MTG カード与太話: イクサランより「形成師の聖域」


形成師の聖域/Shapers’ Sanctuary

ドロー能力があるやたら軽いエンチャント。相手が何かしないとドローできないとはいえ、緑1マナでこの能力はなかなかヤバい気がする。呪文や能力でクリーチャー除去されたら1枚ドローできる、というだけでも十分強そう。こんなカードはどの環境でも使えてしまうから、それなりの値段になりそうな予感もする。能力的には《アカデミーの事務局長レイン/Rayne, Academy Chancellor》や《トレストの使者、レオヴォルド/Leovold, Emissary of Trest》に近いけど、対象から「自分」が抜かれたようだ。さすがに、プレイヤーに何かしてもドローできたら強すぎと判断されたぽい(このままでも十分強そうだけど…)。

それにしても、こんな感じの汎用性の高いカードは、いつもならコストや制約多めのカードを出してみて問題なかったらコスト減らすみたいな調整がされることが多いのに、今回はいきなり1マナで出てきたところは注目すべきところ。よっぽど開発は調整に自信があるらしい。しかし、はたして開発の思惑通り(?)になるのだろうか。今後の経緯を見守りたい。

MTGカード与太話「破滅の刻」から「悪戦+苦闘」


悪戦+苦闘/Driven+Despair

分割カードに、四字熟語をうまく当てはめることに成功したという感じがするカード。元の英語の Driven / Despair のほうは “be driven to despair by 〜” で「〜によって絶望に追い込まれる」という意味で、「悪銭苦闘」とは微妙にニュアンスは違うものの、カードの内容には(日本語は)あってる気がする。むしろ、英語の driven はいろんな意味に読めて、カードと関係ない意味にも読めることを考えると、日本語のほうがカード名としては優れているのではなかろうか。

分割カードのカード名については、「ドラゴンの迷路」あたりまでは分割された2つのカード名で熟語になるようなものは少なかった。例えば「死亡+退場」のように別々の単語を割り当てたものか、《火+氷/Fire+Ice》のように対になる単語が割り振られているものがほとんどだった(一応《試行+錯誤/Trial+Error》とかあったけど)。これがアモンケットになってから、ちゃんと四字熟語になってるカードが急に増えた。英語のほうも、熟語を意識した付け方をするようになったようなので、何か名付けの方針についての変更があったのかもしれない。分割カードの名前の付け方としては面白いよね。ただ、こういうふうに熟語にすると翻訳するときは苦労しそう。ロシア語とか中国語とか、どうしてるんだろう。

MTGカード与太話「破滅の刻」から「霰炎の責め苦」


霰炎の責め苦/Torment of Hailfire

X が「手順を繰り返す」を表す回数として使われるという、ありそうになかった新しいカード。しかも、これまで手順を繰り返すカードは、手順の最後に「以上の手順を…回繰り返す」と書かれていたのが、冒頭に書かれたという点がとても興味深い。プログラム的にいうと、ずっと do-while 文的な書き方だったのに 突然 for 文的になったという感じ。これは X=0 を許すための措置だと思っていいよね (do-while 的な書き方だと最低1回は実行する必要があるため)。なかなかに興味深い。次に「繰り返し」のカードが出るときに、どちらの書き方になるかは注目すべきところ(注:カードの機能や強さ、値段などとは一切関係ありません…)

カードとしてもなかなかバカにならない強さを秘めていて、手札やライフが減った後半に X=5-6 くらいで撃たてしまうと一撃死もありそう。相手に選択させるカードは強くないという定説はあるけど、さすがに 4-5 回も連続で選択させされると、選択肢がないのとあまり変わらなくなる。《啓示の刻/Hour of Revelation》や《バントゥ最後の算段/ontu’s Last Reckoning》などで盤面を綺麗にしてから撃てば強力そうではある。最近は余波とか不朽とかあるので、そこまで刺さらないということなのかなあ。