まさかの時のボードゲーム: Scythe [1] ゲームの概要

Scythe は、各プレイヤーが執政者となり、それぞれの国を発展させていくゲームです。労働者を確保し、資源を生産し、建築物を作り、支配する領土を広げ、軍事力を拡大させます。最も国を発展させ、最も多くの勝利点を獲得したプレイヤーが勝利者となります。

このゲームで特徴的なのは「メック」と呼ばれる、戦闘や運搬に使える多目的型の大型の多脚ロボット(?)を、各国とも生産できる点です。メックは各国ごとに特徴のある能力をもっており、これらをうまく使いこなせるかどうかが、ゲームの勝敗に大きな影響を与えます。

ゲームの盤面(マップ)はこんな感じです。プレイヤーが担当する国ごとに「本拠地」があり、プレイヤー自身を表すコマ(キャラクター)が置かれます。上の写真で、大きめのフィギュアが置かれている、手前にある白い丸の場所が本拠地です。そして、本拠地に隣接するマスには自国の労働者が置かれています。本拠地のマスの右上と左上に置かれている、白いコマが「労働者」のコマです。最初の時点ではこの2マスでのみ「生産」ができます。

労働者は、マスに書かれている種類の資源を生産することができます。資源は「石油」「鉱石」「木材」「食料」の4種類あります。これらの資源を使って、メックを製造したり、建築物を建築したりします。また「労働者」の描かれたマス(村)もあります。村に労働者がいれば、新たな労働者を生産することもできます。

労働者は、マスを移動することもできます。ただし、労働者は川の向こう側には移動できません。川を渡るには「メック」に乗って移動するか、「トンネル」を掘る必要があります。いずれの国も、最初の時点では本拠地の近隣3マスの外側に川があるため、労働者は川の手前側にある3マスの中しか移動できません。できるだけ早く労働者が川の向こう側に渡ることは、ゲームを有利に進める上でとても重要な戦略目標となっています。

上の写真の右下に並んでいるのがメックです。最初の時点では、プレイヤーのマットの上に置かれており、プレイヤーのアクションでマップ上に配備されるのを待っています。ひとたびマップの上に配備されれば、戦闘に輸送にと活躍することになります。

なお、自国のメックや労働者がいるマスは、自国の「支配しているマス」という扱いになり、支配下にあるマスの数はゲーム終了時の得点計算に影響します。しかし、このゲームでは支配地による得点は、いくつかある得点手段のひとつにすぎないため、単純に支配地を増やすだけでは勝てません。

マップの中央には「ファクトリー」と呼ばれる特別なマスがあります。上の写真の青い点線で囲ってあるマスが「ファクトリー」です。プレイヤーのキャラクターのコマがこのマスに到達すると、特別なアクションを実行できるようになります。先に到達した国ほど、より有利なアクションを選べます。そのため、このマスに素早く到達することも、重要なゲーム上の目標のひとつになっています。

このゲームでは、勝利点はプレイヤーが保有する「星トークンの数(発展目標の達成数)」「支配地」「資源」の三つに「民心」というパラメータを掛け合わせて計算されます。しかし、マップ上には現時点での各酷の得点を記録するような欄がありません。上の写真のような表はありますが、これは得点を計算するための早見表のようなもので、得点そのものではありません。ゲームを現時点で誰がリードしているかが、わざとひと目では分からないようになっています。ルールブックに「あえて得点が計算しにくいようにデザインしてある」と断り書きがあるくらいです。

このため、プレイヤーは戦況を「感覚で捕む」必要があります。これは、戦況を正確に把握しながら国の運営はできないという、実際の国の執政者が直面する問題を、ゲーム上で表現しようとしているのだと思います。

次の記事では、実際に何をすれば勝てるのか(勝利条件)について説明したいと思います。

次の記事:勝利条件とアクション