まさかの時のボードゲーム: Star Wars Imperial Assault

スターウォーズの世界を舞台としたフィギュアを使う対戦型のボードゲームで、GM 的な役割りをするプレイヤーが帝国軍の全キャラを操作し、同盟軍は各プレイヤーがそれぞれ一人ずつのヒーローを担当して帝国軍と戦う。マップやフィギュアが最初から付いていて、戦闘のみに特化された TRPG という雰囲気のゲームで、同じ会社から発売されているディセント第二版というゲームと非常によく似ている。

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上の写真は、3人プレイのチュートリアルのゲームをセットアップしたところ。手前側が帝国軍のプレイヤーで、左側に同盟軍のプレイヤー(2人分)がセットアップされている。中央は実際に戦闘をするマップで、複数のマップタイルを組合せて作るようになっている。灰色のフィギュアが帝国軍側のフィギュアで、ベージュ色のフィギュアが同盟軍のヒーローを表している。

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同盟軍のヒーローのパラメータは、ヒーローのカードに書かれている。基本パラメータは Health (体力)、Endurance (耐久力)、Speed (移動力)、Defense (防御力) の 4 つ。右上には、戦闘などに使える特殊能力が書かれており、下の欄には各種のチェックに使うダイスの種類が書かれている。

ヒーローが戦闘などでダメージを受けると Health が減っていき、Health がゼロになるとヒーローカードを裏返す。裏面(負傷面)にも同じようにパラメータが書かれているけど、裏面はパラメータが若干下っていたり、能力が書かれていなかったりする。そして、裏目の Health もゼロになると、ヒーローは倒されてマップ上から除去される。

Endurance は特殊能力を使うときに消費するポイントで、ここに書かれた数値になるまでポイントを使うことができる。Speed はマップ上を1ターンの間に移動できるマスの数を示している。Defense は、敵から攻撃を受けたときに、防御判定につかうダイスの色を示している。このヒーローが防御する場合は、白のダイスをひとつ振ることを意味している。

右側のカードは「武器」のカードで、攻撃するときに使うダイスの種類や、耐久力を消費して使用できる特殊能力が書かれている。この武器の場合は、通常攻撃のときは緑と黄色のダイスをそれぞれ1つずつ振ることを意味している。カード中央には、攻撃用のダイスを振ったときに出た「稲妻」の目を消費することで使える特殊能力を示している。

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帝国軍側はこんな感じ。同盟軍側に比べると、Health が圧倒的に低い。一方で、攻撃や防御についてはあまりかわらない。これだけ見ると帝国軍が不利に見えるけど、帝国軍側は同盟軍よりだいたいの場合は数が多い。

このゲームはターン制で、同盟軍プレイヤーと帝国軍プレイヤーが交互にフィギュアを操作するようになっている。各ターンには「移動」「攻撃」「体力や耐久力の回復」「トークンやドアなどを操作する」「カードに書かれた特殊能力を使う」という5つのアクションのうちから2つを選んで行動できる。

同盟軍と帝国軍のプレイヤーは、ターンを交互にプレイする。ただし、同盟軍プレイヤーが2人いる場合は、プレイ順序は「同盟軍1」「帝国軍」「同盟軍2」「帝国軍」、といった感じになる。たとえば、同盟軍のフィギュアが2人としたら、最初のターンにに同盟軍プレイヤー1が「自分の担当するフィギュア」を行動させ、次のターンは帝国軍プレイヤーが「同じグループ所属するフィギュア全部」を行動させる。そして、その次のターンには同盟軍プレイヤー2が「自分の担当するフィギュア」を行動させ、次のターンは帝国軍プレイヤーが「他の、同じグループに所属する全部のフィギュアを」行動させる、という具合になる。つまり、帝国軍側だけが同時にたくさんのフィギュアを動かすことがある、ということ。

こうやって、双方が全部のフィギュアを行動させたらラウンド終了となる。そして、帝国軍か同盟軍のいずれかのプレイヤー側が勝利条件を満たすまでラウンドを繰り返す。

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次に戦闘について簡単に説明する。

このゲームでは、戦闘はダイスで解決する。上の写真では、帝国軍側の Stormtrooper (灰色の上側のフィギュア)が、同盟軍の Diala Passil を攻撃したところを示している。Stormtrooper の攻撃ダイスが「緑」「青」のふたつで、Diala Passil の防御ダイスは「白」ひとつなので、これらを相互のプレイヤーが振る。

この戦闘の場合、攻撃側と防御側が隣接していない(遠隔武器で攻撃している)ので、まずは出目から命中判定をする。命中判定については、ダイスに書かれている「数字」の合計が、攻撃側から防御側までの距離(マス目の数)以上であれば命中したことになる。この戦闘では、距離が 3 でダイスの結果が 5 (1+4) なので、命中したことになる。

次にダメージ判定をする。ダメージは、攻撃側のダイスにあるバツ印の合計から、防御側のダイスにある黒い三角形のようなマークの数だけ引く。この例では、攻撃側のバツ印の数は 2 で、防御側の三角形が 1 なので、ダメージは 1 (= 2-1) になる。

最後に、稲妻マークの解決をする。攻撃側のダイスに稲妻のマークがあるときは、そのマークの数だけカードに書かれた特殊能力を使用できる。ただし、防御側に円のマークがあるときは、そのマークの数だけ稲妻のマークがキャンセルされる。この例では、攻撃側の稲妻マークは 1 つで防御側の円マークが 1 つあるので、稲妻マークは相殺されてしまい特殊能力を使うことができない。

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こうして戦闘の解決を終了し、最終的に与えられたダメージの分だけ、上の写真のようにダメージトークンをヒーローカードや帝国軍側のカード(配置カード)に置く。ダメージは累積していき、Health 以上のダメージを受けると帝国軍側ならフィギュアをマップ上から除去する。同盟軍側なら、先に書いたようにカードを裏面にするか、ヒーローをマップから除去する。

このミッションでは、同盟軍側は帝国軍側のフィギュアをすべて除去したら勝利になる。

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帝国軍側はヒーローを全員倒すか、マップに配置されている2つのターミナルトークン(上の写真の左上にある撒き菱みたいなトークン)2つに、いずれかのフィギュアが到達したら勝利になる。ただ、同盟軍側のヒーローはやたら Health が高いので、ヒーローを倒すのは現実的ではない。なので帝国軍側は、大抵のミッションではヒーローを倒すよりも、ミッションで決められている勝利条件を満たすことを目指すことになる。

というか、どのミッションでも同盟軍側は何も考えずに行動していると、すぐに帝国軍に負けるくらいのバランスになってることが多い。同盟軍側は、やられることを気にするよりも、全力で帝国軍を倒しまくらないと勝てなかったりする。

・・・ルールはだいたいこんな感じで、これくらい分かればプレイできる感じ。あとはカードごとに書かれた特殊能力が沢山あったり、ミッションで指定されている特殊なルールがあったりする。

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なお、最初に書いたように、ディセント第二版とはルールがとてもよく似ている。このゲームのほうがよりルールが整理されて、シンプルになっているという感じ。コンポーネントもよく似ていて、上の写真のようにディセント第二版のフィギュアをこのゲームのフィギュアを混ぜて置いてみても違和感がない。

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上側が Imperial Assault のダイスで、下はディセントのダイス。マークは違うけど、出目の感じはよく似ている。

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これは、ディセントのマップとこのゲームのマップを接続してみたところ。どっちがどっちか分からない程度には似ている。ディセントのマップやフィギュアを使って、勝手な拡張ミッションとか作れそうなくらい。というか、あっちの人ならすでにそういうの作ってそうよね。


何にせよベースはディセントなので、この手のゲームが好きなら十分楽しめると思う。むしろ、ディセントより遊びやすくなっている感じはする。拡張セットも発売されているし、Skirmish という2人用の対戦ルールも用意されているので、シナリオ不足で困るというような心配はなさそうだ。

ただ、ディセントがファンタジーというテーマだったのに対して、このゲームはスターウォーズというテーマなので、日本では一部地域でしか受けないかなあ。