MTG カード与太話: タルキール覇王譚より「高峰のカマキリ」「道極め」

プレリも終わったことだし、ここからが本当の与太話よね。というか、与太話以外がない。


高峰のカマキリ/Sagu Mauler

4 マナで 3/3 飛行、トランプルの巨大なカマキリ。これに人が乗ると、トランプルが消える代わりに速攻と警戒が付いて、サイズはそのままで 3 マナになるという、かなりの不思議生物。人が載っていないと本能のままに暴れる(トランプルな)カマキリが、人が乗ることで制御されて(?)警戒と速攻を得る、ということらしい。しかも、野生のカマキリの餌代は 4 マナと高いけど、人間がのると人間は宮仕えだから給料が微妙に安くなる(色は増えてるけど)ようだ。給料安くなってるのに、1人と1匹を養うために食事代をどう調達しているのかは気になるところ。人がのってないと餌代を全額雇い主が払わないといけないけど、人が乗っているほうは狩にでも出て餌を自己調達するから問題なくなるのだろうか。ちなみに乗り手はジェスカイの学徒/Jeskai Studentっぽい? 学徒よりもうちょっとムキムキになっておっさん化したような絵だから、学徒が「果敢」で +1/+1 カウンターを 2 個くらい載って成長した姿ということかも。

このカマキリ(とカマキリの乗り手/Mantis Rider)については、各地でも順調に(?)妄想が進んでいるようだ。『タルキール覇王譚』みんなが選ぶトップ3!の「戦力の97%はカマキリだろうに、クリーチャータイプは昆虫ですらないとはどういうことか」という主旨のつっこみにはとても同意。また、こちらの記事にある「警戒能力は、カマキリに食べられないか警戒している乗り手の方」説にいたく感心した。海外では「稲妻の天使/Lightning Angelが1マナ/1タフネス減ったら、天使からカマキリ+モンクに変化した」みたいな反応とか、モンクはきっと蟷螂拳の達人に違いない、などの反応がみかけられた。このように、とても楽しいカードなのにそこそこ強いという、MTG では珍しいカードなので、何かしら使ってみたい。


道極め/Master the Way

イフリートの武器熟練者/Efreet Weaponmasterが道を極めたら、なぜかマジシャンぽくなってしまった(注1)。というか、イフリートなら手から火を出すくらいは極めなくてもできそうだから、そういうことではないのか? 何にせよ、武器を使わなくてもダメージを直接与えられるようになったということで、何かの奥義は習得したらしい。すでに武道に熟練してたはずなのに、唐突に魔法使い的な別の道に進むとは、かなりの変わり者に違いない。まあ、イフリートなのに武道を極めようとした時点ですでに変わり者だとは思うけど(注2)。

実際、イフリートかつモンクはこれまでいなかった・・・んだけど、このブロックでは沸血の熟練者/Bloodfire Expertなんてのもいる。しかも、一人じゃなくて絵を見ると沢山いるし。そもそもイフリートという種族は、他のサブタイプをもつことは無かったのに、このブロックでは沸血の導師/Bloodfire Mentorを含めて3体も(絵的に、たぶんそれ以上)のイフリートが、洗脳されて(?)他のサブタイプをもつことになった。ジェスカイの洗脳力はすごいということか・・・と思ったら、沸血の導師は最初から達人で、モンクのほうが教えを乞いに来ているように読めるし。なかなか、イフリートも謎が多い種族らしい。


  • (注1) 元は 沸血の導師/Bloodfire Mentor かもしれないという説もあり。
  • (注2) 白いイフリートという時点で相当な変わりものだったのが、白をやめて赤と青だけになって、むしろ元に戻った?

MTG カード与太話: タルキール覇王譚より「タルキールの龍の玉座」「群の祭壇」


タルキールの龍の玉座/Dragon Throne of Tarkir

パワー 3 のクリーチャーに付けておけば、2 マナで毎ターン踏み荒らし/Overrunが使える。序番に出した 2/1 くらいのクリーチャーに、中盤以降に攻撃する意味がなくなった頃にこれを付けて、全員 +2/+2 トランプルにするくらいで十分勝てそう。もし一度で勝てないとしても、2,3回ほど殴って耐えきれる相手がいるとも思えない。突破力が不足しがちなリミテッドなら、普通にエンドカードになりえる。ってことで多分レアなんだろうね。これを一回使ったあとに飛鶴の技/Flying Crane Techniqueを使って、再度これの能力を使ってから総攻撃とかしたら、全員 2 倍強化された上に飛行、トランプル、二段攻撃とかなって楽しそう(注1)。まあ、構築で使うには難しそうだけど・・・

とかくパワーの高いカードに付けることが前提なのに、防衛が付いてしまうのは困ったもの。だったら、最初から壁デッキを組んでしまえばいいに違いない。ということで、剃刀の壁/Wall of Razorsとか怒りの雨雲/Rage Nimbus みたいな頭でっかちの軽い壁を用意して、どれかひとつにこれを付けて全体を強化しておき、最後にローリング・ストーンズ/Rolling Stonesで総攻撃とかどうだろう。孔の歩哨/Vent Sentinelも入れておけば完璧よね・・・うーん、もはやこのカードと全然関係ないな。


群の祭壇/Altar of the Brood

地味ながら、侮れなさそうなカード。トークン生成系のカードや居住カードが、なぜかライブラリー破壊カードになる。とりあえず、無限トークン発生コンボで瞬殺可能よね。頭巾被りのハイドラ地割れ潜み/Chasm Skulkerがまさかのライブラリー破壊カードに。フェッチランドなんかも出して起動するだけで、ライブラリーをどんどん破壊していける。墓地利用のカードも多いことだし、定期的な墓地の掃除は必要な感じはするけど、何かやばい能力を発揮しそうな感じがするカード。フェイジングなカードとも相性よさそう。

ちなみに Altar という単語は、当初は「供犠台」と訳されていたのに、いつのころから「祭壇」と訳されるようになったらしい。「祭壇」と最初に訳されたのはテンペストの狂気の祭壇/Altar of Dementiaだったようだ。しかし、その後のミラディンで影の供犠台/Altar of Shadows供犠台の光/Altar’s Light が登場し、再び訳語が「供犠台」に戻った。神河謀叛でも「供犠台」と訳されたカードが出たので、そのまま訳語が戻ったのかと思いきや、イーブンタイドで祭壇のゴーレム/Altar Golemが出現した。その後のカードはすべて「祭壇」に統一されているので、どうもこのあたりで「祭壇」に完全に切り替わったらしい。アシュノッドの供犠台/Ashnod’s Altarのような、生け贄を捧げる系のカードが「供犠台」であって、そうでないものは祭壇なのかと思いきや、ゼンディカーの殺戮の祭壇/Carnage Altar とか普通に生け贄を要求するカードだったりして、そういうことではないらしい。ただ単に(どういうわけか)訳語だけ変わった、ということのようだ。(注2)


  • (注1) それこそオーバーキルすぎる。
  • (注2) 「供犠台」より「祭壇」のほうが日本語的には馴染がある単語だから、という程度の理由かもしれない。

MTG カード与太話: タルキール覇王譚より「真珠湖の古きもの」「千の風」

いつものことながら、青いカードは分かりません。インスピレーションのみです。


真珠湖の古きもの/Pearl Lake Ancient

名前も絵も能力も格好良いカード(注1)。リバイアサンは、ドラゴン、ワーム様、に次ぐ第三の好き好き巨大クリーチャーカードなのよね。リバアサンはドラゴンと違って、だいたいは構築で使えなくて安いから集めやすいしー・・・(注2)。初代のリバイアサン/Leviathanは当時としてはとても巨大で強かったものの、強烈なデメリットゆえの使いにくさに、悲鳴をあげるのを楽しむ会が結成されてたくらい(注3)。しかし時は流れ、デーモンと同じような感じで、リバイアサンもデメリット無しの(むしろメリット付きの)巨大クリーチャーになり下ってしまった。やはり、巨体というだけでは生き残れない、世知辛い世の中になってしまったということか。まあ、メリットといっても巨体と微妙に噛み合ってない感じの能力ではあるので、そのあたりでバランスが取られているのかもしれない。

カードの能力については新リバイアサン:真珠湖の古きものにとても詳しい(かつ前向き、かつとても同意できる)記事があったのでパス。何だか、青を代表する巨大水棲クリーチャーのわりには、リバイアサンは活躍できる場面が微妙に少ないよね。最近はスフィンクスが幅をきかしてたりするし。空が飛べたら活躍できるのかと、頑張って空を飛んでみたシミックの空呑み/Simic Sky Swallowerあたりは多少活躍したし、アーティファクトになったら呼び出される機会も増えるかと、被覆までつけて頑張ってみた墨溜まりのリバイアサン/Inkwell Leviathanなんかは、努力の甲斐があってか一部地域で活躍はしてる(注3)。でも、ドラゴンとか天使とかに比べると、どうも一歩(二歩以上?)引く立ち場という感じ。いつか出るかもしれない、伝説のリバイアサンに期待するしかないのかなあ。


千の風/Thousand Winds

名前も絵も能力も格好良いカードその2。青いカードって自分では全然使わなくて、相手に出されてイヤーな印象が残るせいでよく覚えてるのよね。しかし、その影響を差し引いたとしても、最近どうも青の格好いいカードを多く見るような気がしてる。こいつは、私がそこにいないのではなくて、他の眠ってるクリーチャーを全部いないことにするカード(注4)。最初は隠れていて(?)、姿を現した途端に周囲を吹き飛ばすというイメージが面白い。味方もかまわず吹き飛ばすけど、飛ばされないように起こしておけばいいので、使い勝手はそう悪くはない感じがする。

とりあえず、相手のターンエンドに凍氷破/Icy Blastでも撃って寝かせておいて、次のターンにおもむろにこれを表にして総攻撃するとか楽しそう。まあ、青がそんなクリーチャー主体のコンボを使うのかは良くわからないんだけど・・・。ただ、ブロック構築には青の飛行クリーチャーの定番であるスフィンクスがいない上に、パワー 4 以上の飛行クリーチャーが(多色を入れても)これと河水環の曲芸士/Riverwheel Aerialistsしかいないので、青いデッキのフィニッシャーとして採用されることがあるのかも。もちろん、リミテッドなら素出しでも 5/6 飛行なだけで普通に強いから、それなりに活躍しそう。


  • (注1) 格好いいのと強いのは、また別の次元のお話。
  • (注2) 一部地方の話です。
  • (注3) つまり、シミックが偉かった? 今後のシミックに期待するしかない。
  • (注4) 同名の某楽曲とは多分無関係。