まさかの時のボードゲーム Arcadia Quest (4) 攻撃に対するリアクション

このゲームでは、ヒーローが攻撃することによって、モンスターが反撃行動をする。この行動が少し特殊で間違いやすいため、詳しく説明する。その他、戦闘に関しての「報酬」や「モンスターの復活」についても触れる。

攻撃により誘発する攻撃(ガードリアクション)

ヒーローが攻撃を行なったとき、攻撃対象となったモンスター(または味方ではないヒーロー)が、攻撃を実行したヒーローに隣接していなかったときは、ヒーローに隣接している他のモンスター全てが、攻撃を実行したヒーローを攻撃する。これを、攻撃で誘発するガードリアクションという。

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たとえば上のような状態で、ヒーローが2マス離れたオークを遠隔攻撃したとする。このとき、攻撃したヒーローに隣接するゴブリン2体は、ガードリアクションを誘発してヒーローを攻撃する。これは、ヒーローが攻撃した対象が、ヒーローに隣接していないキャラクタであって、なおかつ攻撃を実行したヒーローには、隣接しているモンスターがいるためである。

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一方で、同じ状況で下にいるゴブリンを近接攻撃したとする。このときは、上にいるゴブリンのガードリアクションは誘発しない。なぜなら、ヒーローが攻撃したのはヒーローに隣接したモンスターだからである。攻撃したモンスターと別のモンスターがヒーローに隣接していたとしても、攻撃対象のモンスターがヒーローに「隣接」していさえすれば、ガードリアクションは発生しない。このルールは、ちょっとややこしい。

なお、このガードリアクションによる攻撃は、ヒーローの攻撃が解決したあとで発生する。複数のモンスターのガードリアクションを誘発した場合は、どのモンスターから順に攻撃するかは、ヒーローを操作しているプレイヤーの「右隣りのプレイヤー」が決める。

攻撃したモンスターからの反撃(ペイバックリアクション)

ヒーローが攻撃したモンスターは、ヒーローの攻撃が解決したあとで、ヒーローを攻撃できる。この攻撃の「前」に、モンスターカードの中段左(ピンクのアイコン)に書かれた「移動力」の分だけ、モンスターは移動することができる。この、モンスターからの反撃のことをペイバックリアクションという。

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ここで、「攻撃できる」とか「移動できる」という不思議な表現になっているのは、実際に移動したり攻撃するかは、攻撃を実行したヒーローの「右隣りのプレイヤー」が決めることができるからである。つまり、もし「右隣りのプレイヤー」がモンスターで攻撃しないと決めたら、攻撃したヒーローはモンスターから反撃を受けずに済む。

ただしこのゲームでは、自分の操作するヒーローではない(他のプレイヤーの)ヒーローが何らかの理由で倒されると、自分は1コイン貰えるというルールがある。そのため、できるだけ自分以外のヒーローは倒しておきたい。つまり、モンスターで他プレイヤーのヒーローを攻撃できるなら、しないにこしたことはない。・・・という感じになるので、モンスターを攻撃したヒーローは、だいたいの場合(右隣りのプレイヤーの操作する)モンスターから反撃を受けることになる。

モンスターで反撃する場合、それを操作するプレイヤーは、モンスターを都合のいいマスまで移動させることができる。ただし、あくまでモンスターの持つ移動ポイントの範囲でしか動かせないし、ヒーローの移動と全く同じルールのもとで移動する必要がある。

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たとえば、上の状態で青のヒーローがすぐ左にいるモンスターを攻撃したとする。そして、モンスターの攻撃を担当するのが、黄色のヒーローを操作しているプレイヤーだとしよう。このとき、ペイバックリアクションで反撃するとき、モンスターは攻撃してきたヒーローに隣接しているので、そのままでも攻撃させられる。しかし、モンスターをヒーローのいるマスに移動させてから、モンスターに攻撃させたほうが、黄色のプレイヤーとしてはお得である。なぜなら、このモンスターを移動させてしまえば、その左にいる自分のヒーローが次に移動するときに、そのモンスターからのガードリアクションを受けずにすむからである。

このように、モンスターの移動はあくまで「右隣りのプレイヤー」の都合のよいように実行してよい。仮にモンスターを移動させることで、攻撃してきたヒーローを攻撃できなくなってしまってもいい(その場合は、もちろんヒーローを攻撃できない)。移動だけして攻撃しなくてもいいし、モンスターを移動も攻撃もさせたくなければ、何もしなくてもいい。ただし、移動させるなら必ず攻撃する前に行なう。攻撃してから移動させることはできない。

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ペイバックリアクションでモンスターに攻撃させるときは、必ず攻撃してきたヒーローを」攻撃の対象にしなければならない。攻撃してきたヒーローを対象にしない限り、他のヒーローを攻撃することはできない。ただし、攻撃してきたヒーローを対象にしさえすれば、モンスターの能力を使って他のヒーローを攻撃するようなことは可能である。

たとえば、上の写真の中央にいるボスオークは「隣接するすべてのヒーローを攻撃する」という能力を持っている。ここで、右の青いヒーローがこれを攻撃したときは、ペイバックリアクションで左にいる黄色のヒーローまで反撃を受けてしまう。

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そこで、黄色プレイヤーはこのようにボスオークを移動させてから、攻撃させることにする。そうすれば、黄色ヒーローはまきこまれず、青のヒーローだけを攻撃させることができる。ただし、攻撃させるときは必ず最初に攻撃してきたヒーローが攻撃対象になるようにしなけばならない。もし、攻撃してきたヒーローに隣接しない場所にボスオークを移動させてしまうと、他に隣接したヒーローがいたとしても、ボスオークは誰も攻撃できない。

・・・とまあ、なかなかややこしいけど、自分が攻撃を仕掛けたモンスターは、自分の右にいるプレイヤーが好きに操作して自分のヒーローを攻撃してくる、というように認識しておけば良い。もちろん、左隣りのプレイヤーが攻撃したモンスターは、自分が好きなように動かして攻撃させられる。

オーバーキル

モンスターを攻撃したとき、モンスターの HP 以上のダメージを与えたら、モンスターを倒すことができる。しかし、たとえ HP 以上のダメージを受けていたとしても、モンスターは倒れる前にペイバックリアクションを実行できる。その後で、はじめてモンスターはボード上から除去される。ここはちょっと間違いやすいところ。

モンスターを倒したとき、オーバーキルアイコン(左上の白いアイコン)に書かれた数字以上のダメージを一度に与えたときは、このペイバックリアクションが発生しない。モンスターはただちにボード上から除去される。

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たとえば、この右のモンスターの場合、一度の戦闘で 3 ダメージ以上与えたときは、ヒーローは反撃を受けない。しかし、2 以下のダメージで倒したときは、ヒーローは反撃を受けるかもしれない。モンスターに最初から 1 の負傷トークンがあり、その上で 2 ダメージ与えて倒したときは、オーバーキルにはならない。この場合は、モンスターから反撃を受ける可能性がある。オーバーキルの判定は、あくまで一度の戦闘で与えたダメージの量で行なわれる。

討伐の報酬

モンスターを倒したら、倒したヒーローを操るプレイヤーは、モンスターカードに書かれている枚数のコインを貰える。このとき、最後にダメージを与えたヒーローだけがコインを貰える。倒されたモンスターは「墓場」ボードで、空いている一番数字の小さいスペースに置かれる。もし墓場ボードがいっぱいだったときは、モンスターは箱に戻す(二度とこのシナリオではボードに出てこない)。

この方法で得られるコインは、キャンペーンで連続してシナリオをプレイするときに、シナリオの合間にカードをアップグレードするときに使う。シナリオのプレイ中には、獲得したコインを使うことはないし、勝利点に数えられるようなこともない。

他プレイヤーのヒーローを倒したときは、倒してヒーローを操るプレイヤーが 1 コインもらう。他プレイヤーのヒーローがモンスターの攻撃などで倒されたときは、そのプレイヤー以外のすべてのプレイヤーが 1 コインずつもらう。ヒーローが倒されたきは、そのヒーローの上にデストークンを1つ追加する。

Villain というタイプのモンスター(ボス)は特殊で、倒されたときにはダメージを与えたヒーローすべてが、モンスターカードに書かれた枚数のコインを受けとる。ヒーローが Villain モンスターにダメージを与えたときは、モンスターのカードの上に自分のギルドトークンを置き、報酬をもらうときの目印にする。

ただしモンスターを「倒した」のは、最後にダメージを与えたヒーローということになる。そのため、Villain モンスターを倒すクエストでは、最後にダメージを与えたヒーローだけが、クエストをクリアしたことになる。

モンスターの復活

モンスターが倒されたら「墓場」ボードの上の、一番数字が少なくてあいてるマスに置かれる。そして、次のプレイヤーのターンの開始時に、復活するかどうかを判定する。もし墓地に置くスペースがなかったら、そのモンスターは箱に戻す(二度とそのシナリオでは復活しない)。

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墓場にいる戦闘のモンスターから順に、黒ダイスを二つずつ降って復活判定をする、出た目と、ボード上にある「復活トークン」の目の組合せを比べ、同じ目の組合せのトークンがあったときは、そのモンスターをそのマスに置く。

もし、ダイスの出た目に一致する組合せのトークンがなかったら、そのモンスターは箱に戻す。また、対応するトークンのあるマスが「満員」(2体のキャラクターがいる状態)だったときも、同様に箱に戻す。


ここまでで、ルールの重要なところはほぼ書いた気がする。次回は「休憩」についてと、多少こまかいところをいくつか書いてみる予定。