まさかの時のボードゲーム Android Netrunner (18) 拡張パックはどれを買うべきか

(注) 以下の記事の大部分は 2015 年頃に書いたものなので、現状と異っていることがあります。


結論から言えば全部買うべき。しかし、それには結構な御布施投資が必要になるので、コアセットを勝った次に何の拡張から買うと投資少なくリターンが大きいか、という点について私見を書いてみる。

以下は 2015年のトーナメントデッキでのカード使用率を参考にしつつ、コーポは NBN か HB をやる前提で、ランナーは Anarch か Shaperをやる前提として書いている。これは、2015年11月現状のトーナメントのデッキの多くが、これらの Faction で占められているため。

Jinteki, Weyland や Criminal をやりたい方は、デッキリストをどうぞ。

なお、2014年のランナーは Criminal が半分くらいで Shaper, Anarch は 1/4 くらいずつ、コーポは Jinteki と NBN がほぼ半々で、Weyland が少しある程度、みたいな状況だった。発売される拡張パックによって Faction のトーナメント内での比率は大きく変わる傾向にはあるので、記事を書いてから時間がたっていると、状況が変わっているかもしれないことには留意して頂きたい。なお、メタの変遷に興味がある方は下記をどうぞ。

2016/1 時点では、ワールドチャンピオンのデッキである「未来工学」と「バレンシア」が発売されており、これらに有益なカードがたくさん入っているので、まずはこれらを買ってみるといいかも(むしろ強く推奨)。

2017年にもワールドチャンピオンのデッキが発売されている。2016年のデッキとカードが若干かぶっているけど、いろいろ有益なカードが入っているのでこれもオススメ。


  1. Creation and Control Order and Chaos Data and Density
      Creation and Control     Order and Chaos     Data and Destiny

    大型拡張パックは 60 種類のカード (全180枚) が入っているので、ひとつ買うとかなり使えるカードの枚数が増えるという点でオススメできる。

    中でも Creation and Control はランナーのデッキを組む上で重要なカード(Shaper)が豊富で、全部の大型拡張セットの中で最もいいと思う。拡張をひとつだけ買って試したいということなら、これを買うことを推奨したい。Order and Chaos も使えるカードが多い拡張なので、Creation and Control の次に買うならこれを買いたい。

    Data and Density は現時点(2015/11)では未知数な部分もあるけど、コーポのデッキ(特にNBN)を組む上で使えるカードが入っているのと、これまでに無かった怪しいカードが入ってたりするので、今後のことを考えると買って損はないと思う。

  2. Opening Moves Future Proof What Lies Ahead The Underway
     Opening Moves      Future Proof   What Lies Ahead   The Underway

    小型に手を出すなら、これらを優先的に買っておきたい。いずれも、他のカードでの代替が困難なカードが入っていて、入れると入れないではデッキの強さが大きく変わったりする。たぶん、ここまで買うだけでもかなり遊べるはず。

    • Opening Moves: Jackson Howard, Celebrity Gift など
    • Future Proof: Eli 1.0, Project Beale, R&D Interface など
    • What Lies Ahead: Whizzard: Master Gamer, Imp, Ash 2X3ZB9CY など
    • The Underway: Faust, Street Peddler など
  3. Double Time Cyber Exodus Human's Shadow
      Double Time Cyber Exodus    Human’s Shadow
    Breaker Bay Up and Over Fear and Loathing
       Breaker Bay   Up and Over   Fear and Loathing

    御布施に抵抗がなくなってきたら、このあたりを買うといいのではないかと思う。いずれも 2,3 ずつ、何かしらデッキでよく見るカードが入っている。これに加えて、NBN をやるなら NBN でよく使われる ID カードが入ってる Upstalk も買うといいかも。

Jinteki をやるなら、これらに加えて大型拡張の Honor and Profit と、Jinteki でよく使われる ID カードの入ってる Trace Amount を買うといいかも。


もっとガチに生きたい方は、Y.KATO さんの記事がとても参考になると思う(下記)。

From TCG to LCG: [最新版] ネットランナー購入ガイド

Android Netrunner カード適当談義: Tollbooth



《Tollbooth》(Core Set) 
 

Tollbooth にランナーが遭遇したとき、ランナーは可能なら 3 クレジット支払う。もし 3 クレジット支払えなければ、ランを終了する。

  1. ランを終了する。

ランナーが 3 クレジット払わなければ、ランを終了させられる能力をもつアイス。サブルーチンではないので、ランナーはこれをブレイクすることができず、クレジットを持っていない状態ではこのアイスを通過することが困難になる。これに加えて、ランを終了させるサブルーチンと高い Strength を持っており、アイスとしてはなかなか堅牢性が高い。

レゾコストが 8 と高いので、よく《Accelerated Beta Test》のようなレゾコストを無視できるカードと一緒に使われる。ただ、素の信頼性が高いこともあって、コストを払う前提で特に工夫なくデッキに投入されていることもある。2015年現在、トーナメントの NBN や HB のデッキだと高確率で 1,2 枚程度入っており、Jinteki のデッキでも数枚採用されているものが見られる。

ちなみにクレジットの支払いは強制で、3 クレジット支払うことができる状態であれば、必ず払わなければならない。払いたくないから払わないでランを終了する、ということはできない。また、2 クレジットだけ持っているときに、2 クレジットだけ払わされるということもない。この場合は「3クレジットの支払いができない」状態なのでクレジットは払わず、払えなかったときの「ランの終了」という効果を実行する。

他のカードの効果との順序関係が分かりにくいカードでもあり、最初は運用方法を間違いやすい。詳しくは ancur wiki: tollbooth をどうぞ。

Android Netrunner カード適当談義: Enigma



《Enigma》(Core Set)

  1. 可能なら 1 クリック失なう。
  2. ランを終了する。

特別な能力はないけど、軽めのレゾコスト、「ランの終了」を含むシンプルな 2 つのサブルーチン、そこそこの強度、そして Neutral のカードであり Influence が 0 である、といったバランスがほどよく取れたアイス。よく似た性能の《Wall of Static》と供に、Core Set のカードながら未だに多くのデッキで採用されている。いずれのアイスも、序盤に使えるアイスとしてなかなか使い勝手が良い。この手の軽めのアイスでよく使われるものとしては、コストが 3 で Strength 4 をもつ《Elli 1.0》 がある。これら 3 枚は、いずれも多くのデッキで採用されている。

ちなみに、他にも似たような性能のアイスはいくつもある。たとえば《Viktor 1.0》はコスト 3 で Strength 3 と《Enigma》より硬い。《Elli 1.0》とはよく似ているが、サブルーチンの機能がひとつ異なり、《Elli 1.0》よりは柔らかいという、微妙な差がある。このあたりの差が響いてか 《Elli 1.0》 と比べると《Viktor 1.0》の採用率は低い傾向にあるようだ。

また《Rainbow》というアイスもある。このカードは、コスト 3 で Strength 4 と《Enigma》より硬い。しかし Code Gate, Barrier, Sentry の三つのサブタイプを持っているせいで、突破されやすくなっている。一見すると《Wall of Static》よりも良さそうにも見えるけど、序盤の守りとしてはやや力不足と評価されているようで、トーナメントのデッキにはほとんど採用されてい。

このあたりの性能のアイスは豊富にあり、それが故に競争が激しくなっているようで(?)、少々バランスが悪いと採用率が極端に下がる傾向にある。このカードも、今後出てくるカードによっては過去のカードとなってしまう日が・・・来るのかな。