まさかの時のボードゲーム: Star Realms (7) 拡張セット

2016年3月時点で、下記の 7 種類の拡張セットが販売されている。Crisis のセットについては、パックごとに Crisis XX のように名前がついてはいるけど、内容的にはそれぞれのパック間に直接の関係はなく、個別にパックを購入して遊ぶことができる。

なお、Kickstarter のプロモーションカードだった Merc Cruiser は、Gambits 拡張セットに 3 枚含まれている。

  • Gambits
  • Crisis: Bases and Battlesships
  • Crisis: Heros
  • Crisis: Events
  • Crisis: Fleets and Fortresses
  • Cosmic Gambits
  • Colony Wars

単独で遊べるボックスセットの Colony Wars については、別の記事でカードの内容を紹介しているので、ここでの説明は省略する。それ以外のセットについて、順に説明する。

Gambits

このセットには、Trade Deck に混ぜて使うのカードではなく、プレイ開始時にプレイヤーにあらかじめ配って使うタイプのカード (Gambit カード) と、Promo カードである中立陣営の Merc Cruiser というカード、およびソロプレイ/協力プレイ用のルールカードが入っている。

Gambit カードは、各プレイヤーにあらかじめ裏向きに1-3枚程度配っておく。最初のラウンドの開始時にカードを表向きにし、以降はそのカードが効果を発揮する。Gambits のカードを使う枚数に特に規定はないので、何枚配ってもいい。プレイヤー間に実力差がある場合に、ハンデとして強い側のプレイヤーの取る枚数を減らす方法もある。

ちなみに、初版の Gambit カードは base と同様の「横向き」カードだったけど、現在発売されているこのセットのカードは、Ship と同様の「縦向き」のカードになっている。

ソロプレイ用および協力プレイ用の追加ルールカードとしては、2種類のカード (Nemesis Beast / Pirates of the Dark Star) が入っている。

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このカードでソロプレイをする場合、ゲームのセッティング自体は通常通り行ない、プレイヤー側のプレイとしては、通常と同様に行なう(多少の変更はあり)。相手側のターンになったら、Trade Deck の上から一枚めくる。そのカードがどの陣営(faction)のカードだったかによって、起こることがかわる。

たとえば、緑の陣営だった場合はルールカードの緑の蘭の記述通り、「めくったカードのコストの3倍のダメージをプレイヤーが受ける」という処理をする。赤いカードなら「交易所にあるコストが最大のカードの2倍のダメージをプレイヤーが受け、交易所のカードをすべて Scrap する」という処理をする。

指示された処理が終わったあとは、交易所のカードの一番左のカードを Scrap し、残りのカードを一枚ずつ Exlorer 側に移動させる(交易所にカードがない場合は、この処理はしない)。そして、めくったカードを Trade Deck の隣りの空いたスペースに置く。

ダメージを受けるとき、プレイヤーの場に Outpost や Base があるときは、耐久力が一番高いものから順に攻撃を受ける。Base があるときは、それが Outpost でなくても、優先的に攻撃を受ける。

ディスカードの能力を使ったときは、代わりに「プレイヤーは即座に1枚ドローし、1枚捨札にする」という操作をする。また Base を破壊できる能力を使ったときは、代わりに 3 攻撃ポイントを得る。

こうしてゲームを進めていき、ルールカードの右上に書かれている権威ポイント分だけ、相手にダメージを与えたらプレイヤーの勝利となり、先にプレイヤーの権威ポイントが 0 以下になったら、プレイヤーの敗北になる。

協力プレイカードについても、ほぼ同様にしてプレイできる。

実際にプレイしてみると、だいたい運ゲーな感じにはなるんだけど、腕が上がればそれなりに安定して勝てるようにはなる。

Crisis: Bases and Battlesships

このセットには、Base Set の Trade Deck にそのまま追加できる Base と Ship カードが、各色ごとに Base 1 種、Ship 1 種が入っている。これらのカードは、Core Set のカードと同様に、通常の Base や Ship カードとして使用できる。

Crisis: Heros

このセットには、Hero という Trade Deck に混ぜて使うことができる、新しいタイプのカードが入っている。Hero には属性(faction)がなく、また通常能力がついていない。その代わりに、Hero カードは交易所から購入したあとに、捨札ではなく直接自分の場に出すことができる。Scrap 能力を使うことで、一度だけ特定の陣営のカードとして機能し、他のカードの ally 能力を使うことができるようになる。

Hero カードの Scrap 能力が使われず捨札になったときは、Base や Ship のカードと同様に、プレイヤーのデッキに混ぜて使うことになる。

Crisis: Events

このセットには、Event という Trade Deck に混ぜて使うことができる、新しいタイプのカードが入っている。Event カードは、交易所に置かれたときにただちに効果を発揮する。

Event カードの効果が終了したらそのカードを Scrap し、Trade Deck から新たにカードを補充する。プレイヤーのデッキに Event カードが入ることはない。

Crisis: Fleets and Fortresses

このセットには Bases and Battleships のセットと同様に、Tarde Deck に混ぜて使うことができる、新しい Base カードと Ship カードが含まれている。各陣営ごとに Base 1 種類と Ship 1 種類が含まれている。

比較的軽めの Ship カードと、重めの Base カードが入っている。

Colony Wars

Base Set がなくても、これ単独で遊べる大型の拡張セットである。ルールブックや、点数のカードや Scout、Viper などのカードも入っている。もちろん、Base Set に混ぜて使うこともできる。

このセットについては別の記事をどうぞ。

Cosmic Gambits

新たな Gambit カード 13 枚と、Secret Outpost という Trade Deck に混ぜて使える Base カードが含まれている。Gambit カードの使い方は、Gambits セットのカードと同じである。

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まさかの時のボードゲーム: Star Realms (6) Colony Wars のカード2

以下では、Colony Wars の 6-8 コストのカードについて、MML 的見解を述べる。

Colony Wors の 6-8 コストのカードは、Base Set に比べると強さが拮抗しており、おおむね同じコストのカードであれば同じくらいの強さになっている。一方で、カード単体での強さは Base Set に比べるとやや控え目になった。どちらかというと、他とのカードのシナジー(ally能力など)で強さを発揮するよう調整されたようだ。


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ドロー付き8ダメージカード。普通に強い。おまけ能力として 、このカードを取得したときに黄色のカードをプレイしていれば、捨札ではなく手札に入れられる能力がついている。終盤、デッキが空になるまでに時間があっても、この能力で手札に入れば即戦力にできる。

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毎ターン自分はカードを引け、相手にはディスカードさせるという、かなりの嫌がらせができる Outpost。耐久力も 6 と高いので、中盤に取れるとなかなかのアドバンテージを稼げる。

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手札2枚を、それぞれ2ダメージか2交易力に変換できる。Recycle Center の手札交換能力に比べると弱いけど、中盤以降にデッキに残ってる Scout や Viper を攻撃力や交易力に変換できるのはうれしい。Ally 能力のドローが使えれば非常に強力になる。

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毎ターン2枚ずつデッキ圧縮できる Outpost。ドローできる Brain World に比べるとかなりパワーは落ちているけど、それでも2枚も圧縮できる能力は捨て難い。赤いカードが揃えば、かなり強力なダメージ源になる。

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デッキ圧縮能力つき6ダメージ。ally 能力でドローできるようになれば、非常に強力になる。

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ドロー付き 8 ダメージ。7 コストカードでは、おそらく最強のカード。ally 能力はおまけに近い。

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ドロー、base 破壊能力つき 9 ダメージ。Command Ship を緑色にして、能力をやや調整して弱くしたような感じ。ドローが1枚にはなったけど、Colony Wars のカードの中では最強クラス。

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6 コスト以下のカードを取得するか、6 ダメージかを選べる。5 コストカードの中では、おそらく最も汎用性が高い。上のほうのカードがなければ、これを取っておきたいところ。

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6ダメージ、6 HP獲得で 12 HP差がつくカード。Flagship の調整版。無条件ドローがなくなったのは痛いが、12HP差のアドバンテージは侮れない。青いカードを揃えたいところ。

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毎ターン 3 交渉力を得つつ、獲得したカードをダイレクトに手札に入れられるようにする Outpost。単体での強さはそれほどでもないが、ドローカードがデッキに増えると、獲得したカードを次々と場に出せるようになるため、非常に強力になる。


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まさかの時のボードゲーム: Star Realms (5) Colony Wars のカード1

以下は、2015年11月にリリースされた、Star Realms の大型拡張セット Colony Wars のカードについて、当会の定例会で考察された内容をまとめたものである。

Colony Wars は Base Set を購入しなくても、これ単体で遊べる初めての拡張セットで、Base Set に比べて低コストカードの能力が底上げされ、色ごとの特徴がより明確になった。カードのバランスも見直されたようで、Base Set にあった強力なカードは、多少能力を修整されて新しいカードとして登場している。

以下、Colony Wars を単独でプレイしたときに、序盤に優先的に取得したいカードを挙げる。


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Trade Pod よりコストが1増えてしまったが、交易力3というのは大きい。Scrap 能力が付いたので、Trade Pod に比べて色が違っても取りやすくはなった。序盤に出たら、是非取りたいカード。

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コスト1で交易力2というのは、コストパフォーマンスがとても良い。Ally 能力でドローできるのも悪くない。

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Scrap で交易力 3 にできる Base。コスト 6-8 のカードを取るために使える。毎ターン 3 ダメージというのも侮れない。

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コスト2で交易力3は悪くない。後半は邪魔になったら Scrap 対象にする。

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Ally 能力で交易力2が得られる、コスト2のBase。単独ではあまり役にたたないが、青いカードが2-3枚取れていれば有益なカードになる。

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デッキ圧縮能力つき 2 交易力カード。交易力 3 以上のカードがなければ、これを優先的に取りたい。

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デッキ圧縮能力つき 3 交易力カード。コストが 4 と高いが、序盤の早いうちに取れると、なかなかの働きをしてくれる。中盤以降も、デッキを赤で揃えれば 3 ダメージ出るようになり、十分な戦力になる。

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1枚捨てると1枚引ける Base。Outpost であった Recycle Center に比べるとかなり能力が劣るが、それでも毎ターン手札を交換できる能力は強い。コスト 3 と、序盤でも取り易いサイズになったのは良いところ。

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コスト1で交易力2のカード。他の交易力2のカードがないときや、交易力が1だけ余ったときに取るには良いカード。

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毎ターン交易力2を出す Outpost。序盤に出せれば、防壁となりつつ高コストカードの取得ができるようになる。交易力3のカードがなければ、これを優先的に取りたいところ。


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