まさかの時のボードゲーム: Mage Knight Board Game プレイ編1

Mage Knight Board Game について、リプレイを通してプレイ方法を説明する。


以下、プレイヤー2名でシナリオ「予備調査」をプレイ内容を記録したものについて、ルールやプレイ方法について説明してみる。

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ゲームエリアのセッティングが終了すると、上の図のようになる。なお、前回の「セッティング」のときに説明した図とは、各デッキなどの位置が変わっている。

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このシナリオでは、スタートタイルの A の面を使う。この右側に 1 のタイルを置き、2 のタイルを左に置いた状態から始める。各タイルは、数字の場所が(相対的に)同じ位置になるように合わせて置く。

マスに刀が書かれているところには、ランページングエネミーのタイル(緑地に刀が描かれている丸いタイル)をランダムに取って、数字が書かれている面を上にして置いておく。

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白(Elf-Lord)プレイヤーのセッティングが終わり、デッキから手札を5枚引いたところ。

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こちらは赤(Cultist)プレイヤーのセッティングを終了したところ。ちなみに、各ヒーローの初期デッキ 16 枚のうち、15 枚は同じカードで 1 枚だけ違うカードになっている。そのため、デッキによるヒーローの能力差はほぼ無い。一方で、スキルトークンはかなり内容が違っているため、ヒーローの能力差はスキルトークンの差によるものと考えていいと思う。

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ここまでセッティングしたところで、戦略カードを1枚選ぶ。このシナリオでは最初のラウンドは昼なので、昼の戦略カードからプレイヤーはそれぞれ1枚選ぶ。カードを選ぶ順序は、ヒーローを選んだときの順序と逆の順序になる。カードに書かれた数字が一番低いプレイヤーが、このラウンドで一番最初にターンをプレイする。以下、数字の低い順にターンをプレイしていく。

戦略カードは、選んだときにすぐ使うタイプのものと、ターンの途中で能力を使えるものがある。昼の戦略カードの内容は以下の通り。

  1. 何もなし
  2. この戦略カードを選んだとき、負傷カードを含む最大3枚までのカードを捨てて、同じ枚数のカードをデッキから引く。そのあと、捨てたカードをデッキに混ぜてシャッフルする。
  3. この戦略カードを選んだとき、ソースから基本色のダイスをひとつ取ってこのカードの上に置く。このマナは、このラウンドの間であればいつでも使える。そうしたならば、ターンの終了時にダイスを振り直してソースに戻す。
  4. ターンの終了時に、手札を引く前にもし手札が2枚以上あれば、手札の上限+1枚の手札を引く。
  5. このカードを選んだら、ただちにカードを2枚引く。
  6. このラウンドのターン中に1回、そのターンの後に追加のターンをプレイすることを宣言してよい。そうしたならば、このカードを裏向きにする。

このラウンドでは、白プレイヤーが 3 のカードを選び、赤プレイヤーが 5 のカードを選んだ。白プレイヤーはソースから青色のダイスを選んで、カードの上に置く。赤プレイヤーは、カードを2枚引く。

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白プレイヤーが、ソースから取った青ダイスをカードの上に置いたところ。このダイスは、このラウンドの間であればいつでも使うことができる。

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赤プレイヤーは、デッキからカードを 2 枚引いたので手札が 7 枚になった。

ここまでで、最初のラウンドの準備は終わり。ここから、各プレイヤーがターンをプレイする。

ラウンド1-ターン1: 白プレイヤー

白プレイヤーが選んだ戦略カードの数値のほうが赤プレイヤーのカードより低い(白:3, 赤:5)ので、白プレイヤーからターンを始める。

プレイヤーは、各ターンに次の順序で移動とアクションを行うか、もしくは「休息」することができる。

  • 移動する。
  • 次のひとつのアクションをする。
    • 戦闘をする。
    • 村、城、僧院などを訪れる。

移動とアクションの実行は任意なので、移動せずにアクションだけしても、移動だけしてアクションをしなくてもいい。ただし、アクションのあとに移動することはできない。

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さて、このターンに白プレイヤーはまず移動をすることにした。最初のターンでは、自分のヒーローのフィギュアがマップタイルの上にいないので、ターンを始めた直後にフィギュアを A のタイルの中心の「ゲート」のマスに置く。

次にヒーローを移動させる。このゲームでは、移動するためには「移動力(move)」をカードなどを使って作りだす必要がある。そこで、白プレーヤーは手札から stamina と swiftness の二枚のカードを出して移動力(move)を得ることにした。

カードを普通に使う場合は、カードの上の段に書かれた効果が適用されるので、このままだと移動力 4 を得ることになる。カードを使うときにカードと同じ色のマナを使うと、カードの下の段の能力を使うことができる。そこで、白プレイヤーは戦略カードの上にある青マナのダイスをひとつ取って、stamina のカードに使うことにした。これで、stamina からは移動力 4 が得られるため、合計で移動力 6 を得ることができた。

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移動するために必要になる移動力は、昼夜ボードに書いてある。地形によって移動するために必要となる移動力が異なっている。白プレイヤーは、移動力 6 で草原のマスを 3 マス進んで、村が書かれているマスで移動を終えた。マスに建物などが書かれている場合でも、背景のマスの地形に対応した移動力を消費することで、そのマスに移動することができる。

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ターンの始めからのプレイの手順は上のような感じ。

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移動を確定させたところ。フィギュアを実際に村まで移動させる。使ったカードは捨て札としてデッキの横に表向きに置いておく。

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白プレイヤーは、移動の次のアクションとして、今いるマスにある村を訪れることにした。村で何ができるかは、サイト説明カードに書いてある。具体的には、次の三つのことができる。

  1. ユニットを雇う。
  2. ヒーリングする(負傷カードを捨てる)。
  3. 略奪する(カードを2枚引く)。ただし、自分のターンとターンの間に1回しかできない。

ユニットというのは、手札のカードと違って、自分の前にずっと出しっぱなしにしておいて、好きなタイミングで能力を使ったり、敵から受けたダメージを身代りさせることができる。ユニットは、村や僧院などを訪れたときだけ雇うことができて、なおかつ自分が持っているコマンドトークンの数まで雇うことができる。

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これがユニットカード。ここで白プレイヤーは、ユニットを雇うことにした。

ユニットを雇うにはいくつかの条件を満たす必要がある。まず、村、僧院、城にいるときだけ、アクションとしてユニットを雇うことができる。白プレイヤーは村にいるので、この条件は満たしている。雇うユニットは、ユニットオファーから好きなものを選択できるけど、今いる場所に対応するアイコンが書かれているユニットしか雇えない。今、白プレイヤーは村にいるので、村アイコンが書かれているユニットしか雇えない。ここでは、村のアイコンが書かれている foresters というユニットを雇うことにする。

次に、左上に書かれている数値以上の influence (影響力)をカードなどによって得る必要がある。

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白プレイヤーは threaten というカードを手札から使って、影響力を得ることにした。ただし、普通に使うと 2 しか得られないので、ソースから赤マナの目のダイスを取って使用し、影響力 5 を得ることにした。ソースにあるダイスは、各ターンに1回だけ好きなものを取ってマナとして使うことができる。なお、先に青マナのダイスを使ったけど、それは戦略カードの上にあったダイスを使ったので、各ターンに使えるマナダイスとは別扱いになっている。

この threaten は、マナを使って能力を使用すると評判を -1 しなければならないため、評判ボードの白プレイヤーのシールドマーカーを左にひとつ動かす。

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ボードを見ると分かるように、初期状態から -1 されたとしても、評判の値自体は 0 のままで変わらない。-2 されたとき、初めて評判の値が -1 になる。つまり、評判が -1 されてシールドマーカーを動かしても、評判の値そのものも -1 されるとは限らない。ここは間違いやすいところ。

こうして、カードを捨て札にして影響力 5 を得たので、ユニットオファーから foresters カードを取って自分のプレイエリアに置き、コマンドトークンをカードの上半分に置く。ここまでの手順を図で示すと以下のようになる。

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コマンドトークンは置く位置に意味がある。ユニットカードの上半分にあるときは、ユニットの能力が使える状態(レディ状態)であることを示す。下半分に置かれているときは、能力が使えない状態であることを示す。ユニットを雇った直後は、レディ状態にしておく。

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ユニットオファーからユニットを取ってもユニットを補充したりはせず、数がへったままの状態にしておく。ユニットオファーの補充は、新しいラウンドが始まったときか、カードなどによって指示がなされたときに行なう。

これで白プレイヤーは移動をアクションを実行し終わったので、白プレイヤーのターンを終了する。ターンの終了時には、次のことを行なう。

  • ソースから取って使ったマナダイスを振りなおして、ソースに置く。
  • 手札を好きな数だけ捨てて、手札の上限になるまでカードを引く。(カードを1枚もプレイしなかった場合は、最低1枚捨てる)。

このターンでは、白プレイヤーは戦略カードの上にあったマナダイスと、ソースから取ったダイスを使ったので、その二つのダイスを振りなおしてソースに戻す。

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手札は 2 枚まで減ったので、3枚引いて手札を5枚にする。

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これで白プレイヤーの最初のターンはおわり。

(つづく)

まさかの時のボードゲーム: ブループリント

ランダムに配られたカードの上にダイスで建物を作って、できた建物の点数を競うというゲーム。3回建物を建てて(3ラウンド行って)、最終的に得た「勝利点」が一番高い人が勝利者になる。

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建設のルール自体は簡単で、「下にあるダイスの目と同じか、それ以下の目のダイスしか上に積めない」「カードに斜線が書かれている部分にはダイスが置けない」「6個ダイスを取ったら建設終了」という感じ。

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建築中は、それぞれに目隠しがされるので、御互いにどんな建物を建設しているかは分からない。できあがってのお楽しみ。

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建築につかうダイスは、ダイスプールから順番にひとつずつ取る。ひとつ取ったら、袋からダイスをランダムに選んで取りだして、ダイスプールの中に振り込むことで追加する。

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建築する建物は、上のようにカードのお題の通りの形に作ってもいいし、まったく別の形に作ってもいい。お題の通りにつくれば、6点のボーナスがあるというだけなので、それ以上の点数になりそうなら or 「偉業」を達成できそうなら、お題を無視して作るのもアリ。

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完全にお題を無視した、高層建築物を作ってみたところ。

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建物の点数の計算方法は、目隠しをする壁の裏に書いてある。

  • 橙色のダイスは、隣接しているダイスの数に応じて点数がもらえる。(2/4/6/8点)
  • 緑色のダイスは、個数に応じて点数がもらえる。(2/5/10/15/20/30点)
  • 黒色のダイスは、何階にそのダイスがあるかに応じて点数がもらえる。(2/3/5/8/8/8点)
  • 透明のダイスは、ダイスの目と等しい点数がもらえる。(l-6点)
  • お題の通りに建物をつくると、6点もらえる。

この計算は、最初はちょっと分かりにくい。間違いやすそうなポイントは以下のとおり。

  • 緑のダイス以外は、ダイス1個毎に個別に得点計算して合計する。
  • 橙色のダイスは、隣接している(面で接している)ダイスの個数だけが点数に関係する。隣接している向きは関係ない。説明の絵を見ると、向きが関係しているようにも見えるけど、向きは関係ない。
  • 橙色のダイスに隣接するダイスを数えるとき、隣接するダイスの色はどの色でもいい。橙色同士が隣接している場合だけが得点になる、というわけではない。
  • 緑色のダイスは、数だけが関係しているのであって、緑色同士が隣接しているかは関係ない。
  • 黒色のダイスは、そのダイスのある位置(階数)だけが関係しているのであって、黒いダイスを連続して積みあげる必要はない。2階にある黒いダイスの下に、橙色とか透明色のダイスがあっても、その2階にある黒いダイスで3点もらえる。
  • あとで出てくる「偉業カード」は、建物の点数計算とは関係ない。建物の点数を数えるときは、偉業カードや金賞カードなどの点数は(建物の点数には)含めない。

これくらいかな。

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例えば、この建物の点数は 31 点になる。分かりやすいように、ダイスの3階部分を一番左に、2階部分を中央の列に置いてある。点数の内訳は以下の通り。

  • 3階の黒色のダイス (5点): 3 階にある
  • 2階の橙色のダイス (6点): 隣接しているダイスが 3 つ
  • 2階の緑色のダイス (2点): 緑色のダイスが全部で 1 個
  • 1階の黒色のダイス (2点): 1 階にある
  • 1階の橙色のダイス (6点): 隣接しているダイスが 3 つ
  • 1階の透明のダイス (4点): 目が 4
  • お題の通りボーナス(6点)

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これの場合は、以下の通りで合計 24 点になる。

  • 2階の緑色のダイス (2点): 緑色のダイスが全部で 1 個
  • 2階の橙色のダイス (4点): 隣接しているダイスが 2 つ
  • 1階の黒色のダイス (各2点/合計6点): 1 階にある
  • 1階の橙色のダイス (6点): 隣接しているダイスが 3 つ
  • お題の通りボーナス(6点)

この場合、建物の点数自体は少ないけど、「同じ目を 4 つ使う」という「偉業」を達成しているので、2 点の偉業カードをもらうことができる。この偉業カードは建物の点数計算には使わず、3 ラウンドの建築勝負の後の、最終的な勝者を決めるときの「勝利点」として使う。

ここがまたちょっとややこしい。建物の点数計算は 1 ラウンドごとにするんだけど、建物の点数の合計で競うのではなくて「勝利点」の合計で競う、というところが最初は分かりにくい気がする。

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「勝利点」は 1 ラウンド終わったときに、建物の点数が一番高かった人が 3 点もらえて、二番目の人が 2 点もらえる(3人プレイの場合)。それぞれ、金賞と銀賞のカードを受けとる。これらとは別に(先に説明した)「偉業カード」というのがあって、特定の条件を満たすと 2 点の偉業カードがもらえる。

上の写真の真中に見えてる得点ボードとコマを見ると、何となく建物の点数を累積していくのかなーという感じがしてしまうんだけど、このボードはラウンド毎に建物の計算するときに使うだけで、点数を累積させていくわけではない。カルカソンヌのような、点数を累積していく系の得点ボードを見慣れてる人ほど間違ってしまいそう(注: 筆者のことです)。

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3 ラウンド終わったときには、こんな感じで金賞銀賞カードと偉業カードの合計点で勝負がきまる。青の人は勝利点 8 点で、黄色の人は 9 点、赤の人は 8 点なので、このゲームは黄色の人の勝ち。青の人は金賞2回と銀賞1回と毎ラウンド上位に入っているけど、金賞が1回しかない黄色の人より勝利点の合計は少なくなっている。

建物の点数が低くても、偉業を達成していれば偉業カードで 2 点もらえるので、かならずしも毎ラウンド高い得点の建物を作る必要がない。お題通りに作るのも、あくまで6点のボーナスが建物の点数につくだけなので、勝利点が狙えるならお題を無視するのもいい。ここらへんが面白いところ。

ダイスとお題によって、どう建設していくか毎回考える必要があり、マンネリ化しにくい感じはする。プレイ時間は短めで、4人でやっても 1 ラウンド 10 分くらいで終わるため、合計 30 分くらいでできる。お手軽な割には、結構考えるところが多くて楽しめる。


なお、お互いに目隠しして建築するので、イカサマをしやすいゲームではある。そういう意味では、ガチな勝負には向いてないと思う。ジャッジのように、全員の手を見られる人がいないと、イカサマは無くせなさそう。

というか、目隠しなしでもゲームとして成りたつ気はするんだけど、どうだろう。他人の手が見えるから偉業の達成を妨害するのが容易になって、バランスが結構変わるかな。

ルール的にも、改良できそうな点がいくつかあるし、何かハウスルールを考えてみたい。

カヴェルナの武器マーカー用ケースを3Dプリンタで作ってみた

先月、タイルとかを収納するケースを作ったんだけど、武器マーカーと収穫マーカーを入れる部分を作りわすれて放置されてたので、それを入れるケースをつくったみた。

level_case

・・・んだけど、あまりにぴったりのサイズに作りすぎて、マーカーを取り出すのに指が入らなくなってしまった。どうしたものかなあ。