まさかの時のボードゲーム: Android Netrunner (6) プレイ例の解説 -ターン2-

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ターン2: ランナー (イベントカードの使用、カードのインストール、R&Dへのラン)

ランナーにはドローフェイズがないので、いきなりアクションフェイズを実行する。ドローフェイズがない代わりなのかランナーは 4 クリック持っていて、コーポレーションよりも 1 クリック多く使用できる。

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1クリック目は「イベント」カードの 《改良済み/Modded》を使用することにした。このカードのコストは 0 なので、1クリック消費するだけでカードをプレイすることができる。このカードを使うと「プログラム」か「ハードウェア」のカード1枚を、コストを 3 減らしてインストールすることができる。これらのカードをインストールするときは通常はクリックを消費するけど、このカードを使ったときは、追加でクリックを消費することなくインストールできる。

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使用したイベントカードの効果を利用して、プログラムであるアイスブレイカーの《バタリング・ラム/Battering Ram》を、インストールすることにした。通常はインストールのために 1 クレジットをコストとして支払う必要があるが、イベントカードの効果を使用してインストールするので、クリックを消費する必要がない。また、イベントカードの効果によって、インストールコストは 5 クレジットから 3 クレジットに減る。

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これに加えて、ID カードの効果「各ターンの最初にインストールするプログラムかハードゥエアのコストを1減らす」によって、インストールに必要なクレジットは 1 に減少した。こうして、最終的に 1 クレジットだけ払うことで 《バタリング・ラム/Battering Ram》 をインストールできた。インストールしたカードは、自分の場(リグ)に並べておく。

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2クリック目は、イベントカードの 《ディーゼル/Diesel》 を使用して、カードを 3 枚引いた。このカードは、1 クリックを使用しての手札の補充に比べると、ずっと効率がいい。

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3クリック目は「リソース」カードの《アーミテージ式コード破壊/Armitage Codebusting》を 1 クリック支払ってインストールした。インストールしたときに、12 クレジットをこのカードの上に置く。そして、以後は1クリック支払うたびに、このカードの上にある 2 クレジットを得ることができる。

このクレジットを得る能力は、1ターンに使える回数に上限はないので、たとえば 4 クリック消費すれば 8 クレジット得ることもできる。ただし、カードから全部のクレジットが無くなったら、カードをすぐに捨札(ヒープ)に置く。このカードはつまるところ、回数制限がある 1 クリックを 2 クレジットに変換できるカードということだ。

そして、最後の 4 クレジット目は、R&D サーバにランするために使うことにした。

R&D へのラン

以前の記事では、遠隔サーバへのランしか説明しなかったけど、R&D (山札) もサーバのひとつなので、ランナーは R&D に対してランすることができる。R&D へのアクセスに成功した場合、山札の一番上から 1 枚カードを見て、それが「計画書」なら盗むことができる。また、トラッシュコストのあるカードならトラッシュする(捨札にする)ことができる。ただし、山札(R&D) の一番上のカードが何であるかは、コーポレーション側ですら(大抵の場合は)分からないので、何がめくれるかは運次第ということになる。

ちなみに、ジンテキの初期デッキの枚数は 49 枚で「計画書」は 9 枚含まれている。だから、R&D にアクセスできれば、おおむね 1/5 の確率で「計画書」を獲得できる。トラッシュコストのあるカード(「資材」、「強化」)も 18 枚あるので、2/5 くらいの確率でアクセスしたカードを捨札にすることができる。

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ランの開始

ともかく、ランナーは最後のクリックを消費して、R&D へのランを宣言した。R&D にはアイスがあるので、まずはこのアイスについて「遭遇」の処理を行なう。今、このアイスは裏向きになっているので、コーポレーション側が表向きにする(レゾする)操作をしなければ、アイスを突破することができる。

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ここで、コーポレーションはアイスをレゾすることにしたようだ。4 クレジット払って、アイスを表向き(レゾ状態)にしてきた。この《ニューラル・カタナ/Neural Katana》というアイスは「セントリー」という種類のアイスで、強度は 3 であり、「3 ネットダメージを与える」というサブルーチンを持っている。

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これに対して、ランナー側はセントリータイプに対応したアイスブレイカーを場に出していない。そのため、サブルーチンが自動的に実行されてランナーは 3 ネットダメージを受け、手札を 3 枚ランダムに捨てなければならない。

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もし手札が 2 枚以下しかなければ、この時点でランナーは「フラットライン」となり敗北してしまう。先に 《ディーゼル/Diesel》を使って手札を 5 枚にしたので、フラットラインにはならずに済んだものの、序盤に 3 枚捨てさせられるのはなかなか痛い。

ただし、手札は捨てさせられた一方でラン自体は終了させられなかったため、ランナーはこのアイスを通過して R&D にアクセスすることに成功した。

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コーポレーションの山札の一番上のカードを見ると(カードの表はコーポレーションには見せない!)、残念ながら「計画書」のカードではなく、アイスのカードだった。しかも、アイスのカードにはトラッシュコストがないので、捨札にすることもできない。仕方なくランナーはカードを R&D の上に裏向きで戻した。今回のランでは、3 枚ものカードを捨てさせられたにも関らず、たいした収穫は得られなかった。とはいえ、R&D に付けられているアイスがレゾされたため、次にランするときはアイスへの対策をしてから挑むことができる。

こうしてこのゲームの最初のランは終了し、クリックも消費し尽くしたので、ランナーのアクションフェイズも終わりとなった。

ディスカードフェイズでは、手札が 1 枚しかないので特に何もすることがなく、ランナーのターンは終了した。


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