まさかの時のボードゲーム Gloomhaven [4] キャンペーンゲーム

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このゲームは、キャンペーンとしてプレイすることが前提になっている。キャンペーンは複数のシナリオで構成されており、ひとつのシナリオをクリアすると次の(いくつかの)シナリオがアンロックされ、プレイできるようになる。また、シナリオで得た経験値や報酬を使って、自分自身を強化することもできる。そして、シナリオをクリアしていくうちに、新たなクラスをプレイできるようになったり、Gloomhaven の街自体が発展して新たなアイテムを購入できるようになったりする。

キャンペーンにはメインのストーリーラインがあり、それを追っていくことで「メインストーリーをクリアした」という状態にたどり付くことはできる。しかし、それ以外のサブストーリーが無数にある上に、繰り返し遊べる「ランダムダンジョン」という要素もあるので、実質的にキャンペーンゲームには終わりはない。シナリオブックにあるシナリオだけでも 95 もあり、これらをクリアするだけでも年単位のプレイ時間がかかることは間違いない。

これは Gloomhaven の街(右上)と、その周辺の地域のマップである。

シナリオをクリアしたら、クリアしたシナリオのシールをマップに貼っていく。たとえば、最初のシナリオ Black Barrow をクリアしたら、マップ上に 1 と描かれた場所にシールを貼る。次の Barrow Lair をクリアしたら、すぐ横にある 2 のところにシールを貼る…といった感じである。そうやってシナリオをクリアしていくと、だんだんとマップの上にシールが増えていくというわけだ。

ある程度まとまったシナリオ群をクリアすると「業績(アチーブメント)」を獲得できる。業績を獲得することで、アンロックされるシナリオもある。獲得した業績は、対応するバナーのシールがあるので、それをマップの上の部分に貼っていく。キャンペーンが進めば進むほど、この業績のシールも増えていくことになる。

シナリオをクリアすることで、Gloomhaven の街自体が発展することもある。発展の度合いは、マップの下にあるゲージで表現される。街が発展すると、より高いレベルのアイテムを購入できるようになったり、クラスチェンジしたときの初期レベルを 2 以上から始められたりする。

こうやって、マップをどんどん埋めていくこと自体が、究極的なキャンペーンゲームの目的(というより楽しみ)であると言えよう。

ちなみに、壮大なキャンペーンゲームをプレイしている時間がないという人のために、カジュアルプレイというシナリオ単体を個別に遊ぶ方法や、インスタンスダンジョン(ランダムに生成できるダンジョン)を遊ぶ方法も用意されている。さらに、多人数でプレイできない人のために、ソロプレイのシナリオも用意されている。しかもそれはオマケ程度のものではなく、本格的なソロ用シナリオが大量に用意されており、まったく手抜きがない。用意されているコンテンツのボリュームがあまりにも膨大で、まさに無限に遊べるゲームといっても過言ではないだろう。

クラスの選択とキャラクタの作成

キャンペーンゲームをプレイするには、まずプレイヤーが各自使用するキャラクタのクラスを選択して、パーティを組む必要がある。初めて Gloomhaven の街を訪れたときは、初期の 6 つのクラス (Brute, Tinkerer, Spellweaver, Scoundrel, Cragheart, Mindthief) から一つを選ぶ。2人以上のプレイヤーが、同じクラスをプレイすることはできない。

  • Brute: 防御力や HP が高く、近接攻撃を得意とする。攻撃のダメージは高め。シンプルなアクションが多く、状態異常や回復や移動などは苦手。
  • Spellweaver: 遠隔攻撃を得意とする。防御力や HP は低めで、エレメンタルを使って追加の効果を得る能力をもつ。
  • Tinkerer: 遠隔攻撃、範囲攻撃、回復を得意とする。召還もできる。手札が多く行動に自由度が高い。一方で攻撃力自体は低め。
  • Scoundrel: 忍者的なクラス。攻撃方法に若干癖がある。罠の解除、宝の回収、不可視化などの能力を持つ。
  • Cragheart: 遠隔攻撃が得意とし、防御力や HP も高い。基本ダメージは若干低いが、エレメンタルの使用で能力を底上げできる。
  • Mindtheif: 純粋な攻撃は得意ではないが、状態異常や支援能力、隠密行動に優れる。HP は少なめ。

クラスを決めたら、対応するクラスのキャラクターシートに、キャラクターの名前を書く。名前は完全にロールプレイのためだけに使う。最初の時点ではレベルは 1 なので、レベル 1 のところに印をつけておく。初期ゴールドとして 30 ゴールドを受けとり、受け取ったゴールドシートの上に記録しておく。印刷できるシートの pdf は、下記から入手できる。

キャラクターシートの pdf

それから「ゲームの概要」でも説明したように、レベル1のアビリティカードの束と、クラス用の5つのトークン、フィギュア、キャラクターマットを受けとる。これらは、一連のキャンペーンゲームを続ける間は、基本的にひとりのプレイヤーが使い続けることになる。

しかし、キャンペーンのプレイ中にずっと同じクラスを使い続けるというわけではない。キャラクターには「引退」というイベントがある。引退したキャラクターは、以後のシナリオには参加できなくなる。キャラクターが引退してしまった時は、プレイヤーは新しくアンロックされたクラスをプレイすることになる。その場合、キャラクターは初期状態から始まることになるが、街の発展度合いによってレベル 2 以上の状態から始めることができたりする。また、アンロックされた(最初からは使えない)クラスは、初期のクラスより強力なアビリティを持っていたりするので、極端に弱い状態からプレイしなおし、みたいなことにはならないようになっている。

引退の条件は、キャラクターを作ったときに引く「個人クエストカード」に書かれている(ことがある)。個人クエストカードには、プレイヤーが個人的にクリアすべき条件が書かれている。その条件はそれほど簡単ではなく、シナリオを多数クリアしていくことで、クリアできるような内容になっている。条件をクリアしたとき、そこに「Open Box」と書かれていたときは、現在プレイ中のキャラクタは「引退」し、新たに開いたボックスの中のクラスのキャラクターを新たに作成し、以後のキャンペーンはそのキャラクタでプレイすることになる。

条件を満たしたことによる「引退」は強制なので、キャラクタに愛着がわいてどうしても引退したくない場合ば、条件を満たさないようにプレイすることになる。とはいえ、キャラクターのレベルには上限もあるし、新たなクラスには新たな魅力もあるので、パーソナルクエストのクリアを目指してクラスチェンジすべきなのか、同じキャラクタをプレイし続けるのか、その判断はなかなかに悩ましい。

ちなみに、キャンペーンを進めている途中から、新たなプレイヤーが新規にキャラクターを作って参加することもできる。その場合でも、Gloomhaven の街が発展していれば、レベル 2 よりも高い状態から始めることができるし、アイテムのレベル1の街よりも良いものが買えたりするので、新たに参加したプレイヤーが一人だけ弱くて足手まといになる、みたいなことが起こりにくい。

パーティ

このゲームでは、基本的にパーティ単位で行動する。パーティは複数のキャラクタで構成する必要があり、パーティを結成したらシートにパーティの名前と所属するキャラクタの名前を書いておく。ひとつのパーティに所属できるキャラクタ数にルール上の上限はないが、同じクラスのキャラクタがひとつのパーティに所属することはできないため、事実上の上限はある。

パーティはシナリオクリアや、イベントカードの効果によって「評判」が上がったり、下がったりすることがある。評判が良いパーティは、街でアイテムを買うときに安価に買えたり、街でのイベントで有利な条件を選択できたりと、いろいろと特典がある。逆に評判の悪いパーティは、アイテムを高く買わされたり、イベントで不利な内容を実行させられたりする。

なお、パーティに 5 人以上のメンバーがいても、シナリオは 4 人までしか同時にプレイできない。そのため、5人以上のメンバーがいるパーティでは、どのメンバーがシナリオに参加するのかを、シナリオごとに決める必要がある。シナリオによって、参加するメンバーが交代することは問題ない。

ちなみにパーティシートについては、印刷して使えるシートを作って BGG で公開している人がいる。見た目もオリジナルのものより格好いいし、シナリオ間の関連情報が書いてあって便利だし、記入欄が実用的な上に、pdf を直接編集することもできてたりして、ものすごく便利なものになっている。

オリジナルのパーティーシート (BGG)

キャンペーンプレイの流れ

キャラクターとパーティがセットアップできたら、キャンペーンゲームをプレイできる。キャンペーンでは、おおむね以下のルーチンを繰り返すことになる。

  1. 以下は街にいるときに実行する (順番は問わない)。
    • City Event カードを1枚ひいて、内容を解決する。
    • アイテムの売買をする(したければ)。
    • レベルアップする(可能なら)。
    • 「チェック」を使った強化をする。
  2. プレイするシナリオを決める。
  3. シナリオの場所が今いる場所から離れていれば、Road Event カードを1枚ひいて、内容を解決する。
  4. シナリオをプレイする。
  5. シナリオをクリアしたなら、報酬を獲得する。またバトルゴールカードの内容を達成したプレイヤーは、その報酬も獲得する。
  6. シナリオが終了したら除去されるカードを、デッキなどから取り除く。
  7. 街に戻るか、次のシナリオをプレイするかを選択する。街ではない場所のシナリオをプレイする場合は 2 の手順に飛ぶ。街に戻る場合は 1 の処理に飛ぶ。

あまり厳密ではないけど、だいたいこんな感じの手順になる。

City Event カードを引く

パーティは、どのような理由であれ Gloomhaven を訪ずれたら、そのたびに City Event デッキからカードを1枚引いて、そこに書いてあることを実行してもよい(パーティ全体で1枚だけ引く!)。

写真の上の列のカードは表面で、下の列のカードは裏面を映している(若干ネタバレになるので、あえてテキストの内容は読まないほうがいいかも)。だいたいの場合、カードの表面のテキストに A, B の二つの選択肢があり、パーティでいずれかの選択肢を選んでから裏面を見る。裏面には、A を選択した場合と B を選択した場合の、それぞれのイベントの「結末」が書かれているので、それらの内容を実行する。

選択の「結果」によって、パーティの評判が増減したり、いくらかのゴールドを手に入れたり、何らかの「業績」を獲得したりする。ちなみに、City Event のカードを引くかどうかは「任意」であり、気がむかなければ引かなくてもいい。ただし、City Event は良い結果になることが多いので、引ける機会にはできるだけ引いたほうが良い気がする。

アイテムの売買

アイテムカードはアビリティカードとは別に、ラウンド中にいろいろなアクションを実行できるカードで、所持しているゴールドを使って街で売買することができる。シナリオのプレイ中に、宝箱などから入手できることもある。アイテムは装備できる部位が決まっていて、キャラクターは基本的に各部位には 1 つずつのアイテムしか装備できない。アイテムの機能は、移動力を上げるもの、攻撃力を上げるもの、HP を回復するもの、特殊なアクションを行なうものなど様々である。

街で買えるアイテムは、街の発展度によって異なる。上のアイテムカードは、街の発展度が 1 のときに買えるカードである。最初にキャンペーンを始めた時点では、キャラクターはレベル 1 の Gloomhaven の街にいて、30 ゴールドを初期ゴールドとして持っているので、これらのカードの中から 30 ゴールド分のアイテムを買うことができる。

シナリオにアイテムを持ち込む(装備する)かどうかは、プレイヤーがシナリオの開始前に選択できる。ただし、アイテムカードを 1 枚装備するたびに、攻撃修整デッキに “-1” カードを追加するというペナルティがある。そのため、大量にアイテムカードを装備してシナリオを始めると、修整デッキに大量に “-1” のカードが追加されることになる。アイテムによっては、装備することで -1 カードを 2 枚追加しなければならないものもあるため、どのアイテムを装備するかは多少考える必要がある。

なお、キャラクタ間でアイテムを受け渡すことはできない。また、アイテムを売買できるのは、キャラクタが街にいるときだけである。

アイテムの売買とは直接関係はないが、キャラクターは街に来たときに 10 ゴールドを寄進することで、次のシナリオで 2 枚の BLESS 付きの x2 攻撃修整カードを二枚、攻撃修整デッキに入れることができる。これらのカードは、シナリオが終了したらデッキから除去する。

レベルアップ

街にいるときに、シナリオのプレイ中に得た経験値を使って、キャラクタをレベルアップさせることができる。レベルアップすると、新たなアビリティカードを使えるようになったり、攻撃修整デッキのカードをよりプレイヤーに有利なものに交換したりできるようになる。また、シナリオ開始時の初期 HP も増加する。

レベルアップしたときに得られる特典については、それぞれのキャラクタ用のシートに書かれている。

「チェック」を使った強化

シナリオをプレイするときにプレイヤーが受けとる「バトルゴールカード」に書かれた条件をクリアすると、シナリオ終了時に「チェックマーク」を受けとることがある。この、受けとったチェックマークを使って、キャラクターを強化することができる。

キャラクターシートの右の中段に、Notes という欄があり、そこに□が三つずつ並んでいる。バトルゴールカードの報酬でチェックマークをひとつ受けとったら、ここの□にチェックを書きこむ。チェックが三つ集まったら、それらのチェックマークを消費して、Notes の上の欄のひとつにチェックマークを「ひとつ」付けることができる。そのチェックを付けることで、キャラクターの能力が強化される。

たとえば、上の写真のキャラクターの Perks 欄のシートの一番上のチェックマークを付けると「修整デッキから -1 のカードを二枚除去する」という能力を得る。この能力を得たあとは、シナリオで攻撃修整デッキを作るときに、そこから -1 の修整カードを2枚取り除いた状態でプレイすることができるようになる。

チェックマークを集めることで、どんどん攻撃修整デッキが自分に有利なものになり、結果的に戦闘を有利に進めることができる。なお、このチェックマークによる強化は、レベルアップの時にもできることがある。

この他にも、アビリティカードの強化という要素もあるけど、長くなるので説明は省略する。

プレイするシナリオの決定

パーティで相談して、次にプレイするシナリオを決める。ただし、自由に選択できるわけではなくて、シナリオごとにプレイするための「条件」が設定されており、シナリオブックの該当するページの左上の Requirements のところにその条件が書かれている。また「場所のアンロック」という要素があり、基本的にはシナリオクリアによって「アンロック」されている場所のシナリオしかプレイできない。ロケーションは、シナリオ番号のすぐ左に書かれている。

たとえば、シナリオ番号 1 (ロケーション G-10) の Black Barrows は Requirements に None とあるので、業績については何の条件もなくプレイできる。

ロケーションのアンロックについても、シナリオブックの冒頭で(上の写真) G-10 のロケーションがアンロックされているため、このシナリオはプレイ可能ということになる。

これに対してシナリオ番号 2 (G-11) の Barrow Lair の Requirements には First Steps (Party) COMPLETE と書かれている。これは “First Steps” の業績を獲得したパーティでないとプレイできないことを意味している。First Steps は、シナリオ 1 の Black Barrows をクリアすることで(パーティが)獲得できる (シナリオ 1 の右側の Party Archivement に書かれている)。つまり、シナリオ 1 をクリアしたパーティだけが、シナリオ 2 をプレイする条件になっている。

また、ロケーションについてもシナリオ 1 の New Locations の項目に G-11 とあり、シナリオ 1 をクリアすることで G-11 のロケーションがアンロックされる。このため、いずれにしてもシナリオ 1 をクリアしていなければ、シナリオ 2 はプレイできないことになる。

シナリオ番号 3 の Inox Encampment の Requirements には、The Merchant Flees (Global) INCOPLETE と書かれている。これは、キャンペーンゲーム全体で The Marchant Flees という業績が未達成であるときに限り、いずれのパーティもプレイできることを意味している。ゲームを開始した直後は、どの業績も未達成の状態になので、つまりこのシナリオはゲーム開始直後でも業績の条件はクリアしていることになる。。

一方でロケーションについては、G-3 のロケーションをアンロックするシナリオ (シナリオ 2) を先にクリアしておく必要がある。そのため、業績の条件は問題ないとしても、シナリオ 2 をクリアしないと、このシナリオはプレイできないことになる。このようなアンロックの縛りがあるため、基本的にはシナリオはある程度順番に進める必要があるようになっている。

プレイするシナリオを決定したら、シナリオブックに従ってシナリオのマップタイルの組立や、モンスター、宝箱などの配置をする。

シナリオの準備

シナリオの準備は、基本的にシナリオブックの記述に従って行なう。どのシナリオの準備でも、だいたい次のような作業を行なう。

  • 指定されたマップタイルを見つけて、指定された形に並べる。
  • 指定されたモンスタータイプのアビリティデッキを作る。
  • モンスターのデータシートを用意し、シナリオレベルにあわせてモンスターのレベルを決める(スリーブに入れる)。
  • パーティの人数に合わせて、モンスターのフィギュアを配置する。
  • 宝箱や障害物、ドアなどのタイルを置く。
  • その他、シナリオに記述があれば、それに従う。

これらとは別に、キャラクター側の準備と、マーカー類の準備、エレメンタル影響テーブルを配置する。

たとえば、シナリオ番号 1 の Black Barrow の場合は、マップタイル L1a, G1b, I1b の三つを組合せて、シナリオに描かれた絵と同じ状態に組みあわせる。タイルは表裏があるので、間違えないようにする。

次に、シナリオで指定されているモンスターのアビリティデッキ、データシートの用意をする。このシナリオでは、Bandit Guard、Bandit Archer、Living Bones の三種類のモンスターを使うので、これらのモンスターのアビリティデッキとデータシートを箱から取りだす。

次にシナリオレベルを決める。シナリオレベルは、パーティのキャラクターの平均レベルと、パーティが選択した「難易度」で決まる。前者は自動的に計算されるが、後者のほうはパーティが難易度を「易しい」「通常」「困難」「非常に困難」の四段階から選べる。より高い難易度を選ぶことで、クリア時の報酬が増加するという特典があるが、それだけ敵が強くなってクリアは困難になる。

シナリオレベルの計算は、パーティの平均レベルに上の難易度表に書かれた数値を加える(減じる)ことで計算される。たとえば、ゲームを始めたばかりの平均レベル 1 のパーティで、難易度「通常」を選んだ場合は、シナリオレベルは 1/2 + 0 = 1 (0.5の端数切り上げ) になる。なお、シナリオレベルの上限は 7 で下限は 0 である。

シナリオレベルが決まったら、それに応じてモンスターのレベルや報酬へのボーナスなどが決まる。モンスターのレベルが決まったら、そのレベルの部分以外を隠すように、データシートにスリーブを付ける。

たとえば、シナリオレベル 1 の場合は上の表によるとモンスターのレベルは 1 になるので、1 のところが表示されるようにスリーブを付ける。アビリティデッキは、モンスターごとに分かるように置いておく。

モンスター共通の攻撃修整デッキを 20 枚の攻撃修整カード(上の写真は 1 と書いてあるけど、実際にはカードに M と書いてあるものを使う)で作成し、分かりやすい場所に置いておく。

マップにモンスターを配置するときは、シナリオのマップに書かれているモンスターの絵の周囲にある、パーティの人数にあわせて、白、黄色、黒のマークを見て配置をする。

モンスターの周囲に描かれた色は、黒が「配置しない」、白が「ノーマルを配置」、黄色が「エリートを配置」を意味する。そして、左上の色は「パーティが2人のときの配置条件」、右上の色は「パーティが3人のときの配置条件」、下の色は「パーティが4人のときの配置条件」を意味する。

たとえば、シナリオのマップの図が上のようなとき、2人のときのモンスターの配置条件は、左から順に配置しない(黒)、配置しない(黒)、ノーマルを配置(白)、エリートを配置(黄)、ノーマルを配置(白)、配置しない(黒)、配置しない(黒)となって、つまり 3 体の Bandit Guard (1体はエリート)を配置する。

実際に配置するとこのようになる。同様に、三人のときは、左から順にノーマルを配置(白)、ノーマルを配置(白)、ノーマルを配置(白)、配置しない(黒)、ノーマルを配置(白)、ノーマルを配置(白)、ノーマルを配置(白)、となりノーマルを6体配置する。

なお、このマップではドアが2つあって、部屋が 3 つに分けらている。このような場合は、モンスターは最初の部屋だけに配置する。次の部屋のモンスターは、次の部屋へ続くドアをあけた時に配置する。

モンスターを配置したら、ドアなどの障害物や机、罠などのタイルを置いてマップは完成になる。なお、キャラクター側のプレイエリアの準備も、これらとは別に行なう。

Road Event カードを引く

もし、シナリオを開始する場所がいまパーティがいる場所から離れているなら、シナリオの開始前にパーティで Road Event カードを 1 枚引いて、その内容を解決する。このイベントは、パーティが街道を移動している途中に起こる、さまざまなイベントを表している。

なお、Road Event カードを引くのは「強制」である。都市カードと違って、引かないという選択はできない。

Road Event カードは、City Event カードと同じように表面にイベントが書かれており、A か B かを選択するか、何らかの条件に従って A、B のいずれとなるかを決める。その後に、裏面を見て選択した項目に書かれた内容を実行する。City Event とは違って、Road Event の結果はシナリオのプレイが有利になったり不利になったりするような内容が多い。

シナリオをプレイする

ここまでの処理を行なって、ようやくシナリオ本体をプレイする。プレイ方法については、前の記事の「ラウンドのプレイ」で書いたので、ここでは割愛する。

シナリオ終了時の処理

シナリオが終了したら、その成否にかかわらずシナリオ中に拾った現金トークンを集計する。現金トークンは、シナリオレベルによる修正値を乗じた値をゴールドとして受けとる。その他、使用したアイテムカードを元に戻したり、HP を MAX まで回復させたり、デッキ類を元の状態に戻したりする。

シナリオをクリアしたときは、シナリオブックに書かれた報酬を獲得できる。また、シナリオをクリアしていて、なおかつバトルゴールカードの条件を満たしたプレイヤーは、その報酬も獲得する。シナリオクリアの経験値ボーナスも貰える。なお、シナリオのクリアは「パーティ」単位で判定されるので、自分のキャラクタがシナリオの途中で「退場」させられても、他のパーティメンバーがシナリオをクリアすれば、退場させられたキャラクタも(パーティとして)「クリア」したことになる。

シナリオによっては、クリア時に業績を獲得することもある。業績を獲得したら、パーティシートにその業績を書きこんでおく。業績が増えると、新たなシナリオが「アンロック」されてプレイできるようになる。

街に戻るかシナリオを続けるか決める

パーティは、シナリオを終了した時点で街に戻るか、次のシナリオに進むかを決める。街に戻る場合は、また City Event カードを引くところから始める。次のシナリオに進む場合は、そのシナリオが今のシナリオと「リンク」されているときは、すぐにそのイベントを始めることができる。そうでない場合(次のシナリオがマップ上で離れている場合)は、Road Event カードを引くところから始める。

例えば、シナリオ 1 は右上に「リンク」しているシナリオとして、シナリオ 2 が書かれている。シナリオ 1 の終了後に、すぐシナリオ 2 をプレイするときは、シナリオが「リンク」しているので、Road Event カードは引かない。これはつまり、今いる場所のすぐ近くで次のシナリオが始まるから、旅のイベントが発生しないということである。しかし、街に戻ったりシナリオ 2 以外を始めるときは、街のイベントが発生したり、旅のイベントが発生するということである。

ランダムダンジョン

シナリオの合間に、ランダムに生成したダンジョンを攻略することもできる。ランダムダンジョンは、キャンペーンの進行には影響しないけど、プレイすることで経験値やゴールドを稼ぐことができる。

ランダムダンジョンは、ランダムにマップカードとモンスターカードを引いて、それらの組合せでダンジョンを作る。上の列のカードがダンジョンカードで、下の列がモンスターカードである。ダンジョンカードのマップ上に数字が書かれており、その数字のところにモンスターカードに書かれているモンスターを配置することで、ダンジョンを生成できる。シナリオレベルによってモンスターの強さは変えることができるし、クリア時の経験値ボーナスなどもシナリオレベルに応じて変化する(ランダムダンジョンのクリア条件は常に「敵の全滅」である)。

実際問題として、このランダムダンジョンだけでも無限に遊べてしまう。とりあえず、このゲームのシナリオを一度プレイしてみたいというときは、このランダムダンジョンをプレイしてみるのもいいかもしれない。

なお、キャンペーンの合間にランダムダンジョンに行くときは、Road Event カードや City Event カードは引かない。これらのカードは、キャンペーンゲームのシナリオをプレイするときにだけ引く。

まとめ

かなり長くなってしまったけど、キャンペーンゲームはだいたいこんな感じで進んでいく。シナリオをひとつ進めるだけでも、準備を含めると 2-3 時間くらいはかかるので、全てをクリアしようとすると途方もない時間がかかることは間違いない。まだまだ説明していない要素も沢山あり、ゲームの奥深さは半端ない。まさしく、一生遊べそうなゲームだと思う。

おまけ

ちなみに少しプレイした感じでは、少なくとも 3 人以上でプレイしたほうが楽しめる気がする。2 人だと、エレメンタルなどのプレイヤー間での連携が必要な要素の一部が、あまりうまく働かない感じがする (レベルが上がれば解決するのかもしれないけど)。どうしても 2 人でプレイする場合でも、2 人のキャラクタを 1 人で操作するなどして、3 キャラクターにしたほうがいいかもしれない。

パーティの構成については、ひとりは固いキャラ(初期キャラなら Brute か Cragheart)を入れたほうが、シナリオを楽に進められる気がする。固いキャラなしでプレイするなら、シナリオの難易度を落としてみる(Easyにするなど)といいかもしれない。


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まさかたの時のボードゲーム Gloomhaven [3] ラウンドのプレイ(後編)

前の記事の続き。


注:写真ではノーマル 1 の Guard がなぜか Living Bone のコマになってますが、こいつは Bandit Guard です。きっと途中で過労死して Living Bone に (見た目だけ) なったんだよ!


現在のマップ上の状況はこんな感じ。盗賊のアジトに侵入した Brute と Spellweaver は、侵入者に気がついた盗賊どもに囲まれて奮闘中、といった感じのところ。

第二ラウンドが開始されたので、プレイヤーは手札からそれぞれ 2 枚のアビリティカードを選んで場に出す。マップ上には三匹の Bandit Guard がいるため (Living Bone に見えるコマは Guard の間違いです!!)、Guard のアビリティデッキからもカードを一枚めくって出す。

出されたカードを見て、プレイヤーはリーディングカードを決める。Brute はイニシアチブ値が 15 の Shield Bash をリーディングカードとし、Spellweaver はイニシアチブ値が 7 の Mana Bolt をリーディングカードとした。Guard のアビリティカードのイニシアチブ値は 30 なので、このラウンドのプレイ順序は Spellweaver > Brute > Guard と決まった。

なお、ここまでのラウンドで、各プレイヤーは一番低いイニシアチブ値のカードをリーディングカードに指定しているが、あえて値の高いカードを選んで手番を後ろにするようなプレイもあり得る。たとえば、敵が遠くに離れているような場合は、先に敵に行動させて相手をこちらに近づかせてから、こちらは少ない移動だけで反撃するといったような戦術もありえる。また、すでにダメージを受けている状態で HP を回復するカードを使う場合に、先に敵に攻撃させてダメージを受けた後で、ヒールで大きく回復してダメージを受ける前より HP を増やす、といったようなプレイングも可能である。このように、イニシアチブ値が高いカードをリーディングカードにしたほうが良いケースもある。

Spellweaver のターン

このターン、Spellweaver はまず Fire Orbs の上段のアクションを使って、敵を攻撃することにした。上段には、次のアクションが書かれている。

– Attack 3 (Range 3, Target 3)
– Gain 1 for each enemy targeted.
– 炎のエレメンタルマーク
– ×マークのついたカードのマーク

一行目は、自分の位置から 3 マス以内の敵 3 体までに 3 ダメージ与えることを意味している。離れた敵を同時に 3 体も攻撃できるのは、非常に強力なアクションである。二行目は、このアクションで対象にした敵の数に等しいだけ、経験値を得られるというアクションである。三行目は、このアクションを実行したら、エレメンタル影響テーブルの「炎」のトークンを、一番右の欄に動かすという意味である。最後の×のついたカードのマークは、このアクションを実行したら、このカードは捨て札になるのではなく「破棄」することを意味している。破棄されたカードは二度と手札に戻らない。つまりこのアクションは、「シナリオ中に1回だけ使える」必殺技的なアクションというわけである。

(注: 破棄されたカードを手札に戻す方法もあるので、厳密に言うと1回しか使えないわけではないけど、戻す方法は極めて限られている。そのため「破棄」を求められるカードは、通常がゲーム中に1回しか使えないと考えてよい。)

さて、マップを見ると Spellweaver から 3 マス以内に、ノーマルの Guard が二体と、エリートの Guard が一体いる。こいつらをまとめて焼き払ってしまおうというのが、このターンの Spellweaver の作戦である。複数の敵を攻撃するときは、攻撃側が好きな順序で攻撃を行なってよい。Spellweaver のプレイヤーは、まずノーマル 1 の Guard を攻撃する。

攻撃修整カードは +0 だったので、ダメージは 3 になる。次にエリートを攻撃する。

攻撃修整カードは +0 だったけど、エリートは Shield 1 のせいで攻撃を受けたときのダメージは -1 されるので、エリートのダメージは 2 になる。

最後にノーマル 2 の Guard を攻撃する。修整カードはまたもや +0 だったので、ダメージは 3 になる。

これらの攻撃の結果、Guard のダメージトークンは、それぞれ下記のようになった。

– ノーマル 1 Guard: 5 → 8
– ノーマル 2 Guard: 2 → 5
– エリート Guard: 2 → 4

ノーマル 1 Guard は HP の 6 以上のダメージを受けたため、倒されたことになって盤面から除去される。ダメージトークンもスリーブから取り除いておく。他の二体はまだ HP を削り切れていないのでマップ上に残る。

モンスターが倒れた後のマスには、貨幣トークンを 1 つ置く(写真では置いてないけど)。このトークンは、Loot のアクションを使って拾うか、キャラクターが貨幣トークンのあるマスでターンを終了することで拾える。拾った貨幣トークンは、シナリオ終了時にシナリオレベルによって決まっているレートでゴールドに変換される。詳しい説明は省略するけど、つまりモンスターを倒せばゴールドが手に入る(拾う必要はある)。

そして、アビリティカードの2番目のアクションの「攻撃した対象の数だけ経験値を得る」によって、Spellweaver は経験値 3 を得る。

次の3行目のアクションは、エレメンタル影響テーブルの上にある「炎」のトークンを、一番右の列に移動させることを意味している。エレメンタル影響テーブルとは、下のようなボードの上に 6 種類のトークンが置かれたものである。

このエレメンタル影響テーブルは、現ラウンドにおける各エレメンタルの「強さ」を表していて、トークンが一番左にあるエレメンタルは影響が「ない」、中央の列にあるエレメンタルは影響が「弱い」、右の列にあるエレメンタルは影響が「強い」ことを意味している。炎のトークンは中央の列に移動すると、炎のエレメンタルは「強い」状態になる。

もしエレメンタルが「弱い」か「強い」の状態のときに、他に炎のエレメンタルを参照するアクション(例えば上の写真の Flame Strike のように、炎マークに×がついているアクションが書かれているアクション)があれば、そのマークに対応するアクションを使用できる(エレメンタルを「消費」するという)というものである。エレメンタルを「消費」すると、対応するトークンは左の列にひとつ動かされる。つまり、「弱い」にあるエレメンタルは1回しか「消費」できず、「強い」にあるエレメンルも 2 回しか使えないことを意味している。さらには、使う前の時点でエレメンタルを右に動かすカードを使っておく必要があるため、それなりに同種のエレメンタルを「強化」したり「消費」するカードが揃っていないと、エレメンタルに関係するカードは使用できない。エレメンタルについては他にもいろいろ制約があるけど、ちょっと複雑なのでここでは説明を割愛する。

最後に、×マークのついたカードアイコンのあるアクションをプレイしたので、この Fire Orbs のカードは「破棄」し、捨て札とは別のところに置く。この状態になったカードは、このシナリオの間は手札に戻ることはない。若干説明が長くなってしまったけど、強力なカードはいろいろな要素が詰めこまれているため、プレイするのに時間がかかることも多い。

さて、ようやく1枚目のアビリティカードのプレイが終わったので、Spellweaver のプレイヤーは続けてもう一枚のアビリティカード Mana Bolt の下段のアクションを実行する。ここには、次のアクションが書かれている。

– Heal 3 (Range 1)

これは、自分から1マス以内の味方の HP を 3 回復するという意味である。1マス以内なので、自分自身の HP も回復できるし、隣接している他のキャラクターを回復することもできる。今、Spellweaver はダメージを受けていないので、自身を回復することは意味がない。ダメージを受けている、隣接したマスにいる Brute の HP を回復することにする。

Brute のプレイヤーは、HP を 3 増やして 9 にする。これで Spellweaver のターンは終了し、次のターンに移る。

Brute のターン

Brute のプレイヤーは、Sweeping Blow の上段のアクションを実行することにした。

このカードは Attack 2 と書かれている横に、赤いマスとグレーのマスが描かれている。これは「自分がグレーのマスにいるとき、赤いマスにいる的すべてに Attack 2 する」ことを意味している。つまり、敵との位置関係をうまく調整すれば、このアクションで同時に 3 体までの敵を攻撃できることになる。

このラウンドの最初の時点では、ちょうどこのカードで三体攻撃できる位置関係にあったのだけど、Spellweaver の攻撃で一体倒したので、同時に攻撃できるのは二体になった。攻撃する順序はプレイヤーが自由に決められるので、まずエリートを攻撃して次にノーマルを攻撃することにした。

エリート攻撃のために、修整カードを1枚ひく。修整カードは -1 で、アクションの攻撃値は 2、なおかつエリートは Shield 1 を持っていて、攻撃を受けたときのダメージを -1 できるため、エリートに与えられるダメージは 0 となってしまった。

次にノーマル Guard を攻撃するために、修整カードを1枚ひいたところ、またしても -1 を引いてしまった。しかし、ノーマル Guard は Shield 1 がないので、1ダメージあたえることができる。

その結果、合計のダメージが 6 となって、マップ上からノーマル Guard は除去された。このマスにも貨幣トークンを 1 つ置く(この写真では置いてないけど…)。

少しマップ上がすっきりしたが、エリート Guard はなかなか強いのでまだ油断はできない。

つづいて、Brute は2枚目の Shield Bash の下段のアクションを実行する。このカードは、自身に Sheild 1 の効果をラウンド終了時まで付与してくれるものである。Sheild 1 は、敵から攻撃を受けたときに、ダメージを無条件で -1 してくれるもので、防御にとても役にたつ。エリート Guard はこの能力を常備しているせいでなかなかダメージを与えられず、未だにマップ上でしぶとく生き残っている。

なおこのカードは、ラウンドボーナスのマーク(リサイクルのようなマーク)がアクションに書かれているので、プレイしたあともラウンドが終わるまでは自分の場に置いておく。

エリート Guard のターン

プレイヤー側のターンが終わったところで、敵方はエリート Guard だけがマップ上に残っているので、エリート Guard がターンを実行する。

アビリティカードには Move +1、Attack -1 とあるので、エリート Guard は最初に移動をしてから次に攻撃をする…といっても、エリート Guard から見て「最も近い」敵は Brute であり、すでに Brute に隣接しているので、結果的にエリートは移動することなくその場に留まる。

次に Brute に対して攻撃を実行するため、攻撃修整カードを引く。引いたカードは +1 だった。エリートの攻撃値は 3 であり、アクションで攻撃 -1 され、さらに Brute の使った Shield Bash の効果で -1 されるため、Brute の受けるダメージ は 3+1-1-1 = 2 となる。

Brute の HP は 9-2 = 7 になる。

クリーンナップ

これですべてのキャラクタとモンスターが行動したので、このラウンドは終了になる。場に残っている Shield Bash は捨て札にし、攻撃修整カードなどもすべて捨て札の束に置く。

そして、エレメンタル影響テーブルにある炎のトークンを一つ左の欄に移動する。ラウンド終了時には、エレメンタルトークンは、すべてひとつずつ左の欄に移動させる必要がある。これがあるため、少人数でのプレイではエレメンタルを使うことが若干難しい感じがする。

いずれにしても、これでラウンドは終了になる。プレイヤーはいずれも「短い休息」を選択しなかったので、このまま次のラウンドを開始することになる。

ちなみに、このシナリオではあと 2 つの部屋が残っており、それぞれの部屋に 3 体程度のモンスターが配置されている。つまり、シナリオクリアの条件は「敵を全滅させる」なので、少なくともあと 7 体くらいは敵を倒す必要があるわけで、なかなかシビアである。最初の導入シナリオでこの難易度なので、ゲーム全体の難易度がどのくらいのものか、ある程度想像がつくと思う。

まとめ

ラウンドのプレイは、だいたいこんな感じで進んでいく。敵の行動はある程度予想ができるため、それを予想した上でカードをどのように効率よくプレイしていくかというところが重要なポイントになる。しかもどのカードをプレイするかは、プレイヤー間で相談してはいけないというルールがある。

ただし、具体的に使うカードの内容や数値を言ってはいけないだけで、ざっくりした内容は相談してもいい。たとえば「僕はこの Guard を攻撃するつもりだ」とか「私はあなたの HP をヒールするつもりだから、あんまり離れないでほしい」みたいな感じのことは言っても良いことになっている。実際問題として、プレイヤー間でしっかり連携しないとシナリオがクリアできない程度には難易度の高いゲームなので、カードをプレイする前に相談することはとても重要だと思う。

次の記事では、シナリオのプレイ以外の部分(キャンペーンプレイ、街での買い物、移動中に発生するイベント、レベルアップ、ランダムダンジョンなど)について少し説明する(多分)。

(つづく)
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まさかの時のボードゲーム Gloomhaven [2] ラウンドのプレイ(前編)

前の記事「ゲームの概要」

具体的に Gloomhaven のシナリオをプレイする様子を追いながら、アビリティカードやアクションなどについて説明してみる。

今まさに、Brute と Spellweaver の二人のキャラクター(クラス)がパーティを組んでいて、最初のシナリオ “Black Barrow” で訪れる盗賊の本拠地に踏みこんだところだ。目の前には、2人のノーマルタイプの Bandit Guard とエリートタイプの Bandit Guard がいた。敵はすぐに侵入者に気がつき、すぐさま武器を手にとった…というころが下の写真。ここで、最初のラウンドがスタートしたとしよう。

アビリティカードの選択

ラウンドの最初に、各プレイヤーは手札から 2 枚のアビリティカードを選んで裏向きに場に出す。この時点ではアビリティはプレイしない

次に、プレイヤーは自分が出したアビリティカードのうちの1枚を選んで「リーディングカード」にする。選んだカードに中央に書かれた値が、キャラクタの「イニシアチブ値」になる。

さらに、マップ上にいるモンスタータイプごとに 1 枚のモンスターアビリティカードを、対応するモンスターのデッキから引く。この時点で、場に出したアビリティカードをすべて表向きにする。

今、2人のプレイヤーがそれぞれ2枚のカードを出して、マップ上にいる Guard のモンスターのデッキからもアビリティカードを1枚ひいたところである。Guard はマップ上に三匹いるが、アビリティカードは1枚だけ引いている (「モンスター」ごとにではなく「モンスタータイプ」ごとに1枚引く)。

イニシアチブの決定

モンスター側は、モンスターのアビリティカードの左側に書かた値が、そのモンスタータイプ全体の「イニシアチブ値」になる。この「イニシアチブ値」が低い順に、キャラクタやモンスターが行動する。

例えば、上の状態で Brute のプレイヤーは右側の 18 のカードをリーディングカードに選び、Spellweaver のプレイヤーは左側の 36 のカードをリーディングカードに選んでいるとする。このとき、モンスターの Guard のイニシアチブ値は 50 なので、このラウンドは Brute > Spellweaver > Bandit Guard という順序でプレイすることになる。

なお、上の写真では説明のためにカードはすべて表向きにしているが、イニシアチブカードの選択は「カードを表向きにする前(かつモンスターのアビリティカードを引く前)」に行なう必要がある。

Brute のターン

最初に Brute のプレイヤーがターンをプレイする。プレイヤーのターンでは、先に出した 2 枚のアビリティカードのうち、一枚は上段側のテキストの内容(アクション)をプレイし、もう一枚は下段側のアクションを実行する。カードをプレイする順序は、どちらを先に行なってもかまわない(リーディングカードに指定することと、カードのプレイ順序は関係がない)。

今、Brute のプレイヤーは Grab and Go のアビリティカードプレイすることにした。リーディングカードとしては Eye for an Eye を選んだが、それとは関係なく Grab and Go から先にプレイしても問題ない。

次に、カードテキストの上段と下段のどちらのアクションを実行するかを決める。Grab and Go のカードの上段には “Loot 1” と書かれており、下段には Move 4 と書かれている。Loot 1 というアクションは、自分のいるマスから距離1のマス以内にある宝箱や貨幣トークンを回収するアクションである。現在、Brute の周囲のマスには宝箱はないので、このアクションを実行する意味はない。下段のアクションは、4 マス移動するというアクションで、近接攻撃が得意な Brute が離れている敵に近づくためにうってつけである。そこで、ここでは下段のアクションを実行することにした(もちろん、下段側を実行するつもりで最初からカードを出しているわけだけど)。

移動方法は単純で、隣接するマスを 4 マス進めていけばよい。ここでは 3 マスしか進めていないけど、かならずしも移動アクションは最大値まで実行しなくてもよい。

ちなみに、上の写真では Brute は敵に隣接するマスを避けて移動したが、このゲームではいわゆる ZoC のような概念はなく、敵に隣接するマスでも特に制限なく通過できる。ただし、通常の移動方法では敵のフィギュアを通過することはできない。一方で、味方のフィギュアは通過することができるが、フィギュアのいるマスで止まることはできない。

これで Grab and Go のアクションが終わったので、プレイしたカードは「捨て札」として積んでおく。捨て札になったカードは、何らかの効果で手札に戻らない限り再びプレイすることはできない。

次に、もう1枚出していた Eye for an Eye のアクションをプレイする。先にすでに Grab and Go の下段側のアクションをプレイしたので、自動的にこのカードは上段側のアクションを実行することになる(もちろんそのように考えてプレイしている、はず)。

このカードの上段には、下記のように複数のアクションが書かれている。

  • Retaliate 2 self
  • Gain 1 each time you retaliate this round.
  • ラウンドボーナスのマーク (リサイクルみたいなマーク)

上から順に説明していこう。Retaliate というアクションは、隣接する敵から攻撃を受けたときに、それらの敵にダメージを与えるという効果を発生させる。与えるダメージは 2 であり、攻撃を受けたときに反撃する対象は self (つまり自分)である。ただし、このアクションは敵側のアクションに対して効果が発生する受動的なアクションであるため、このカードをプレイした時点では何もおきない。

次のアクションは「このラウンドに Retaliate を行うたびに 1 (経験値)を得る」という意味である。Retaliate は隣接する敵から攻撃を受けると自動的に実行されるため、多数の敵から攻撃を受ければ受けるほど経験値がたくさんもらえることになる。このアクションも受動的に効果が発生するものであり、カードをプレイした時点では発生しない。

最後のラウンドボーナスのマークは、「この欄に書かれた効果は、ラウンド終了時まで有効である」ということを意味している。つまり、このカードのアクションである Retaliation の効果が発生する有効期間は、現在のラウンドが終わるまでということになる。次のラウンドになったら、このカードの Retaliation の効果は発生しなくなる。

カードのアクションは、このように受動的なものもある。Brute は、このラウンドではあえて自分から攻撃せず、敵から攻撃を受けて反撃ダメージを与えることを狙ったわけである。

これで Brute のカードのプレイ自体は終了したが、Eye for an Eye の効果はラウンド終了時まであるので、このカードは自分の場のところにラウンド終了時になるまで置いておく。ラウンドが終了したときに捨て札の束に置く。

Spellweaver のターン

Spellweaver のプレイヤーは、自分のターンでまず Reviving Ether の下段のテキストの Move 4 をプレイすることにした。

Spellweaver は遠隔攻撃が得意なクラスではあるものの、敵から距離が離れすぎていて、このままでは攻撃が当てられない。そのため、Move 4 のアクションで敵にある程度近づくことを試みる。といっても、Spellweaver は HP が少なく、敵から身を守る手段にも乏しいので、Brute を盾にするように移動することで、安全に遠くから攻撃することを目指す。

いろいろ考えた結果、この位置に移動してみた。敵方のモンスターは、基本的に「一番近くにいる」キャラクターを目指して移動してくるため、この位置にいれば他のモンスターは Brute を目指して移動するはずである。ちなみに 3 マスしか移動していないが、Brute の時と同様にアクションは必ずしも最大値まで実行しなくても良いので、この位置で止まるのは問題ない。

これで Reviving Ether のプレイは終わったので、カードは捨て札にする。

次に Flame Strike のアクションをプレイする。Reviging Ether は下段のアクションを実行したので、こちらは自動的に上段のアクションをプレイすることになる。

上段には複数行のアクションが書かれている。

  • Attack 3 (Range 2)
  • 炎マーク: Wound

1行目のアクションは、自分から 2 マス以内にいる敵 1 体に対して、3 ダメージを与える攻撃を行なうことを意味している。アクションの下に Range X と書かれている場合、自分から X マス以内の敵(アクションによっては味方)にアクションを実行できるという意味になる。

次の炎マークの行は「炎のエレメンタルを消費することで、攻撃した敵に Wound の状態異常を与える」ということを意味している、エレメンタルの説明は若干複雑になるのでここでは割愛するが、現時点では「炎のエレメンタル」が使用できないので、この行についてはここでは無視する。

さて、ここでようやく攻撃のアクションが出てきたので、攻撃の手順について簡単に説明する。

攻撃するときは、まずは攻撃する対象を決める。ここでは、自分から 2 マス以内の 1 体の敵を対象にできるので、Brute のすぐ左にいる Bandit Guard を攻撃対象にすることにする。このとき、対象まで「視線が通っているか」について判定を行なう必要がある。近接攻撃をする場合は、相手との間に壁がない限りは「視線が通っている」と判定する。遠隔攻撃を行うときは、対象のいるマスのいずれかの角と自分のいるマスのいずれか角を、壁に遮られない線で結べるときに「視線が通っている」と言う。上の状態では、Spellweaver のいるマスから Bandit Guard のいるマスに壁に遮られない線を引けるので、視線が通っている状態になっている。

対象が決まって、視線が通っていることがわかったら、次に自分の「攻撃修整デッキ」から修整カードを一枚引く。「攻撃修整デッキ」は20枚のカードで構成されており、カードには +0 とか -1 とか x2 などと書かれている。このとき引いたカードに書かれた修正値の分だけ、攻撃値を増減させる必要がある。

今、Spellewaver が自分のデッキから修整カードを1枚めくると、カードには +0 と書かれていた。これはつまり、攻撃値に対する修整はないということで、敵には 3 ダメージがそのまま与えられることになる。

モンスターにダメージが与えられたら、ダメージを受けたモンスターの駒に書かれた番号に対応する、モンスターの情報カードのスリーブの上の番号のところに、ダメージトークンをダメージ量に等しいだけ置く。今は番号 1 の Bandit Guard に 3 ダメージ与えたので、Bandit Guard のスリーブの上の 1 の欄にダメージトークンを 3 つ置いている。

ノーマルの Bandit Guard の HP は、データシートの左の欄の一番上に 6 と書かれている、つまり、倒すには 6 ダメージ与える必要がある。今はまだ 3 ダメージしか与えていないので、この Bandit Guard はボード上に残って、今後のモンスターのターンの時に行動することになる。

最後に、プレイしたカードを捨て札にする。これで Spellweaver のターンは終了になる。

モンスターのターン

マップ上に同じ種類のモンスターが複数存在するときは、エリートが先に行動し、次にノーマルが行動をする。エリートやノーマルが複数いるときは、コマに書かれた番号の低いほうから順に行動する。このシナリオでは何番のコマをどこに配置しろという指示がなかったので、Bandit のコマ(の番号)はランダムに配置されている。今はエリートの Guard が一体おり、ノーマルが 2 体いるので、先にエリートからアクションを行なう。ノーマル2体については、コマの番号が 1 と 2 となっているので、1 のほうから先にアクションを行なう。

種類が同じモンスターは、何匹いても1枚の同じアビリティカードの内容を実行する。複数の種類のモンスターがいるときは、種類ごとに1枚のアビリティカードを引く。今はマップ上に三匹の Bandit Guard がいるけど、いずれも同じ種類のモンスターなので、先に引いた1枚のアビリティカードに書かれたアクションを、それぞれの状況に従って順番に実行する。

エリートのアクション

さて、上記のルールに従って、モンスターのターンでは最初にエリート(台座が黄色のもの)がアクションを実行する。

アビリティカードの Move +0、Attack +0 という記述は「修整値 0 で移動し、その後に修整値 0 で隣接攻撃をする」という意味になる。

モンスターは、上の写真のモンスターのデータシートにあるように、上から順に、基本となる「HP」「移動値」「攻撃値」(一番下の欄は攻撃できる距離)が書かれている。シートの左の欄は「ノーマル」タイプの数値で、右の欄には「エリート」タイプの数値が書かれている。エリートタイプの移動値は 2 なので、「修整値 0 で移動する」ということは、つまり最大で 2 マス移動することを意味する。

モンスターが移動するときは、「一番少ない移動量で攻撃ができる位置に移動できるキャラクター(最も近いキャラクタ、という)」を目指すことを優先し、同じ条件のキャラクターが複数いるときは「よりイニシアチブ値の低いキャラクター」を優先して目指す。現在の状況では、エリート Guard から「最も近い」キャラクタは Brute である。そこで Brute に隣接するために 1 マス移動し、そこで移動を終わる。キャラクタの場合と同様に、アクションは必ずしも最大値まで実行する必要はない。「最も近い」キャラクタに攻撃できる位置に移動したら、そこで移動は終了する。

これで「移動」のアクションは終わったので、次に「攻撃」のアクションを実行する。攻撃するときも、モンスターは「最も近い」キャラクタを攻撃するので、ここでは Brute を攻撃することになる。モンスターも、攻撃するときは「攻撃修整デッキ」から一枚カードを引く。モンスターは、キャラクターとは別に(共通の)攻撃修整デッキが用意されており、すべてのモンスターは攻撃するときにそこからカードを引く。

今カードを引いたところ、-1 というカードだった。エリート Guard の攻撃値は 3 で、アビリティカードによる修整値は +0、修整カードによる修整が -1 なので、エリートが Brute に与えるダメージは 2 となる。Brute の HP ダイヤルを回して、10 から 8 に減らす(2ダメージ受ける)。

ちなみに、キャラクターがダメージを受けたときは、HP を減らすのではなく「手札から1枚破棄する」か「捨て札から2枚破棄する」ことで 1 ダメージ受けることもできる。破棄したカードは二度と手札には戻らないので、おいそれとは使えない方法ではある、しかし、全てのダメージ受けると HP が 0 以下になってしまう時などは、この方法でダメージを受けるしかない(こともある)。

ここで攻撃のアクションは終わったので、攻撃修整カードは捨て札にする。

忘れてはいけないのが、Brute のプレイしたカード Eye for an Eye のアクションにあった Retaliation 2 である。Brute は隣接するマスから攻撃を受けたので、Retaliation の効果によって攻撃してきた相手に 2 ダメージを与える。エリート Guard は 2 ダメージを受け、ダメージトークンをエリートの欄(エリートのコマは5番なので5番の欄)に2つ置く。

エリート Guard は Sheild 1 という特性を持っていて、攻撃を受けたときに1ダメージ減らすことができるが、Retaliation は「攻撃ではない」ため、Sheild によりダメージを軽減することはできない。

さらに、Eye for an Eye には「Retaliation を実行したときは経験値 1 を得る」と書かれている。今、エリート Guard に対して Retaliation を実行したので、Brute のプレイヤーは青ダイヤルを回して経験値 1 を得る。

ゲームの概要でも説明したように、このゲームでは経験値は敵を倒すだけでは得られず、このようなアクションの効果としてしか基本得ることができない。そのため、経験値を得るために、このようにわざと攻撃を受けて経験値を得るといったプレイもあり得るわけである。ただ、ここでは単にダメージを受けて経験値を得ただけなく、Shield 持ちでダメージの通りにくいエリート Guard に、無条件で 2 ダメージ与えることにも成功している。

このように、カードをうまくプレイすることで一石二鳥、三鳥のプレイができる点が、このゲームの面白さのひとつだと思う。

ノーマル1のアクション

エリートの次は、ノーマルのモンスターが行動する。ルールに従って、コマの番号がより低いほう(番号が 1 の Guard)が先に行動する。ノーマル 1 の Guard も、先に引かれたカードのアクションを実行するので、移動と攻撃を行なうことになる。

まずは移動を行うが、ノーマル 1 の Guard の「最も近い」キャラクターは Brute であり、すでに近接した状態になっている。つまり、移動せずとも「最も近い」キャラクターを攻撃できるため、ノーマル 1 の Guard は移動しないでこの位置に留まることになる。

次の攻撃のアクションでは、「最も近い」Brute を攻撃する。攻撃時には、モンスターの攻撃修整デッキから修整カードを引く。

今引いたカードは -2 で、ノーマルの Guard の攻撃力は 2 であり、アクションカードによる修整は +0 であることから、Brute へのダメージは 0 ということになる。ダメージは受けなかったものの、Brute の Retaliation の効果が発動する条件は「Brute が攻撃を受けたとき」なので、ノーマル 1 の Guard は Brute から 2 ダメージを受けることになる。

スリーブにダメージトークンを 2 個追加し、合計のダメージは 5 となった。しかし HP は 6 なので、まだノーマル 1 の Guard は倒されてはいない。

一方で Brute は Retaliation を行なったので、さらに経験値 1 を得る。

ノーマル2のアクション

最後に、ノーマル 2 の Guard がアクションを実行する。

ノーマル 2 の Guard が、最小の移動で攻撃できるキャラクタは Brute なので、やはり Brute 目指して移動することになる。

データシートによればノーマル Guard の移動力は 3 であり、アクションによる修整は +0 なので、最大で 3 マスまで移動できる。今 Brute を標的にしているので、直線的に 2 マス進んで Brute に隣接するマスまで移動する。ちなみに上の図の移動の途中で他の Bandit を通りこしているけど、移動するときは「味方の」フィギュアであれば通り抜けられるため、このように移動することができる。

これで「移動」のアクションは終わったので、次に「攻撃」のアクションを実行する。

ノーマル 2 の Guard の攻撃対象は、もちろん Brute である。修整カードを引くと、+0 のカードだった。アクションカードの修整値は +0 であり、ノーマル Guard の攻撃値は 2 なので、合計 2 のダメージを Brute に与える。

このとき、Brute の Retaliation がまだ有効なので、ノーマル 2 の Guard には自動的に 2 ダメージ与えられる。

そして、Brute は 1 の経験値を得る。HP は 2 減って 6 になっている。このラウンド、Brute は 4 ダメージ受けたものの、経験値 3 を得て、敵に合計で 6 ダメージも与えることに成功している。

クリーンナップ

すべてのキャラクターとモンスターのターンが終わったので、このラウンドは終了となる。プレイした手札は捨て札となり、モンスターのアビリティカードや戦闘で使った修整カードなども、すべてそれぞれの捨て札の束に置く。

ここで、プレイヤーはキャラクタに「短い休息」をさせて、捨て札を手札に戻すこともができる。しかし、休息するにはアビリティカードの捨て札の束から、ランダムに 1 枚を「破棄する」(二度と手札に戻らない状態にする)必要がある。破棄されたカードは、休息しても手札に戻らないため、休息すればするほど使える手札が減っていく。ラウンドの開始時に手札が1枚または0枚であり、なおかつ捨て札も0枚のときは、プレイヤーはその場で「消耗」状態となり、ゲームから退場させられてしまう。

とはいえ、ラウンドをプレイするごとに 2 枚ずつ手札を消費するので、どこかの時点で休息して手札を回復する必要がある。HP がどれだけあろうとも、手札を失なうとシナリオに失敗するというメカニズムがあるため、プレイヤーは HP の管理だけでなく手札の管理についても気を配らなければらない。この手札による「時間制限」みたいなものが、ゲームの緊張感を高める一つの要素となっている(と思う)。ちなみに、手札だけでなく HP も回復できる「長い休息」もあるけど、それについてはここでの説明は省略する。

このラウンドでは、いずれのプレイヤーも休息はしないことにした。そのため、これでこのラウンドは終了となり、次のラウンドを始める。このようにしてして、シナリオのクリア条件(このシナリオでは「全ての敵を倒す」)を満たしてクリアするか、すべてのキャラクターが「消耗」状態になってシナリオのクリアに失敗するまでラウンドを繰り返す。

注:途中の写真から、ノーマル 1 の Guard のコマがなぜか Living Bone になっているけど、心眼で Guard と思うこと!

(つづく)
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