まさかの時のボードゲーム: Android Netrunner (12) プレイ例の解説 -ターン13〜17-

かなりゲームが進んだので、現状の盤面の状態を示しておこう。

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こちらはコーポレーション側の状況である。R&D と HQ には 1 枚ずつアイスがあり、それぞれレゾされている。アーカイブにはアイスがない。遠隔サーバがひとつあるが、サーバ自体にはカードがインストールされておらず、アイスが 3 つインストールされている。計画書カード 1 枚が得点されており、得点は 2 ポイントである。コーポレーションの手元には 5 クレジットあり、手札は 2 枚である。

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対するランナー側のリグ(場)には、アイスブレイカーが 2 枚と、ハードウェア 1 枚がインストールされている。計画書カード 1 枚を盗んで得点しており、現時点で 3 ポイント獲得している。手元には 2 クレジットと手札 3 枚がある。

この状態で、コーポレーションのターンが始まる。

ターン13: コーポレーション

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最初の 1 クリックでクレジットを補充し、次の 1 クリックで空白となっていた遠隔サーバに、新たなカードをインストールしてきた。

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3 クリック目では、すでに存在している遠隔サーバとは異なる、さらに別の遠隔サーバにカードをインストールした。ややこしいので、左の遠隔サーバを遠隔サーバ 1、右を 2 と呼ぶことにする。

コーポレーションはクリックが尽きたので、遠隔サーバ 2 にはアイスをインストールせずに終了した。ということは、ランナーが遠隔サーバ 2 にランをすれば、苦もなくサーバのカードにアクセスできるということだ。コーポレーションにもそれは分かっているはずなので、アイスをインストールしないままにしたということは、アクセスされても困らないカード(つまり資材カードか強化カード)の可能性が高い。罠の資材カードをインストールし、無防備にしておくことでランを誘っているのかもしれない・・・と警戒させておいて、実は計画書をインストールした可能性もある。

コーポレーションは、また新たな謎を提示してターンを終了した。

ターン14: ランナー

ランナーはコーポレーションの誘いには乗らず、このターンは自陣を固めることにした。

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1 クリック目で手札を引き、2クリック目で《アーミテージ式コード破壊/Armitage Codebusting》を再びインストールした。そして、3クリック目で《アーミテージ式コード破壊/Armitage Codebusting》からクレジットを 2 つ得た。

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4 つ目のクリックで 《アカマツ・メモリーチップ/Akamatsu Mem Chip》という「ハードウェア」カードをインストールした。ID カードの効果によって、ハードウェアをインストールするコストも 1 減るので、このカードはコスト 0 でインストールできる。

このカードは、メモリーユニットを 1 増やす効果がある。「メモリーユニット」は「プログラム」をインストールするときに参照される値で、場に出せるプログラムのカードのメモリーコストの合計値が、ランナーの持つ「メモリーユニット」の値を越えることができない。ランナーの最初のメモリーユニット値は 4 で、場に出ている「プログラム」のカードの《クリプシス/Crypsis》 のメモリーコストは 1 で、《バタリング・ラム/Battering Ram》 のコストは 2 であるので、合計のメモリーコストは 3 である。ランナーのメモリーユニットの値は 4 なので、メモリコストが 1 のプログラムはインストールできる余裕がある。

anr12_1_memory ← メモリーコスト 1 を表すマーク

しかし、メモリーコスト 2 以上のカードをインストールしようとすると、メモリーコストがメモリーユニットの値を越えてしまうため、インストールできない。このようなとき、《アカマツ・メモリーチップ/Akamatsu Mem Chip》 のようなカードをインストールすることで、ランナーのメモリーユニットを増加させ、メモリーコストが 2 以上のプログラムもインストールできるようにできる。

ターン15: コーポレーション

コーポレーションは自分のターンを始めた直後に、遠隔サーバ 2 にインストールしたカードを 2 クレジット使ってレゾした。

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レゾされたカードは《PADキャンペーン/PAD Campaign》という資材カードだった。これは、コーポレーションがターンの開始時に 1 クレジットを得る能力を持っている。ランナーがアクセスしてもダメージを与えるような能力はもっていない。しかし、ランナーはこのカードをトラッシュするためには、ランのために 1 クリック消費した上に、さらにトラッシュコストの 4 クレジットを消費する必要がある。

このカードの、無条件で毎ターン 1 クレジット得られる能力はささやかなものだけど、繰り返し長い間使用すると効果は馬鹿にならない。とはいえ、ランナーとしては 4 クレジットと 1 クリック消費してトラッシュするだけの価値があるかというと、難しいところである。コーポレーションとしては、このカードがたとえトラッシュされても、ランナーに相応のコストを支払わせるのであれば十分だと考えて、アイスをインストールしない状態でカードをインストールしたわけだ。

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さて、このターンはコーポレーションは 1 クリック目で手札を引き、2 クレジット目で任務カードの《ヘッジファンド/Hedge Fund》を使って、実質的に 4 クレジットを得た。

最後のクリックで、さらにクレジットを得て手持ちのクレジットを 10 まで増やし、ターンを終了した。

ターン16: ランナー

ここからしばらくは、双方の陣営とも自陣の備えに注力することとなるので、重要な部分のみポイントを絞って説明する。

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1クリック目は、《ディーゼル/Diesel》 を使ってカードを 3 枚引いた。

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次に、プログラムである《ネット・シールド/Net Shield》というカードをインストールした。このカードは、ランナーがあるターンに受けるネットダメージを 1 点だけ軽減する(妨害する)能力をもっている。このカードは、プログラムではあるけどアイスブレイカーではない。能動的にサブルーチンを突破する能力はもっていないが、ダメージを与えてくるサブルーチンから受けるダメージを妨害することで、実質的にサブルーチンを突破したのと同じ効果を得ることができる。

残り 2 クリックは、《アーミテージ式コード破壊/Armitage Codebusting》 から 4 クレジットを得るために使用した。

ターン17: コーポレーション

まず、ターンの開始時に《PADキャンペーン/PAD Campaign》から1クレジットを得た。

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ドローフェイズで1枚引いたあと、1クリックを消費して手札を引いた。次の 2 クリック目、さらに新しい遠隔サーバ 3 にカードをインストールした。

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そして、最後の 1 クリックで遠隔サーバ 1 に 4 つめのアイスをインストールした。これで、遠隔サーバ 1 のカードにアクセスすることは、なかなか容易なことではなくなった。


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