まさかの時のボードゲーム: Arcadia Quest (2) 移動

このゲームでは、プレイヤーは自分のターンに次のいずれかを実行できる。

  • 1体のヒーローを移動and/or攻撃させる(アクティベートする)。
  • 休憩する。

どちらを実行したら、次のプレイヤーのターンになる。順番にプレイしていき、誰かが勝利条件を満たした瞬間に、ゲーム(シナリオ)は終了となる。

なお、プレイヤーは自分の操るヒーローのうち、どのヒーローを動かしてもいい。ひとりだけを動かし続けて、他のヒーローはずっと動かさないまま、みたいなことをしてもいい。ただし、ヒーローは攻撃をすると、攻撃カードが「使用済み」の状態になってしまい、「休憩」させないとと再び使用可能な状態にならない。ターン終了時に自動的に使用可能状態に戻ったりはしない。だから、ひとりのヒーローだけ動かし続けるより、全部のヒーローを満遍なく動かして、まとめて「休憩」するほうが普通は効率はよくなる。

移動

ヒーローは 3 の移動力をもつ。1の移動力で次のことができる。

  • 上下左右のいずれかの、移動可能なマスに移動する。
  • 自分のいるマスにあるドアをあける。または閉める。
  • 自分のいるマスにあるポータルを使う。

移動可能なマスというのは、次の条件を満たすマスのことをいう。

  1. 今いるマスの上下左右に隣接している。
  2. そのマスとの間に閉じたドアや壁がない。
  3. そのマスに他のキャラがいないか、1体だけ他のキャラがいる。

斜めのマスはこのゲームでは「隣接していない」扱いになるので、斜めのマスに直接移動することはできない。また、このゲームではマスは「2体で満員」という扱いになるため、マスに1体だけ他のキャラ(ヒーローかモンスター)がいる場合でも、侵入することができる。

ただし、上のルールには例外がひとつあって、2体のキャラがいるマスでも、そのうちの少なくとも一方のキャラが自分のコントロールするヒーローだった場合、そのマスに移動することはできる。ただし、そのマスで停止することはできない。移動の途中(通過するだけ)ならば、そのマスに移動することができる。

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たとえば、このような状態で中心の青プレイヤー担当のヒーローを、1 歩だけ動かすことを考えてみる。まず、隣接しているマスは上下左右のマスだけなので、斜めにある A, C, G, I のマスには 1 歩では動けない。次に B のマスについては、他に誰もいないけど間にドアがあり、ドアは閉まっているので、ここにも 1 歩では移動できない。

D については、モンスターが1体いるだけなので、ここには1歩で移動できる。F はモンスターと他のプレイヤーが操作するヒーローの2体がいるため、ここには移動できない。H については、2体のヒーローがいるけど、いずれも自分の(青プレイヤー担当の)ヒーローなので、1歩で移動することはできる。ただし、このマスで停止することはできず、さらに他のマスに移動してから停止する必要がある。

ドア

ドアの開閉は、移動力1を消費することで行なえる。閉めるのは一見意味がなさそうだけど、閉めることで敵からの攻撃を防いだり、視線を切ったりできる。

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たとえばこの状態で、真ん中の青プレイヤー担当のヒーローを動かそうとしてるとき、B のマスとの間には閉まっているドアがあるので、この状態では B には移動できない。そこで、1 移動力を消費してまずドアを開ける。次の 1 移動力を使うことで、B に入ることができる。さらにその後、1 移動力をつかって今あけたドアを閉めることもできるし、C との間にあるドアを開けることもできる。ただし、そこで移動力 3 を消費してしおわっているので、それ以上は移動できない。

移動の途中にドアをあけることも、もちろんできる。上の状態で、最初に H に移動してから G との間のドアをあけ G に移動する、ということもできる。

ポータル

ポータルとは、マスに置かれた青かピンクの大きな円形の渦巻がかかれたトークンのこと。ポータルのあるマスにいるとき、1移動力を消費することで、同じ色のトークンのあるマスに移動できる。

もし、飛び先のポータルのあるマスに2体のモンスター(または自分の操作しないヒーローだけ)がいるときは、ポータルを使って移動することはできない。ポータルのあるマスに2体のキャラクタがいるとき、少なくともいずれか一方のキャラが自分の操作する他のヒーローであるときは、そこに移動することはできる。ただし、そこで移動を終了するような移動のしかたはできない。

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ドアの場合と同じで、移動の途中でポータルを使ってもかまわない。たとえば、上のように移動の途中にポータル間の移動を挟むこともできる。

ガードリアクション

ヒーローがモンスターと同じマスから、もしくは隣接するマスから移動しようとすると、その瞬間にモンスターから攻撃を受ける。このとき、どのマスへ移動するかは関係ない。これをガードリアクション(Guard Reaction)という。ヒーローとモンスターが同じマスにいるか、壁や閉じたドアなどで遮られていない(上下左右の)隣接したマスにいるときは、それらは「隣接している」という。

ガードリアクションは、ヒーローがモンスターに隣接している状態から移動しようとするたびに、その都度発生する。そのため、ヒーローが移動中に同じモンスターから何度も攻撃を受けることがある。また、モンスターごとに別々のガードリアクションが発生するので、隣接するモンスターが複数いれば、それらのモンスターから個別に攻撃を受けることになる。

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たとえはこの状態で、左のヒーローを 1,2,3 と移動させるとしよう。このとき、まず 1 の移動で A のオークのガードリアクションが誘発し、攻撃をうける。攻撃は、ヒーローが「移動する前のマスで」受ける。ヒーローは、攻撃を耐えきったときに初めてマスを移動できる。ガードリアクションがこのような性質をもっているため、移動するときはフィギュアをいきなり移動させるのではなく「このマスに移動します」と先に宣言し、ガードリアクションの有無を確認したほうがいい感じ。

次に 2 の移動のときは、A, B の 2 体のオークに隣接している状態から移動するため、これらの2体から攻撃を受ける。ガードリアクションによって複数の攻撃が発生するときに、どのモンスターから先に攻撃するかは、ヒーローを動かしている「右隣りのプレイヤー」が決める。

また、この移動では C にいるゴブリンからも攻撃を受けそうな気もするけど、モンスターと隣接するように移動するだけではガードリアクションでの攻撃はうけない。隣接している状態「から」移動するときに攻撃を受ける。さらに、E にいるゴブリンからは攻撃はうけない。ゴブリンはヒーローのマスか見て壁の向こうにいるため、隣接していると判定されないからである。

最後の 3 の移動では、A のオークに加え C のゴブリンからも攻撃を受ける。ただし、D にいる他のプレイヤーが操作するヒーローからは攻撃は受けない。ガードリアクションが誘発するのは、モンスターだけである。

なお、ガードリアクションは移動でしか発生しない。つまり、ドアの開閉やポータルの使用などでは、ガードリアクションは発生しない。

Heroscape などのゲームでは、敵から離れようとするときだけ同様の攻撃を受けるルールがあるけど、それとは誘発条件が少し違うので、そっちに慣れてると間違いやすいかもしれない。


次の記事では戦闘について説明する。