まさかの時のボードゲーム: Mage Knight Board Game プレイ編1

Mage Knight Board Game について、リプレイを通してプレイ方法を説明する。


以下、プレイヤー2名でシナリオ「予備調査」をプレイ内容を記録したものについて、ルールやプレイ方法について説明してみる。

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ゲームエリアのセッティングが終了すると、上の図のようになる。なお、前回の「セッティング」のときに説明した図とは、各デッキなどの位置が変わっている。

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このシナリオでは、スタートタイルの A の面を使う。この右側に 1 のタイルを置き、2 のタイルを左に置いた状態から始める。各タイルは、数字の場所が(相対的に)同じ位置になるように合わせて置く。

マスに刀が書かれているところには、ランページングエネミーのタイル(緑地に刀が描かれている丸いタイル)をランダムに取って、数字が書かれている面を上にして置いておく。

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白(Elf-Lord)プレイヤーのセッティングが終わり、デッキから手札を5枚引いたところ。

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こちらは赤(Cultist)プレイヤーのセッティングを終了したところ。ちなみに、各ヒーローの初期デッキ 16 枚のうち、15 枚は同じカードで 1 枚だけ違うカードになっている。そのため、デッキによるヒーローの能力差はほぼ無い。一方で、スキルトークンはかなり内容が違っているため、ヒーローの能力差はスキルトークンの差によるものと考えていいと思う。

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ここまでセッティングしたところで、戦略カードを1枚選ぶ。このシナリオでは最初のラウンドは昼なので、昼の戦略カードからプレイヤーはそれぞれ1枚選ぶ。カードを選ぶ順序は、ヒーローを選んだときの順序と逆の順序になる。カードに書かれた数字が一番低いプレイヤーが、このラウンドで一番最初にターンをプレイする。以下、数字の低い順にターンをプレイしていく。

戦略カードは、選んだときにすぐ使うタイプのものと、ターンの途中で能力を使えるものがある。昼の戦略カードの内容は以下の通り。

  1. 何もなし
  2. この戦略カードを選んだとき、負傷カードを含む最大3枚までのカードを捨てて、同じ枚数のカードをデッキから引く。そのあと、捨てたカードをデッキに混ぜてシャッフルする。
  3. この戦略カードを選んだとき、ソースから基本色のダイスをひとつ取ってこのカードの上に置く。このマナは、このラウンドの間であればいつでも使える。そうしたならば、ターンの終了時にダイスを振り直してソースに戻す。
  4. ターンの終了時に、手札を引く前にもし手札が2枚以上あれば、手札の上限+1枚の手札を引く。
  5. このカードを選んだら、ただちにカードを2枚引く。
  6. このラウンドのターン中に1回、そのターンの後に追加のターンをプレイすることを宣言してよい。そうしたならば、このカードを裏向きにする。

このラウンドでは、白プレイヤーが 3 のカードを選び、赤プレイヤーが 5 のカードを選んだ。白プレイヤーはソースから青色のダイスを選んで、カードの上に置く。赤プレイヤーは、カードを2枚引く。

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白プレイヤーが、ソースから取った青ダイスをカードの上に置いたところ。このダイスは、このラウンドの間であればいつでも使うことができる。

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赤プレイヤーは、デッキからカードを 2 枚引いたので手札が 7 枚になった。

ここまでで、最初のラウンドの準備は終わり。ここから、各プレイヤーがターンをプレイする。

ラウンド1-ターン1: 白プレイヤー

白プレイヤーが選んだ戦略カードの数値のほうが赤プレイヤーのカードより低い(白:3, 赤:5)ので、白プレイヤーからターンを始める。

プレイヤーは、各ターンに次の順序で移動とアクションを行うか、もしくは「休息」することができる。

  • 移動する。
  • 次のひとつのアクションをする。
    • 戦闘をする。
    • 村、城、僧院などを訪れる。

移動とアクションの実行は任意なので、移動せずにアクションだけしても、移動だけしてアクションをしなくてもいい。ただし、アクションのあとに移動することはできない。

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さて、このターンに白プレイヤーはまず移動をすることにした。最初のターンでは、自分のヒーローのフィギュアがマップタイルの上にいないので、ターンを始めた直後にフィギュアを A のタイルの中心の「ゲート」のマスに置く。

次にヒーローを移動させる。このゲームでは、移動するためには「移動力(move)」をカードなどを使って作りだす必要がある。そこで、白プレーヤーは手札から stamina と swiftness の二枚のカードを出して移動力(move)を得ることにした。

カードを普通に使う場合は、カードの上の段に書かれた効果が適用されるので、このままだと移動力 4 を得ることになる。カードを使うときにカードと同じ色のマナを使うと、カードの下の段の能力を使うことができる。そこで、白プレイヤーは戦略カードの上にある青マナのダイスをひとつ取って、stamina のカードに使うことにした。これで、stamina からは移動力 4 が得られるため、合計で移動力 6 を得ることができた。

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移動するために必要になる移動力は、昼夜ボードに書いてある。地形によって移動するために必要となる移動力が異なっている。白プレイヤーは、移動力 6 で草原のマスを 3 マス進んで、村が書かれているマスで移動を終えた。マスに建物などが書かれている場合でも、背景のマスの地形に対応した移動力を消費することで、そのマスに移動することができる。

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ターンの始めからのプレイの手順は上のような感じ。

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移動を確定させたところ。フィギュアを実際に村まで移動させる。使ったカードは捨て札としてデッキの横に表向きに置いておく。

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白プレイヤーは、移動の次のアクションとして、今いるマスにある村を訪れることにした。村で何ができるかは、サイト説明カードに書いてある。具体的には、次の三つのことができる。

  1. ユニットを雇う。
  2. ヒーリングする(負傷カードを捨てる)。
  3. 略奪する(カードを2枚引く)。ただし、自分のターンとターンの間に1回しかできない。

ユニットというのは、手札のカードと違って、自分の前にずっと出しっぱなしにしておいて、好きなタイミングで能力を使ったり、敵から受けたダメージを身代りさせることができる。ユニットは、村や僧院などを訪れたときだけ雇うことができて、なおかつ自分が持っているコマンドトークンの数まで雇うことができる。

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これがユニットカード。ここで白プレイヤーは、ユニットを雇うことにした。

ユニットを雇うにはいくつかの条件を満たす必要がある。まず、村、僧院、城にいるときだけ、アクションとしてユニットを雇うことができる。白プレイヤーは村にいるので、この条件は満たしている。雇うユニットは、ユニットオファーから好きなものを選択できるけど、今いる場所に対応するアイコンが書かれているユニットしか雇えない。今、白プレイヤーは村にいるので、村アイコンが書かれているユニットしか雇えない。ここでは、村のアイコンが書かれている foresters というユニットを雇うことにする。

次に、左上に書かれている数値以上の influence (影響力)をカードなどによって得る必要がある。

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白プレイヤーは threaten というカードを手札から使って、影響力を得ることにした。ただし、普通に使うと 2 しか得られないので、ソースから赤マナの目のダイスを取って使用し、影響力 5 を得ることにした。ソースにあるダイスは、各ターンに1回だけ好きなものを取ってマナとして使うことができる。なお、先に青マナのダイスを使ったけど、それは戦略カードの上にあったダイスを使ったので、各ターンに使えるマナダイスとは別扱いになっている。

この threaten は、マナを使って能力を使用すると評判を -1 しなければならないため、評判ボードの白プレイヤーのシールドマーカーを左にひとつ動かす。

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ボードを見ると分かるように、初期状態から -1 されたとしても、評判の値自体は 0 のままで変わらない。-2 されたとき、初めて評判の値が -1 になる。つまり、評判が -1 されてシールドマーカーを動かしても、評判の値そのものも -1 されるとは限らない。ここは間違いやすいところ。

こうして、カードを捨て札にして影響力 5 を得たので、ユニットオファーから foresters カードを取って自分のプレイエリアに置き、コマンドトークンをカードの上半分に置く。ここまでの手順を図で示すと以下のようになる。

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コマンドトークンは置く位置に意味がある。ユニットカードの上半分にあるときは、ユニットの能力が使える状態(レディ状態)であることを示す。下半分に置かれているときは、能力が使えない状態であることを示す。ユニットを雇った直後は、レディ状態にしておく。

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ユニットオファーからユニットを取ってもユニットを補充したりはせず、数がへったままの状態にしておく。ユニットオファーの補充は、新しいラウンドが始まったときか、カードなどによって指示がなされたときに行なう。

これで白プレイヤーは移動をアクションを実行し終わったので、白プレイヤーのターンを終了する。ターンの終了時には、次のことを行なう。

  • ソースから取って使ったマナダイスを振りなおして、ソースに置く。
  • 手札を好きな数だけ捨てて、手札の上限になるまでカードを引く。(カードを1枚もプレイしなかった場合は、最低1枚捨てる)。

このターンでは、白プレイヤーは戦略カードの上にあったマナダイスと、ソースから取ったダイスを使ったので、その二つのダイスを振りなおしてソースに戻す。

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手札は 2 枚まで減ったので、3枚引いて手札を5枚にする。

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これで白プレイヤーの最初のターンはおわり。

(つづく)

まさかの時のボードゲーム: Mage Knight Board Game (2) セッティング

このゲームには、全員が使うエリアと各プレーヤーごとにセットアップするエリア(プレイヤーエリア)がある。全員が使うエリアには公式には名前がついてないけど、説明しやすくするために「ゲームエリア」と呼ぶことにする。

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すべてセットアップすると、ゲームエリアの全景はこんな感じになる。上のほうに空いてる場所には、あとでマップタイルを並べることになる。この写真ではたいしたスペースがないけど、実際にはかなり広いスペースがないとマップが置けなくなる。マップを並べて置くために、最低でも 50cm 角くらいのスペースを用意しておきたい。

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各プレーヤーのプレイヤーエリアはこんな感じ。まずはこちらのセットアップ方法について説明する。

プレイエリアの設定

プレイヤーはそれぞれ使うヒーローを選ぶ。ヒーローは、基本セットであれば 4 種類の中から選べる。

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選んだヒーローのフィギュアとヒーローカード、トークン(4種類)、初期デッキ、スキル説明カードをそれぞれ受けとる。フィギュアは見ての通り。プレイ中はマップ上に置くんだけど、最初の時点では各プレーヤーのプレイエリアに置いておく。ヒーローカードは、みたまんまヒーローが描かれたカード。各ヒーローごとに1枚ずつあるので、それを受けとってプレイエリアに置いておく。

受けとるトークンは、スキルトークン、レベルトークン、ラウンド順序トークン、シールドトークンの4種類がある。

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レベルトークンは八角形で、裏にヒーローの紋章がある。表に 1-2, 3-4, 5-6, 7-8, 9-10 とかかれた 5 枚と、何もかかれていないトークンがひとつの、合計 6 枚のトークンがある。このうち、何もかかれてないトークンは紋章のほうを表にして、プレイヤーエリアに置いておく、このトークンは「コマンドトークン」と言って、協力者(ユニット)カードを使うときに使われる。

表に数字がかいてあるトークンは、ヒーローがそのレベルで持てるカードの枚数と、防御力を表している。一番下が 9-10 で、その上が 7-8, その上が 5-6 ・・・となるように重ねていって、一番上が 1-2 になるようにする。左の数値が防御力で、右の数値は手札の枚数になっている。最初はレベル 1 から始まるので、一番上にある 1-2 のトークンに表示されている数値が適用される。

レベルが 3 にあがったときに、一番上の 1-2 のトークンを取ってプレイエリアに置き、以後それはコマンドトークンとして(紋章が上になるように)使えるようになる。そして、手札の枚数や防御力は 3-4 のトークンに書かれた数値を使う。

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ラウンド順序トークンは、長方形で裏にも表にも紋章が描かれている。これは、そのラウンドでのプレーヤーの手番の順序を表わすために使う。これについては、あとでゲームエリアのセッティングのところで説明する。

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スキルトークンは、表にスキルの内容が図示されていて、裏はヒーローの紋章がかかれている。これは、レベルがあがったときにヒーローが習得するスキルを決めるときに使う。最初の時点では、すべて裏向きにしてシャッフルして重ね、プレイヤーエリアに置いておく。

スキル説明カードは、スキルトークンの説明が書かれているだけのものなので、必要に応じて参照すればいい。内容を覚えてしまったら特に受けとる必要はない。ただし、他のヒーローのスキルトークンを使うこともあるので、カードはどこか全員がすぐ取れる場所に置いておくほうが良いと思う。

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シールドトークンは、盾の形をしていて紋章が描かれている。これは、ゲーム中にいろいろな目的で使われる。ゲームエリアのセッティングで最低でも 2 個は使うので、とりあえず 2 個は受けとってプレイエリアのどこかに置いておく。

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初期デッキは、右肩にヒーローの紋章の入ったカードで作る。どのヒーローも、初期デッキのカードは 16 枚ずつある。デッキを受けとったら、シャッフルしてプレイエリアに置く。それから、レベルトークンに書かれている枚数だけ手札を引く。基本セットに入っているヒーローなら、どのヒーローでもレベル 1 では手札 5 枚に設定されている。

プレイヤーについては、だいたいこんなところ。

ゲームエリアの設定

これは、ヒーローの「名声(fame)と評判(reputation)」を表示するボード。長いので「名声ボード」と呼ぶことにする。

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左側のエリアが「名声」とヒーローのレベルを表すエリアで、右上がヒーローの評判を表すエリアになっている。最初は、各ヒーローのシールドトークンを、名声 0 の位置と評判 0 (三つある 0 のうちの中央) の位置にそれぞれ置く。

名声ポイントを得るたびに、シールドトークンを 1,2 … と動かしていく。名声を得てシールドトークを置く列が変わったら、そこでレベルがあがったことになる。レベルアップについては、プレイの流れのところで説明する。

評判については、プラス方向とマイナス方向がある。評判値の操作については、カードに指示があったときに行う。

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写真の右側に並んでるカード(デッキ)は、下からそれぞれ「ユニット(レギュラー)デッキ、ユニット(エリート)デッキ、上級アクションデッキ(長いから単にアクションデッキと呼ぶ)、アーティファクトデッキ、呪文デッキ、負傷カードの束となっている。並べる順序はこの順番でなくてもいいけど、どれがどれかは区別がつくようにしておく必要がある。負傷カードだけは、表向きにして積んでおく。

ユニットカードは、裏が銀色のものと金色のものがある。銀色がレギュラーで、金色がエリートになっている。裏面の色ごとに分けてデッキを作る。

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アクションカードは、ヒーローデッキのカードとよく似ているけど、右肩に紋章がついていないので、それで区別できる。

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アーティファクトカードは真ん中が単なる線になっている(アクションカードは色付きのマナシンボルがある)ので、それで区別できる。といっても、なかなか見分けにくいけど・・・。

各デッキを置いたら、アクションデッキと呪文デッキの上から3枚をとって、表向きに名声ボードの横に並べる。この、カードを並べた列を「オファー」と呼ぶ。呪文カードとアクションカードの二種類のオファーができる。オファーのカードには順序があって、名声ボードの上方向がオファーの末尾、下方向がオファーの先頭になる。オファーからカードを1枚とるときは、下のほうから1枚取る。またオファーにカードを追加するときは、下にカードをずらして上に新しいカードを置く。

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同様にして、裏が銀色のユニット(レギュラー)デッキから、プレイヤーの数 + 2 の枚数だけ、名声ボードの下に並べる。これをユニットオファーと呼ぶ。ユニットオファーは右が先頭で、左が末尾になる。

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昼夜ボードとマナダイス、ラウンド順序トークンを配置する。昼夜ボードは、その名の通り昼の面と夜の面がある。シナリオによって、どちらから始めるかは異なっている。最初のシナリオでは昼の面を上にするように書いてあるので、とりあえず昼の面を上にして配置しておく。

マナダイスは、プレーヤーの数 + 2 個を使うので、それだけ取ってラウンドボードの上に置いておく。

ラウンド順序トークンは、プレーヤーの手番の順序を表すために使う。手番が先のプレーヤーのトークンを上にして、以下順番に下に並べる。最初の時点では、じゃんけん等の方法で順番を決めて、その順序でトークンを並べておく。

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戦略カードは、黄色い「昼カード」と黒い「夜カード」がある。種類ごとにまとめて、束にして置いておく。プレーヤーは、ラウンド毎にこの中から1枚選んで取る。

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円形のトークン(敵トークン)と六角形の黄色いトークン(廃墟トークン)は、それぞれの種類ごとにシャッフルしてゲームエリア積んでおく。場所がなければ、ケースの中に入れたままでもいいと思うけど。

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マップタイルは、両面に地形がかかれたもの(スタートタイル)、裏面が緑のもの(カントリーサイドタイル)、黄色のもの(コアタイル)の3種類がある。スタートタイルは最初のマップになるので、ゲームエリアの空いたスペースに置いておく。どちらの面を上にするは、シナリオで指定される。最初のシナリオでは、写真の面を上にした状態で置く。

緑のタイルと黄色のタイルをどのように積むかも、シナリオで指定されている。最初のシナリオでは、まず緑のタイルについては、タイルの下に1と書かれたタイルがトップになるようにして、以下 11 のタイルまで順に上に積む。そして、それを裏向きにして束にして置いておく。次に、黄色いタイルから真ん中にシティ(城みたいな絵)の書かれたタイル1枚と、シティのないタイルを2枚を選ぶ。それらを裏向きにしてシャッフルして束にして置く。その束の上に、先の緑色のタイルの束を置く。これで 14 枚のタイルの束ができたはず。最初のシナリオでは、このマップタイルの束を使う。ただし、プレイヤーが二人のときは緑のタイルは 3 枚抜く(9,10,11を抜く)。

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数字はマップタイルの端に、とても小さい文字で書いてある。

マナ(クリスタル)は、いつでも取れるようにゲームエリアのどこかに置いておく。昼夜ボードの上に置いた以外のマナダイスも追加で使うことがあるので、どこかすぐ取れる場所に置いておく。

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・・・といったところで、やっと準備はおわり。個人的には、アクションデッキとかユニットデッキとかはそう頻繁にはめくらないので、別の場所に置いておいても良い気がする。とかくこのゲーム、小さいテーブルでやるとすぐマップタイルを置くスペースが足りなくなるので・・・。

まさかの時のボードゲーム: Mage Knight Board Game (1) ゲームの概要

どんなゲームか

このゲームは、マップ上にいる敵を倒したり、城などの拠点を占領することで名声(fame)を稼いでいき、最終的に名声を最も稼いだプレーヤーが勝利者になる、というゲームである。拠点を占拠するためにも敵を倒さなければならいので、つまるところ敵を倒しまくって名声を稼ぐことが、このゲームの最も重要な行動目標である。

プレーヤーが獲得した名声値を示すボードがこれ。敵を倒したりして名声を得るごとに、得た名声値の分だけマーカー(盾みたいなコマ)を移動させていく。名声値が行に分かれているのは、一定の名声を稼ぐとレベルが上がることを意味している。名声値 0-2 まではレベル1、名声値が3になるとレベル2になる。要するにこのゲームでは名声値は経験値を兼ねていて、名声値を得るとキャラクタがレベルアップするようになっている。レベルアップすると、スキルを覚えたり、新たなカードを獲得できたり、手札の枚数が増えたりする。

この名声値を得るためには敵を倒さなければならないが、敵を攻撃するためにはカードを使う必要がある。

予めキャラクタごとに用意された 16 枚のカードでデッキを作成しておき、そこから 5 枚を引いたカードが最初の手札になる。上の図の左中央の裏向きのカードの束がデッキで、下の5枚が手札として引いたカード。この手札のカードを使うことで、敵を倒したり、マップ上のキャラクタ(フィギュア)を移動させたりできる。手札は使うと捨て札になり、ターンが終わったときにデッキから足りない枚数分だけカードを補充する(手札の枚数は最初は5枚)。プレーヤーの誰かのデッキが空になると、昼ラウンドと夜ラウンドの入れかえ(ラウンドを進める操作)を行なう。このときに捨て札の束をシャッフルする、このシャッフルされたカードの束が、次のラウンドに使うデッキになる。

これは、プレイ中のラウンドが昼のラウンドなのか夜のラウンドなのかを示すボード。上の図が昼で、下の図は夜のラウンドを現わしている。ラウンドを進めるときに、このボードをひっくりかえす。

ラウンドとターンは違うもので、ひとつのラウンドの中に複数のターンがある、という構造になっている。ターンは、プレーヤーの手番のことで、自分のターンの間に手札を使って移動や攻撃などをすることができる。手札が尽きたり、手札があっても何もやりたいことがなくなった時にターンの終了を宣言すると、次のプレーヤーにターンが移る。ラウンドは、誰かのデッキのカードが全て尽きて、次のターンになっても手札をデッキから引けなくなったときに、ラウンドの終了を宣言できる。ラウンドの終了が宣言されると、残りのプレーヤーが1ターンずつ手番を実行したのちに、そのラウンドが終了する。

ちなみに、自分の手番(ターン)中に敵を倒すと、報酬としてカードがもらえることがある。このときに獲得したカードは、まずはデッキの一番上に置かれる(一部、即座に手札に入るものもある)。置かれたカードはすぐには使えないものの、ターン終了時の手札の補充のタイミングで手札に入るので、ターンが進めば手に入れたカードが使える、という仕組みになっている。こうして、新たなカードを獲得してデッキを強化していくことが、このゲームの重要な要素のひとつになっている。

さて、このゲームでは移動するだけでもカードを使う必要がある。移動するためには移動力(Move)を得るカードを使わなければならない。移動力を得るカードには、上の図のカードのように Move という文字が書かれている。このカードには Move 2 と書かれているので、これを使うと通常は上の段に書かれた 2 の移動力を得ることができる。下の段に書かれた 4 の移動力を得るためには、緑マナを使う必要がある。この、マナについては後述する。なお、1ターンの間に移動できるマス目の数に上限はない。カードで移動力を得られる限り、何マスでも移動できる。

マップ上の地形によって、そこに進入するために必要となる移動力が異なっている。例えば草原は 2 の移動力で進入できる。一方で、森は 3 の移動力を必要とする(昼の場合)。地形に進入するために必要な移動力は、昼や夜のラウンドを示すボードに書いてある。さらに、マップタイルの端まで来た場合、移動力 2 を使うことで新たなマップタイルを引いてつなげる(マップを拡大する)ことができる。この、マップを拡大する操作を「探索」と言う。探索をした後にさらに続けて、新たに配置したマップタイル上を移動することもできる(移動力をカードで得られるならば)。

新たなマップタイルを置いたら、新たなマップタイルの上にある地形によって、敵タイルや遺跡タイルなどを置いたりする。どのタイルを置くかは、それぞれの地形の説明が書かれたカード(地形描写カード)があるので、そのカードに書かれたテキストに従って配置する。「探索」してマップを広げつつ、マップ上にいる敵を倒したり、ダンジョンや遺跡などを攻略したり、村や僧院などを訪れて協力者を雇ったりしていくことで、ゲームが進んでいく。

移動するのと同様に、マップ上などにいる敵と戦うためには、上の図のような攻撃力(attack)や防御力(block)を生み出せるカードを使う必要がある。攻撃力を得るカードで敵を攻撃し、防御力を得るカードで敵からのダメージを防ぐことができる。Attack or Block と書かれているカードは、攻撃力か防御力のどちらかを選んで得ることができる。上の図の左のカードは 2 の攻撃力か防御力のいずれかを得ることができるもので、ここでは防御力を選択しようとしている。右のカードは、青マナを使うことで Block 5 (5 の防御力) を得ようとしている。

これは敵トークンである。敵トークンは最初からマップの上に置かれていこともあれば、マップ上にあるダンジョンのマスに止まって「進入」を宣言することで出現することもある。トークンの上の数字が防御力、左の数字が攻撃力、下の数字が倒したときに得られる名声値になっている。右側にあるマークは、特殊な能力を示している。

手札を使って、敵トークンに書かれた防御力以上の攻撃力を得ることができれば、その敵を倒すことができる。敵の防御力を1でも下回れば、全くダメージを与えることができない。このゲームでは敵との戦闘結果は「倒せるか」「倒せないか」のいずれかしかない。1回目の戦闘で1ダメージ与えて HP を削り、次のターンにさらに2ダメージ与えて倒す、というようなことはできない。一度の攻撃で倒せない場合は、強制的に撤退(ひとつ前のマスに移動)させられてしまう。

一方で、敵の攻撃力以上の防御力をカードで得られなければ、ダメージを受けて「負傷カード」なるものを押しつけられてしまう。

これが負傷カード。ダメージを受けると、そのダメージに見あう枚数の負傷カードが手札に入れられてしまい、自由に捨てることができなくなる。負傷カードには一切の能力がなく、何の用途にも使うことができない、ただのお邪魔カードになっている。つまり、ダメージを受けて負傷カードが手札に入ると、攻撃や移動などのカードを持てる枚数が実質的に減るわけである。負傷カードを捨てるためには、自分のターンに移動も攻撃もしないで「休息」をするか、村や僧院などで治療をする必要がある。

治療は、村や僧院などのマスに止まっているときに、影響力(influence)を得ることで行える。影響力もカードを使って得ることができる。村でや僧院では、治療の他にも協力者(ユニット)を雇うこともできる。なお、influence と書かれていないカードを横向きにして出す(使う)ことで、カードのテキストに関係なく影響力 1 を得ることもできる(負傷カードは使えません・・・)。ここでは、上の図の一番右のカードを横向きに出すことで、1 影響力を得ている。同様にして、カードを横向きに出すことで 1 攻撃力、1 防御力、1 移動力を得ることもできる。

これが協力者カード。協力者を雇うには、協力者カードの左肩に書かれた数字以上の影響力を得る必要がある。雇った協力者は、自分の場の前に置いた状態にして、あたかも手札のようにして能力を使うことができる。協力者の能力は、基本的に 1 ラウンドの間に1回だけ使うことができる。また、キャラクタの身代りとなってダメージを引き受けてもらう(負傷カードを手札に入れる代わりに協力者カードに付ける)こともできる。ただし、負傷カードが付いた協力者は、能力を使うことも再度ダメージを引き受けることもできなくなる。負傷カードの付いた協力者は、治癒(heal)をしてやることで再び能力を使えるようになる。

このような治癒能力のあるカードを使って、キャラクタや協力者を治癒する(負傷カードを取り除く)こともできる。

これらのカードの他に、マナを生みだすカードもある。マナは赤、青、白、緑の基本の4色と、何の色にでも使える黄色、夜にだけ使える黒のマナがある。上のカードを使うと、緑、赤、白のマナから1つ好きなマナを得ることができる。

マナはカードで得ることもできる一方で、自分の手番に1回だけ、昼夜を示すボードの上に置かれた共有のマナ(マナのマークの書かれたダイス)をひとつ選んで使うこともできる(共有のマナは「ソース」と呼ばれる)。この共有のマナを使ったら、使ったら手番の終了時に使ったダイスを振って元のボードの上に戻す。

さらに、マナはクリスタルという形にして保存しておくこともできる。クリスタルを得るには、やはりカードを使う必要がある。クリスタルの形で保存しておくと、好きなタイミングでそれをマナに戻して使うことができる。クリスタルは1色につき、3つまでしか保存しておけない。そして、黄色と黒のマナはクリスタルとして保存しておくことができない。

・・・とまあ、だいたいこんな感じかなあ。ルールの例外とか制約とかも結構あるけど、煩雑になるのでそのあたりの説明はざっくり端折ったりしている。詳しい部分はルールブックをどうぞ・・・。他にも評判値とか、アーティファクトカード、呪文カード、スキルトークン、戦略カード、遠隔攻撃、包囲攻撃、都市、プレイヤー間の戦闘というような要素もあるけど、それらは追い追い説明するということで。

(つづく、といいな)