MTGカード与太話「破滅の刻」から「霰炎の責め苦」


霰炎の責め苦/Torment of Hailfire

X が「手順を繰り返す」を表す回数として使われるという、ありそうになかった新しいカード。しかも、これまで手順を繰り返すカードは、手順の最後に「以上の手順を…回繰り返す」と書かれていたのが、冒頭に書かれたという点がとても興味深い。プログラム的にいうと、ずっと do-while 文的な書き方だったのに 突然 for 文的になったという感じ。これは X=0 を許すための措置だと思っていいよね (do-while 的な書き方だと最低1回は実行する必要があるため)。なかなかに興味深い。次に「繰り返し」のカードが出るときに、どちらの書き方になるかは注目すべきところ(注:カードの機能や強さ、値段などとは一切関係ありません…)

カードとしてもなかなかバカにならない強さを秘めていて、手札やライフが減った後半に X=5-6 くらいで撃たてしまうと一撃死もありそう。相手に選択させるカードは強くないという定説はあるけど、さすがに 4-5 回も連続で選択させされると、選択肢がないのとあまり変わらなくなる。《啓示の刻/Hour of Revelation》や《バントゥ最後の算段/ontu’s Last Reckoning》などで盤面を綺麗にしてから撃てば強力そうではある。最近は余波とか不朽とかあるので、そこまで刺さらないということなのかなあ。

MTGカード与太話「破滅の刻」から「オケチラ最後の慈悲」


オケチラ最後の慈悲/Oketra’s Last Mercy

「初期ライフ総量」という訳語が入った 3 枚目のカード。しかし、ゲーム開始時のライフの量を参照するカードとしては 7 枚目だったりする。英語の “starting total life” という表現の訳が《毅然たる大天使/Resolute Archangel》が出るまでいろいろと揺れてたため、このような齟齬が起きたようだ。《毅然たる大天使/Resolute Archangel》の次に出た《極上の大天使/Exquisite Archangel》でも「初期ライフ総量」と訳されたことで、訳語がこれに決まったらしい。初期ライフ総量を参照6枚のカードのうち、ライフを元に戻すという能力がこれらのカードで共通していることが、安定化に一役買ったような気もする(主に検索能力的な問題で…)。もちろん妄想ですよ。

ちなみに、ライフを初期値に戻す(ような)過去のカードとしては《清めの風/Blessed Wind》がある。これはライフを 20 点にするので初期値に戻すわけではないけど、9 マナとやたら重いカードになっている。相手にも使える点が評価されているのか、ライフを戻す能力自体が高く評価されたのか、当時のことはわからない。ただ、自分のライフを戻す能力については、このカードでは(デメリットがあるとはいえ) 3 マナに設定されたので、かなり弱めの能力と最近は判断されているようだ。

これくらい軽くなると、《群れの統率者アジャニ/Ajani, Caller of the Pride》とか《群れの統率者アジャニ/Ajani, Caller of the Pride》、《死の宿敵、ソリン/Sorin, Grim Nemesis》の大マイナス能力の直前に使う、みたいな運用ができるかもしれない。多人数戦でやったら 40/40 のトークンが出てきたり、1/1 絆魂が 40 体並んだりしてなかなか楽しそう。そんなのが出てきたら、次のターンに土地がアンタップしなくてもあんまり痛くない。ひっそり《永遠の器/Eternity Vessel》を出しておけば、何回も同じことができる。《失われし夢の井戸/Well of Lost Dreams》を出しておけば、大量にカードも引けそう…さすがにマナがないかな。ただし《加護の反射/Boon Reflection》を出しておくと、ルールの解釈で一悶着起きそうな予感も。

MTGカード与太話「破滅の刻」から「王神の贈り物」


王神の贈り物/God-Pharaoh’s Gift

《来世への門/Gate to the Afterlife》で登場が予言されていたカード。どんなカードになるかと思いきや、墓地に落ちたクリーチャーをゾンビに変えて戦場に戻すという、昔のエジプトのミイラが蘇える的なイメージが具現化されたようなカードだった。出るコピーはサイズが 4/4 固定になるから、巨大クリーチャーを墓地から釣るのには不向きではある。でも、元のカードの能力自体は維持されること、唱えるときのコストを無視できること、《降霊術/Seance》と違ってトークンは戦場に残る等、副作用を起こす怪しい要素をいくつももっているので、うまく使えば悪さができそうな感じ。

とりあえず、《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》を墓地から出して 4/4 飛行とか、《剣術の名手/Fencing Ace》を 4/4 二段攻撃にしてみるとか、《突進するアナグマ/Charging Badger》を 4/4 トランプルで出すくらいでも普通に楽しそう。《荒廃の工作員/Blighted Agent》とか、ブロックされない 4/4 感染とかになって、かなり凶悪そう。《運尽きた造反者/Doomed Dissenter》なら、最初の死亡時に 2/2 を出しつつ、さらに自身が甦って 4/4 になった上に、また死んだら 2/2 が出たりしてお得感がすごい。さらに 《むら気な召使い/Wayward Servant》 と一緒に出しておけば破壊力がすごそう。