まさかの時のボードゲーム Arcadia Quest (3) 攻撃の基本

ヒーローの攻撃は、移動する前か移動した後で行なえる。移動中に攻撃して、さらに続けて移動するようなことはできない。

攻撃するときは、攻撃する対象(モンスターか他のプレイヤーが操作するヒーロー)を選び、使用する「攻撃カード」を選ぶ。攻撃カードは、攻撃しようとしているヒーローに割当てられていて、なおかつ「未使用(unexhausted)」状態でなければならない。攻撃カードは、一度使用すると「使用済み(exhausted)」状態となり、カードの上にギルドトークン(自分のギルドボードと同じ色のトークン)が置かれる。このトークンが置かれているカードは、攻撃に使うことができない。再び使用するためには、休息するかアイテムなどを使用して、トークンを取り除く必要がある。

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たとえば、右のヒーローには2種類の攻撃カードが割当てられているけど、左のカードにはギルドトークンが載っている。そのため、今は右の攻撃カードしか使えない。そして右のカードを攻撃に使ったら、そのカードの上にギルドトークンを置き、使用済み状態にする。

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攻撃は、近接攻撃(Melee)と遠隔攻撃(Ranged)の二種類がある。攻撃カードに、どちらの種類の攻撃なのかが書かれている。たとえば、上の右のヒーローは2枚の攻撃カードが割当てられており、そのうち右のカードは近接攻撃(Melee)、左のカードには遠隔攻撃(Ranged)と書かれている。攻撃のタイプの違いにより、攻撃できる対象の条件が変わる。

近接攻撃(Melee Attack)

近接攻撃(Melee)をするカードを使うときは、攻撃対象がヒーローに「隣接」している必要がある。

隣接とは、移動のガードリアクションのところでも説明したけど、「同じマスにいるか、もしくは壁や閉じたドアで遮られていない隣りのマスにいる」ことを言う。

遠隔攻撃(Ranged Attack)

遠隔攻撃(Ranged)のカードを使うときは、攻撃対象まで「視線が通っている」必要がある。視線が通っているとは、自分のいるマスの中心から、対象のいるマスの中心まで直線を引いたとき、その直線上に壁や閉じたドア、自分の操作していないキャラクタが2体いるマスがない、という状態のことをいう。この「自分の操作していないキャラクタ(ヒーローかモンスター)が2体いるマス」のことを「ブロックされたマス」という。

斜め 45 度のマスに対しては、いずれの角が閉じていない状態、または片側の角だけが閉じている状態のときは「視線が通っている」と判定する。両方の角が閉じている状態のときは「視線が通っていない」と判定する。

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ルールブックの図がとてもわかりやすいので、そのまま使って説明してみる。緑の線は視線が「通っている」状態で、赤は「通っていない」ことを意味する。中央にヒーローがいる状態で、真ん中のヒーローから斜め左上と右上のマスに対しては、視線が通っていると判定する。斜めに線を引くと、左のマスの壁の上側(角)が線にかするけど、この状態は視線が通っていると考える。

一方で、右下のに対しては、真下のマスに味方ではないキャラが2体いてブロックされており、右のマスには壁があるため、線が左右の角に挟まれた状態になっている。このような、線の両方に角がある(角が閉じている)場合は、そこは視線が通っていないと判定する。左下に対しては、ブロックされたマスの一方の角はかすってるけど、逆の角は開いているので視線は通っている。

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視線の判定は、だいたい直感にあったものになっている。上の図もルールブックからの引用で、緑は視線が「通っている」、赤は「通っていない」ことを意味する。45 度じゃない場合でも、線の両方の角が閉じている場合はやはり「視線が通っていない」と考える。なお、視線の判定にマスの距離は関係ない。どれだけ遠くても、直線上に遮るものがなければ「視線が通っている」と判定する。

攻撃ロール

攻撃対象と攻撃カードが決まったら、攻撃カードに書かれた剣マークのところに書かれた数だけ、黒いダイス(攻撃ダイス)を取って振る。攻撃を受けた側は、カードに書かれている白に黒い盾のかかれたアイコンに書かれた数だけ、白いダイス(防御ダイス)を取って振る。ちなみに、モンスターの多くは防御ダイスのアイコンが存在しない(つまり、防御ダイスは振らない)。

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たとえば、上のヒーローの攻撃カードの場合、右の遠隔攻撃カードを使うなら振るダイスの数は 2 であり、左の近接攻撃カードを使うならダイスは 3 である。

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近接攻撃のときは、黒いダイスで出た剣のマークの目ごとに「ダメージ+1」と計算する。遠隔攻撃のときは、黒いダイスで出た弓のマークの目ごとに「ダメージ+1」と計算する。黒いダイスで火花みたいなマークが出たときは、クリティカルを意味する。この目が出たら、近接攻撃でも遠隔攻撃でも「ダメージ+1」と計算する。そして、追加で攻撃ダイスを1つ振る。火花マークが2つ出たら、2個のダイスを追加で振る。追加で振ったダイスでさらに火花マークが出たら、「ダメージ+1」としてさらに追加でダイスを振る。これを、火花マーク以外が出るまで繰り返す。

防御側は、防御ダイスの盾マークの目ごとに「ダメージ-1」と計算する。防御ダイスの火花マーク(クリティカル)は、「ダメージ-1」と計算した上に、追加で防御ダイスをひとつ振る。火花マークが2つ以上出たときや、追加ダイスでさらに火花が出たときは、攻撃のときと同じように処理する。

こうして、最終的に攻撃側のダメージ数から、防御側のダメージ数を相殺して、残ったダメージが 1 以上なら、防御側のカードにそのダメージに等しい負傷トークンを置く。ダメージを受けたのが Villain 以外のモンスターの場合は、モンスターのフィギュアの横に負傷トークンを置く。

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たとえば、近接攻撃のカードで攻撃したとき、ロールが上のような結果になったときは、ダメージは 1 になる(剣1つは盾1つで相殺される)。遠隔攻撃のカードで攻撃したときは、ダメージは 0 である(弓と盾が同数のため)。

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別の例をあげよう。近接攻撃をした結果、ロールの結果がこの状態になったとする。攻撃側、防御側ともにクリティカルの目があるので、その数(1つ)分のダイスをそれぞれ追加で振る。

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その結果、この状態になったとしたら、ダメージは合計で 1 である。

なお、クリティカルの目が出たときは、ヒーローやモンスターの能力によって、何らかの特殊な効果が発生することもある。どんな効果が発生するかはカードに書いてある。クリティカルの目が出たときに、カードに書かれた効果が発生したとしても、それとは無関係にダメージ+1/-1の効果とダイスを追加する効果は発生する。


戦闘の基本はこんなかんじ。次の記事では、戦闘で誘発するモンスターのアクションや、戦闘後の処理などについて説明する。