まさかの時のボードゲーム Android Netrunner (16): Core Set を使ったデッキの構築例 (コーポレーション)

実際のデッキの構築例

以下、デッキ構築のルールに従ってデッキを作る手順と、作成例について説明してみる。なお、作成したデッキは、下記を参考にしている。


デッキの編集には CardGameDB.com Android: Netrunner Deckbuilder を使用している。

コーポレーション側デッキ

何もないところからデッキを組むのは難しいので、Core Set の HB のスターターデッキを基本として、多少手を加えるという方針でデッキを作ってみる。


ベースとなるデッキは下記の通り。

Deck Created with CardGameDB.com Android: Netrunner Deckbuilder

Total Cards: (49)

Identity:

Agenda: (9)

  • 3x Accelerated Beta Test (Core): アドバンス3回で2ポイント。ポイントしたとき、R&Dの上からカードを3枚見る。その中にアイスがあればそれをコストを無視してインストールし、なおかつレゾしてもよい。見たカードのうち、そうしなかったカードはアーカイブに(裏向きに)置く。
  • 3x Priority Requisition (Core): アドバンス5回で3ポイント。コーポレーションはこのカードを得点したとき、アイスひとつをコストを無視してレゾしてもよい。
  • 3x Private Security Force (Core): アドバンス4回で2ポイント。このカードが得点されたあと、ランナーにタグが付いているときは「1クリック: 1ミートダメージを与える」の能力を得る。

Asset: (10)

  • 3x Adonis Campaign (Core)(4) レゾされたとき、バンクから12クレジットを取ってこのカードの上に置く。カードの上にクレジットがない時、このカードをトラッシュする。ターンの開始時に、このカードから 3 クレジットを得る。
  • 2x Aggressive Secretary (Core)(0) このカードはアドバンスできる。ランナーがこのカードにアクセスしたとき、コーポレーションは2クレジット払うことで、このカードの上にあるアドバンストークン1個につき、ランナーのプログラムを1枚トラッシュする。
  • 2x Melange Mining Corp (Core)(1) 3クリック: 7クレジットを得る。
  • 3x PAD Campaign (Core) (2) ターンの開始時に1クレジット得る。

ICE: (17)

  • 3x Enigma (Core) (3) / 強度 2 / Code Gate: 1) ランナーは1クリック失なう(可能なら)。2) ランを終了する。
  • 2x Heimdall 1.0 (Core)(8) / 強度 6 / Barrier: ランナーは1クリック払うことで、このカードのサブルーチン1つをブレイクできる。1) 1ブレインダメージを与える。2) ランを終了する。3) ランを終了する。
  • 2x Hunter (Core)(1) / 強度 4 / Sentry: 1) トレース3、成功した場合はランナーにタグをひとつ与える。
  • 3x Ichi 1.0 (Core)(5) / 強度 4 / Sentry: ランナーは1クリック払うことで、このカードのサブルーチン1つをブレイクできる。1) プログラムを1枚トラッシュする。2) プログラムを1枚トラッシュする。3) トレース1、成功した場合はランナーにタグをひとつ与え、なおかつ1ブレインダメージを与える。
  • 2x Rototurret (Core)(4) / 強度0 / Sentry: 1) プログラムを1枚トラッシュする。2) ランを終了する。
  • 2x Viktor 1.0 (Core)(3) / 強度3 / Code Gate: ランナーは1クリック払うことで、このカードのサブルーチン1つをブレイクできる。1) 1ブレインダメージを与える。2) ランを終了する。
  • 3x Wall of Static (Core)(3) / 強度3 / Barrier: 1) ランを終了する。

Operation: (10)

Upgrade: (3)

  • 1x Corporate Troubleshooter (Core) (0): Xクレジットを支払いこのカードをトラッシュする: このサーバを守っている、レゾされているアイスを1枚選ぶ。そのアイスは、このターンの終了時まで強度が +X される。
  • 2x Experiential Data (Core)(2): このサーバを守っているアイスの強度はすべて +1 される。

HB のスタートデッキは Jinteki に比べると扱いやすい。アイスを並べてアジェンダをポイントするという、コーポレーションの基本的な動きをしつつ、下記のポイントにだけ注意していれば、だいたい勝てるようになっている。

  • Ajenda: Accelerated Beta Test (Core): アジェンダ3回で2ポイント。ポイントしたとき、R&Dの上からカードを3枚見る。その中にアイスがあればそれをコストを無視してインストールし、なおかつレゾしてもよい。見たカードのうち、そうしなかったカードはアーカイブに(裏向きに)置く。

    Accelerated Beta Test

    このカードは、アドバンス3回でポイントできる。このカードは、インストールした直後にBiotic Labor (Core)を使うことで、直後に連続して 3 回アドバンスできる。相手にランする隙を与えず得点できるため、かなり強力なコンボである。一方で、ポイントしたときの効果で R&D のカードを見たとき、見た中にアジェンダが含まれていたら、それをアーカイブに捨てなければならないというリスクがある。そのため、Jinteki のスタートデッキでプレイするときとは異なり、アーカイブに対してもある程度のアイスを張り付けておく必要がある。

  • Heimdall 1.0 (Core)(8) / 強度 6 / Barrier: ランナーは1クリック払うことで、このカードのサブルーチン1つをブレイクできる。1) 1ブレインダメージを与える。2) ランを終了する。3) ランを終了する。

    HB のアイスは、複数のサブルーチンを持っている上に強度が高く、サブルーチンの効果も強力なものが多い。しかし、このカードのようにランナーがクリックを消費することで、アイスブレイカーを持っていなくても、サブルーチンをブレイクできるデメリットが付いていたりする。Core Set のものは末尾に「1.0」という名前が付いているものがそれに相当する(ちなみに、拡張セットに 2.0 という名前のカードもある)。これらは、一度レゾされてしまうとクリックを使用して容易に突破されるため、単独で張っても見た目ほど防御の効果がない。同種のものを同じサーバに 2 枚以上張ることで、クリックだけでは突破できなくなるため、強固なアイスとして機能するようになる。

このスタートデッキの問題点としては、クレジットを得る手段が少ないことと、アイスの一部にややコストパフォーマンスがよくないものがあるので、それらを幾分改良してみる。

まず、クレジットを得る手段として、他陣営の下記のカードを加えてみる。

アイスについては、影響値を考慮しつつ下記の中から選んで入れてみる。

  • Ice Wall: アドバンスすると強度の上がるアイス。コスト低めでレゾしやすいので序盤からも使いやすく、後で強化できるので中盤以降でも十分使える。影響値も1と低い。
  • Tollbooth: エンカウントすると強制的に 3 クレジット払わせるアイス。強度も高め。コストは高いが Accelerated Beta TestPriority Requisition (Core) のように、コストを無視してレゾできるカードと組合せて使う。影響値2
  • Matrix Analyzer: レゾコスト1で強度3であり、アドバンスして強度を上げることもできる。単独で張ってもサブルーチンを無視されて突破されることもあるので、他のアイスと併用する必要がある。タグを付けることに成功したら Private Security Force のようなカードとの組合せを狙う。
  • Archer: レゾコストにアジェンダの破棄が含まれるアイス。強度6 と固い上に強力なサブルーチンが4つもあるが、そのまま使うには難がある。レゾコストを無視するカードとの併用が前提。

これらの他陣営のカードを、影響力が 15 以下になるように入れつつ、枚数が 49 枚になるようにした。コーポレーションはライブラリーアウトすると負けるので、多くカードを入れたいところだけど、50枚以上にするとアジェンダを増やさないといけなる。だから、最初は 49 枚で作ったほうがいいかも。

アイスは 20 枚として、Sentry、Code Gate、Barrier が同数程度(6-7枚)になるようにしている。カードの影響値は、上のリスト中に色付きの点で示している。


Total Cards: (49)

Identity:
1x Haas-Bioroid: Engineering the Future (Core)

Agenda: (9)
3x Accelerated Beta Test (Core)
3x Priority Requisition (Core)
3x Private Security Force (Core)

Asset: (7)
3x Adonis Campaign (Core)
1x Aggressive Secretary (Core)
2x Melange Mining Corp (Core)
1x PAD Campaign (Core)

ICE: (20)
2x Enigma (Core)
2x Heimdall 1.0 (Core)
3x Ice Wall (Core) ■ ■ ■
3x Ichi 1.0 (Core)
1x Matrix Analyzer (Core) ■■
2x Rototurret (Core)
2x Tollbooth (Core) ■■ ■■
2x Viktor 1.0 (Core)
2x Wall of Static (Core)
1x Archer (Core) ■■

Operation: (12)
2x Archived Memories (Core)
3x Beanstalk Royalties (Core) ■ ■ ■
3x Biotic Labor (Core)
1x Closed Accounts (Core)
3x Hedge Fund (Core)

Upgrade: (1)
1x Corporate Troubleshooter (Core)


以上の調整は一例であって、これでベストというわけでは全然ない。好みによって、いろいろ調整する余地はあると思う。


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まさかの時のボードゲーム Android Netrunner (15) デッキ構築のルール

デッキを構築するときは、まず使用する ID カードを選ぶ。ID カードの右下に、そのカードを使用してデッキを作る場合に、デッキに入れなければならない最低のカードの枚数が書かれている。必ずその枚数以上のカードが含まれている必要がある。



たとえば、この ID カードなら 45 枚以上のカードを必要とする。ひとつのデッキに同じ種類のカードは 3 枚までしか入れられないので、45枚のデッキなら15種類以上のカードを入れなければならない。

この他、デッキに入れられるカードには以下の制約がある。

  • ID カードと裏面の色が異なるカードは入れられない。(コーポレーション側にランナー側のカードは入れられない。逆も同じ)
  • ID カードと異なる「陣営」のカードは、その影響値の合計がID カードに書かれた影響値以下になるようにしか入れられない。
  • コーポレーション側は、デッキの枚数に従って入れるべき合計の計画ポイントが以下のように決まっている。
    • カード枚数 40-44枚:18-19 計画ポイント
    • カード枚数 45-49枚:20-21 計画ポイント
    • カード枚数 50-54枚:22-23 計画ポイント
    • 以降、5枚増えるごとに 2 計画ポイントずつ増える

    影響値というのは、カードの隅に描かれた白い点(ドット)のことで、この丸の数の合計が ID カードに書かれた「影響値の上限」を越えないように、デッキに入れなければならない。


    JintekiKate

    上のように、カードの下(の下側)に書かれている 15 という値が影響値の上限で、上がデッキに入れる必要のある最低枚数 (45) を意味する。ちなみに Core Deck の ID カードの影響値の上限は、陣営問わずいずれも 15 で、最低枚数は 45 になっている。拡張パックの ID カードには、上限が 25 くらいのものがあったり、最低枚数が 40 枚とか少ないものもあったりする。



    デッキに入れるカードの影響値(Influence)は、上の左のカードの左下にある 2 つの白い点で表されており、このカードの場合は影響値 2 を意味している。右のカードは 3 つあるので影響値は 3 である。ただし、これらはジンテキのカードなので、ジンテキのデッキに入れるときはこの影響値を考慮しなくていい。一方で、ハース・バイオロイドやウェイランドなどの他の ID カードを使ったデッキに入れるときは、影響値の合計が ID カードの影響値を越えないようにする必要がある。


    iceEnigma

    アイスは右下(左下?)に点が書かれている。左のカードは影響値 1 である。右のカードは影響値の白い点がひとつもない。これは影響値 0 を意味している。Nutral のカードの多くは影響値 0 であり、その場合はどのデッキに制約なくでも入れられる。


    AjendaAjenda

    アジェンダのカードの多くには、左のようにそもそも影響値の欄がないものが多い。この手の影響値の欄がないカードは、他の陣営のデッキには入れることができない。一方、右のアジェンダには欄があるけど白い点が打たれていない。先の Nutral のアイスと同様に、これは影響値 0 を意味しているので、どのデッキにでも制約なく入れることができる。影響値の欄がないのは影響値 0 を意味するわけではない。このあたりはちょっとややこしい。

    なお、デッキのカード枚数に上限はない(ことになっている)。


    ちなみに、最初から自分でデッキを組むのはなかなか難しい。Core Set のデッキをベースにするか、下記のトーナメントのデッキを集めたサイトを見て、いずれかのデッキをベースにして改造する、という方針でやることをオススメしたい。


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まさかの時のボードゲーム: Android Netrunner (14) プレイ例の解説 -ターン25〜27-

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現在の状況は以下の通り。コーポレーションには遠隔サーバが 3 つあり、ひとつ目のサーバには 4 つのアイスが付いている。R&D サーバにはアイスがひとつ、HQ にはふたつアイスが付いている。

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ランナー側は、プログラム列にはアイスブレイカーとして汎用の《クリプシス/Crypsi》 (強度を +1 する 《個人的調整/The Personal Touch》 付き) とバリアー用の《バタリング・ラム/Battering Ram》、コードゲート用の《ゴルディアン・ブレード/Gordian Blade》 がある。アイスブレイカー以外のプログラムとしては、ネットダメージを軽減する 《ネット・シールド/Net Shield》、1クリックを2クレジットに変換する 《マグヌム・オプス/Magnum Opus》 がある。

ハードウェア列には、メモリーユニットを 1 増やす 《アカマツ・メモリーチップ/Akamatsu Mem Chip》 と、メモリーユニットとリンク値をそれぞれ 2 増加させつつ、アイスブレイカーの能力起動にのみに使える 2 クレジットを毎ターン供給できる《ザ・ツールボックス/The Tool Box》が出ている。

リソース列には、使用回数 6 回までの制限つきで 1 クリックを 2 クレジットに変換する 《アーミテージ式コード破壊/Armitage Codebusting》、ターン開始時にカード1枚を 3 クレジットに変換する 《イソップ質店/Aesop’s Pawnshop》、およびリンク値を 1 増やす 《グローバルセックへのアクセス/Access to Globalsec》 がある。

ターン25: コーポレーション

まず 2 枚の 《PADキャンペーン/PAD Campaign》 から 2 クレジットを得て、 1 枚ドローした。

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次に、遠隔サーバ 1 にカードをインストールした。このとき、アップグレードの《アキタロー・ワタナベ/Akitaro Watanabe》はそのままに、2 枚目のカードをインストールした。

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続けて、インストールしたカードをアドバンスした。

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最後に 《ヘッジファンド/Hedge Fund》 を使ってクレジットを 4 つ増やした。

この結果、コーポレーションのクレジットは 14、手札は 5 枚となった。

ターン26: ランナー

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ランナーは先にインストールした《グローバルセックへのアクセス/Access to Globalsec》を、予定通り《イソップ質店/Aesop’s Pawnshop》の能力でトラッシュし、3 クレジットを得た。

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次の 3 つのクリックを、ドローと《マグヌム・オプス/Magnum Opus》 から 4 クレジットを獲得するために費した。これで、ランナーの手札は 2 枚、クレジットは 13 となった。

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ランナーは、ここで遠隔サーバ 1 へのランを宣言した。

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コーポレーションは、先にインストールしたばかりの 1 枚目のアイスを 1 クレジットでレゾした。これは《エニグマ/Enigma》というコードゲートタイプのアイスで、レゾコストは 3、強度は 2 で二つのサブルーチンを持っている。レゾコストは、例によって《アキタロー・ワタナベ/Akitaro Watanabe》の効果で -2 されている。サブルーチンのひとつめは「ランナーは可能なら 1 クリックを失なう」という効果をもち、二つ目は「ランを終了する」ことができる。

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ランナーは、ひとつ目のサブルーチンは起動しても実質的に被害を受けない(クリックをすでに持っていない)ので、ブレイクしないことにした。二つ目のサブルーチンは、ブレイクしなければランが終了するので、1 クレジット使用し 《ゴルディアン・ブレード/Gordian Brade》の能力でブレイクした。

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次のアイスは、最初からレゾされている 《チャム/Chum》 である。ランナーは 《ザ・ツールボックス/The Toolbox》 から得た 2 クレジットと 1 クレジットを払って 《ゴルディアン・ブレード/Gordian Brade》 の強度を 2 上げつつ、サブルーチンをブレイクした。

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三つ目のアイスについても、裏向きではあるが先程のランで 《セル・ポータル/Cell Portal》 だと判明している。コーポレーションが 3 クレジット払ってレゾしてきたのに対し、ランナーは 3 クレジット支払って 《ゴルディアン・ブレード/Gordian Brade》 の強度を 3 つ上げつつサブルーチンをブレイクした。すでに前のアイスの時にこのアイスブレイカーの強度を+2しているので、ここでさらに+3することで+5となっている。ただし、この強度の上昇が同じランの間は継続する能力は 《ゴルディアン・ブレード/Gordian Brade》 特有のものである。他のアイスブレイカーの多くは、アイスに遭遇するたびに強度がリセットされる。

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最後のアイスにランナーが遭遇したとき、コーポレーションは 6 クレジットを支払ってレゾしてきた。レゾされたのは《ウォール・オブ・ソーンズ/Wall of Thorns》というアイスで、種類は Barrier、強度は 5、レゾコストは 8 であり、二つのサブルーチンをもっている。ひとつ目のサブルーチンは「2 ネットダメージを与える」能力を持っており、二つ目の能力は「ランを終了させる」である。

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これに対し、ランナーは初めて 《バタリング・ラム/Battering Ram》 の能力を使用して、ブレイクを試みることにした。まず 2 クレジットでアイスブレイカーの強度を 5 とし、次に 2 クレジット支払って Barrier タイプの 2 つのサブルーチンをブレイクする能力を使った。ちょうど《ウォール・オブ・ソーンズ/Wall of Thorns》はサブルーチンをふたつもっており、一度の能力の使用で両方のサブルーチンをブレイクすることができた。

こうして、ついにランナーは遠隔サーバ 1 のカードにアクセスすることに成功した。これだけ守りを固めた上に、アドバンスされている裏向きのカードは計画書カードに違いない・・・と思った瞬間、コーポレーションはカードをレゾしてきた。

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なんと、めくったのは資材カードの《ジューンバグ計画/Project Junebug》だった。そして、コーポレーションはただちに 1 クレジット支払って、このカードの能力「ランナーがこのカードにアクセスしたとき、1 クレジット支払うことでこのカードの上にあるアドバンストークンの数 x 2 のネットダメージを与える」という能力を起動した。

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《ジューンバグ計画/Project Junebug》の上にはアドバンストークンがひとつあるので、ランナーは手札を二枚とも失なうことになった。《ネット・シールド/Net Shield》でダメージを軽減することも可能ではあったが、ランナーの手元には残り 1 クレジットしかなかった。このクレジットを温存するためダメージの軽減を見送り、ネットダメージを受けることにした。

ランナーは直後に《ジューンバグ計画/Project Junebug》にアクセスし、コスト 0 でこのカードをトラッシュした。続いて《アキタロー・ワタナベ/Akitaro Watanabe》にアクセスするが、こちらのトラッシュコスト 3 を支払うことができないので、残念ながらこのカードはそのまま残すことにした。

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こうして激闘のランは終了し、ランナーは手札 0、クレジット 1 という状態でコーポレーションのターンを迎えることとなった。

ターン27: コーポレーション

コーポレーションは、すでに定番となっている資材カード 2 枚から 2 クレジットを得て、手持ちのクレジットを 6 とし、ドローによって手札を 4 枚とした。

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コーポレーションは 1 クリックを支払って、おもむろに 2 クレジット支払ってオペレーションカードの《電磁精神汚染/Neural EMP》を使用した。このカードは「前のターンにランナーがランしていれば、ランナーに1ネットダメージを与える」という能力を持っている。今、ランナーの手札は空なので、この状態でダメージを受けるとランナーは「フラットライン」状態となり、敗北してしまう。

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ランナーはただちに 1 クレジット使用して《ネット・シールド/Net Shield》の能力を使い、ダメージを軽減した。このカードの妨害能力は、自分のターンでなくても使用することができる。もし使えなければ、今のタイミングで負けていた。

ランナーがほっとしたのも束の間、コーポレーションはさらに 1 クリック使用して・・・2 枚目の《電磁精神汚染/Neural EMP》を使用してきた。

anr14_20

ランナーはこのダメージを防ぐ方法がない。ランナーには残りクレジットがない上に、仮にあったとしても《ネット・シールド/Net Shield》は「そのターンの最初の1ダメージ」しか防げないので、2 回目のダメージは防ぐことができない。

ただちにランナーは「フラットライン」状態となり、このゲームに敗北した。


ちなみに、前のターンでダメージを受けるときに 《ネット・シールド/Net Shield》 を使っていたとしても、次のターンではクレジットがひとつもないので、2 枚の《電磁精神汚染/Neural EMP》を使われたら、負けてしまうことには変わりがない。

このプレイ例では、ルールの説明のためにランナー側がやや強引にランしているけど、実際にはクレジットを十分集めてからランすれば、比較的楽にアイスを突破してサーバにアクセスできるはず。


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