MTG カード与太話: 運命再編より「世界を溶かすもの、アタルカ」「見えざるものの熟達」


世界を溶かすもの、アタルカ/Atarka, World Render

これは強い。6/4 飛行、トランプル、二段攻撃(攻撃時のみ)とか、単体で殴っただけでも 12 点。《剛力化/Titanic Growth》を使えば 20 点。何体かドラゴンを並べて《火のるつぼ/Crucible of Fire》を使えば、全員実質的に +6/+3 になる。7 マナはやや重いとはいえ、この色なら加速の方法はいろいろあるし、さして問題にならなさそう。これならスタンダードでも普通に活躍できるよね。このドラゴンの強さについては、公式ページでもさんざん宣伝されているくらい。ただ、これだけ強そうなのに、絵は何となく微妙な感じ。そこが神話レアではない所以なのか?

飛行、トランプル、二段攻撃なんていうクリーチャーとか、過去にいた記憶がないなあと思って調べてみたら《ドラゴンの暴君/Dragon Tyrant》というのがいた。さすがに歴史の長い MTG、際物でも 1 体くらいはいるというのがすごい。これは 6/6 という巨体をもち、《シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon》のように炎を吐けるものの、出すだけで 10 マナかかり、さらにアップキープコストが(赤)(赤)(赤)(赤)とかいう、普通に使うには難がありすぎるクリーチャーだった。そのため、使うには《猛火の群れ/Blazing Shoal》みたいな相棒が必要だったようだ。それに比べると、アタルカは 6/4 とタフネスが 2 減って二段攻撃が攻撃時だけになったものの、7 マナで出せて維持コストもペナルティもないとか、ずいぶんと強化されているよね。絵が微妙なのは仕方ないとして、とりあえず 4 枚集めておくしかないか。


見えざるものの熟達/Mastery of the Unseen

《魂の召喚/Soul Summons》と《トローキンの祝祭/Festival of Trokin》を合成したようなカード。1 つ目のライフを得る能力と、2 番目の予示能力が、噛みあってるようでちょっと足りてないという微妙さ。ただ、この足りてないところに別のパーツを嵌め合わせると、とてつもないコンボが生まれそうな気がする。《動員令/Mobilization》みたいなトークンを並べるカードと違って、トークンではないクリーチャーを並べられるところに、何かやばい雰囲気を感じるのよね。

とりあえず予示しまくれるし、表に向けるコストが安いカードとは相性が良いよね。その線でいけば、《霊魂の絆/Spirit Bonds》とか《不気味な腸卜師/Grim Haruspex 》とか《無情な切り裂き魔/Ruthless Ripper》とか思いつくけど、1 つ目のライフゲイン能力とは微妙にかみあってない。一方《休息地の見張り/Watcher of the Roost》と一緒に使えば、ライフをたくさん得られる。でも、そのあとどうするか。《空封じ/Skybind》も良さそうだけど、やはりライフゲインとはかみあわない。過去のカードを眺めてみても、何も思いつかなかった。1 つ目はオマケと思って、予示能力だけ使うのでもいいような気もしてきた。でも、きっと何かあると思う・・・それとも、今後に期待ということか?

MTG カード与太話: 運命再編より「始まりの木の管理人」「僧院の導師」

ドラゴン大量に出て嬉しい。


始まりの木の管理人/Warden of the First Tree

エルドラージ覚醒にいた、レベルアップするクリーチャーを思いだす。最初は 1/1 だけど、マナを投入していくごとに 3/3 になり、さらにトランプルや絆魂がつく、といった感じで強くなっていくところが似ている。ただ、うまく工夫すれば途中のレベルをすっとばせたり、戦闘中にいきなりレベルアップできるのは面白い。

例えば、《アメーバの変わり身/Amoeboid Changeling》を使えば、2番目や3番目の能力を使うことができる、よね。ただし、クリーチャータイプを得ただけでは何もおこらず、起動能力を使う必要があるところに開発の匙加減を感じる。能力を十二分に活用するには、出してから大切に育てていかないといけないので、いかに除去されずに守っていくかというところが課題になりそう。可能性は感じるものの、構築で能力を活用するのはちょっと難しいかもしれない。2 ターン目に殴れる 2 (+1) マナ 3/3 の人間と割り切って使えば、そこそこ行けそうな気はする。

どうでも良いけど、クリーチャータイプがかわったりパワーやタフネスが変更されたりするので、MTGO の実装がいろいろ面倒な感じがするよね・・・


僧院の導師/Monastery Mentor

クリーチャー以外の呪文が、全て果敢付き 1/1 トークンを出す呪文に化ける。これはかなり強いんじゃ? 数体並べると、圧倒的な制圧力を生みだせそう。沢山並べると、果敢の解決順序を考えるのが面倒そうだけど・・・。とまあ、カードの強さについてはあちこちで言われているようので、ここではこれくらいでパス。

神話レアにいる同僚の《魂火の大導師/Soulfire Grand Master》は、訳語は似てるけど、元はそれぞれ Mentor と Grand Master なので違っている。というか、意外にもこれまで Grand Master という名前のクリーチャーはいなかったらしい。Mentor のほうは、かなり昔から「導師」という訳語が当てられていて、今回もその伝統にならった模様。一方 Master のほうは「達人」と訳されたものが多いものの、「使い手」とか「主」とかカードの雰囲気や前後の単語にあわせて、いろいろな訳語があてられているようだ。

それで、Grand Master というとギルド長や騎士団長みたいな役職を想像するんだけど、たしかに「グランドマスター」とカタカナ表記する以外では、うまい訳語があんまり思いつかない。棟梁とか首領とかだと、ちょっとイメージが違うきもする。一方、チェスのグランドマスターという方向なら「名人」かなと思ったんだけど、名人という訳語は《縄抜け名人/Escape Artist》とか《時間の名人/Temporal Adept》で使われいて、微妙に弱い感じ(?)。大名人、くらいではどうだったかなあ・・・って、このカードと全然関係ない話になったね。

MTG カード与太話: 運命再編より「炎跡のフェニックス」「粗暴な軍族長」


炎跡のフェニックス/Flamewake Phoenix

フェニックスはいつも絵が美麗な割には活躍が微妙よね、という話をかいてたら、今度は何だか使えそうなフェニックスが出てきた。まさに「フェニックスは滅びぬ、何度でもよみがえるさ」の名言(?)の通り。今回は、蘇えるコストが(赤)とかなり安い上に、何のペナルティもなく墓地から直接戦場に戻れるときた。これはすごい。なにげに過去にいる 13 体のフェニックスのうち、ペナルティなく戦場に戻れるフェニックスは《カルドーサのフェニックス/Kuldotha Phoenix》しかいない。というか、サイズ、コスト、能力のどれをみても、このフェニックスは《カルドーサのフェニックス/Kuldotha Phoenix》をリメイクして小型化したという感じにみえる。

飛行、速攻はそのままに、コストとサイズは丁度半分で、金属術の代わりに獰猛になって、復活コストは 1/4 になった(正確には無色4マナから色マナ1マナになったんだけど)。ただし、復活コストを安くした代償なのか、攻撃を強制されてしまうペナルティがついた。とはいえ、復活コストが高くはないので、あんまりペナルティになってない気もする。コストが軽いので、序番から出して普通に殴っていけるし、ペナルティのせいで死んでしまっても、後半になると何度でもよみがえって毎ターン殴れる。なかなか良い感じ。うーん、今度こそは使えるんじゃないかなあ。スタンダードでは難しいにしても、ブロック構築でなら・・・。


粗暴な軍族長/Brutal Hordechief

珍道中でも書いたけど、オークの戦士はタルキールになってから異様に強化されている。そもそもサイズが 3/3 以上のオークの戦士は、タルキールになってから初めて出現した。オーク全体で見ても、タルキール以前には 3/3 以上のオークは伝説のクリーチャーである《死の守り手、セックァー/Sek’Kuar, Deathkeeper》しかおらず、それ以外では一番大きなものでも《居座りオーク/Orcish Squatters》の 2/3 だった。タルキールでは普通に 4/4 以上のオークがいて、これらに比べるとずいぶんと強化されたというイメージ。

そして、オークといえば赤のクリーチャーだったのに、なぜかタルキールでは純粋に赤いオークは《マルドゥの戦叫び/Mardu Warshrieker》だけで、あとのオークはすべて黒入りになっている。さらに、これまで神話レアなオークなんていなかったのに、タルキールになってから《兜砕きのズルゴ/Zurgo Helmsmasher》に続いて 2 枚目の神話レアなオークの戦士が出た。オークの運命にも(このネタはもうやめよう・・・)。

さすがに神話レアだけあって、カードとしてはなかなか強力な感じがする。攻撃クリーチャーの数だけライフを奪えるという能力は新しい。攻撃するだけで(攻撃が通らなくても)ライフを奪えるので、いくらかトークン並べて適当に攻撃するだけでも十分致命傷になる。しかも2番目の能力まで使えば攻撃はほぼ素通り状態になるわけだし、小さいクリーチャーでも3,4体並べて殴れたら勝てるよね。相手のクリーチャーに防御を強制するだけなく、防御の仕方を選べてしまうというのはすごい。この能力は《手練れの戦術/Master Warcraft》をまさにそのまま内蔵したという感じ。繰り返し使えるようになったせいか、起動コストは1マナ増えてはいるものの、2回は使わなくても勝てるよねこれ。とりあえずリミテッドでは圧倒的(手に入れば、だけど・・・)。構築でも、少なくともブロック構築くらいなら使えるんじゃなかろうか。