まさかの時のボードゲーム: Android Netrunner (10) プレイ例の解説 -ターン7/8-

ターン7: コーポレーション

まずは山札からカードを引いて、手札を 5 枚とした。

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1 クリック使って、遠隔サーバにカードをインストールすることにしたようだ。このとき、すでにインストールされている 《メランジュ採掘社/Melange Mining Corp.》 をトラッシュし(捨札にし)、空いた場所に新たに 1 枚のカードを裏向きにインストールした。このように、すでにインストール済みのカードを破棄し、その後に別のカードをインストールすることもできる。

ルール上、遠隔サーバには資材カードや計画書は 1 枚しかインストールできない。そのことから、わざわざ資材カードを捨札にしてインストールしてきたということは、資材カードか計画書である可能性が高いということだ。もちろん、資材か計画書をインストールしたと見せかけて、「強化」をインストールした可能性もある。

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コーポレーションは、次に 1 クリックと 1 クレジットを消費して、遠隔サーバに 2 枚目のアイスをインストールしてきた。2 枚目のアイスは、1 枚目と同じように裏向きかつ横向きにし、1 枚目のアイスの「外側」(サーバから遠い側)に並べて置く。これで、ランナーがこの遠隔サーバにランしてきたときは、最大で 2 枚のアイスを突破しなければ、サーバにアクセスできないようになった。

ちなみに、サーバにアイスをインストールするとき、1 枚目は 1 クリックでインストールできたけど、2 枚目をインストールするには 1 クリックに加えて 1 クレジット、3 枚目なら 1 クリックと 2 クレジッット消費する必要がある。つまり、同じサーバに 2 枚以上のアイスをインストールするときは、すでにサーバに付けられているアイスの枚数分のクレジットを払う。また、2 枚目以降のアイスをインストールするときは、必ず最も外側(サーバから遠い側、最外殻)にインストールする。そして、一度アイスをインストールしたら、アイスの順序や位置を変えことはできない。

いずれにしても、アイスを 2 枚にしてサーバの守りを強化したきたということは、遠隔サーバのカードがよっぽど大切と見える。いや、そうと見せかけて実は罠の可能性もある・・・とまあ、このあたりのプレイは、コーポレーションとランナーとの駆け引きといったところ。

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コーポレーションの最後の 1 クリックは、サーバのカードを「アドバンス」するために使用した。アドバンスのためには 1 クレジット消費する必要がある。クレジットのトークンの裏側がアドバンストークンになっているので、手持ちのクレジットトークンを裏返してカードの上に置く。

「アドバンス」という操作は、通常は計画書を得点するために行うために行われる。コーポレーションは、カードの上に置かれたアドバンストークンの数が、計画書カードの右上に書かれた数字以上になったときに、計画書を得点に変換することができる。

一方で、資材カードのカードの中にもアドバンスできるものがある。資材カードをアドバンスしたときも、同様にカードの上にアドバンストークンを置く。このとき、カードが裏向きのままであれば、ランナーからはそのカードが計画書なのか資材カードなのかは分からない。だから、ランナーがアドバンストークンの載った資材カードを計画書と思ってランして来れば、コーポレーションとしては「してやったり」である。ランナー側としては、今アドバンスされたカードが「計画書」なのか「資材」なのか、慎重に見極める必要がある。

このようにして、このターンはコーポレーション側からさまざまな「謎」が提示されたところで終了した。

ターン8: ランナー

ランナーは、先のターンのランで手札とクレジットを消費したため、このターンは回復に専念することにした。

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まず 2 クリック使用して手札を2枚引き、残り 2 クリックで 《アーミテージ式コード破壊/Armitage Codebusting》 から 4 クレジットを取った。これですべてのクリックを消費したので、ターン終了とした。


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まさかの時のボードゲーム: Android Netrunner (9) プレイ例の解説 -ターン6-

ランナーのターン: 6

このターン、ランナーは R&D に対して再びランすることを目論んでいる。前のターンである程度の手札とクレジットは得たものの多少の準備不足を感じていたので、ランナーは最初の 1 クリックで手札を引き、手札を 4 枚とした。

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次に 1 クリック消費して、《Armitage Codebusting》 から 2 クレジットを得た。

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そして、次の 1 クリックでイベントカードの《Tinkering》を使用した。このカードは、アイスのカードを一枚対象とし、このターン限定で対象としたアイスのタイプを本来のタイプにに加えて Barrier、Code Gate、Sentry のタイプにする、というカードである。アイスのタイプを増やすだけで、一見何ら有益な効果がないようにも思えるが、このカードをうまく使うことで、本来は突破できないアイスを突破することができる。

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今回は、このカードの対象として、R&D サーバに付けられている《Neural Katana》を指定した。このアイスは Sentry のタイプを持つが、《Tinkering》の効果によって Barrier と Code Gate のタイプも持つこととなった。

このカードを使わなけえば、ランナー側のリグにあるアイスブレイカー《Battering Ram》では Sentry タイプである 《Neural Katana》 のサブルーチンはブレイクできない。しかし 《Tinkering》 を使ったことでBarrier のタイプも得たため、《Battering Ram》 のサブルーチンもブレイクできるようになったわけだ。

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準備が整ったところで、ランナーは満を持して 1 クリックと 2 クレジット使用して、イベントカードの 《The Maker’s Eye》 を使用した。このカードは「R&D に対してランを行なう。もしランが成功したときは、R&D に対して追加で2枚のカードにアクセスする。」という効果をもつ。このカードの効果によって、ランナーは追加のクリックを消費することなく R&D に対して「ラン」を実行することとなった。

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R&D へのラン(2回目)

ランナーは、まず R&D に付けられている(「ルートにある」という)アイスの《Neural Katana》 に遭遇することになる。このアイスは、先のイベントカードの使用で Barrier のタイプを得ている。そしてアイスの強度は 3 であり、アイスブレイカーの 《Battering Ram》 の強度の 3 以下なので、アイスブレイカーの1番目の能力「2クレジットを支払い、Barrier タイプのサブルーチン 2 つをブレイクする」を使用することで、アイスのサブルーチンをブレイクすることができた。こうして、アイスのサブルーチンは沈黙したまま実行されず、ランナーはまんまと R&D にアクセスすることに成功した。

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ランに成功したことから、ランナーは先に使用した《The Maker’s Eye》の効果によって、R&D の上から 3 枚のカードに対してアクセスができる。複数枚のカードにアクセスするときは、一枚ずつアクセスの処理を行なっていく。

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最初に R&D からめくったカードは、なんと計画書の《優先請求/Priority Requisition》だった。即座にこれを奪って、3 ポイントを獲得した。ただし、コーポレーションの ID カード《ジンテキ: 個人改革/Jinteki: Personal Evolution》の効果「計画書を得点にするか、奪われたとき、ランナーに 1 ネットダメージを与える」により、ランナーは手札を 1 枚ランダムに失った。

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次に R&D からめくったカードは、資材カードの《ジューンバグ計画/Project Junebug》 だった。このカードは「ランナーがこのカードにアクセスしたとき、1 クレジット払うことで、ランナーにこのカードの上にあるアドバンストークンの数 x 2 のネットダメージを与える。」という効果をもっている。ただし、今はこのカードの上にアドバンストークンは置かれていない。そのため、運よく(相手にとっては運悪く)コーポレーションはコストを払ってもランナーにダメージを与えることができない。一方でランナーはこのカードをトラッシュコストを払ってアーカイブ(捨札の束)に捨てさせることができる。このカードのトラッシュコストは 0 であり、ランナーはコストを払うことなくこのカードを捨札にした。

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最後の 1 枚は、アイスの《エニグマ/Enigma》だった。このカードはランナーに何も影響を与えないけど、トラッシュコストもないので捨札にすることもできない。ランナーは、裏向きのままこのカードを R&D の上に戻し、今回のランを終えた。

こうしてランナーのターンは終了した。このターンではランナーの作戦が成功し、首尾よく 3 ポイント獲得することができた。


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まさかの時のボードゲーム: Android Netrunner (8) プレイ例の解説 -ターン5-

コーポレーションのターン: 5

(資材のレゾと能力の使用)

まずは手札を 1 枚引く。次のアクションフェイズの最初に、コーポレーションは 1 クレジット払って、先に遠隔サーバにインストールしていたカードを表向きに(レゾ状態に)してきた。

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表向きにすること(レゾ)はアクションではなく、アイス以外の裏向きのカードは、いつでもコストを払ってレゾすることができる。

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レゾしたカードは《メランジュ採掘社/Melange Mining Corp.》という「資材」カードで、「3 クリック払うことで 7 クレジット得る」という能力をもっている。資材は遠隔サーバにインストールするカードだけど、計画書ではないので得点することはできない。そのかわり、何らかの役に立つ能力をもっていたり、アクセスしてきたランナーに対して反撃する能力を持っていることが多い。資材カードは裏向きの状態では能力を使えず、能力を使うためには先にレゾしておく必要がある。

アクションフェイズでは、コーポレーションは 3 クリックを一気に消費して 《メランジュ採掘社/Melange Mining Corp.》 の能力を使用し、7 クレジットを得た。資材カードは、レゾ状態でなおかつコストが支払えるなら、いつでもその能力を使用することができる。

このターンは、カードの能力の使用にすべてのクリックを払ってしまったので、他には何もすることができず、ターンを終了した。


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