MTGカード与太話「破滅の刻」から「地揺すりのケンラ」


地揺すりのケンラ/Earthshaker Khenra

絵は格好いいけど「地揺すり」という、今ひとつ脱力系の接頭語がついたケンラ。英語の Earthshaker は格好いいのに、あまり良い訳語がなかったらしい。最初に Earthshaker を訳したときに「地揺すり」としたのが、そのまま踏襲されてしまった。「地鳴らし」とか「地響き」とかよいかなと思ったけど、地鳴らしは Groundshaker という別の単語に対応しているらしい。「地響き」は無いんだけど、ちょっとニュアンスが違うかもしれない。せめて「大地を揺がすケンラ」くらいにはしてほしかった。

ちなみに Earthshaker という単語は、英語圏ではギリシア神話の「ポセイドン」の別名のひとつらしい。ポセイドンというと海の神というイメージだけど、wiki によれば「海、水、地震、馬」の神なのだそうだ。地震で地面を揺らす神だから、Earshshaker という別名をもっているのだとか。古代からそう考えられてたということは、地震というのは本来は青に分類すべき属性なのかもね。まあ、《地揺すり/Earthshaker》 の見た目はポセイドンとは程遠いのだけど。

カードとしては、序盤に出してひと殴りして墓地にいっても、「永遠」とブロック阻止能力のおかげで後半にも出てきて何回かは殴れそうな、使い勝手のよいクリーチャーになっている。ウィニー的クリーチャーにありがちな、後半に手札に来ても困るなーという点が解消されているのは良い。とはいえ、最近はこういう「二度おいしい」的なクリーチャーは普通になってきたよね。何回か使いまわせないと、デッキに入れてもらえない厳しい世の中になったということかな(これでも入るかちょっと分からないけど)。

※ dota2 というオンライン対戦ゲームに出てくる Earthshaker も、どでかいハンマーもったおっさんで、ポセイドンとは似てもにつかないから、この単語とポセイドンとの繋りは欧米でも薄いのかもしれない。(まあどうでもよいよね)

MTGカード与太話「破滅の刻」から「ラムナプのハイドラ」


ラムナプのハイドラ/Ramunap Hydra

3/3 という、中くらいのサイズのハイドラ。巨大なイメージのあるハイドラにしては少々小さい。過去に出た 35 体前後のハイドラのうち、半分弱は 0/0 で、残り半分弱が 5/5 以上だと思えば、ベースのサイズが 3/3 というのは珍しい。似たようなサイズの《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra》や《飼い馴らされたハイドラ/Domesticated Hydra》がサイズを(理論上は)いくらでも増加させられるのに対し、こちらはサイズが 5/5 で頭打ちという点でも、サイズの小ささが目立っている。なぜハイドラなんだろうね?

カード的には、色拘束が少ない 4 マナで (砂漠を置くかサイクリングする前提で) 警戒、到達、トランプルで 4/4 か 5/5 と思えば、ハイドラにしてはなかなか強い感じはする(失礼!)。今後、砂漠カードがどのくらい使われるかにもよるだろうけど、うまくデッキと噛み合えば構築でも採用されるかもしれない。砂漠を序盤からたくさん引く方法があれば、普通に活躍できる可能性もありそう。しかも、もしこれが猛威を振ったとしても、某ゴイフと違って砂漠が環境からなくなれば被害(主に財布への?)も少ないというのも good 。そういう意味ではうまいデザインという気もするけど、ハイドラなんだからサイズを無限に増加させる可能性が何かほしかったなあ。

ちなみに、イラストには2つの頭が見えているけど、英語のカード名が “Hydra” と単数形なので、これで 1 体ということらしい(多分) 。ということは、砂漠に生息する固体と頭が増殖して +1/+1 されるということだろうか。そうだとしても、墓地に砂漠があるとさらに +1/+1 になる理屈はちょっと分からない。サイズ増加の理由を探るには、もう少し妄想力が必要のようだ。