まさかの時のボードゲーム: Android Netrunner (9) プレイ例の解説 -ターン6-

ランナーのターン: 6

このターン、ランナーは R&D に対して再びランすることを目論んでいる。前のターンである程度の手札とクレジットは得たものの多少の準備不足を感じていたので、ランナーは最初の 1 クリックで手札を引き、手札を 4 枚とした。

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次に 1 クリック消費して、《Armitage Codebusting》 から 2 クレジットを得た。

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そして、次の 1 クリックでイベントカードの《Tinkering》を使用した。このカードは、アイスのカードを一枚対象とし、このターン限定で対象としたアイスのタイプを本来のタイプにに加えて Barrier、Code Gate、Sentry のタイプにする、というカードである。アイスのタイプを増やすだけで、一見何ら有益な効果がないようにも思えるが、このカードをうまく使うことで、本来は突破できないアイスを突破することができる。

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今回は、このカードの対象として、R&D サーバに付けられている《Neural Katana》を指定した。このアイスは Sentry のタイプを持つが、《Tinkering》の効果によって Barrier と Code Gate のタイプも持つこととなった。

このカードを使わなけえば、ランナー側のリグにあるアイスブレイカー《Battering Ram》では Sentry タイプである 《Neural Katana》 のサブルーチンはブレイクできない。しかし 《Tinkering》 を使ったことでBarrier のタイプも得たため、《Battering Ram》 のサブルーチンもブレイクできるようになったわけだ。

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準備が整ったところで、ランナーは満を持して 1 クリックと 2 クレジット使用して、イベントカードの 《The Maker’s Eye》 を使用した。このカードは「R&D に対してランを行なう。もしランが成功したときは、R&D に対して追加で2枚のカードにアクセスする。」という効果をもつ。このカードの効果によって、ランナーは追加のクリックを消費することなく R&D に対して「ラン」を実行することとなった。

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R&D へのラン(2回目)

ランナーは、まず R&D に付けられている(「ルートにある」という)アイスの《Neural Katana》 に遭遇することになる。このアイスは、先のイベントカードの使用で Barrier のタイプを得ている。そしてアイスの強度は 3 であり、アイスブレイカーの 《Battering Ram》 の強度の 3 以下なので、アイスブレイカーの1番目の能力「2クレジットを支払い、Barrier タイプのサブルーチン 2 つをブレイクする」を使用することで、アイスのサブルーチンをブレイクすることができた。こうして、アイスのサブルーチンは沈黙したまま実行されず、ランナーはまんまと R&D にアクセスすることに成功した。

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ランに成功したことから、ランナーは先に使用した《The Maker’s Eye》の効果によって、R&D の上から 3 枚のカードに対してアクセスができる。複数枚のカードにアクセスするときは、一枚ずつアクセスの処理を行なっていく。

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最初に R&D からめくったカードは、なんと計画書の《優先請求/Priority Requisition》だった。即座にこれを奪って、3 ポイントを獲得した。ただし、コーポレーションの ID カード《ジンテキ: 個人改革/Jinteki: Personal Evolution》の効果「計画書を得点にするか、奪われたとき、ランナーに 1 ネットダメージを与える」により、ランナーは手札を 1 枚ランダムに失った。

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次に R&D からめくったカードは、資材カードの《ジューンバグ計画/Project Junebug》 だった。このカードは「ランナーがこのカードにアクセスしたとき、1 クレジット払うことで、ランナーにこのカードの上にあるアドバンストークンの数 x 2 のネットダメージを与える。」という効果をもっている。ただし、今はこのカードの上にアドバンストークンは置かれていない。そのため、運よく(相手にとっては運悪く)コーポレーションはコストを払ってもランナーにダメージを与えることができない。一方でランナーはこのカードをトラッシュコストを払ってアーカイブ(捨札の束)に捨てさせることができる。このカードのトラッシュコストは 0 であり、ランナーはコストを払うことなくこのカードを捨札にした。

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最後の 1 枚は、アイスの《エニグマ/Enigma》だった。このカードはランナーに何も影響を与えないけど、トラッシュコストもないので捨札にすることもできない。ランナーは、裏向きのままこのカードを R&D の上に戻し、今回のランを終えた。

こうしてランナーのターンは終了した。このターンではランナーの作戦が成功し、首尾よく 3 ポイント獲得することができた。


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