MTG カード与太話: 運命再編より「大いなる狩りの巫師」「沈黙の大嵐、シュー・ユン」


大いなる狩りの巫師/Shaman of the Great Hunt

これまでずっと Shaman は「シャーマン」と普通にカタカナ表記されてたのに、突如「巫師(ふし)」と訳されるようになった。「みし」ではないし、もちろん「むしし」でもない・・・。一時的なものかと思いきや、「巫師」になったのはこのカードだけではなく、《巫師の天啓/Shamanic Revelation》とか《ティムールの戦巫師/Temur War Shaman》もある。ということで、今後はシャーマンは「巫師」で決定らしい(?)。シャーマンの運命にも、何か再編があったのだろうか。

ちなみに「巫師」は「巫女(みこ)」の男版というわけではない。男版は「巫覡(ふげき)」という別の単語が(ものすごく昔から)存在している。多分だけど、男女の区別のない「巫女」に相当する言葉を作った、という感じぽい。何げに MTG には「祈祷師」というカードはないので、祈祷師でよかったような気もする。なのに、なぜに造語のようなものを当てることにしたのだろう。いつか機会があれば、翻訳担当の人に聞いてみたい・・・聞きたいことは他にも沢山あるし(風番いとか)。

さらにどうでも良いけど、シャーマンなのに絵では斧を持っている。これだと、どう見ても戦士だよね。過去にいた3体のオークなシャーマンは、どれもちゃんと杖を持っているのに(《マルドゥの戦叫び/Mardu Warshrieker》はちょっと微妙な杖だけど)。杖すらもつのをやめてしまったシャーマンとか、いったい何があったんだろう。神話レアだし、とてもレアな(斧を持ってる)シャーマンということなんだろうか。いろいろな意味で、興味がつきないカード。


沈黙の大嵐、シュー・ユン/Shu Yun, the Silent Tempest

Tempest というと日本語では「嵐」っぽい感じもするけど、「大騒ぎ」的な意味もあるので、名前的にはなかなかに矛盾しているモンク。当然、わざとだよね。クリーチャーでない呪文を唱えると、なぜか騒ぎを始めるらしい。ちなみに Tempest という単語は、クリーチャーでは「嵐」と訳され、そうでないカードは「大嵐」と訳されてきたのに、なぜかこのクリーチャーは「大嵐」と訳された。どうもモンクにまで再編が(略)。

とりあえず、果敢で自身を強化して 4/3 になりつつ、色マナ2つ追加すればさらに二段攻撃が追加される。普通にそれで殴りにこられたら、なかなかに痛い。ただ、この二番目の能力はコストパフォーマンス的にはどうなんだろうか。タップなしで二段攻撃を付けられるのは良いにしても、クリーチャーでない呪文を唱えた時しか使えないという条件はやや厳しい気がする。果敢付きで考えても、コストが 2 マナの《武装/Armed》とほぼ同じ能力だし、ちょっとコストが高めじゃなかろうか。全員が二段攻撃とかなら良かったのに・・・まあそれだと強すぎか。何にせよリミテッドなら十分な性能だし、活躍の場はそのあたりということかな。

MTG カード与太話: 運命再編より「開拓地の包囲」「永遠のドロモカ」


開拓地の包囲/Frontier Siege

このメカニズム、カンか龍のどちらを選んだか分かるマーカー、みたいなものが必要だよねきっと。MO とか ipad 用アプリだったら、多分選んだ側のメカニズム以外のテキストが消える、みたいな表示になるのではないかと推測中。選択肢にわざわざ名前を付けたのは、雰囲気という以外にも「カンを選んだカード」を参照するカードとか出すつもりなんではないかと思ったんだけど、どうだろう。

どうでもいいけど、絵で火を吐いてるのは、下のドロモカ君よね。というか、緑白でも火吐けるんだ、みたいな。下にいるベイロスだかビーストっぽいのは、現時点では何かは分からなかった。タルキールのカードの《長毛ロクソドン/Woolly Loxodon》に似てる気もするけど、設定的に多分違うよね。まあ、このあと出てくるに違いない。ちなみに、赤の《前哨地の包囲/Outpost Siege》にいる龍はコラガン君になってて、ちゃんとイラストコンボ(?)になっているのが美しい。これでいて、絵師は全員違う人だったりするし。今後、白と黒にも「包囲」なカードが出るとしたら、それらもイラストコンボになってることは、確定的に明か。。(後日談: 実はドロモカ君じゃなくて緑のドラゴンだったね・・・コラガン君もめっちゃ似てるけど違うし)。


永遠のドロモカ/Dromoka, the Eternal

最近では貴重になった、白緑のドラゴン。白いドラゴンといえば、今ではまったく見かけないけど、ずっと昔には《老いたるランド・ワーム/Elder Land Wurm》とか《真珠のドラゴン/Pearl Dragon 》みたいに、基本セットにもいたくらいだった。緑のドラゴンも《梢のドラゴン/Canopy Dragon》とか《昇る星、珠眼/Jugan, the Rising Star 》とか、数は少ないながらも昔は生息していた。白や緑のドラゴンは、多色もふくめて神河物語くらいまではちょこちょこいたのに、その頃を境にほとんどいなくなってしまった。その後は、わずかに色の役割の入れ替えがテーマだった「次元の混乱」に《収穫するものテネブ/Teneb, the Harvester》がいたくらい。もはやドラゴンは赤にしか登場しなくなったのかと思ってたのに、ここにきていきなり復活した。どうやら、ドラゴンの運命も再編されたらしい。

カード的にはコラガン先生と対になってるようなデザインで、攻撃するたびに単体のクリーチャーに +1/+1 カウンターを二個置ける。ひとりで攻撃しても、自分が 7/7 飛行になれるってことだし、なかなかすごい。ドラゴン数体で攻撃すれば、圧倒的なサイズのドラゴン軍団が完成するという、なかなかに夢の広がるカード。ただし前述の通り、今のところスタンダードには、この色を持つドラゴンがいないことが問題か・・・きっと、今後出てくるということよね? とりあえず、ドラゴン収集家としては捕獲しておかねばならない。

後日談: 実際、ドラゴンたくさんでてきた。まあ、ドラゴンはテーマの一つってことだからいくらかは出てくるとは思ってたけど、それにしても各色に出現した上に、コモンなドラゴンまで出てくるとは。

MTG カード与太話: 運命再編より「炎駆の乗り手」「ジェスカイの浸透者」


炎駆の乗り手/Flamerush Rider

攻撃すると、他の攻撃クリーチャーの分身を出現させる戦士。絵的に推測すると、炎の化身みたいな形のコピーを出すらしい。ただし、ひとりで攻撃しても何も出ない。他人だけ攻撃させるのでもダメで、自分も攻撃しないといけない。3/3 ではあるものの、このコストで出せる頃には相手にもブロッカーがいて、何度も使うというのは難しそう。ならば、巨大クリーチャーを出してから殴りたいところだけど、構築ではそんなにちんたらやってる暇はない。

と、いったところを見こして、開発が疾駆を付けてきたという感じ。まあ、デザインの順番は反対かもしれないけどね。つまり、先に疾駆ありきで後からトラフト君みたいな能力を付けた、みたいな。ただ、疾駆だとあくまでソーサリーぽい使い方になるから、攻撃してからコピーを出して大勝利、みたいなことはできない。そのへんは、微妙なバランス調整の結果という気はする。

ちなみに、攻撃中のクリーチャーの(攻撃している状態の)コピーを出せるカードとしては、忍術を持っている《逆嶋の学徒/Sakashima’s Student》がある。攻撃状態のクリーチャーを出すには、戦場に2体の攻撃中クリーチャーが必要という点で、この乗り手と同じデザインになっているのがちょっと面白い。学徒の「忍術」のコストが乗り手の「疾駆」より2マナ低くなってるのは、ブロックされなかったときしか使えないせいだよね。でも、こちらは攻撃が通ってからコピーを出せるし、コピー自体も戦場に残る。その点では、学徒のほうが優れている・・・なかなか微妙。果たして、どのくらい活躍できるのだろうか。


ジェスカイの浸透者/Jeskai Infiltrator

予示関連のカードは、括弧の中のテキストが長い上に、他にもいろいろな機能がついててやたら長くて、老眼プレーヤーを抹殺しようという気が満ちているよね。しかも、何だか今までなかったような怪しい機能が付いてたりして、一度読んだだけではよく分からないとか、老害プレーヤーを(以下略)。

単独で攻撃するとブロックされず、攻撃があたると何故か自身は 2/2 のバニラになった上に、謎の仲間をどこからか連れてくるという謎のモンク。しかも、相手にはどっちが本体だったかわからなくなるという。2回目にこれが攻撃するときに、コストを払えば表に向けられるけど、そのとき同僚がいるとブロックされない能力がなくなる。でも 2/3 なので、表を向けば微妙にコンバットトリック気味には使える、という微妙さ。とはいえ、占術なんかでライブラリーのトップをいじってから出せば、裏がただの土地でも相手にはブラフが効きそう。かなりおもしろい。何か使い方を考えたいところ。もしかして、《煙の語り部/Smoke Teller》や《鮮明のレンズ/Lens of Clarity 》の出番ですかね。

ちなみに、相手の面前で不正がないと分かるように、目の前で2枚のカードをシャッフルするってどうするんだろう。紙で長年プレイしてないせいで、スマートな方法がすぐ思いつかない。MO では勝手に処理してくれるから多分大丈夫だろうけど・・・。あと、自分で束をシャッフルしたあとに、相手がその束を切りなおす行為に意味がない、という点でも面白い。そんなカード他にあったっけ。