MTG カード与太話: 異界月より「ガイアー岬の療養所」


ガイアー岬の療養所

ガイアー岬は、イニストラードにある大陸にある州のひとつである、ステンシア(Stensia)という州に存在している。ガイアー岬は、ステンシア州全体に Z 字を描くような形で山岳地帯を形成しており、州の縁から中央に向うにつれて標高が高くなっている・・・という説明を読んだところで、違和感に気がついた。地名の説明では「山地」とされているのに、なぜか和名では「ガイアー岬」となっている。

イニストラードが出たときに、英語名にある Reach という単語をなぜか「岬」と訳したらしい。Reach 自体には「岬」の意味はなく、地形を意味するときは「ある川の上流(または下流)」または「入江」というような意味で使われているようだ。しかし、背景設定的にはどちらの訳も当てはまっていない。背景設定を考慮するなら、Reach は「広い地域」みたいな意味があるので、「ガイアー山岳地帯」または「ガイアー山地」などが妥当な訳という気がする。そもそも、過去の《ガイアー岬の山賊/Geier Reach Bandit》や《ガイアー岬の災い魔/Scourge of Geier Reach》はいずれも赤のカードだし、絵を見ても水辺とは関係なさそうだ(というか、前者は「山賊」と訳されてるよね)。Reach の訳語を「岬」にしたのは、どういう理由だったんだろう。

ちなみに、ガイアー岬の奥地には「人間たちには知る由もない」何かがあるそうだけど、その「何か」がこの診療所なのだろうか。迂闊に入ったら、ハエ人間にでも改造されそうだ。カードを1枚引く(患者が1人来る)のはいいとして、さらに1枚カードを捨てる(何か別のものが出ていく?)あたりに、その怪しさが出ている気がする。この謎の診療所まで行けば、地名の謎も解け・・・ますかねえ。

MTG カード与太話: 異界月より「即時却下」


即時却下/Summary Dismissal

《キオーラの放逐/Kiora’s Dismissal》や《計算された放逐/Calculated Dismissal》のように、Dismissal はこれまで「放逐」と訳されていたのが、これは Summary 込みで「即時却下」と訳された。Summary Dismissal の英語の意味は「懲戒解雇」に近いと思うんだけど、それだとカードの能力と少しずれた感じがするため、別の訳語を模索したぽい。おそらくは、法律用語の “Summary Judgement” が「簡易判決」とか「即決裁判」 というように訳されるのにあわせて、Summary を「即時(即決)」、 Dismissal を 「却下」(判決の却下という意味がある)と意訳したのではないか、と勝手に推測している。この名前なら、カードのイメージと合致している。ただ、今後 Dismissal という単語をもつカードが出てきたとき、どう訳すかを悩みそうだけど・・・

《取り消し/Cancel》に1マナ足しただけで、ほとんどすべての呪文と能力を打ちけせるようなった、というようなカード。4マナはなかなか重いけど、《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll》が出るのを阻止できたり、江村先生をターン追加能力ごと止められるのはすごい。呪文だけではなく能力の打ちけしにも使えるので、汎用性はなかなか高そう。刹那カードは打ち消せないのが玉に瑕ではあるものの、それは微々たる欠点かも。いつもながら青いデッキのことはよくわからないけど、相手に使われたらかなりイヤなカードなことは間違いない。

MTG カード与太話: 異界月より「地獄の樹」


地獄の樹/Tree of Perdition

非常に珍しい、黒い植物。しかも、過去の黒い植物はすべからくアンデッド(スケルトンかゾンビ)だったのに対して、これは生モノの植物になっている。MTG の長い年月を経て、ついに黒い世界にも生きている(純粋な?)植物が生えるようになったらしい。ちなみに「植物」というサブタイプを持つクリーチャーは、イメージ通り緑に一番多くいる。しかし、次に多いのは何げに黒だったりする。青は単色では1体(1本?)しかいない。白は単色の植物は存在していなくて、緑との多色植物が1体いるだけだし、赤に至っては多色を含めて植物は存在しない。まあ、赤にいないのは分かるけど、白単色の植物がいないのはちょっと意外だった。白い平地には、実は植物は生えていなかったらしい。

カードとしては《解放の樹/Tree of Redemption》のライフの交換対象が対戦相手になった、という感じのもの。色と対象が変わっただけで、クリーチャーのサイズやマナコスト、起動コストや植物である点まで全く同じになっているのは面白い。名前も意識して付けられているよね。

とりあえず、相手に無限ライフコンボされても、これさえいれば悲しくならないで済む。狙って使うなら、-13/-13 にできる《悲劇的な過ち/Tragic Slip》のようなカードと組合せたいところ。ただ、そのまま使うと普通にこれが死んでしまうので、ちょっと工夫が必要になる。現状、-13/-13 というカードはあっても -12/-12 とか -11/-11 にするカードはないのよね。たぶん、この答えは別の方向にあるという気がする。