MTG カード与太話: 運命再編より「賢人の夢想」「味方からの誤射」

公式記事の末尾に「・・・に意見を(英語で)書いてくれ!」と頻繁に書いてあるのを見てるうちに、一度英語で開発にいろいろ質問書いてみようかな、という気分になってきた。回答があるのかはナゾ。


賢人の夢想/Sage’s Reverie

巻物(?)が飛びまくっているイラストが格好いいカード。背景は、何かの書庫っぽく見える。賢者というと、やはり書庫とか巻物のイメージがあるようだ。イラストとしては、《ラト=ナムの賢人/Sage of Lat-Nam》を後ろから見たような感じにも見える。《賢人の消火/Sage’s Dousing》っぽいという説もある。ただし、この吐きだしている物はフレーバーからすると巻物ではなくて水らしい。背景の棚の絵は《巻物棚/Scroll Rack》にもよく似ている・・・この棚の巻物は飛んでは出てこず、ちゃんと取らないといけないようだ。

このカード、イラストが良いだけでなく、カードとしても結構強いんではないかという気がする。テーロスの、クリーチャーかつエンチャントなカードと相性が良さそう。また、運命再誕でいくつか出ている、予示したカードに付くオーラになるエンチャントとも相性が良さげ。うまく組めば《新緑の女魔術師/Verduran Enchantress》《ヤヴィマヤの女魔術師/Yavimaya Enchantress》を足したようなデッキが1枚で組めそうではある。自身もエンチャント(オーラ)なところも良い。ただし、普通に使うとカードが引けるのは1回だけなので、手札に戻したりして何度も使うとか、大量のコピーエンチャントを作るなどして、一度で大量にカードを引ける工夫をしてみたいところ。


味方からの誤射/Friendly Fire

カードとしては《プレインズウォーカーの憤激/Planeswalker’s Fury》をインスタントにして、クリーチャーにもダメージを与えられるようにした、というようなカード。1回しか使えなくなった一方で、クリーチャーにもダメージが与えられるようになり、インスタントなのでコンバットトリックとしても一応使えるようになったから「お値段は据置きね」というような感じのデザイン。

無作為性があるのでダメージが安定せず、また相手に手札がないと何もおこらないといった欠点があるので、構築では使いにくそう。ただ、クリーチャーとプレイヤーの両方に大ダメージを与えられるという浪漫はある。カード名的にも、うまく使うことで相手に精神的ダメージも与えらる可能性もある(逆に怒りを誘発する恐れもあり)。いずれにしても、赤らしい楽しいカードではある。

どうでもいいけど、このカードは、カード名、イラスト、カードの能力が綺麗に噛みあっていて、よくデザインされていると思う。こういうのは、カード名のほうから考えているのか、能力のほうから決めてあとからカード名を決めているのかは気になるところ。多分、ケースバイケースだろうけど・・・前身(?)の《プレインズウォーカーの憤激/Planeswalker’s Fury》については、サイクルのカードのひとつでもあり、絵もカード名もあんまり統一されてない感じなので、おそらくカード名から先にデザインされたんだろうね。それに対して、こちらは似た能力ながらデザインは全体的に統一されており、サイクルを形成するカードでもない。このことから、こちらは能力から先にデザインされたのではないか、と推測している。さて、どうだろう(まさにどうでもいいか)。

MTG カード与太話: 運命再編より「アブザンの獣使い」「無慈悲な処刑人」


アブザンの獣使い/Abzan Beastmaster

MTG 史上、4体目の獣使い(Beastmaster)。RPG では tamer とか beastmaster は割と定番なクラスだと思うのに、MTG の世界には tamer は全くおらず、beastmaster も最近になってちらほら出てきた、という程度の扱いになっている。Beastmaster も初出カードはエンチャントで、人間ですらなかったし。3枚目の《野生の獣使い/Wild Beastmaster》になって、ようやく人間になった(このカードについては、過去記事をどうぞ)。

しかし、4枚目になったら人間じゃなくなってしまい、なぜか猟犬になった。猟犬て、自分のほうが使われそうな気がするんだけど・・・。しかも、先輩の《野生の獣使い/Wild Beastmaster》を含め、他の「獣使い」なカードはクリーチャーを強化する能力だったのに、こちらはなぜかカードを引く能力になった。ようやく獣使いのイメージがかたまってきたのかと思ってたのに、またしても違う路線にそれてしまったようだ。はたして、MTG での獣使いはどういう方向に収束していくのだろうか。次の獣使いの出現に期待したい。


無慈悲な処刑人/Merciless Executioner

《肉袋の匪賊/Fleshbag Marauder》の同型再販。コストも能力もレアリティも全く同じで、クリーチャータイプだけがゾンビからオークに変わった。先輩のゾンビは、クリーチャーの死体を悪魔やネクロマンサー達のために集めている、という感じだったけど、こちらのオークは純粋に処刑を楽しんでいるらしい。裏切り者を(多分、敵方のスパイと共に?)処分することを楽しむだけでなく、他に処刑するクリーチャーがいなければ、自分すら処刑してしまうという徹底ぶり。その職人魂は高く評価できる。

ちなみに、オークでありながら相手クリーチャーを直接墓地に送ったり、追放できるようなクリーチャーは他にはいない。味方を道連れにするあたりがオークっぽいけど、黒いオークというところには違和感はある。他の記事でも書いたけど、黒いオークというのは一時的なものなのかな。なお実戦では、破壊不能だったり呪禁なクリーチャーすら処刑してしまえるので、他の除去とは違った居場所がありそうな感じ。

MTG カード与太話: 運命再編より「謙虚な離反者」「現実変容」


謙虚な離反者/Humble Defector

《魔女エンジン/Witch Engine》のように、メリット能力を使うと相手に寝返ってしまう。相手に 2/1 クリーチャーが寝返ることよりも、相手にも2枚カードを引かれてしまうほうが困るという、なかなかに面白いデザインになっている。しかし、2マナで2枚引けるメリットは捨て難い。うまく使えば激しいアドバンテージが稼げそうではある。公式ページでも《静寂の守り手、リンヴァーラ/Linvala, Keeper of Silence》で無力化するとか、さまざまな工夫が紹介されているようだ。

いろいろ方法はありそうだけど、スタンダードでなくてよければ《欠片の双子/Splinter Twin》がよさげ。これで自分のターンにコピートークンのほうの能力を使えば、相手に渡ってもカードを引く能力は自分のターンにしか使えないから、相手が能力を使う前に消えてくれる、よね。スタンダードなら《悪魔の皮の魂結び/Felhide Spiritbinder》かなあ。神啓の条件を満たす良い方法があれば・・・《アクロスの徴兵人/Akroan Conscriptor》を使って、相手に渡ったら手元に戻すというくらいでも使えるかも。何か考えてみたい。


現実変容/Reality Shift

青によくある《変身/Polymorph》とか《難局/Hour of Need》みたいな、除去のような強化のようなカード。自分で使うと必ず相手が嬉しいことになり、相手に使われると自分が必ず不利になるという、使えないタイプのカードだよね(注: 個人の感想です。使用感には個人差があります)。何にしろ、カウンターし漏れた強力なクリーチャーを(一時的にでも)無力化できるのはそこそこ強い気がする、というか青い相手につかわれたら結構イヤ。《羊術/Ovinize》や《急速混成/Rapid Hybridization》のような破壊ではなく追放になったので、相手の破壊不能なクリーチャーに使えるようになった。でも、自分のクリーチャーを対象には使いにくくなった。使うにしても、考えどころがありそう。

いずれにしろ、ブロック構築やスタンダードじゃ多色デッキが蔓延しそうだし、除去は他の色で間にあう気もする。とすると、このカードはリミテッドでしか出てこないかもしれない。ただし、予示関連で何か変なカードが出てきたら、もしかしたら自分のクリーチャーを対象に使うこともあるのかも。