まさかの時のボードゲーム Race for the Galaxy (3): ゲームの流れ II

前回の記事で説明したように、このゲームでは各プレイヤーが 7 枚のアクションカードから 1 枚選び、その選ばれたアクションを実行するという形でゲームが進められる。

  • I. 探索 (2種類): 山札からカードを引く
  • II. 発展: 手札から「発展カード」を場に出す。
  • III. 移住: 手札から「ワールドカード」を場に出す。
  • IV. 消費 (2種類): ワールドに置かれている「製品カード」を、VP や手札に変換する。
  • V. 生産: ワールドに「製品カード」を置く。

この記事では、V の生産について説明する。


製品の生産

「V 生産」のアクションを使うことで、ワールドカードの上に「製品」を生産することができる。「製品」は「IV 消費」のアクションで VP に変換することができる。この「生産」と「消費」を組合せて VP を稼ぐ方法も、このゲームの重要な戦術のひとつになっている。

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生産の説明をするまえに、ワールドカードについて追加の説明をしておく。ワールドカードは、コストが書かれている円の内側に色が塗られているものと、外側に塗られているものがある。内側が灰色以外の色で塗られているものを「生産ワールド」、外側が塗られているものを「単発生産ワールド」という。

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これが生産ワールド。水色、茶色、緑、黄色の4色がある。

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これは内側が塗られているけど、灰色なので生産ワールドではない。

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こちらは単発生産ワールド。生産ワールドと同様に、4種類の色がある。このうち、単発生産ワールドが場に出されたときは、ワールドカードの上に、山札から裏向きのままカードを取って置く。

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つまり、こんな感じになる。この裏向きに置かれたカードは「製品(カード)」と呼ばれる。製品には色(種別)があり、置かれている惑星の色(種別)がその製品の色(種別)になる。

製品の種別について、黄色は「異星種族技術」、緑は「遺伝子資源」、茶色は「希少元素」、水色は「嗜好品」という名前がついている・・・けど、覚えにくいしゲーム中も色を使って区別することが多いので、以下では色を使って説明する。

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さて、単発生産ワールド(白抜きワールド)は「移住」で場に出たときに製品が置かれる一方で、生産ワールド(色塗りワールド)のほうは出しただけでは製品カードが置かれない。生産ワールドに製品カードを置くためには「V 生産」のアクションを実行する必要がある。

生産アクションが選ばれた(選んだ)ときは、場に出ていて裏向きにカードが置かれていないそれぞれの生産ワールドの上に、山札からカードを1枚ずつとって裏向きに置く。

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たとえば、自分の場が上のような状態のときに「生産」を行なったときは、下のように、製品カードが置かれていない生産ワールド(中央)の上に裏向きにカードを置く。

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すでにカードが置かれている生産ワールド(左)には置かない。また、単発生産ワールド(右)にも、製品カードがないけど置かない。

ただし、自分が「生産」のアクションを選んだときだけは、ボーナスのとして「製品カードが置かれていない単発生産ワールド1つにだけ製品カードを置く」ことができる。

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たとえば上の状態で自分が「生産」のアクションが選ばれたときは、ふたつあるうちの片方の単発生産ワールドを選んで、そこに製品カードを置ける。

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つまり、このように製品カードを置ける。

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このように置いてもいい。どちらに置くかは自分で選んでいい。

実は「生産」アクションが選ばれたときに、ワールドの上に製品カードを置けるカードについては、V のところに色付きのカードが書かれている。

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生産ワールドは、上の写真のように V にそのカード(ワールド)の色に対応する色のカードのマークがある。このため、「生産」アクションで生産ワールドの上に製品カードを置ける。

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単発生産ワールドには V に対応するカードの表記がない。そのため、「生産」アクションのボーナスアクションがない場合は、単発生産ワールドに製品カードを置くことができない。ただし、発展カードやワールドカードの中には、単発生産ワールドに製品カードを置けるようにするものがある。

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たとえば、これらのカードが場に出ていれば「生産」アクションが選ばれたときに(ボーナスとは関係なく)、V の項目に対応する単発生産ワールドの上に製品カードを1枚置ける。左のカードがあるときに生産すると、製品カードがない青色の単発生産ワールドの上に、製品カードを1枚置ける。中央は「緑の単発生産ワールド」、右は「茶色の単発生産ワールド」にそれぞれ対応している。色が違う単発生産ワールドには製品カードは置けない。

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たとえば、上の状態で「生産」アクションを行なったときは、中央の緑の単発生産ワールドに製品カードを置くことはできるけど、右の茶色のワールドには(生産アクションのボーナスなどがなければ)置くことができない。

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一方、上の状態で「生産」アクションを行なったときは、右の茶色の単発生産ワールドに製品カードを置くことはできるけど、中央の緑のワールドには置くことができない、ということになる。

この他にも「生産」のアクションで製品カードを置いたときなどに、手札を引けるカードもある。

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たとえば上の左のカードがあるときに「生産」アクションが選ばれたら、無条件でカードを1枚引ける。中央のカードは(茶色の)製品カードをこのワールドに置き、なおかつカードを1枚引ける。右の「このワールドに製品カードを置いたら、カードを1枚引ける」という能力をもっている。ただし右のカードは単発生産ワールドなので、このカードだけでは自分のカードの上に製品カードを置くことができない。「生産」のボーナスや場に出ている他のカードの能力で、このカードの上に製品が置かれたときに限って手札を1枚引ける、ということ。

前述のように、「生産」のアクションでは場に出ている(製品カードが置かれていない)生産ワールド全部に製品カードが置けるので、たくさんの生産ワールドが場にあるときに「生産」したほうが効率がいい。



まさかの時のボードゲーム Race for the Galaxy (2): ゲームの流れ I

このゲームはターン制で、各ターンごとにプレイヤーが実行したいアクション(カード)を選び、選ばれたアクションを実行するという形で進める。

各ターンにプレイヤーが選べるアクションカードは 7 枚ある。アクションのだいたいの内容は以下の通り。

  • I. 探査 (2種類): 山札からカードを引く
  • II. 発展: 手札から「発展カード」を場に出す。
  • III. 移住: 手札から「ワールドカード」を場に出す。
  • IV. 消費 (2種類): ワールドに置かれている「製品カード」を、VP や手札に変換する。
  • V. 生産: ワールドに「製品カード」を置く。

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実際のカードは上の通り。プレイヤーごとにアクションカードの色は違うけど、機能に差はない。これらのカードの中から、このターンに実行したいアクションを1枚選んで公開する。それぞれの機能については、勝利点(VP)を稼ぐ方法と一緒に説明する。

このゲームで VP を稼ぐ方法は、次の三種類がある。

  1. VP がついている発展カードやワールドカードを場に出す。
  2. 「生産」で製品カードをワールドカードの上に置き、「消費」で商品カードを VP に変換する。
  3. 特定の条件を満たすと VP がもらえるカードを出し、条件を満たして VP を得る。

以下、これらの VP を稼ぐ方法に関連するアクションについて、それぞれ順番に説明する。

ワールドカードを場に出す

場にカードを並べて VP を稼ぐ方法は、一番わかりやすい。場に出せるカードには「ワールドカード」と「発展カード」がある。以下では、まずワールドカードを「III 移住」のアクションで出す方法について説明する。

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ワールドカードは左上に円がかかれている。ワールドカードは「移住」のアクションが選ばれたときに場に出せる。ワールドカードの VP は、六角形の中に書かれている。これらのうち、コストが黒字で書かれたワールドは「非軍事ワールド」と呼ばれる。非軍事ワールドは、場に出すときにコストと同数のカードを手札から捨てる必要がある。手札が足りなければ、そのワールドは出せない。

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たとえば、この非軍事ワールドはコストが 3 なので、手札を 3 枚捨てることで場に出せる。

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一方で、コストが赤字で書かれている「軍事ワールド」というカードがある。こちらは、場に出ているカードに書かれた「軍事力」の合計が、コスト(防御力)を上回っているときだけ出せる。軍事力は、ワールドカードや発展カードの III のところに、赤い丸で +1 とか +2 とか書かれているものが場に出ているときに、得ることができる。

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たとえば、上の左のワールドカードが場にあれば、移住のアクションをするときに「軍事力 1」を得られる。右カードは軍事力 2 を得られる。

つまり、自分の場にこれらのカードが出ているときに「移住」を行なえば、コストが 3 以下の軍事ワールド(コストが赤い字で書かれているワールドカード)を、手札を捨てることなく出すことができる。逆に、軍事力を下げてしまうカードもある。III のところに赤い数字がマイナスで書かれているカードがあると、軍事力を下げてしまう。

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たとえば、自分の場がこのようなときは、移住のときに軍事力 2 までのカードしか出せない。ちなみに、非軍事ワールドカードを出すコストを下げるカードもある。III のところに黒い字で -1 とか -2 とか書かれているカードがあれば、非軍事ワールドカードを出すときに捨てる手札の枚数を、数字の分だけ減らすことができる。

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たとえば、上の左カードが出ていれば、コストが 2 以下のワールドカードなら手札を1枚も捨てることなく場に出せる。コストが 4 のワールドカードを出す場合でも、捨てる手札は 2 枚で済む。軍事力と違って、数字がマイナスで書かれているときに、支払うコスト(捨てる枚数)が減る。

中央のカードも III に黒字でマイナスの数字が書かれている。ただし、円の中には色が塗られている。これは「茶色の非軍事ワールドを出すときだけ、コストを -1 する」という意味になる。

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茶色のワールドというのは、このように円の中か外が茶色に塗られているカードのこと。これらのカードを出すときだけ、捨てる手札の枚数を減らすことができる。

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さらに右のカードは、黄色の非軍事ワールドを出すときのコストを -2 し、黄色の軍事ワールドを出すときだけ軍事力を +2 することができる。こうしたカードを活用して、ワールドカードを場に出して VP を稼ぐ。

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なお、自分が「移住」カードを出したときは「ワールドカードを出したあとに、カードを1枚引く」というボーナスを得ることができる。


発展カードを場に出す

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発展カードは「II 発展」のアクションが選ばれたときに、場に出すことができる。発展カードは菱形に数字がかかれている。

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発展カードを出すときは、ワールドカードと同じようにコストと同数の手札を捨てる。

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たとえばこの発展カードなら、2枚の手札を捨てる。

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ただし、自分が「発展」のアクションカードを出した場合は、アクションカードにある「発展コスト-1」のボーナスが適用されるので、捨てる枚数を1枚少なくできる。ボーナス以外にも、場に出しておくとコストを下げることができるカードがある。

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このカードが場に出ているときは、他の発展カードを出すときにの手札を1枚減らせる。さらに自分が「発展」アクションカードを出したときは、合計して手札を捨てる枚数を 2 枚減らせる。つまり、コスト 2 以下の発展カードなら、手札を捨てることなく出せるようになる。

コストを下げる以外にも、発展カードを出したときに恩恵を受けられるカードがいくつかある。

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たとえば左のカードが出ていれば、発展カードを出しても出さなくても、「発展」のアクションが選ばれたときにカードを1枚引ける。必ずしも自分でアクションを選ぶ必要はなく、相手が「発展」のアクションカードを出したときでも(発展カードを自分が場に出さなかったとしても)カードを1枚引ける。

右のカードは、発展のアクションで自分が発展カードを場に出したときだけ、カードを1枚引ける。

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カードの能力は重複するので、たとえば上のように自分の場に4枚のカードを出していたら「発展カードを場に出すコスト-3(コストのマイナスも重複する)」「発展アクションが選ばれたら手札を1枚引く」「発展カードを出したら手札を1枚引く」のすべての恩恵を受けられる。

発展カードは、ワールドカードよりもコストを下げたり、手札を引いたりする能力がついているものが多い。そのため、発展カードを集中的に並べて相乗効果を使って高速に点数を稼ぐ方法が、このゲームの典型的な戦術のひとつとなっている。



まさかの時のボードゲーム: Race for the Galaxy (1): 概要

以下は、Rio Grande Games の Race for the Galaxy についての、MML 定例会向けのプレイ方法の説明書きです。会員以外の誰かの役に立つかもしれないので公開してますが、あくまで内輪向けのメモなので、予告なく削除またはアクセス制限をすることがあります。もし内容に間違いを発見しましたら、ご指摘いただけましたらありがたいです。


このゲームでは、プレイヤーが自分の場にワールドカードや発展カードを出して勝利点(VP)を獲得し、誰かの場に出ているカードが 12 枚になったとき、あるいは共通のストックにある VP トークンが全てなくなったときに、獲得している VP が一番多い人が勝利者になる。

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カード の VP は、左上にある六角形の中に書かれている。カードを出す以外の方法で VP を得たときは、上の写真にある六角形の VP トークンを受けとる。

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各プレイヤーは、7枚のアクションカードをもっている(上の写真)。これは手札とは別に、他人に見せないようにもっておく。

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つまり、上の写真のようにアクションカード 7 枚とそれ以外の手札を、いずれも他人に見せないように持つことになる。

ゲームはターン制で、各ターンに7枚のアクションカードの中から、そのターンに自分がやりたいアクションをひとつ選ぶ。そして、プレイヤー全員が同時に選んだカードを公開する。そうすると、そのターンには自分が選んだアクションに加えて、他の人が選んだアクションも実行できる。

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たとえば二人でプレイしていて、あるターンに自分が I の「探査」を選び、相手が III の「移住」を選んだとする。「探査」のアクションではカードを山札から2枚見て、そのうちの1枚だけ手札に残す(1枚は捨てる)ことできる。このターンに「探査」のアクションカードは自分が選んだものではあるが、相手も「探査」のアクションを行うことができる。

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ただし「探査」のアクションを選んだ自分だけは、「探査」のアクションカードに書かれたボーナスを実行できる。ボーナスは「見るカードを1枚増やし、手札に残すカードを1枚増やす」と書かれている。

このため、結果として自分は「3枚引いて、そのうち2枚を手札に入れる」という操作をし、相手は「2枚引いて、そのうち1枚を手札に入れる」という操作をすることになる。

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一方で III の「移住」のアクションとしては「手札からワールドカードを1枚場に出す」という操作ができる(ワールドカードは「惑星カード」といったほうがしっくり来る気はする)。こちらは相手が選んだアクションだけど、自分も実行することができる。

ワールドカードというのは、左上の円の中に数字がかいてあるカードのことを言う。黒い数字のカードを「非軍事ワールド」、赤い数字のカードを「軍事ワールド」という。違いについては次以降の記事で説明する。

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「移住」でワールドカードを場に出すとき、非軍事ワールドの場合は、左上にか書かれた数字と同じ枚数の手札を捨てる必要がある。

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たとえば、このカードは 3 と書いてあるので 3 枚の手札を捨てることで場に出せる。手札が足りない場合は、もちろん場に出せない。

同じ操作を、相手も自分もすることができる。ただし、相手だけ「移住」のアクションカードに書かれたボーナスの「ワールドカードを場に出したらカードを1枚引く」を実行できる。

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もし、二人とも同じアクションカードをだしたら、二人ともボーナスが得られる。ただし、アクション自体は 1 回しかできない。二人とも「移住」を出したからといって、移住を 2 回できるわけではない。

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3 人以上でプレイしている場合でも同様である。たとえば 3 人でプレイしている時に、2 人が「移住」を出して 1 人が「探査」を出したら、移住を出した2人はワールドカードを出したときにカードを1枚引け、「探査」を出したプレイヤーはカードを多く引くボーナスが得られる、という感じになる。

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アクションカードには I から V までの数字が書いてある。そのターンに選択されたアクションは、数字が低いものから順番に実行していく。たとえば「I 探査」と「III 移住」が選ばれたときは、先に探査を実行して、次に移住を実行する。なお、I の移住と IV の消費は 2 種類のカードがある。種類の違う「I 探査」のアクションが同時に選ばれたとしても、探査のアクションは1回だけしか行なわない。

こうやって、選ばれた全部のアクションを実行したら、全員が公開したアクションカードを手札に戻して次のターンに進む。

ゲームの流れはだいたいこんな感じ。