MTG カード与太話: タルキール覇王譚より「龍語りのサルカン」「火口の爪」


龍語りのサルカン/Sarkhan, the Dragonspeaker

今回はこれまでと違って、ちゃんと身形をととのえてきたサルカン君。
ばさばさの髪ボロボロに見えるはだけた服も野蛮人みたいな杖も、強さとは無関係と悟ったのかやめたらしい。活躍したジェイス君を見慣らってか、目から何かを出してみたりと、なかなかの変貌ぶり。野山を放浪しているおっさんから、怪しい宗教家くらいには進化した感じ(注1)。

もちろん見た目だけでなく、能力も改めてきた。とりあえず、5マナで 4/4 飛行かつ速攻で破壊不能なドラゴンが出てくるのは、結構な事件という気はする。2体並べられないのは残念ではあるものの、このポテンシャルなら1体でも十分に殴り勝てそう。2番目の能力も十分強力だし、ブロック構築だけじゃなくてスタンダードでも(今回こそは)各地で採用されるんじゃなかろうか・・・赤いデッキが使われれば。ブロック構築では特に多色が推進されそうなので、たとえ赤がメインとならなくても、赤いカードが入る隙間くらいはどこかにあると信じたい。多色で色マナ2つはどうかというところだけど、この能力なら入るんじゃないかなー。ていうか、何げにドラゴンになるカードだったりするから、ドラゴンブリーダーとしては集めないといけないのか??


火口の爪/Crater’s Claws

絵と能力的に Lava Brust を思いだした。どちらも X 火力で、火口から出てくる火柱というシチュエーションが似ている。ただ、Lava Brust のほうが名前的に流れ出る溶岩がダメージ源ぽいのに対して、このカードは火口から直接燃えさかる手(?)が出てきて、その手がダメージを与えるらしい。マナの量によって、手の大きさが変わるということだろうか。でも、パワー 4 以上のクリーチャーがいると、なぜか手のサイズがでかくなるというメカニズムはよくわからない。ティムールでは、元気玉のようにクリーチャーからパワーを集めることができるらしいけど、パワーを使ってクリーチャーでないものも強化できるというのは、どういう仕組みなのか気になるところ。

何にせよ、2点のおまけの付く X 火力。素で撃っても十分強いし、2点のおまけ付きなら相当強い。まあ、真面目なカードの能力分析は、公式記事や他でも書かれてるので割愛・・・。ブロック構築の赤いデッキには何枚かは入ってくると思う。ブロック構築用として 4 枚集めておきたい感じ。


注1: 何げに荒野の後継者によくにてる。実は弟?

MTG カード与太話: タルキール覇王譚より「風番いのロック」「対立の終結」


風番いのロック/Wingmate Roc

番いの相手を探したら、ロックという名前の鳥は真紅のロック鳥/Crimson Roc くらいしか見つからなかった。相手はこれかと思いきや、赤い鳥だから違うぽい。しかも Roc だけど和名は「ロック鳥」らしいし、サイズも 2/2 とかなり小さい。もっと昔には Roc of Kher Ridges というのもいたけど、こっちも赤くて 3/3 飛行とちょっとサイズが小さい。ロック鳥の雛/Roc Hatchling も、育つと 3/3 飛行の赤いクリーチャーになる。これも、サイズや色的に Roc of Kher Ridges のほうらしい。一方でロック鳥の卵/Roc Egg から孵る鳥は 3/3 の白いクリーチャーとかなりスペックが近い。それでもやっぱりちょっと違う・・・こうしてみると、どうもロック鳥という種族(?)に関しては、MTG の世界ではどういう存在なのかがまだ決まっていないぽいね。

性能的には、5マナで 3/4 飛行が 2 体出たら普通に勝てるよね、ってことで弱くはない感じ。色は違うけど、若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon と似ている気がする。こっちのほうがコストが安い代わりに、クリーチャーのパワーが 1 減って、2 体目が出るのに条件がつき、なぜかライフを得る能力が追加された。ライフゲインの部分がどのくらい評価されるのかちょっと分からないけど、その能力を除いてもそれなりに使える感じはする。いつものことながら、スタンダードではともかくブロック構築ならどこかのデッキに居場所がありそうなカード。ていうか、神話レアなんだしちゃんと活躍してもらわないと・・・。


対立の終結/End Hostilities

装備品ごとクリーチャーを吹きとばせる審判の日。オーラも吹きとぶけど、審判の日でも普通は吹きとぶし、審判の日で吹きとばないような 怨恨/Rancor みたいな手札に戻る系のオーラは、これでもやはり吹きとばせない。このへんはちょっと残念。審判の日より1マナ重いながらも、ブロック構築でリセットしたければこれを使うしかない。まあ、ブロック構築でなら十分に使える範囲の重さのカードなので、白とか青白コントロールなデッキが流行れば、数枚はデッキに入ってきそうなカードではある。スタンダードでも至高の評決/Supreme Verdict が退場したら、他に同程度の軽さのリセット系のカードがなさそうだし、これが使われるのかなあ・・・といっても、環境が大きくかわってしまうので、どうなるかは謎。これが使われるかは、装備品の品揃え次第ということかな。

絵的には、なんだか超強力なかめはめ波という感じ。前方に放出している感じなのに、なぜか味方もすべて巻き込んでしまうのは、パーティの最後部にいながらも無神経にリセット魔法をぶっぱなしてしまう、白魔導師クオリティということだろうか。それにしても、神の怒りや審判の日に比べると、なんとなく絵的には迫力が不足している感じ。よく見ると、左のほうに漏れがあるし・・・。まあ、どうでもいいことよね。

MTG カード与太話: タルキール覇王譚より「書かれざるものの視認」「爪鳴らしの神秘家」


書かれざるものの視認/See the Unwritten

召喚の罠/Summoning Trap のような、ライブラリーから直接クリーチャーを戦場に出せる。エムラさんみたいな、超重いクリーチャーを早いターンから出していける素敵なカード。緑に時々採録される、安い給料でファッティを呼びだせる、夢のあるカードのひとつ。ただ、召喚の罠とコストは同じだけど、細かい部分がかなり違っているので全然違う使い方になりそう。まず、インスタントではなくソーサリーになり、カードの枚数は7枚から8枚に増加、残りのカードの置かれる場所がライブラリーの下から墓地になった。カードをライブラリーの下ではなく墓地に置くので、他のカードは相手に見られてしまうのも、些細なことながら違っている点のひとつ。そして、罠的な機能が無くなったかわりに、獰猛によって2枚出すことはできる。

どちらのカードがいいかは環境によるだろうけど、こっちのカードのほうが能力を能動的に使えるというのと、墓地にカードが落ちることで別の用途にも使える点で使い勝手がよさそう。ライブラリートップを何枚もめくったり、墓地にカードが大量に落ちたりという操作があることから、何かよからぬシナジーが生まれる予感もする。

ちなみに、自分のライブラリーの上から8枚見るというカードは、過去には オークの司書/Orcish Librarian しかないらしい。しかも全然機能は違う。8枚のカードを墓地に置くだけなら、つぶやきの塔/Tower of Murmurs と強行/Breaking がある。でも、これらは単純にライブラリーを削る(墓地にカードを落とす)機能しかないので、やはり全然違うカードになっている。前にも別のカードで書いたけど、7枚というのは結構ある。でも、6 枚とか 8 枚というのはあんまりないのよね。このあたりの枚数の加減は、いったいどういうふうに決めているのだろうか。


爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic

3 色のマナを選んで出せる 2/1 クリーチャー。巣出ししても普通に優秀。しかも、無色のマナしかない状態からでも戦場に出せるのが良い感じ。マナが出るようになるのに無色5マナかかるのはやや重いようにも見えるけど、スタンダードはともかくブロック構築なら十分採用されるレベルだと思う。森がなくても、赤と青を使うデッキで使われる可能性もありそう。むしろ、このカードで緑も出るから赤青タッチ緑にしとけ、みたいな感じのデッキができそうな気がする・・・もちろん、他のカードのラインナップ次第ではあるものの、そういうデッキが少なからず作られそう。

変異付きのカードでマナが出せるものは意外にもあまり無いらしい。しかも、変異のタイミングでマナが出るものとしては、これが初めてらしい。変異付きでマナが出るカードを探してみたけど、樺の知識のレインジャー/Birchlore Rangersと生けるものの洞窟/Zoetic Cavern しか見あたらなかった。樺の知識のレインジャー/Birchlore Rangers のほうは、好きな色が出せるものの他にエルフがいないとマナが出せない。生けるものの洞窟/Zoetic Cavern は無色マナしか出せないし、表はクリーチャーではなく土地だったりする。なんだか、他にありそうな気がするのに見つけられないのは、見つけ方がわるいのかなーとか思ってしまうくらい、個人的には結構意外だった。(注1)


(注1) 本当に見つけられてないだけの気もする


過去の与太話など