねいさんでない可能性も大)。他のシャーマンを見ても、爪鳴らしの神秘家は顔が隠れていて分からないし、残りはナーガなシャーマンばかりで人間ですらなかった。このブロックでは、どうもイラストアド的なカードは不作らしい。

それはそうと、これは裏向けのカードの表を見ることができる珍しいカード。表側を無条件に見られるカードは、今のところこれと鮮明のレンズ/Lens of Clarityしかない。レンズのほうは、いつでも好きなだけの数のカードの表側(とライブラリのトップのカード)を見られるのに、このおねいさんは裏側を見るのに料金をとる。しかも青マナまで要求するし。このおねいさん、このレンズをどこかで手にいれて、好きなカードの裏側を見て教える商売を思いついたのかも。いい商売かは微妙だけど、しばらくはオンリーワン的存在でいられそうなので、そこそこは儲かるかもね(注2)。


  • (注1) イラストを見て可愛いと思ったらダメージ的な未来のカードによる、妄想コンボのこと。
  • (注2) 本気でどうでも良い。

MTG カード与太話: タルキール覇王譚より「マルドゥの荒くれ乗り」「象牙牙の城塞」

真に与太話のみです。


マルドゥの荒くれ乗り/Mardu Roughrider

吠える鞍暴れ/Bellowing Saddlebruteの中でも一番獰猛なのが、マルドゥの荒くれ乗りと呼ばれるらしい。獰猛になったせいか、パワーとタフネスは反対になっている。ただし、鞍暴れはクリーチャーが攻撃していときに出ると、雇い主にが 4 ライフも要求してしまう。これが獰猛な荒らくれ乗りになると、1 マナ+ 2 色増えるけどライフの喪失がなくなり、敵クリーチャー1体をブロック不可にできる。つまり赤白+1マナで獰猛になるということらしい・・・と結論付けたいところだけど、鞍暴れの持つキーワードは「強襲」だったりする。うーん、惜しい。フレーバーのエラッタとかないよね??

獰猛かはともかく、レアリティも違うので単純比較はできないものの、2色+1マナの給料増加で 4 ライフ払わなくていい + ブロック不可の能力追加という能力差はコストパフォーマンス的にどうだろう。微妙なところだけど、平社員(?)の鞍乗りのほうがやや良い気もする。今後、強襲というキーワードを持つカードに何かメリットが付くようなカードが出たら、鞍乗りのメリットがさらに増加する気もするし。せめて、荒らくれ乗りも強襲のキーワードで何か能力もってたらよかったのに。ちなみに、同じような包囲サイ/Siege Rhinoはトランプルもちなのに対して、こちらはトランプルではなくブロック妨害能力になった。バリケードを紙のように蹴散らすというよりは、そもそもどかせて通るというイメージか。こちらの比較についても、能力的にトランプルとどっちがいいかは微妙なところ。ただ、活躍の場が多分リミテッドという気がするので、それだとこちらのほうがやや有利か・・・なかなかむずかしい。


象牙牙の城塞/Ivorytusk Fortress

撮影カメラを移動させると軍備部隊/Armament Corpsに。色も同じだし、たぶんあってる。軍備部隊が +1/+1 カウンターを載せて、城塞がカウンターの載ったクリーチャーをアンタップするという連携もうまくとれている。何か、こういうカード間イラストコンボみたいなものが、以前より増えた気がするけど気のせいかな。それにしても、今回は巨大生物が城塞みたいなのを引くカードが結構多い。これ以外にも 軍用ビヒモス/War Behemoth包囲戦法/Siegecraft あたりも城塞みたいなものを引いている。フレーバーにもあるように、タルキールの白(というかアフザン)は城塞(というか住居)を戦場にそのまま持っていく戦法が得意らしい。

どうでも良いけど、象牙牙ってとても冗長な気がする、日本語だったら単に象牙でよかったのでは・・・。鉄の象牙/Iron Tusk Elephantは「鉄の牙の象」(鉄牙の象のほうがいいか)のほうが良さそうだったのに、これはなぜか単に象牙になってしまった(絵的にも象だし)。最近はスラーグ牙/Thragtuskのように、-tusk というカードは単純に末尾に「牙」と付けて訳されてたので、それの延長で象牙牙になってしまった感じがする。まあ、「象牙の城塞」だと象牙でできてる城塞な感じもして絵に合わないから、「象の牙の城塞」くらいではどうだっただろうか。