RPGツクールMV:お城に入れるようにする(複数マップ)

初級編ではマップはひとつだけで、魔王城などに入ることができませんでした。ここでは、魔王城や王国のお城のところまで行くと、王国のお城の中や魔王城の中に入れるようにする方法について説明します。

城に入れるようにするには、まず王国の城の中という新しいマップを作る必要があります。そして、外のマップとお城のマップをイベントを使ってお互いに移動できるようにします。そうすることで、城の中に入れるようにでききます。

まず、新しいマップを作る(複数のマップを作る)方法について説明します。

マップの編集をする画面で、右下のMAP001という項目がある表(シマシマのところ)でマウスの右ボタンをクリックし、出てくるメニューから「新規」を選びます。

そうすると、マップの設定というウィンドウが出てきますので、表示名と名前のところを「王国のお城」にしておきます。名前は何でもいいのですが、わかりやすい名前にしておいたほうが良いでしょう。「表示名」のほうは、ゲーム中にプレイヤーがこのマップに入った時に表示される名前です。普通は「名前」と同じにしておけばよいですが、あえて地名を伏せたいときには、表示名を「???」にしたり、何も入れないでおいたりします。

タイルセットのところを「外観」にしています。ここを「外観」にしておくと、町とかお城の中を作るときに便利なタイル(地形)が使えるようになります。家の中を作りたいときは「内装」にします(魔王の城のところで説明します)。

マップのサイズ(幅と高さ)は17と13になっていますが、ここを変えることでもっと大きなマップも作れます。ここでは両方とも20にしてますが、好きなサイズにして構いません。ただ、お城などのマップは壁が多くなるので、最初に設定されている13よりも少し縦方向(高さ)を大きくしておいたほうが作りやすいと思います。

あと、ここではBGMも設定しています。BGMがないと、寂しいお城になります。

OKを押すと、何も地形が置かれていないマップができます。あとは、初級編でマップを作った時と同じように、左側のパレットから地形(タイル)を選んで、マップを描いていきます。マップを描くときは、上のアイコンで「マップの編集」を選んでおくことを忘れないように。

大きなマップになると、ウィンドウの中に表示しきれなくなります。その場合は、上にある拡大、縮小のアイコンを使って表示されるサイズを変えるか、ウィンドウの右や下にあるスクロールバーを触って、表示する位置を変えます。

これは「縮小」です。左の+が書いてある虫眼鏡は「拡大」です。

実際に作ってみました。 基本的には、外のマップをつくときと同じです。少し注意が必要なのは、ブロック(壁)のように見えるタイルは、上や横からは入り込めないのですが、下からだけは入れるようになっています。

「壁」と言っているのは、この中央に置いたブロックです。このブロックは、上や左右からブロックに入ろうとしても。

このように、進もうとしても進めません。これは問題ないのですが、下からこのブロックに向かっていくと…

こんな感じで、壁なのに入れてしまいます。こうなることを防ぐには、壁の下に少し濃い色の壁を置きます。

これで入れなくなりました。この濃い色の壁は、下からも入れないようになっています。同じ壁に見えても、このように下から入れる壁とそうでない壁があります。これは、実は薄い色の壁にみえるタイルは、壁ではなくて屋根(壁の上の歩けるところ)を作るためのタイルだからです。たとえば、はしごなどを手前に置いたときに、上に上れるようにするために、下から入れなければ上に上ることができません。

例えば、こんな感じではしごを使って壁の上に上れるようにしたいとき、下から入れるタイルなら、

こんな感じで登れます。しかし、下から登れないタイルを屋根(屋上)にしていまうと…

このように、登れません。

ブロックに見えるものには、下から入れてしまうものがあるので、配置したあとに下から入れて(登れて)しまわないかどうか、テストしておく必要はあります。

下から入れるタイルは、パレットを見るとすぐ下にある「壁」のタイルより少し明るい色をしているので、一応見分けはつきます。

さて、魔王の城のほうも作ってみましょう。

王国のお城を作った時と同じように、マップの一覧のところでマウスを右クリックして「新規」を選びます。

名前も表示名も「魔王の城」にしました。タイルセットは「ダンジョン」にしています。BGMも設定しました。マップのサイズも幅と高さを20に変更しています。タイルセット以外は、好きなように設定して大丈夫です。

内装だと、外観のタイルセットとはまた違うタイルがいろいろあります。

いろんなタイルを置いて、魔王城っぽいものを作ってみました。

入り口を右下にして、魔王のいる場所を左上にしてみました。魔王を倒すと、すぐ右にある王女の部屋にいけるという設定にしてみました。魔方陣のある場所は、近づくと「魔王の番人」が出て、魔王の部屋に入るのを妨害するという感じの設定です。

小部屋に分かれているところは、それぞれ扉をつける予定です。空いたりしまったりする扉は、マップの編集ではなく「イベント」として作ります。

扉の作り方

扉を作りには、イベント編集モードにしてから「イベントの簡単作成」のメニューで作れます。


こうしておいてから、扉を作りたいタイルの上で右クリックします。

イベントの簡単作成のなかにある、扉を選びます。

こんなパネルがでるので、OKを押します。画像のところでダブルクリックすれば、扉の絵をかえることもできます。

こんな感じで4か所ほど扉を作ってみました。テストプレイをするために、パーティの初期位置を魔王の城の入り口にしましょう。

データベースの「システム」のタブの右のほうにある、初期位置の「プレイヤー」のところで、魔王の城の入り口を選びます。

こんな感じです。これでOKをしてテストプレイをすると…

魔王城の入り口に出ました。扉の前でスペースキーを押すか、扉をクリックすると…


開けて中に入れます。ちなみに、開けることはできても閉められません。閉まる扉も作れますが、それは上級編で説明します。

マップの間を行き来できるようにする

あとは、魔王城や王国の城に出入りできるようにする必要があります。先に魔王城から出られるようにしましょう。マップの切り替え(お城の出入り)には、イベントの簡易作成で「移動」の機能を使います。

城の入り口を右クリックして、イベントの簡単作成から「移動」を選びます。

移動する先が「場所」のところで選べるので、魔王城の横のタイルを選んでおきます。

ちょっとわかりにくいですが、魔王城のすぐ右のタイルを選んでます。

入り口の二つのタイルとも、同じ場所に移動するようにイベントを設定します。これでテストプレイしてみましょう。

この状態から下に進むと…

このように、城の外に出ることができます。ただし、まだ城に入るほうはできません。城に入れるようにするには、このマップの魔王城のタイルに、イベントの簡単作成で「移動」を選び、魔王城の入り口を指定する必要があります。

このように「移動」を選んで…

「場所」のところで、魔王城の入り口を指定します。

一番下のタイルではなくて、一つ上のタイルを選んでます。ここに飛ぶようにしておけば、一歩下に移動するとまた外に出られます。一番下のタイルにすると、一度上に上がってから下がるか、横に移動する必要があってやや不自然な感じになります。

これでテストプレイしてみましょう。

この状態から、魔王城のほうに移動すると…

中に入れました!

一度設定した移動先を変更したいときは、イベント編集モードにしてから、飛び先を変更したい(とび元の)タイルを右クリックして編集を選びます。


イベントの実行内容が編集できるようになるので、「場所移動」の命令のところで右クリックして「編集」を選びます。

すると場所を選ぶパネルが出ます。

イベントの簡易作成をした時と少し違うパネルになっていますが、「直接指定」の下のボタンを押して、移動先を選んでOKを押せば変更できます。

同じようにして、王国のお城の入り口から出たときも、マップの王国の城の前に移動するように、イベントの簡易作成で設定しましょう。

王国の城は、入り口が3マスありますが、どこに移動しても外に出るようにしたいところです。同じ場所に移動させたい場合は、イベントを一つ作ったあとに、イベントの「コピー」と「貼り付け」を使うことで、簡単に隣のマスにも外に出るというイベントをコピーできます。

ここに作ったイベントを、右クリックして「コピー」して、

すぐ右のタイルに「貼り付け」ます。すると、どちらのマスも同じ場所に飛ぶようになります。

三つのマス全部に貼り付けました。これで、どこに移動しても城の外に出るようになりました。

外のマップのほうからも、お城の位置に来たら、お城の入り口に移動するように設定します。

ここでも、入り口より一つ上のマスに移動するようにしておきます。

このイベントも、お城の右側のタイルにコピーしておきます。

これで、お城のどちら側に入っても、お城に入れるようになりました。あとはテストプレイして試してください。

マップの移動は、入るほうと出るほうで、別々の「移動」のイベントを作る必要があります。そこが少し面倒なところですが、入るほうと出るほうを分けて設定できるおかげで、一方通行の罠の入り口なども作れるようになっています。

移動先のキャラクターの向きを固定する

細かいところですが、お城に入った時のキャラクターの向きを、必ず上のほうを向くようにしておきます。「イベントの簡単作成」でお城に入れるようにしただけだと、

このように、お城に横方向から入ったときに、

このように、横を向いた状態でお城に入ってしまいます。気にしないというのもありですが、お城に入ったのなら上を向いているのが自然な気がします。

お城に入った時にキャラクターに上を向かせるには、お城に入るイベントの設定の中で、キャラクターの向きを指定します。

イベント編集モードにしておいてから、お城に入るイベントを設定したマス(この例ではお城のマス)で右クリックして、編集を選びます。

イベントの編集画面で、実行内容の「場所移動」のところで右クリックし、メニューから「編集」を選びます。

「向き」という項目があるので、ここで「上」を選んでOKを押します。これで、お城に入った時に必ず上を向くようになります。

先に作ったマップの場合、お城の中に移動するマスは二つ作ったので、今編集したイベントをコピーしてもう一方のマスに貼り付けておきます。そうしないと、王城の左のマスに行ったときは上を向くのに、右のマスから入った時は別の方向を向いてしまう、ということが起こります。

なお、イベントが設定してあるマスの上では「貼り付け」ができません。イベントを張り付けなおすときは、先に「削除」する必要があります。削除してから、

コピーして、

貼り付けます。これで右側から入っても、必ず上を向きます。

左から入っても、


ちゃんと上を向いていますね。

なお、お城の右側のマスは、お城に海から入れるようにしない限りは、下からしか入ることができないので、「向き」の設定をしなくてもお城の中では上向き以外にはなりません。ただし、船などを置いて右の海の方向からお城に入れるようにしたときには、この設定をしないと左に向いてしまうことがあります。今は問題ないけど、将来的に問題がおこりそうな場所は、先に直しておいたほうが良いです。作ってから日数がたつと、どういう設定にしたかを忘れてしまうこともあります。

マップ間の関係をわかりやすくする(マップの階層構造)

左側のマップの一覧のところにある「王国」のマップの項目と「王国のお城」「魔王のお城」の項目を見てください。

「王国のお城」という項目が、少し右よりになっているかもしません。ここまでの操作によっては、ずれて表示されていないこともあります。この、ずれて表示されているのは「王国のお城」というマップは「王国」のマップの中にあります、ということを表しています。ずれて表示されていないと…

こんな感じになります。今はそれぞれのマップに名前を付けているので「たぶん、王国というマップが一番外のマップなんだな」とわかりますが、次のようになっていたらどうでしょう。

こうなっていると、どれが外のマップだかわかりません。ずれて表示されていると、

MAP002とMAP003は、たぶんMAP001の中にあるんだな、ということが何となくですがわかります。このような、マップがどのマップの中にあるのかという構造のことを、階層構造と言います。

ここで、MAP002をMAP001 の「外側」に出すには、以下のようにします。

MAP002の項目をマウスでクリックし、そのままマウスのボタンを離さないで、一番上にある「魔王を倒して王女を救え」のところに持っていきます。すると、「魔王を倒して王女を救え」が黄色くなります。

そこでマウスのボタンを離すと、MAP002がMAP001の「外側」に出ます。今度は、逆に外に出てしまった MAP002をMAP001の「中」に入れてみます。

MAP002をマウスでクリックし、マウスのボタンを離さないままMAP001のところに持っていきます。


そこでボタンを離すと、MAP001の中にMAP002が入ります。MAP003のところでボタンを離すと、

MAP003の中に入ります。MAP003はMAP001の中にあるので、MAP002もMAP001の中に入っているという状態になります。

こんな感じで、階層構造が作られていると、より外側にあるマップの左に、 「ー」という表示が付きます。上の状態で MAP003の左にある「-」をクリックすると、

MAP003の中にあるMAP002は表示されなくなり、MAP003の左には「+」が表示されます。この「+」は、MAP003の中に見えていないけど、他のマップがあるよということを意味しています。+を押してみると、


こんな感じで、またMAP002が表示されます。今度はMAP001の左にある「-」を押してみましょう。

MAP002もMAP003も消えましたね。これは、両方ともMAP001の中にあるからです。また「+」を押してみると、

全部表示されましたね。

マップに階層構造があるときに、マップがこのようにずれて表示されているのは、あくまで人間にとって分かりやすくするものです。階層構造を作らなくても、ゲームの動作自体には違いは出ません。ただ、マップの数が多くなってくると、どのマップとどのマップがつながっていたかを覚えていられなくなります。後で見てわかりやすくするためにも、階層構造をつかってマップの外と中の関係を分かりやすくしておきましょう。

もちろん、マップの名前をわかりやすいものにしておくことも重要です。

こんな感じですね。

以上で、マップを複数作って、それぞれの間で行き来できるようにする方法の説明は終わりです。

RPGツクールMV:王様と魔王を登場させる

ここまでで、ゲームのマップとモンスターを用意しました。あとは、魔王を用意すればゲームは一応完成です。ついでに、「王国を滅ぼそうとする魔王を倒してほしい」と勇者に言う王様も用意しましょう。

イメージとしてはこんな感じです。本当は魔王は魔王城の中にいてほしいところですが、城に入る(マップを切り替える)方法は中級編で説明する予定なので、ここではお城の前で待ち構えてもらうことにします。

さて、先に王様から作りましょう。王様や魔王のように、マップの上でしゃべったり動いたりする物(人)は、地形のようにして配置することはできません。しゃべる人を作るには「イベント」という機能を使います。

「イベント」の機能を使うには、まずマップの上にある「イベント」のアイコンを押します。すると、マップにマス目が表示されて、イベントの編集ができるようになります。

王様を配置する王城のマスで、マウスを右クリックしてメニューから「新規」を選びます。すると、下のようなイベントを編集するウィンドウが出ます。


イベントのウィンドウにはたくさんの項目がありますが、しゃべる王様を出すために使うのは「メモ」「オプション」「画像」「実行内容」の四つの項目です。

「メモ」は、イベントが何をするものか分かりやすくするために、名前を付けるだけのものです。このイベントで王様を出すつもりなので、王様と入力しておきましょう。

次に「画像」を選択します。画像というのは、マップの上に表示するキャラクターの絵のことです。ここでは王様を出したいので、王様の絵を選びます。

この「画像」のシマシマ模様のところでマウスの左ボタンを2回クリック(ダブルクリック)すると、画像を選ぶ画面が出ます。

こんな感じで、英語が並んだ画面が出ます。それぞれの項目をクリックすると…

こんな感じで、キャラクターの絵が表示されます。People3 という項目のところに王様の絵があります。王様の向きがいろいろありますが、正面を向いている真ん中の絵を選んでおきます。

OKを押すと「画像」のところに選んだ王様の絵が表示されます。

「画像」の下にある「オプション」のところの「歩行アニメ」のチェックを外して「足踏みアニメ」にチェックを入れます。これで、王様は王城の上に止まったまま、その場でもぞもぞ(?)動くようになります。ひとまず、これでイベントのウィンドウの右下にあるOKを押して閉じてみましょう。


画面を閉じると、王様がお城に配置されてます。

テストプレイしてみましょう。

王様は王城の上に配置されていますし、その場で足踏みをしているように動いていると思います(写真ではわかりませんが…)。ただ、しゃべりかけようとしても何も反応がありません。これは、まだ王様がしゃべるための「プログラム」が書かれていないからです。

RPGツクールに戻って、王様をしゃべれるようにするために、再度イベントの編集をします。すでに王様が配置されているので、そのマスの上で右クリックして「編集」を選びます。

「編集」を選ぶと、先ほど作ったイベントのウィンドウが出ます。

王様にしゃべらせるためには、右側の「実行内容」と書かれたところに「プログラム」を書きます。プログラムといっても、王様にやらせたいことを順番に書いていくようなイメージです。実際にやってみましょう。

実行内容の一番上にある菱形のマークのところで、マウスの右ボタンを右クリックします。

メニューが出てくるので「新規」を選びます。

すると、こんな感じの、たくさんのボタンがあるウィンドウが表示されます。いろいろなことができるのですが、今回は王様にしゃべらせたいだけなので、左上にある「文章の表示」を押します。

こんな感じのウィンドウが出てきます。「文章:」と書かれた場所の下の欄に、王様にしゃべらせたいことを書き、「顔:」の下のシマシマのところに、文書の横に表示される絵を入れます。先に絵から選びましょう。「顔:」と書かれた下のところにあるシマシマのところで、マウスを二回クリック(ダブルクリック)します。

こんな感じで、いろんな人やモンスターとかの絵が選べるので、People3 の中から王様の顔を選んでおきましょう。選んだら「OK」を押して閉じます。

王様の顔が設定されました。文章のほうも入れましょう。

「文章:」は何でもよいです。ここでは「おお勇者よ。魔王のモンスターが国を荒らして困っておる。魔王を倒して平和を取り戻してくれ。」と入れてみます。入力したら、OKをおしてウィンドウを閉じます。

実行内容のところに、文章を表示する命令が追加されました。これでOKを押して閉じて、テストプレイしてみましょう。

王様のところまで行って、スペースキーを押すか王様をマウスでクリックすると、こんな感じで文章が表示されます。王様の絵が付いているので、王様がしゃべっている感じに見えますね。ちなみに、何度話しかけても同じことしか話してくれません。話しかけるたびに違うことをしゃべらせることもできますが、それは中級編で説明することにします。

もし間違って文章を入力してしまったときは、「実行内容」の「文章」と書かれた項目の部分をダブルクリックすると、再度文章や顔などを設定しなおせます。

同じようにして魔王も用意してみましょう。

魔王城の上で右クリックして、イベント画面を出し、メモ、画像、オプション(足踏みにチェックを入れる)まで入力したところです。実行内容のところにも、王様の時と同じように「文章の表示」でセリフを入れてみましょう。

顔やセリフは好きに入れてください。顔は、できればイベントの「画像」と合っているものを選んだほうが、あまり不自然な感じがしなくていいです。

こんな感じで、出来上がったらOKを押してテストプレイしてみます。

魔王もしゃべるようになりました。しかし、しゃべるだけで戦闘になりません。

魔王にしゃべりかけると、強制的に戦闘になるようにしたいわけですが、そもそも「魔王」という敵を作っていませんので、今のままでは魔王と戦うことができません。魔王と戦えるようにするには「魔王という敵を作る」「魔王だけの敵グループを作る」「魔王のイベントに、戦闘シーンに移るという命令を入れる」という三つの操作をする必要があります。最後の「戦闘シーンに移る」という部分以外は、この初級編で全部説明してきたことなので、ここまでで説明したことの復習のようなものですね。

とにもかくにも、まずは「魔王」という敵キャラを作ってみましょう。敵を作るには、データベースのアイコンを押すのを覚えていますでしょうか。

これです。これを押して出てくるウィンドウで「敵キャラ」のタブを選びます。

まずは、敵キャラの最大値を増やして、新しい敵キャラを登録できるようにしましょう。それから、ミノタウロスの項目で右クリックして「コピー」を選び、0005のところに貼り付けします。

貼り付けて、名前だけ魔王に変えました。とりあえず、画像を魔王っぽいものに変えましょう。

「画像」のところでダブルクリックして、好きなイラストを選びます。ここでは、この絵を選んでみました。他の絵でもかまいません。

右側の、最大HPや攻撃力などを上げて、ミノタウロスより強くしてみます。あんまり強くしすぎると倒せなくなるので、ほどほどにしておきましょう。敵グループを登録する時に、試しに戦ってみることもできます。

とりあえず、これで魔王はできたことにして、次に敵グループのところに魔王だけのグループを作ります。「敵グループ」のタブを選んでください。

敵グループの空いているところを選んで「魔王」というグループ名をつけておきます。先ほど「魔王」の敵キャラを作ったので、右側の表に「魔王」ができています。もしできていなければ、魔王の敵キャラがうまく作れてません。その場合は、もう一度「敵キャラ」を選んで魔王が作られているか確認してみてください。

これで、実際に戦ってみましょう。右上にある「戦闘テスト」を押すと、魔王グループと戦ってみることができます。

戦うプレイヤー側のキャラクタのレベルや装備などを細かく設定することもできますが、ここでは何も設定しないまま戦ってみましょう。

戦闘テストで、本当に倒せるのかどうかはチェックすることは重要です。敵キャラの作成画面で、HPや攻撃力などを適当に入れてしまうと、強すぎて全然勝てない魔王になっていたり、逆に弱すぎて歯ごたえのない魔王になってたりします。戦闘テストをして、強すぎると思ったら数値を下げ、弱すぎると思ったら数値を上げるなどして調整します。実のところ、ゲームで一番大変なのは、このバランス調整という作業だったりするのですが…


とにもかくにも魔王グループはできたので、最後に魔王にしゃべりかけたら強制的に戦闘になるように、イベントを変更します。画面の上の「イベント」のアイコンが押されている状態で、魔王を右クリックして「編集」のメニューを選びます。

文章をしゃべった直後に戦闘にしたいので、実行内容の二つ目の菱形のところで右クリックして「新規」を選びます。

ここで、上にある1,2,3というタブの3を押すと、左上に「戦闘の処理」というボタンがあるので、これを押します。

すると、どの敵グループと戦うか選べるので、魔王グループを選んでOKを押します。

こうなればOKです。これで、文章が表示された後に、強制的に魔王との戦いになります。

テストプレイで試してみましょう。

魔王に話しかけると…

しゃべったあとに、強制的に戦闘になりました。しかし、魔王に勝ってもゲームは終了になりませんし、何度でも魔王と戦えてしまいます。これはいまいちなので、魔王を倒せたら王様がお礼を言ってゲームオーバーになるようにしてみます。

魔王のイベントを編集して、戦闘の後に王様が文章でしゃべるようにします。

こんな感じのセリフを言うようにしてみます。さらに、ゲームオーバーにする必要もあります。

3つ目のタブに「ゲームオーバー」という処理があるので、このボタンを選びます。

こんな感じになりました。もし間違って命令を入れてしまったら、右クリックして「削除」で命令を削除できます。削除して入れなおして下さい。命令の中身を変更したければ(セリフを変えるなど)、右クリックして「編集」を選ぶことで、内容を変更することもできます。

さて、これでテストプレイしてみましょう。

魔王と戦闘して…


勝ちました!

王様にお礼を言われました。イベントに書いた命令内容の通りです。そして…

ゲームオーバー!

なんだかちょっと味気ないですが、予定した内容の通りにちゃんとイベントが処理されています。

これで、ほとんど完成しているのですが、歩いているマップにBGMがないのと、最初にプレイヤーがいる場所がお城から離れていて不自然なので、それだけ直します。

BGMをつけるのは、マップの編集の画面でできます。

MAP001のところで右クリックして、マップの編集ウィンドウを出します。

左側の「基本設定」にある「BGMの自然再生」というところにチェックを入れて、その下にある何も書いてないボタンを押します。すると、BGMを選べるので、好きなものを選びます。どんな曲かは、曲名を選んでから右上の「再生」を押すと聞けます。なお「停止」を押さないとえんえんと再生され続けるので、OKを押して曲を選ぶ前に、停止しておきましょう。

キャラクターの位置を設定するには、データベースの「システム」のタブを使います。

システムにはたくさんの項目があるのですが…

右のほうにある、初期位置というところの下のプレイヤーと書かれた項目の下のボタンを押すことで設定できます。

ボタンを押すと、マップが表示されるので、キャラクターを出したい場所をクリックします。ここでは、マップの右下にある町を選んでますが、どこに設定しても構いません。設定したらOKを押します。

OKを押してウインドウを閉じると、キャラクターの位置が変わってます。これでテストプレイしてみましょう。

BGMが付いて、とてもゲームらしくなりました(写真ではわかりませんが…)。王様もしゃべるし、モンスターも出るし、魔王とも戦えます。魔王を倒せば王様に感謝されてゲームオーバーになります。最初に作ろうと思ったゲームは、これで一応完成しました。

ここで作ったものは、ゲームとしてはとても簡単すぎる内容ですが、ゲームを作るために必要な操作のほとんどは、ここまでで説明した内容に含まれています。ここからゲームを改良していくことで、もっと複雑で壮大なストーリーのゲームを作ることもできます。中級編では、このゲームを発展させながら、もう少し複雑なゲームを作る方法について説明する予定です。

ちなみ、モンスターに負けたり魔王に負けたりすると、やはりゲームオーバーになります。

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RPGツクールMV:モンスターが襲ってくるようにする

前回の記事で、マップに王国の城と魔王の城を配置しました。

これで「テストプレイ」すると、マップの上を動き回ることはできますが、魔王もいなければ魔王の手下のモンスターも出てきません。ここでは、マップを歩くとモンスターが襲ってくるようにする方法について説明します。

モンスターが襲ってくるようにするには、マップにモンスターのグループ(パーティのようなもの)を配置するという操作が必要です。実際にやってみましょう。


左下にある「魔王を倒せ」と書かれた項目の下にある「MAP001」と書かれた項目のところで、マウスの右ボタンをクリックします。すると上のようなメニューが出てくるので「編集」を選びます。

すると、こんな感じのウィンドウが出ます。このウィンドウは、マップについていろいろな設定をするためのものです。このウィンドウの右側の「エンカウント」というとこで、マップに出現するモンスターを設定できます。


「エンカウント」と書かれた欄の中で、マウスの右ボタンをクリックします。

すると「エンカウント」というパネルが表示され、敵グループというところから「こうもりx2」や「オーク」などが選べるようになっています。好きなモンスターのグループを選んで「OK」を押します。ここでは「こうもりx2」を選んでみましょう。

OKを押すと「エンカウント」の表に「こうもりx2」という項目が登録されました。

こうなったら、ウィンドウの右下の「OK」を押します。これでマップ上にモンスターが出るようになります。本当に出るか、テストプレイで試してみましょう。

モンスターを設定しても、少し歩いたくらいでは襲ってきません。マップの上をうろうろしていると…

こうもりが二匹現れた!

もちろん、コウモリと戦うこともできます。魔法も使えます。勝てば経験値やお金がもらえますし、負けたらゲームオーバーになります。BGMもついていて、本当のゲームの戦闘シーンのようですよね。

さて、RPGツクールの画面に戻って、どういう仕組みになっているのかを少し詳しく説明しましょう。

マップにモンスターを登場させるには「モンスターを作る」「モンスターのグループを作る」「マップのエンカウントの表に登録する」という三段階の手順が必要です。さっきは「エンカウントの表に登録する」という操作だけでモンスターが出るようにできたのは、RPGツクールでは最初から4種類のモンスターが用意されいて、モンスターのグループも4種類作られているからです。

最初から登録されているモンスターのグループを見るには、上に並んでいるアイコンの中にある「データベース」というギアのアイコンを押します。


すると、下のようなウィンドウが表示されます。

このウィンドウは、ゲームの中に登場するすべてのキャラクタ、敵キャラ(モンスター)、アイテム、武器、防具などを作ったり編集したりするウィンドウです。このウィンドウの左側にある「敵グループ」というタブを押すと、モンスターのグループを確認できます。

ちゃんと4種類の敵グループが登録されています。これは、RPGツクールで最初から登録されている4つのグループです。表の中のそれぞれの項目を選んでみると、グループに登録されているモンスター(敵キャラ)がどうなっているかが表示されます。例えば上のように「こうもりx2」を選ぶと、こうもりが2匹登録されています。これをマップの「エンカウント」に登録することで、マップにコウモリ2匹のグループが登場するようになるわけです。

新しい敵のグループを作ることもできます。新しいグループを作るには、最初に「敵グループ」の表の下にある「最大値の変更」というボタンを押して、グループの数を増やします。

数はいくつでもいいのすが、5以上にしないと新しいグループが登録できません。ここではひとまず10にしておきます。10と入力したらOKを押します。

これで新しく6つのグループが登録できるようになりました。もっとたくさんのグループを登録したいときは、最大数をもっと大きくします。

さて、新たなグループを実際に作成してみましょう。ゼロから作成してもよいのですが、ゼロから設定するといろいろ入力する項目があって手間がかかるので、まずはすでにあるグループをコピーして改造することから始めてみましょう。


「こうもり」の項目でマウスの右ボタンをクリックし、コピーの項目を選びます。

次に、何もない0005という項目のところで右ボタンをクリックして「貼り付け」を選びます。

新しくできた「0005 こうもり*2」を選ぶと、0001に登録されている内容と全く同じになっています。それでは、新しいグループは「こうもり」を3匹にしてみましょう。

まずは名前を「こうもり*3」に変更しておきます。名前は人間が見て区別するためのものなので、どうつけてもいいのですが、わかりやすい名前にしておいたほうがいいでしょう。

次にこうもりを増やします。

右側の「基本設定」のところで「こうもり」を選んで、中央にある「<追加」と書かれたボタンを押します。

すると、このように左側の画面に「こうもり」が追加されます。これで右下にある「適用」を押すと、こうもり3匹のグループの登録が完了します。


これでOKを押してウィンドウを閉じ、マップの編集画面を出します。

エンカウントの表で右クリックしてパネルを出すと、さっき登録した「こうもりx3」がメニューから選べるようになっています。これを登録してみましょう。

こうなったら登録成功です。これでOKを押してウィンドウを閉じて、テストプレイをしてみましょう。

こうもりが出た! …と思ったら、二匹でした。とりあえず倒して…

今度は3匹出ていましたね。さっきの「エンカウント」のリストで「こうもり*2」と「こうもり*3」の両方を登録したので、両方が同じくらいの確率で登場します。どっちのグループがどのくらいの確率ででるのか、ということも設定できますが、それは中級編で説明します。

マップの編集で、エンカウントの表に全部の敵グループを登録してみました。これでいろいろな敵がマップを歩くと出てくるはずです。

こんな感じで、いろいろな敵が出てくるようになりました。かなりゲームっぽくなってきましたね。

次は、マップの上に最初からいて話かけられる、魔王や王様を作る方法について説明します。

魔王と王様を配置する

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