MTG カード与太話: オリジンより「光り葉の選別者」「悲劇的な傲慢」


光り葉の選別者/Gilt-Leaf Winnower

タフネスとパワーが異なるクリーチャーを対象にとる、なんていうのは聞いたことがない。というか、パワーとタフネスが等しいクリーチャーを対象に取るカードも過去にないようだ。なかなか新しい。

実際に対象になるクリーチャーがどのくらいの割合いるのか、ちょっと調べてみた。オリジン導入前のスタンダードのクリーチャーカードは 798 枚で、そのうちタフネスとパワーが等しいクリーチャーは 355 枚だった。スタンダードのエルフは 4 体しかおらず、そのうち 3 体はパワーとタフネスが等しい。これをざくざくっと計算すると、つまるところ約 55 % のクリーチャーを対象に取れるようだ。戦場に 2 枚以上のクリーチャーカードがあれば、いずれかは破壊できるという程度に期待はできる。

実際にはトークンもあったりするし、使われるクリーチャーに偏りがあったりするから正確ではないけど、半分が対象にできるならそれほど悪くはなさそう。オリジンの導入後でも割合はそこまで変化しないだろうし、それなりに安定した除去として機能しそうではある。本体も 4/3 で威迫付きだし、リミテッドなら十分強いよね。構築では・・・


悲劇的な傲慢/Tragic Arrogance

《大変動/Cataclysm》によく似ているようで全然違う。残すパーマネントを選ぶのはコントローラーではなくて、これを唱えたプレイヤーになってる。こんなカード、他にあったっけ。自分も生け贄に捧げなくてはいけないけど、残すパーマネントはすべて自分で選べるので、相当に有利な状況を作りだせそう。被覆や破壊不能を除去できるのもいい。さらに《天秤/Balance》と違って手札は捨てなくてもいいから、コントロール系のデッキでも使いやすそうな気がする。青いデッキとかよく分からないけど、きっとそう。

ちなみにどうでも良いけど、Arrogance という単語は MTG では初出な一方で、Arrogant という形容詞のほうは使われていて、過去に「尊大な」と訳されている。名刺になったらなぜか「傲慢」になったらしい。ちなみに過去に「傲慢」と訳されたのは《傲慢/Hubris》と《傲慢な完全者/Imperious Perfect》の二枚がある。Hubris のほうは、いわゆる「七つの大罪」的な「傲慢」に相当する単語で、元はギリシア語らしい、英語では pride という単語がそれに相当している(鋼のなんとかで出てきたアレよね)。ただし MTG のカード的には pride は「誇り」とか「奮起」というように、良い意味を持つ単語として訳されていて、傲慢とか尊大とか訳されたことはない。その点 Arrogance は悪い意味しかないので「傲慢」でも良いのだろうけど、なぜ「尊大」ではなかったのだろうか。・・・って、どうでも良いね。