MTG カード与太話: 戦乱のゼンディカーより「虚空の選別者」「ムラーサの緑守り」


虚空の選別者/Void Winnower

《光り葉の選別者/Gilt-Leaf Winnower》はタフネスとパワーが違う存在を嫌っていたけど、こちらは偶数が大嫌いな選別者らしい。《光り葉の選別者/Gilt-Leaf Winnower》は自分自身のパワーとタフネスが異っていたのに対して、こちらはコスト(9)もカード番号(17)も登場年(2015)も含め、自身に関する数字はひとつも偶数ではないという徹底ぶり。これは高く評価されるべき。ただ、こちらは《光り葉の選別者/Gilt-Leaf Winnower》に破壊されてしまうのに対して、《光り葉の選別者/Gilt-Leaf Winnower》を唱えることを禁じられないのはご愛嬌・・・

ちなみに「偶数」というテキストを持つカードは過去に《アシュリングの特権/Ashling’s Prerogative》と《Chaos Lord》と《Chaos Moon》の 3 枚が存在している。そのうち《Chaos Lord》と《Chaos Moon》はIce Age の時代のカードなので、「偶数」の歴史はそれほど浅くはない。一方で「奇数」のほうは 2 枚しかなく、いずれのカードも「偶数」というテキストも含んでいるため、「奇数」が単体(?)でテキストに書かれているカードというのは無いようだ。そしてこのカードの登場によって「偶数」は 4 枚、奇数は 2 枚となった。奇数はますます貴重なものとなったらしい。


ムラーサの緑守り/Greenwarden of Murasa

墓地のカードを手札に戻せるクリーチャーは沢山いるけど、「任意の」カードを戻せる能力をもつものは数少ない。過去のカードとしては《納骨蔵のワーム/Charnelhoard Wurm》《棲み家の防御者/Den Protector》《永遠の証人/Eternal Witness》《ニクスの織り手/Nyx Weaver》くらいらしい。特に、単体で 2 枚以上のカードを戻せるとなると、このカード以外では《納骨蔵のワーム/Charnelhoard Wurm》しかいないようだ。しかも、ワームが戦闘ダメージを与えないと戻せないのに対して、このカードは戦場に出たときと死亡した時に戻せるので確実性が高い。こうして見ると、なかなかレアなカードだということは分かる。

とはいえ、6 マナというのはどうだろう。墓地回収だけに使うにはもったいない。でも 5/4 で 6 マナじゃ重すぎる。この 5/4 という本体サイズと墓地回収の能力が、微妙に噛み合ってない感じがするところに難しさがありそう。ちまたでは《書かれざるものの視認/See the Unwritten》とかいう意見もあるようだけど、これらのコンボだけでは決定力に欠ける気がする。ゼンディカーなんだし、視認を改良した《召喚の罠/Summoning Trap》mk2 みたいなカードが出て、何かすごいことが起こるという予言だと信じたいところ。